2024/09/23 のログ
橘壱 >  
とりあえず座ろう、とベンチへと促した。
レディーファースト精神、彼女が座るまで座らない。
ペットボトルを開けて、液体を流し込む……前にちょっとズッコケた。

「???普通に女の子のがいいけど!?
 ……まぁ、可愛い男の子は嫌いじゃないけど、そうじゃなくてね!?
 大体、環菜ちゃんだって可愛いし魅力的だよ。体つきも好みだし……あ」

いかん、余計なことが口に出た。
は、と口元を片手で覆って首を振った。

「ゴ、ゴメン!今のは忘れて!
 い、勢いというかつい思ったことが……」

ノンデリタイプのコミュ障。
頑張って矯正中だがついつい出がち。

「そんなにいっぱいいるわけじゃないよ。
 寧ろ、先輩とか、お世話になってる人が多いかなぁ。
 ……そっか。えっと、いいたくないならそれでもいいんだけど……」

かちゃり、と眼鏡を上げてじ、と彼女を見やる。

「その、"肌の色"とかも……異能の影響?どういう異能なんだい?」

少なくとも幼い彼女の肌色は自分と同じだった。
それが今は血の気の悪い、亜人と変わらない姿。
ただ、この異能問題はデリケートな部分だ。
だからこそ、幾ら好いてくれている彼女でも無理に聞き出せはしない。
答えないならそれでもいい。じ、と碧の双眸は真っ直ぐ彼女を見据えている。

伊那美環菜 > 「そう!? …イイんだよ?
わかってるから。ちぃくんはやっぱりかわんないね。」

受け入れるように微笑み、
身を乗り出して、ペットボトルを抱きしめた胸元が強調される。
お互い、すぐに先には座らないだろう。

でも、かんなはわかっているから。
彼の服の裾を軽く引っ張りながら、先に座る。
隣に座って、と促すように。

「お世話になってるから、だよ。
昔も…先生のことみてるとき、あったもの。」

真実かどうかはともかく、そう環奈は感じたことがあったようで。
彼が頼りになる年上に少し弱いところがあると思っている。

「……えっと。うん、そ、異能。
異能のせいで、こんなになっちゃった…。普通の女の子だったのに、ね。
…やっぱり、変わっちゃったかんなじゃ、駄目かな。」

普通の女の子と、特別な男の子が。異能でかわってしまった。
それでも、見つめられる瞳に。
答えようと口を開けて、つぐんで。ひと時ためらう。何度も。

橘壱 >  
引っ張られるようにそのまま隣に座った。
こうやって女性に求められるのは初めてだ。
ちょっと落ち着かない。やっぱりそわそわしてしまう。

「僕の好みを!?そこまで話したっけ……話したような……」

もしかして彼女、思うよりも自分の事に詳しいのかもしれない。
困惑しながらも童貞オタク、性癖には正直。
実際そのたわわなお山二つは、思春期の男子の目に悪い。
視線が意識せずともそっちに視線が落ちてしまった。

「(デカ……悠薇先輩とか凛霞先輩よりもあるんじゃ……)」

ごくり。思わず生唾を呑み込んだ。
だが、少年には鋼の理性がある。
は、と正気に戻ればブンブン、と強く首を振った。
いけないいけない。幼馴染になんてこと考えるんだ。
重厚なトランクを足元に起き、自身のペットボトルを開いた。
ドロリとした甘い喉越しがやはり美味い。

「そ、そんなに?まぁ、その……年上に魅力を感じる事はあるけどね……」

「……?まさか。今時姿形なんて気にしてないよ。
 異能のせいで姿が変わったり、異邦人だっているんだよ。
 ちっちゃい頃の近所にもそういう子はいたし、今更だよ」

「どんな姿でも僕にとっては環菜ちゃんだよ。
 ……って、さっきまで忘れてた僕が言うのも、ヘンだけどね」

既に世界は変容し、その後に生まれた若い世代。
特に少年の根は善性に兆し、姿形、種族による偏見を持たない。
些事だ。それは、幼い頃から何一つ変わっていない。
そう、確かに変わったが、変わらない部分もある。
柔らかいはにかみ笑顔も、彼女を安心させるように頭に置かれた温かな手も、

何もかも、十年前と変わりはしない。

伊那美環菜 > 「えっ、あっ。ちがうよ。
うっかり口に出ちゃうとこ。変わらないよねぇ。」

口の端を上げて、懐かしむような笑みを見せる。
優秀でちょっと生意気で。自信たっぷりだったちぃくん。
環奈の思い出のイメージではあるけれど、思い出を刺激される。

「もちろん、好みなのはうれしいけれど――」

とても大きく成長した胸元が攻撃力抜群なことがうれしい。
ほんの少しだけ年の差ができてしまったけれど、十分にそう見てもらえている。

「――ありがとう。
そうだね、この学園だとかんなも当たり前のようにいられるし。」

前の場所でそうでなかった、というわけでもないけれど。

「異能はね、まだよくわかんないところもあるんだぁ。
だからあんまり詳しく説明はしきれないかも。」

はっきり突っ込んで聞かれないのなら。
もう少しだけ先延ばしにしてもいいよね、と思う。

橘壱 >  
言われるとそのへんは全然成長していない。
話せば話すほど懐かしさが湧き上がると同時に、
妙なズレを感じざるを得なかった。
橘壱は確かにコミュニケーションは不得手だ。
だが、妙に勘ばかりはいい。いい知れぬズレ
彼女の行為自体には違和感はないが、なんだろうか。

