2024/09/28 のログ
黒條 紬 >  
「えっ、息抜き! 付き合ってくれるんですかっ!」

小さな言葉。
それでも、それは紬には大きく響いたようであった。
先よりも大きく身を乗り出して、目をキラキラさせている!

「じゃあ、またぜひ色々お店に連れていってくださいねっ。
 本屋とか、映画館とか……あと馴染みのたこ焼き屋さん辺りは
 寄れる時に行くんですけど~……
 こういうおしゃれカフェとかさっぱりなのでっ!
 美味しいお店、期待してますっ」

そう口にして、オモイカネを手に取る。
連絡先交換しましょう、の合図だ。

「それじゃ、改めてよろしくお願いしますね……えーと――」

オモイカネをゆらゆら揺らしつつ、思案顔。

「――ジャッ君!」

変なあだ名がついた!

ジャスパー > 「うお、びっくりしたぁ」

いきなりの喰いつきに、ついつい背を逸らしてしまう
そこから展開される数々のプランに戸惑っているが…
先ほども言った通り、日々きっと頑張ってくれているのだ
暇な自分のおすすめの店を教えて一緒に行くぐらいどうってことない

(……ま、まあ?美人だと思ってるのは本当だし…
役得、ってやつ…だよな、うん)

「いいよ。紬ちゃんの方が忙しいだろうし、そっちから声かけてくれれば…」

デート、という言葉は考えないようにしつつ
頭の中で既にどこに行こうか考えてしまっている辺り、自分も期待をしている
そんなちょっとほわほわした頭でオモイカネを取り出すと…

「ぶ。……ジャ…って…。べ、べつにいーけど
あー…俺からは、紬ちゃん…のままでいいかな」

流石に書式?を合わせてつーちゃんなどと呼ぶ勇気はない
確認をする必要はないだろうが、一応確認しつつ…自分もオモイカネを出して連絡先を交換しよう
ちなみにプロフィール画像は良い笑顔のジャスパーである

黒條 紬 >  
「いやぁ、遊びに来るにしてもお決まりルートが多くって。
 ぜひ色々知ってる方にオススメしていただくのはありかと。
 開拓開拓~っ」

つい最近、そんな状態で通りの案内などもしてしまったのだが。
まだまだ知らない、入ったことのないお店も沢山あるので、
ぜひご教示願いたいと思った次第だ。

「別に好きに呼んじゃっていいですからね~っ」

くす、と笑いながらオモイカネで連絡先交換。

アイコンは先に紬が挙げたたこ焼き屋、
学生通りにある『ハッピーオクトパス』の看板だった。
よほど好きらしい。

「……はい、完了っと。
 
 あ、そんなことしてたら届きましたね!
 やったー、美味しそ~っ」

テンションがまたまた上がる紬であった。

ジャスパー > 「そ、そーか?ただまあ、今は紬ちゃんで」

口馴染みもあるからそのままで行こう
ハッピーオクトパスのアイコンに少しほっこりしつつ
ただ連絡先名をこっそり『つむちゃん』に変えておいた
…わ、わかりやすいしね!

「おぉ、ナイスタイミング
じゃあ、早速…。いただきまーす」

丁度良く…か、あるいはタイミングを見計らっていたのか
二人分のブレンドコーヒーとサンドイッチが運ばれてくる
ブレンドは店主のこだわりが染み入った、苦みの中にコクが踊る味わい
サンドイッチはシンプルな卵と、ハムが1つずつ

「あ、そういえばこの前さ……」

そんなシンプルかつおいしそうな食事があれば話も弾む
後は、楽し気に世間話をしてから、また、と言って別れたことだろう

ご案内:「学生通り」から黒條 紬さんが去りました。
ご案内:「学生通り」からジャスパーさんが去りました。
ご案内:「学生通り」にジャスパーさんが現れました。
ご案内:「学生通り」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ジャスパー > 「ふぅ~~……」

学生通りは自分にとって馴染みの場
入れ替わったばかりの店とかならともかく、しばらく居を構えている店ならある程度知っているし、よく今のようにのんびりしている

(……恋って、なんだ…?)

オモイカネを取り出して連絡先を見る
憧れは理解から最も遠い感情らしい
そもそも理解なんてできるのか…?

