2024/09/03 のログ
■焔誼輝夜 >
「うんっ、よかったー!」
美味しい優しい嬉しいの、三重のよかったなのでした。
「ほにゅ、うんっ、つたえるー。
でもなんでー?」
やっぱり不思議そうな顔です。
綺麗なお姉さんが目を丸くすると、また『おおー』って声が出ました。
とっても綺麗なおめめでした。
「ほにゃあ。
ひょーかちゃんのめ、がらすだまみたい~!」
綺麗なお姉さんは素敵なのです。
だって、お子様は『りっぱなれでぃー』になるのが目標なのですから。
ついつい、眩しく感じてしまいそうな純粋無垢な憧れの視線を向けてしまいます。
「ふっふっふー!
かぐやはねー、あついのにはムテキなんだよっ」
そう言って、自慢するように胸を張りました。
確かに言われてみれば、お子様は汗一つかいた様子はありませんね。
そしていつの間にか、お姉さんが調節している気温より、少し涼しくなっているかもしれません
とはいえ、ほんの少しくらいの事ですが。
「それにねそれにね、このまえはねー、こーんなおっきなクマさんにともなかよくなったの!
だからとおくにいってもだいじょーぶ!」
どうやらお子様は巨大な熊が出るようなところにまで、遊びに行ってしまってるようでした。
見るからにエネルギーが有り余っていそうな様子ですね。
「ねえねえ、ひょーかちゃんはなにしてたの?
おやつのじかんなの?
これってなんておかしなの?」
そう言いながらぴょんぴょん、とキッチンカーの中をのぞき込もうとしています。
■雪城 氷架 >
「なんで…か……。
感謝を伝えたい…からかな…よくわかんないな。
…そっか。暑くないわけだ」
あの子の力を思い出す。
あの子の子供なら、色々と引き継いでいるのかも。
無邪気で純真無垢…綺麗な視線。
おっきなクマ…。
なんだろ、でっかいテディベアでももらったのかな。
比較的一般生徒思考寄りな氷架はそう脳が処理した。
「私は…学校から家に帰るところ。
…の途中で買い食い…かな。これ?クレープっていうお菓子だよ」
普通のクレープよりも大分メガギガしているけど……。
■焔誼輝夜 >
「ひょーかちゃんもよくわかんないの?」
そしたらお子様にももちろんわからないのです。
首を傾げて、綺麗で優しいお姉さんをじっと見るばかり。
「がっこー?
がっこーってなぁに?
がっこーでひょーかちゃんはなにするの?」
そのまま不思議そうにそんな質問と。
「くれーぷ?
くれーぷってみんな、あまくておいしーの?
かぐやもくれーぷたべられる?」
続けざまにそんな質問をどんどんしちゃいます。
お子様のなんでどうして攻撃が始まっちゃう気配。
■雪城 氷架 >
困った。
子供に何かを教えるなんてこと、したことがないし。
難しい質問ではないけど、終わりが見えない気もするし。
「学校っていうのは…勉強したり、色々習うところ。
かぐやちゃんも、そのうち通うことになる…のかな…」
どういう教育方針なのか、わからないところもあるけれど。
「クレープは色んな味があるよ、甘いのが多いけど。ほら」
キッチンカーのメニュー表を指さして。
店主もなんだか可愛らしいやりとりだなあなんて視線でにこにこしてる。
「食べれるけど、売り物だからお金で買わないといけないかな。
今度お母さんに買ってもらうといいよ」
もしかしてお金を持っているかもしれないけど。
無駄遣いをさせてしまうわけにもいかないし……。
■焔誼輝夜 >
「おべんきょー!
ひょーかちゃんはどんなおべんきょーしてるの?
かぐやはねー、かぐやってかけるよーになったよー!」
『えらい?えらい?』と、如何にも褒めてもらいたそうに言いますね。
そしてメニュー表を教えてもらうと、沢山あるのはわかったようですが、むむむ、と難しい顔をしちゃいます。
「ひょーかちゃんっ、これよめないー!
よんでっ、よんでっ!」
なんて我儘な甘えん坊っぷりを発揮しちゃいます。
「おかねはあるよ!
あのねあのね、ママがね、おこづかいくれるの!」
そう言って、ポケットから小型端末を出します。
電話やメッセージとプリペイド式の電子決済ができるだけの、学生手帳の子供向けモデルでした。
クレープを買えるだけのお小遣いが入っているかは謎ですが。
■雪城 氷架 >
「色々だよ。大変なんだ、学生って」
そう答えつつ、頭を撫でよう。えらいえらい。
「はぁ…しょうがないな……」
読んで読んでとせっつかれて、仕方無しにひとつずつ読み上げてあげる。
普段ならこんな面倒なことはしない性分なのに、不思議と特に嫌な気持ちもなく、接していた。
その変化というか、いつもと違う自分に気づくことも、その場ではなく。
「ん…だめ。
お小遣いを無駄遣いさせるわけにはいかないし…。
……じゃあ、一つ買ってあげるよ。どれが食べたい?」
読み方がわからないなら、指さして、と。
写真付きのメニューを指差して、促す。
■焔誼輝夜 >
「そっかーいろいろなのかー。
ひょーかちゃん、たいへんなのにえらーい!」
撫でて貰えると『にへっ』とすぐに表情が緩んじゃいます。
そして、お返しとばかりにお姉さんの頭も小さな手が撫でちゃうでしょう。
「ふんふん、なるほどぉ」
ちゃんとわかってるのかわかっていないのか、それでも読んでもらうたびに、律義に一生懸命頷いています。
でも、買ってあげる、と言われると驚いちゃいますね。
「ほにゃっ!?