「(……年月の乖離、だよな……)」

今はそれで納得しよう。
うん、と小さく頷けば照れくさそうに頬を掻いた。

「この前も友人に指摘されたよ。
 思ったことを口に出すクセは直してるつもりなんだけどな……」

面目ないと思いつつも視線はついチラチラ見えてしまう。
彼女の好意にうっかり甘えている節がある。

「い、いや、別に大きさが全てじゃない、から。
 環菜ちゃんはそれは女性として魅力的だし、ね?」

何のフォローだ。
なんかとっさに言ったから変な事言ってる。
此れだからコミュ障童貞は……。

「此処は特にそうだね。色んな人がいるからね。
 ……そう、だね。僕も一応医学はとってるし、
 もし不便な異能とかだったら、相談乗るよ」

特に異能は、異能疾患と呼ばれる病に値する事がある。
そういったものの、制御をするために学園にくる人間は後を絶たない。
できれば彼女の異能は、そういうプラスに働くことを祈るばかりだ。
そう、だからこその深い話題。そういうなら、それを信じるまで。

「あ、そうだ。この後時間ある?
 いや、僕丁度非番で暇で、さ……。
 デ、デートってワケじゃない、けど。久しぶりにあったし……」

「環菜ちゃんの気が済むまで、一緒に遊びにどうかな、って……?」

伊那美環菜 > 「ふぅん…。」

癖を友人に、という言葉に意味深な相槌を。
さっきのいいぶりだと男友達は少なそうな気がする。誰に言われたんだろう…。

「いいよ、わかってるって。
さっきの好みを素直に受け取っておくね。」

くすりと笑ってフォローを受け入れる。
優しいしひとたらしだし、慌てるところもあんまり変わったようでもない。
コミュ障といえばそうだろうが、それでもこそちぃくんでもあって。

「…うん、頼りたいときは、お願いする。
頼りにしてる、から…。」

やさしいな、とかやっぱり医学もできるんだ、とか思いつつ。

「あっ…うん、時間ある、あるよ!
やった、どこ行く?カラオケでもホテルでも!ちぃくんの好きなとこでも!」

ベンチの上で乗りだすように体を寄せて。
チャンスを逃すまいと体を密着させる。

橘壱 >  
「……い、いや、友達だよ?」

あれ、なんか雰囲気変わった。
確かに女性ではあるけど、友人の線引はしてる。
確かに異性としては魅力的だけど、そこまで考えてないし……。
……それにしても彼女、こんなんだったのか。
幼いながら、背中にてこてこついてくる位に思ってたのに。
意外とこう、なんていうか。いい知れぬ"圧"を感じる。
どうどう、と両手を見せながら一応の弁明。
弁明いるのか?まだ恋人ともなってないのに。

「それは、まぁ、どうも。
 うん、頼りにしてほしいな。
 あの頃と同じで、環菜ちゃんの事必ず助けるから」

そう、約束だ。
他のと比べれば取るに足らないけど、
せめて彼女が頼ってくれるなら、全力で手を尽くす。
小さく頷いて微笑んでいたが、身を乗り出す彼女うわっ、と驚く。

「ホ、ホテ!?ま、まってまって!?それは急すぎるって!!
 せ、せめてカラオケとかいこ?か、環菜ちゃんの好きなとこでもいいから!!」

流石にいきなりホテルに行く度胸はない。
顔を真赤にしながら身振り手振りでブンブンと落ち着くように促しつつ
彼女の望むように今日一日は、互いの思い出話やすれ違いに花を咲かせる事になるのだろう。

まぁ、本当にホテルをいくことになったかは……定かではない。

ご案内:「学生通り」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から伊那美環菜さんが去りました。
ご案内:「学生通り 小さな公園」にフィスティアさんが現れました。
フィスティア > 「これで…全てでしょうか…」

昨日の夕方から今まで、いろいろと奔走していました。
不眠不休という訳でもないですが、今日の大半を手続きと職務につぎ込んだ分の疲労は蓄積しています。
肉体的疲労より、精神的なものが大きいです。

昼頃にオモイカネのメモ帳に書いたチェックリストを見ながら公園のベンチに座ります。
チェックリストに書いた分は全て終わったようです。

「私もまだまだ慣れが足りませんね…」

常世学園のシステムは洗練されています。
そんな環境でここまでてこずるだなんて、この世界に慣れていない証拠でしょう。
楽な姿勢で項垂れます。

フィスティア > 今日していたことは、昨日保護した2級生徒の子関連の手続きです。
二級学生ではなく正式な学生になる為、居住地を用意する、肉体的精神的な保護
ポジティブなものばかりではないですが、あの子がこの島で暮らす為に必要な手続きを済ませていました。

「お家とご飯を用意できて良かったです」

これからはあの子の方が忙しい思いをするでしょう。
ですが、暴力と罵倒のない場所へと連れて来る事は出来たようです。
それだけで一先ずは満足です。
そう思うと、この疲労も勲章です。
胸が透く思いです。

フィスティア > 「明日また様子を見に行きましょう」

しばらくは不安でしょうし、支えられれば良いです。

あの子に暴行を加えていた男性の身分も特定出来たようです。
学園の生徒だった上、目立った非行は殆どない普通の3年生でした。
もう少し詳細なことは調査中とのことでした。

あの子に暴行を加えていた事自体の立件は難しいかもしれないとも伝えられました。
落第街には監視カメラがある訳でもありませんし、被害者が二級学生であった事なども関係しているそうです。
ただ、頻繁に落第街に出入りしているのであれば他の罪状が出て来る可能性があるとも伝えられています。

「更生して欲しい、というのは我儘なのでしょうか…」

私としては彼にも更生を願いたいのですが、それは一方的な押し付けかもしれません。
表向きの非行はないとのことでしたし、あの子への暴行は彼なりのストレス解消の手段だったのかもしれません。
許される事では無いと思いますが、それを一方的に取り上げて終わりというのも無責任に感じます。
難しい話です。