そんなありがちな悩み…?を抱えつつ、道端に不良座りをして空を眺めていて

(今日はいい天気だ…)

「ふっ、だがこんな通り…俺なら数秒で血の海だな…」

悩んでいると奇特な事を口にしたくなる
自分の作ってきた精神的な壁はどうやら、時折まだ出てくる上にやたら尖っているようだ
こんなことを呟いているから、周囲からの評判が微妙なのである

伊都波 凛霞 >  
「うん、それじゃあまたね~」

きゃいきゃい。
常世女子達の明るい声。
その中に混じる、一際目立つ少女。
本日はオフ、腕章もつけていないし、ひらひらと仲間に手を振って学生街の帰路につく一人の女子生徒だ。

少し強く感じる秋風にトレードマークのポニーテールを棚引かせ、ちょっと短めのスカートをはためかせる。
秋らしい天気になってきたなあ、なんて思いながら友人と別れた帰路を歩く。

「?」

そんな何事もない筈の帰り道の学生通り。
ふと耳に不穏なセリフが耳に入って、思わずきょとんとした顔でその発信源の目の前で立ち止まってしまった。

ジャスパー > (いいねえ、青春だ…、ってやべ)

きゃいきゃいと明るい声が聞こえてくれば、ほっこりしつつも脳内に鳴り響く軽いエマージェンシー
不良座りなんてしているから更に怪しい

ただ、セーフである
女子相手はどうせある程度嫌われがちだし、今更…と
そんな思いだったが…ふと、誰かが自分の前で立ち止まった気配を感じて上を見上げ…


「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」



唐突に、思い出した
今は昔、スカウターという機械を使うアニメーションがあったらしい
相手の戦闘力とやらを計って戦いの時の指標にするという設定だったようだ
しかし、割と欠陥品であり、強すぎる相手を見ると爆発してしまう

まさにそんな感じであった
まず、自分は不良座りをしているから、立ち止まられると下から見上げる形になる
その相手の…短めスカートから覗く足、そこから顔を見ようとすれば……見えづらい
それもそのはず。もう制服を、あるいは下着を、徹底的に虐めているのではないかと思うほどの胸で…隠れてしまっているのだ

…人は弱い
だから……理解できない、けれど尊い存在に出会った時に必ずすることがある

「…………」

いきなり両手を合わせて拝んでしまった
これは建前とかではなく…そんな恵体で俺の前に立ってくれてありがとうと
今までなら、逆に慌てていただろうが、発破をかけられた後の俺は素直に感謝を示すことが出来る

伊都波 凛霞 >  
「え───!?」

唐突に道端にしゃがみ込んでいる男子に拝まれた。

何この光景
他にも下校途中の生徒はいるし、元々目立つ少女のこと、嫌でも視線を集めてしまう。

ちょっとヘンなこと言ってる子がいたから気になって足を止めただけなのに!

「あ、あの、だ…大丈夫……?」

急に合掌し拝み始めた少年を覗き込むようにして上半身を屈め、声をかけてみる。

「具合悪いなら、保険課の子呼ぶ…?」

ジャスパー > 素直に出会った相手に向き合おうと意識し始めた途端いい事ばかりが起こる
あの暴雨の日のおねーさん、福の神の生まれ変わりだったりするのか
上半身を屈めてくれたおかげで、顔も良く見え…

(天よ。二物以上与えすぎだろ)

その顔も滅茶苦茶整っているときた
しかも、客観的に見ても変なことをしているのに心配してくれる優しさ
この人はきっと二物どころか五物は持ってるに違いない

しかし、迷惑をかけるわけにはいかない

「あー…大丈夫!
むしろ滅茶苦茶元気っていうか、エネルギーありすぎて変な事しちゃった…みたいな!」

建前抜きで、かわいい子、綺麗な子を見るだけで活力になる
周りにも一応愛想笑いを向けてごまかしを試みよう
不良座りから立ち上がって軽く頭を下げ

「だ、だから気にしないで。その、色々衝撃が…あっただけだから…」

まずい
普通に立って顔を見て話しをしようとしても視界の端に胸が映る
というか若干身長負けてる影響で、より視界に映りがちである
結局はっきりということが出来ずしどろもどろ
このままでは怪しさが増してしまう…か?