いいの、ひょーかちゃん?
おかねって、とーってもだいじだよーってママがいってたよ?」
そうは言うものの、視線はお姉さんとメニューをいったりきたり。
とーっても真剣に葛藤しているようでしたが。
「えと、じゃあ、これ!」
そう言って、イチゴがたっぷりの写真を指差しました。
■雪城 氷架 >
自分よりも小さな子に頭を撫でられる。
……不思議と悪い気もしなかった。
表情が緩む様子を見れば、…子供ができるってこんな感じなのかな、とも思う。
関係的には、孫になるんだろうけど……不可思議。
「いいよ。私のほうがお姉さんだし。
お金が大事って聞いてるなら、自分のお小遣いのほうを大事にしな」
じゃあ、これで、と。
輝夜の指さしたストロベリークレープを注文する。
微笑ましい光景に店主もちょっぴり、いちごを増やして色を付けてくれる。
ホットプレートに円を描かれるクレープ生地の焼き方も見ていて楽しい。
ほどなくして手渡された、普通のサイズのクレープ。
「はい、落とすなよ」
差し出して、しっかりと少女が手で掴むまで手を放さないよう、気をつける
■焔誼輝夜 >
「おおーっ!
ひょーかちゃんは、おとなのれでぃーだ!
こーゆうのをえっと、ふとっぱらっていうんだよね!」
かっこよく注文してくれるお姉さんに、きらきらした憧れの視線が向けられちゃいます。
お子様の視線からではクレープつくりの様子は見えませんが、美味しそうな甘い匂いがいっぱいして幸せです。
そしてお姉さんにクレープを渡してもらえたら、もちろん。
「ほにゃぁ~」
感動で目がきらっきらしちゃいます。
お姉さんに言われた通りしっかり小さな両手で抱えて、大きく口を開けますが。
そこでちょっとだけ止まって。
「えへ、ひょーかちゃん、いっぱいありがとー!
それと、いただきまーす!」
そうお礼をしっかり言ってから、小さな口いっぱいにイチゴクレープを頬張って。
するともう、その場でじたじたと沢山足踏みしながら笑顔いっぱいに、全身で幸せを表現しています。
「――んぱぁ。
おいしぃ~!」
やっぱりほっぺに溢れたクリームをくっつけながら、満面の笑みを浮かべました。
■雪城 氷架 >
「──ああ、もう。またクリームついてるぞ」
………いい子だな。
素直にそう思う。
いずれ、自分に子供が出来た時もこんな風に育てられるのかな。
「───」
わからない。
まだ学生の身分だ。
もしかしたら、いざそういう立場になってみないと何もわからないのかも。
「美味しい?良かったな」
頭を撫でて、自分も自分のクレープを頬張る。
気づけば学生通りは茜色に彩られる、綺麗な夕焼けだ。
「(気づいたらそんな時間か)」
最近は母親と同じ、マンションの一室で生活している。
あまり帰りが遅いと、過保護って程でもないけど心配性な母親のことだ。無駄に心配する。
「食べ歩いたりして落とすなよ。向こうのベンチなんかで、座って食べな」
もう一度、その頭を撫でる。
サラサラとした黒髪が心地良い撫で心地…。
「───そろそろ帰るよ。母親が心配するかもだし」
■焔誼輝夜 >
「んむぅ――えへへ~ひょーかちゃんやさしー!」
素直な笑顔で屈託なく。
純真無垢なお子様ですが、好奇心と行動力が大きすぎるのが玉に疵かもしれませんが。
それもまた、お子様の特権なのかもしれません。
「うんっ、よかったぁ!」
撫でられながら、一緒に食べるクレープはもっともっと美味しいみたいです。
頭から手がすっと離れていくと、ちょっとだけ寂しそうにしちゃいますけれども。
「ほにゃ。
ママがしんぱい――かぐやもたべたらかえる!」
そう言いながら、お姉さんに示してもらったベンチを見て『はーい』と元気なお返事。
「ねえひょーかちゃん、またあそべる?
かぐや、ひょーかちゃんとおともだちになりたぁい!」
そう言いながら、期待の眼差しをきらきらと向けて。
お姉さんのお返事を聞いたら素直にベンチでクレープを食べて、お子様もまたちゃんとお家に帰る事でしょう。
大好きなママたちに、やさしいお姉さんとクレープを食べたと沢山自慢したくてたまらないのでした。
■雪城 氷架 >
「ともだち…」
自分には、あまりないもの。
「(友達、か……)」
まだ、自分達の関係を説明したところでよくわからないだろう。
彼女…この子の母親は、この子のことを自分に伝えていた。
もし会ったら……と。
「いいよ。友達になろう」
小さく微笑んで。
その小さい手をとるようにして、握手。
元気にお返事をして、ベンチへと向かう少女の背中に小さく手を振って──。
「またね」
──帰路へと、足を向ける。
その後も何度か振り返っては、視線があえば手を振って──。
妙に疲れた。けど。
妙に心温まる、奇妙な時間。
──、それでも心が妙に穏やかなおは、きっといい出会いだったということなんだろう。
あの子のこと、細やかな事情なんかはわからないけど、
確かな繋がりのようなものを感じて…その純真無垢さに少し、心も洗われた気がした。
大人の目線で子供が清らかに見えるのは、こういう感覚なのかもしれない。
そんなことを考えながら帰宅し、迎えてくれた母親になんとなく、今日は自分が家事をする…なんて、親孝行を試みてみる氷架だった。
ご案内:「学生通り」から焔誼輝夜さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から雪城 氷架さんが去りました。