2024/10/12 のログ
エボルバー > 「望ましい、答えだ。」

野望を滾らせる青年を
鋭く凍てつく翡翠の光が見つめた。
彼もまた果て無き終着点を望むもの。
変化し続けるものに触れる限り
自身もまた変化し続けられるのだから。

「此方側のことは君の方がよほど詳しい。
また質問をすることもあるだろう。」

落第街とは雰囲気もルールも、人も違う世界。
どんなもの、人との出会いがあるのか。
それは機械も計り知れぬ所だ。

先ずその出会いの始めとなるのが彼。
名を訪ねられれば

「エボルバー。
僕はエボルバーという名で呼ばれている。」

何も変わらぬ無機質な様子でただそう答えた。
名前とは何者かが期待を込めて付けるもの。
その名にはきっと力を持たぬ非凡な人々の
及ばないものに対する願いが込められている。

「・・・把握。
胸部のこの部品は、緩衝材。」

青年に叩かれ揺れた慎ましやかな膨らみ。
女は自身のそれを見つめ一人勝手に納得していた。
人間を模しているだけで人間の機能を全ては知らない。
そして今納得したそれも恐らく違う。

橘壱 >  
ぱちり、と軽くウインク。

「だろ?そういう意味でも、親友だって言ったのさ。
 ある意味僕等は、切っても切れない関係かもね」

戦いの中で進化を望むもの。
純粋に戦いを望むもの/人々の平和を望むもの。
今でこそ二律背反の本音を二つ抱えているとは言え、
恐らく彼女との縁はある意味特別だ。


この宿命は、二人の翼が堕ちる時は恐らく───────……。


「エボルバー、か。改めて宜しく、"エボル"。
 まぁ、コッチ側じゃ僕が先輩だしね。とりあえず、
 学園に……だっけ?丁度いい。キミも入学するといい。
 学び舎だからさ。きっと、キミの進化とやらにも役立つ学びはあるかもしれない」

「僕がこうして変わったのも、学園の人達のおか……、……」

硬直。
そう、頭からうっかり抜けていた
正直出会いが出会いだし、感覚としては"男友達"で接していた。
そう、今の"彼女"はご覧の通りだ。拳に残った慎ましやかな柔らかさ。
瞬間、かぁ、と顔が赤くなった。

「緩衝材じゃなくて女性の胸は……その、
 なんだ、好きな人以外にあんまり触らせてはいけないというか……」

もごもごもご。
急に歯切れが悪くなったし視線も落ちた。
やっちまった感が凄い。今すぐ土下座しそうな勢いだぞ!

エボルバー > 「エボル。君が呼びやすいようにしたらいい。
名前とはそういうもの。」

青年のウインク。
どういう時にする感情表現なのだろうか。
機械はそれが分からない。

>感情サイン追従

だが、挨拶は返すもの。
女もまた青年へ、ぱちりとウインクを返した。

「僕は、学園には興味はあるが、そこに属するつもりはない。
あくまで、宝探し、観察だ。」

青年の言葉に女は静かに首を振った。
あくまで女は訪問者。この明るい世界の住人ではないのだ。

「僕は、落第街(むこう)の方が好みだ。」

透き通る無機質なその言葉。
確かに女、機械は青年と似通っている所があるかもしれない。
ただ、明確に違う所もまたそこにあるのだ。

「・・・。人間はとても難しい。」

赤くなり縮こまる青年に
吐息のような一言。
機械はちっとも気にしてはいない。

やがて青年の案内を受けることが出来たならば
機械は学園という存在を認知することになる。
その中で日常を過ごすという存在にはなり得ない。

だがしかし、ちょくちょく平和的に遊びに来るのは
良い刺激になり得るだろう。

橘壱 >  
なんだコイツ、可愛いな。
もしかして自分の可愛さに気づいてないのか。
さっきのボディタッチの件といい、機械すぎる。
いや、機械だから当たり前か。こういう情操教育ももしかしているのか???
はぁ、ため息を吐いてとりあえず気持ちを落ち着かせる。