伊都波 凛霞 >  
「そ、そう…?」

もしかして調子が悪くて蹲ってたとか…なんて思ったりもしたけど、
そうじゃなかったようでほっと胸を撫で下ろす。

「そっか、元気なら良かった♪」

目の前の男の子が立ち上がれば、自分も背筋を正してにっこり。

衝撃…がどうとかはちょっとよくわからないけど。
なんだかしどろもどろで、視線もおぼつかないというかなんというか。

うーん?風紀委員の腕章をつけてる時なら兎も角だけど、今はつけてもいないしなあ。
そんなことを思いつつ。

「よくわかんないけど、落ち着いて?
 ──はい、良かったらどうぞ」

肩にかけていたスクールバッグから取り出したのは、ペットボトルの麦茶。
魔術式保冷状態で程々に冷えている。
これで一息ついてもらえたらいいな、くらいの気遣い。

通りすがりがちらちら視線を送ってくるのは、どうしても少女が目立つせい。
少年の先ほどの奇行が後を引いているせいではない…多分。

ジャスパー > 動悸が収まらない
普通に話してていい人のか、この人
またおねーさんみたいに有名人で…実は常世島一のモデルだったりしないか?
…いや、それなら自分が知っているはず…

「ア、ハイ」

だから落ち着いて、と言われてもすぐには落ち着けない

…そのプロポーションだけで男は平伏しそうになるだろう
特に自分のような色欲の大罪を突きつけられそうな男は。

「!、あ、ああ、ありがと…」

そんな精神状態でバッグから麦茶が出てくれば…思わず目を見開いてしまう

(……、量…減って、る、か?わからん
そんなわけないとわかっていても…くっ…)

万が一の可能性が頭によぎり、つい麦茶を凝視してしまうこと数秒
流石にそれはない。キャップを開けて一口
火照った体に冷えた麦茶が心地いい

「ぷぁ…。なんていうか…」

やりすぎでは?と思う
道で座り込む男子を心配し、恐らく自分用に用意していたであろう麦茶まで渡して
それが最近の女子のトレンドなのか…?

「ええと…わ、悪い奴に騙されたりしないようにね?
あ、あー、俺みたいなのにも優しすぎるからさ、心配になって…」

などと思っていたら…つい、話題が飛躍した
初対面で言うことではないが…あまりにもいい人すぎるから、逆に気にかかってしまった

伊都波 凛霞 >  
「飲みかけじゃないから気にしないでいいよぉ」

麦茶を凝視する様子を見れば、微笑みながら一言。
水分補給は大事なので多めに持ち歩いていただけである。

「? 悪いやつ?」

「君みたいなの、って。
 ここを数秒で血の海に沈めたり、とか?」

なんて、冗談混じりにさっき聞こえたセリフを用いながら、笑う。

「ふふっ、それは大丈夫。
 私風紀委員なんだー、今日はオフだけど♪」

そう壱通、ぱちっと片目を瞑って見せる。
同い年か、年下くらいかな?となんとなく雰囲気なんかから感じ取って、雰囲気はより和らげつつ。

そうやって少年を話しつつも、下校途中の生徒なんかに声をかけられれば、ばいばーい、なんて挨拶を返しながらひらひらと手を振っていた。
交友関係が広いんだろう、といったことがなんとなしに伝わる程度には頻度が高い。

ジャスパー > 「バレ…っ!?」

二重の意味でバレていた
変な事を呟いていたことと、飲みかけという期待を抱いたこと
察しまでいいとは、あまり使いたくはないが完璧、という言葉が浮かぶ

「あれは気の迷いというか、暇だと出てきちゃう妄言だからさ…って、風紀委員!?」

またも、俺が提唱する『風紀委員にはかわいい子か美人しかいない説』が補強されてしまった
ガチムチマッチョ風紀委員とか全然会わない。どうなっているんだ
自然に出てくるウィンクもあざと可愛い

「…ほんと俺、風紀と縁があるなぁ……って、ん?リンカ…?」

呟きつつ、人気者っぽい相手が…他の生徒から挨拶されているのをついつい聞いていると
相手の名前らしき声が聞こえてきてはっ、となる

「え、もしかして…イトワ リンカさんだったり、シマスカ……?」

ついカタコトになってしまった
その名前は、色々思うところがある名前である
いや、いい意味でも悪い意味でも

実際に会ったことは無かったが…そうだとしたら、なるほど、と思うところはある
…人呼んで完璧超人、その評判は誇張でもなんでもなかったなあ、と

伊都波 凛霞 >  
「はーい、さよならーまたねぇ」

ひらひら、下校する生徒に挨拶を返しつつ、
ふと名前を呼ばれて少年のほうへと視線を戻せば。

「うん? そうだけど……どうかした?」

ふんわり笑みは崩さないまま、
なんだかカタくなってる?ような話し方の相手に小さく首を傾げ、長いピニテがゆらっと揺れる。

「あ…、一方的に名前を知ってるの、不公平かも。
 せっかくだし、君の名前も聞いちゃおう!」

ジャスパー > 挨拶一つとっても、人の好さが見て取れる
眩しいくらいだ

「あ、あーなんでもない。
ほら、成績も良いし、スポーツも出来るし…あとはえーっと実際会って思ったけどすっげー綺麗だし
名前聞いたら、ばっちりイメージと合って納得したってだけ」

知っているのは噂だけであった
どうせ関わり合いのない人物だと思っていたから
…まあ、よくない方の噂はすけべ関係なのでわざわざ口に出すことも無いだろう

「俺?
あ、っと。そうだ。一方的だもんな…、ジャスパー・エヴァンズ。よろしく」

一応右手を差し出して握手の構えだ

「趣味は店巡りと、ダチと遊ぶことかな。暇人って覚えておいてくれればいーよ」

卑下というわけではなく実際暇なのでそう自己紹介しておいた

伊都波 凛霞 >  
「め、面と向かってそゆこと言われるとちょっと照れるなぁ…」

言われ慣れていないわけではないけど、こう真っ向からはっきり伝えられると、
なんだかむずむずする。誤魔化すように髪を指でくるくるしつつ、ちょっとだけ赤面。

──よくないほうの噂は本人はあまり自覚がない。口に出さなかったのは懸命だった。

「ジャスパーくんね。素敵、宝石の名前なんてお洒落だね♪」

キレイだと褒められたけど、眼の前の少年も髪や眼がとても綺麗に見える。
同じ年頃でも日本方面からやってきた子とはやっぱり違う感じがする。

すっと差し出された手には自分も手を重ねて、きゅっと握手。
背丈は、少女のほうが少しばかり高い、でも手はやっぱり少年のほうが少し大きい。

「いい趣味。私も友達と遊ぶの大好き。
 暇人~? いつでも暇ってこと?
 ──それじゃ人数足りない時に呼んじゃおうかな?」

握手の後、じ…っと彼の顔を見つめて。
悪い子じゃなさそうだし、こう…自分の周りにいっぱいいる所謂"面食い"の女子にウケがいい気がする。
さらさらの金髪に透き通る碧眼。間違いなくイケメンの部類。女子ウケが悪いわけがない。

ジャスパー > 今まではポエム調になっていたが、言いたいことを言うのは変わらない
逆に、暗い方の噂のように…言いたくないことも言わない

(そして居丈高でもない、と…。…うーん、この人……ぜってー滅茶苦茶いい人だ…
…っていうか、最近のあれこれで慣れてなかったらヤバかったかも…)

照れる姿を見てそう思う
良い人、と括るのもおこがましいくらいだ
それこそ、聖人とかのイメージ

ただ、その恵体の威力と親しみやすさは勘違いも生みやすいとも
自分も、距離感近め女子に慣れていなければ危なかった
きっと最近のトレンドなのだ。距離感近め女子


「はは…名前負けしてるってー、目の色とかで決められたんだぜ、きっと」

敢えて、できるだけ手を意識しないようにしつつ握手
つい、服に触れないようにしてしまうのはご愛敬

「え、ええっ?い、いやいや、人数ってそれ…
止めておいた方が良い…と思うなあ…、あー、その一部では俺、すけべ野郎とか言われてましてですね…
リンカサンに悪いと言いますか」

見た目以外、女子受けは良くない認識である…
そりゃもちろん女子ときゃっきゃと遊ぶなんて今となってはやってみたいことの一つではあるが…

伊都波 凛霞 >  
「ふふ、名前負け?
 それはそれで、向上心に繋がっていいのかも」

照れくささか謙虚さか、
そんなことを言う男子にくすくす、思わず小さく笑みを零してしまう。

さて、遊びに誘ってみようかという問いかけには思いのほか慌てているようだった。
友人と遊ぶのが趣味…とはいっても、そういう感じではなかったらしい?