「そう?まぁ、強要するものじゃないさ。
 刺激的って意味ならたしかに、落第街(アッチ)のがってのはあるかもね」

気持ちばかりは理解する。出来てしまう。
少年は此方の表社会に迎合してしまった。
今ではそちらの側面の考えのが強い。

「まぁ、なんだ。僕の連絡先……登録出来る?
 しておくから、コッチに来る時は何時でも呼んで。
 風紀委員の僕と一緒にいれば、ヘンに怪しまれることもないし……」

()るっていうなら、何時でも」

さて、機械だから出来るかはわからないが一応教えておこう。
懐から取り出した生徒手帳(オモイカネ)を開き、
自分の連絡先をヒラヒラと見せつけた。

「じゃあ、とりあえず案内するから付いてきなよ。
 ……後な、後な?体は簡単に触らせちゃダメだからな?僕のは不可抗力で……」

とまぁ何とも言い訳がましい言葉を残しつつ、案内を漸く開始。
とりあえず一通り施設や何やらは教えたつもりだ。
危険な存在ではあるが、彼女には知性がある。
流石に相応のリスクをすることは考えづらい。
何よりも、戦いを好むのであって殺戮を好むわけじゃない。

此れはある意味、信頼だ。
こうして新たな日常の一幕が描かれるのであった。

エボルバー > >連絡情報を認識
>登録


彼の案内のもとに、ソレは付いていく。
知らないもの、見たことのないもの。
分からないもの。
理解の及ばないものだらけだ。

その心なき虚ろな瞳には映るものは何か。

機械にとっては
新しい非日常の一幕が開ける。

ご案内:「学生通り」からエボルバーさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「学生通り」にシュエットさんが現れました。
ご案内:「学生通り」に伊那美環菜さんが現れました。
シュエット >  
学生通り、ホビーショップ。
少しばかり涼しげになってきた風に金の髪を靡かせながら、
額に汗を流すエルフの少女は紙袋を片手に店内から出てくる。

「よ、良かった……。
 わざわざ学生通りまで来た甲斐がありましたぁ~……」

紙袋の中身。
それはメタラグの特別コード付きの限定プラモである。
ふへへ、と一人で微笑むシュエットであったが、
ハッと気付いたように左右を見渡す。

案の定、少なくない数の視線が自分に集まっていたのだった。
こほん、と咳払いをして、ささっと移動。

さて、さっさと帰ろうとしたところで、
ホビーショップの隣にある店に、ちょっとした列ができているのを
発見する。

『タピオカ屋 タピタピパーティ』と書かれた看板。

タピオカ。
それはきらきらとした青春の輝き、なのであろうが。
無論、シュエットからすれば、縁のない飲み物である。
飲んだことはなく、詳しく調べたこともない。

目を凝らして見てみれば――何やらつぶつぶの浮いた飲み物を
人々が手にしている。

――か、蛙の卵……? いや、流石にそんなことないですよね……。

目を擦りながら、もう一度見てみるなどしつつ。
珍しそうに皆がタピオカを飲む姿を見ている――。

伊那美環菜 > 列の先頭で。

「――ハロウィンホラー黒プリンミルクティスムージー
杏仁ゼリークランベリーソーストッピングをテイクアウトで」

慣れた様子でさくっと季節商品を注文する。
よく出る商品だからか店員も慣れた様子で注文をこなす。

とろっとしたミルクティのドリンクに黒いタピオカ、白い杏仁豆腐
黒いゼリーに黒プリンにホイップの上から垂らされる黒いソースと混ざる真っ赤なソース。

お待たせしましたー、と渡されたそのカップを受け取り、
一口くちをつけて。

「んーっ、美味しい!」

行列ができるだけあって、とても美味しい。
手早く列を離れて、横の店舗のほうに移動する。ちらり、と視界の端に金の髪が見えて。

シュエット >  
「は、ハロ、ウィン……ホラー、黒……プリ……?」

ぱちぱちと瞬きしつつ、
思わず開幕部分を復唱してしまった。
とはいえ、口から出るのはぎこちない言葉の切れ端である。

多種多様な神聖魔術を修めてきたし、
戦いの中で何度も詠唱を続けてきた筈だが。
シュエットにとって、
それはどんな高位の神聖魔術呪文よりも複雑に聞こえたのである。

――と、というか……アンデッド……!?