「すけ…」

「まぁ…それは、その。
 …ジャスパーくんくらいの年の男の子なら普通なんじゃないでしょーか…たぶん」

たぶん…。
実際がどうかとかは、自分が男の子ではないので実感はない。

思わぬ返答だったのか、やや恥ずかしげにもじもじしながら返答。
急にすけべなんて言葉使うから………。

ジャスパー > (しまった、あっさり言うつもりが思いのほか…!
普通というか、普通より目立ってるからなあ…)

重い…というより妙な雰囲気になってしまった
相手に迷惑をかけないようにと…誤魔化さず伝えたのが裏目に出た

美人が照れるとやっぱり可愛さが足されて更に魅力的になるんだなあ、なんてナンパな考えが浮かんだが…そんな場合ではない!
忘れてはいけない、今は往来であり、話している相手は大人気女子なのだ。そして風紀委員なのだ
このままではエロ本追いまわし事件の焼き直しである

少しだけ、虚勢を使おう

「ご、ごめん。あけすけすぎた…
だ、だだだだからさ、そんな男呼んできた~~~ってなったら、リンカサンのせっかくの人望が大変なことになるから!
俺の方はまあ、今更だから…針のむしろでも、例えばカラオケだとしたらガチガチのラブソングで盛り上げてやるけどな!」

謝ってから…あくまで、自分はいいのだけど…というスタンスで若干おちゃらける
こういう時は便利である

「な、なんの話だっけ…。ええと、そうだ
暇なのは確かにそうだから、俺調べの今週のお得なお店情報!とかそういうのなら全然共有するぜ」

うんうんと頷いた

伊都波 凛霞 >  
「気にしなくっても、私そんなに清廉潔白ってわけでもないしさ」

ちょっと困ったように眉を下げて苦笑。
至って普通の女子生徒でいるつもりなのだ。
至って普通の男子生徒である彼が人望を下げる心配なんてあるわけもない。

針の筵かは置いといて、盛り上げてくれるならすごく歓迎なんだけど…。
おちゃらけて見せている様子を見ると、何かしら気後れがあるようにも感じる!

「あ、そういうの大歓迎…!
 結構そういうの疎いから、助かるなぁ~♡
 じゃあさじゃあさ、連絡先いーい?」

にこにこ笑顔。
──しかし最後の言葉が彼に向いた瞬間。

まるでスナイパーライフルのレティクルが向いたかのような、学生通りの一部から視殺す様な視線が少年へと向けられた。──かも。

ジャスパー > 「そ、そっか…」

困った表情を見ると、人気者は人気者で大変なのだろうか、と思う
なら、常世島普通代表(仮)としてここは普通に行こう

「よし!じゃあ、気にしない
人数合わせでも、三枚目とか欲しかったら…え?連絡先?」

お誘いを受けるくらいなんだ
まだ壁があったのか、俺には
誘われて、楽しそうなら…参加すればいいじゃん
そういった思いで、言葉を翻して頷き返す
ただそうなると…お店紹介と合わせて、当然の帰結として連絡先を交換となってしまう
なって、しまう…


(ひっ)

こわい!
戦闘訓練とかやっていないはずなのに確かに"殺気"を感じた!
なに?『最近お前調子乗ってるだろ』『俺のリンカの連絡先を』『リンカさんにお前みたいなドブカスが』
みたいな視線!?

だがここで辞退しては…この気の良い相手はきっと自分が何か悪かったのか、とか思ってしまう…かもしれない
男を見せろジャスパー。遊びに行きたい気持ちは誰に言われて変わるもんでもないだろ!!