シュエットは元々クレリックであり、その特技を買われて
祭祀にスカウトされたエルフである。
神聖魔術を修める者からすればアンデッドは天敵であり、
思わずビクッと反応してしまうものの。

――いやいや、常世学園に学生としている以上は。
それに、あんな複雑な呪文のようなイケイケ詠唱をしている以上は。
問題ない、問題ですよ~、シュエット……。

ちょっと汗ばむ手をきゅっと握りつつ、
そーっと近寄って声をかけてみることとした。

「あ、あのー……それ、何ですかァッ……?」

若干声が上ずった。テンションの高い小鳥の囀るような音が
喉から出てしまう。

それが。

ちょっとだけ眩しい(神聖な)オーラを持つエルフの女と、
黄泉還りの異能を持つ少女の、邂逅であった――。

伊那美環菜 > 「?」
ちゅっ、とタピオカストローから中身を口に吸いこんで。
声をかけられるときょとんとした様子を見せる。

「あ、これ?
ハロウィンホラー黒プリンミルクティスムージーだよ。
この時期限定だけど美味しいんだー。」

タピオカのことじゃなくて商品名を尋ねられたと思って
見せるようにしながら答えてあげる。

「結構アレだねー、えっと、もしかしてかんなぎのヒト?
清貧を旨としてるとか…?」

それで知らないのかなー、と上から下までじっくり眺めるように見る。

「飲んじゃダメとかでないのならほら、並んで並んで!
興味があるなら百聞一見だよ!」

手を引くようにして列の後ろにぐいぐい。
とりあえず神聖さの影響を受けているようには見えなかった。

シュエット > ―――
――

 
「ハ、ハロウィンホラー黒プリン……ミルク……スムージー……
 な、なるほど……教えていただいて……ありがとうございます!」

再びぱちぱちと瞬きをした後、
彼女の顔と、彼女が手に持っているそのノミモノを見比べる。
全く害意のない表情に、可愛らしい外見の女の子。
雰囲気こそアンデッドだけれど、親しみやすさは、どことなく感じる。
だからこそ、続く言葉は先程よりも流暢に、冷静に。

「かんなぎ……あっ、ええ、はい。
 そうですね、清貧に――」

ずしり、と右手に持った紙袋の重みが手に響く。
眺めるように見るのであれば当然、その紙袋と――紙袋から少々飛び出る
プラモの箱も見えるだろう。
『メタリックラグナロク』のロゴと、
漆黒の機体のイラストが描かれている。

「――せ、清貧に重きを置いておりました……」

口に出たのは過去形だった。
ちょっと目を逸らしつつ、顔がちょっとだけ熱いのを感じる。

「え、ええ~っ……ちょ、ちょっと……!?」

押しに弱いエルフはそのまま手を引っ張られて列へ。
そうして。

「な、何だかすみません……。
 実は、3年生にもなりながら、学園に来てからというもの、
 こういう人気の多い場所に来るのは稀で……こういったキラキラした流行にも疎く……
 面目次第もございません……」

自分が受ける祭祀としての仕事は、廃墟だったり裏路地だったり、人気のないところでの
活動が多い。日中に出歩くこともあまりないため、未だにこういう場所は
慣れないのだった。

伊那美環菜 > 「そうだよー。気にしないで!
あ、よーしせっかくだからおごってあげちゃおう!」

笑って手に持ったタピオカを掲げて、気前よく。
自身は注文済みだけれど一緒に並んで。

「そうだ、かんなは伊那美 環菜っていうよ。
常世に来たばっかりなんだ… 3年生ならせんぱいでいいのかな?」

すこし背が低いので下から見上げるようにして、
様子をうかがうように、軽く小首をかしげて見せる。

ちら、と視線を移すと相手の手元が見えて。
あ、とその箱に気づいた。

たしかあのタイトルロゴはちぃくんが好きな――
店舗の看板とその箱を見比べて。

「・・・おもちゃもでてるんだねー、それ。」

真っ黒のあれはなんだったっけ…。

シュエット >  
「え、そんな! 悪いですよっ!」

一気にわたわたしだす。
仕事以外で、久々に外に出て知らない人と話す。
そんな錆が、一気に取れてしまうような提案だった。

「か、環菜さん、ですねっ。
 私のことはアリスとお呼びください。
 先輩かもしれませんが、あまりそういったことはお気になさらず……」

ぽんぽん、と自分の胸を叩くシュエット。
大分、感覚を取り戻してきた。

眼前の女の子をあれこれ疑っている訳ではないのだが、
職業上の信念から、コードネームの一部を伝える形となった。

「あっ……は、はいっ……!
 メタリックラグナロクといいまして、今話題のゲームですね。
 その、こちらの世界に来てからドハマリしてしまいまして……!
 