「お、おう!いいよ!」

無暗に気合の入った声で返事して、オモイカネを取り出し…連絡先を交換の構え
プロフィール画像は変わらず、にこやかないい笑顔のジャスパーの顔面である

伊都波 凛霞 >  
「~♪」

手作りらしい妙に可愛い手帳ケースに収まった自分のオモイカネを取り出して、慣れた様子での連絡先交換。
実のところ、凛霞はちょっとお話しただけの相手ともこうして連絡先をすぐに交換する。
そういった敷居が緩いというか、フットワークが軽いのだ。

故にそういった視線を少年に向ける相手は、"言葉をかける、かけられることも烏滸がましい"と考える陰の者達…。
帰宅途中の生徒で賑やかな学生通りにも、そういった陰が、潜んでいる──。
向けられているのがあくまでも少年のため、気付かない凛霞は少年の前でウキウキしながら新しい連絡先を手帳に加えていた……。

「よし!それじゃあ改めてよろしくね、ジャスパーくん♪
 あ、そうそう…さっそくこのあたりでパンケーキの美味しい店とかあったら知りたいな~。
 リサーチ、よろしくっ!」

ぐっ!とサムズアップ。

ジャスパー > …以前の俺なら、逃げていただろう。しかし!
もう俺は逃げない。来るなら来やがれ
ジャスパー奇声コレクション、発禁版をくれてやる

そう思えるくらいには、開き直った
連絡先に『リンカ=サン』と書いておいた
もし男子連中に見られた時も、昔からの…外国の知り合いだというためカタカナ表記だ
多分誤魔化せるだろう

「パンケーキかぁ。
おっけ、ふわっふわであまーいのを作ってくれる店知ってるよ
早速行ってみる?」

そりゃもういつかの時のために女子向けの店もしっかりリサーチ済であるためすぐに紹介できる
一時、甘味を食べ過ぎてしまったことはあったがそれはそれ

「少し前にできたけど、今は行列とかも落ち着いてるはず…
おすすめの、ベリーとクリームを乗せたのが美味しかったなあ…追加で料金払ったらクリーム倍量もできるって
案内するよ、リンカさん」

確か年上であったはず…なのでカタコトではないが敬称付きで呼びつつ先導を始めよう
…殺気はとてつもないことになっていたが、今はこの甘味を求める"普通の"女子に幸せを堪能してもらう方が先決だ

しっかり案内し、食べて貰って…今日のところは別れるとしよう
その後、陰の者たちとの熾烈な闇の遊戯(デュエル)があった……かもしれない

伊都波 凛霞 >  
「え、ほんと? この近く?」

ぱっと咲いた様な笑顔。
気持ち良い程の食いつきの良さ。

「それじゃお言葉に甘えて~♪」

早速の言葉に胸の前で手を合わせて喜びの表情だ。
視線は、強くなってはいるが所詮は陰の者達…。
眩い光を放つ少女が一緒にいるうちは現れないだろう……ずっと現れないかもしれないが。

──そうして案内される間も少女は笑顔をずっと絶やさず、絶えず何かを喋っていた。

これによって少年は思いのほか少女の中でインパクトを残す存在となった。
それはその日の夜に『またどこかでお食事しようね!』という絵文字いっぱいの連絡が届くことで確定的なものとして少年の自覚に届く…かもしれなかった。

ジャスパー > 突発パンケーキ会は非常に楽しかった
目を奪われることに目を瞑れば、反応も気持ちいいし言ってしまえば普通に喜んでくれる
これからもスイーツの情報は積極的に収集しようと思ったくらいには、非常に楽しい時間であった

しかし、なんとか男子寮に帰ってからメッセージを受け取ると
確かに嬉しい。嬉しかったのだ
絵文字もたっぷりで、好意が伝わってくるようなものを受け取って嬉しくないはずがない
返信も、『もちろんおーけー。他に好きなスイーツあったら教えて』と送っておいた

傍から見ればあんな綺麗な女子に良く接してもらえるのはとても良いことなのだが…



「………近々、重めの事故とかにあいそうだな、俺」




どうにも、不安が止まらなかった………

ご案内:「学生通り」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「学生通り」からジャスパーさんが去りました。