 玩具……プラモデルも出てまして……これ、
 ナイトファントムっていうんですけど……
 限定品を買いに久々に、お仕事以外で外に――」

ナイトファントム。ステルス特化の、漆黒の機体。
そこまで口にして、少しだけ俯いて困ったように笑う。

「――お、お昼に外に出るのは数か月ぶりなんですよ……」

伊那美環菜 > 「…じゃあ、アリスさん?」

先輩扱いを遠慮されて、あまりこのあたりに不慣れそうな当たり
無理に呼ぶのもなんだか、と無難な呼び方に。

「イイのイイの、一杯くらい。
アリスさんをお茶につき合わせるお茶代と思ってー。」

列が一歩進む。
凄い行列というわけでもない、店員の手際もいいしそこまで待たないはず…

そんなさなか、声をかけてしまって凄い一気にぐいぐい来る。
ちぃくんの様子をつい重ねてしまって、くすっとして。

「あ、うん。タイトルは知ってるんだぁ。ゲームなんでしょ。
彼… 婚約者がやっていてね。ちぃくんはすごいんだよ。」

うん、うん、と相槌を打ちながら。
固有名詞には ないとふぁんとむ、と鸚鵡返しに機体名を呟く。

「限定品、手に入ってよかったねえ。
数か月ぶりってことは、アリスさん何か忙しかったりしたの?」

あれだけ強い気配を纏っているし、かんなぎさんのお仕事忙しいのかな、と思って尋ねる。
ついー…、と取り巻くようなその気配に視線を向けながら。

シュエット >  
さて、列は少しずつ進んでいて、もう少しで注文ができそうだ。

「こ、こんやっ……?」

婚約者。
あまりのパワーワードに一瞬口をパクパクさせるが。

「こ、婚約者さんですか……こほん。それはそれは、お幸せに。
 愛を持ってお互いを思いやれば、神も祝福されることでしょう」

胸の前で手を重ね合わせる。
ちょっとだけ神官的な威厳を取り戻したのも束の間。

「あ、いえいえそのですね! ……ちょっとここ数か月。
 『メタリックラグナロク』に打ち込んでしまってまして……。
 夜辺りは祭祀でお仕事してるんですが、日中はランク……
 その、ゲームでのオンライン対戦を嗜んでおりまして……」

ぶんぶん、と顔の前で手を小さく振って否定する。
夜は祭祀の仕事が色々入り、忙しいのは確かである。
一方で、日中に出歩かないことと祭祀の業務とはほぼ関係がなかった。

さて、列は動いて遂に最前列。注文の時間だ。

――これ、ほんとに蛙の卵なんでしょうか……。

冒険者時代も流石に蛙の卵は食べたことがなく。

「……えっと、ハロウィン。ホラー。黒プリン。ミルクティ。スムージー。
 ……の?」

助けを求めるように、環菜の方をちらりと見やる。

伊那美環菜 > 「・・・?あれ・・・。」
つ・・・と、一瞬相手の周囲の様子を視線が彷徨うように。
すぐに元に戻って目を合わせるけれど。

「ありがとう。愛はたっぷりあるよ!
やっぱりかんなぎのヒトだと夜のお仕事が多いんだねえ。」

単語がちょっと。
うんうんとうなずきながら。

「ちぃくんもたしかオンラインしてるんだったっけ?もしかしたら戦ってたりするかも。
・・・あ、そしてお昼はゲームだから、実は寝不足だったりする?」

あれ睡眠時間はどこだろうと呟くように。

そんな会話の間に店員の前まできて、
彼女の注文をする様子を一時見つめる。

言いそびれたらサポートしようと思ったけれど、ちゃんと言えていて…
こっちを見てくる相手に自信ありそうな表情でしっかりとうなずいた。

店員さんもちゃんと注文がとおって、「あ、払いまーす。」と支払いを環奈がさくっと済ませ。
すぐに商品も出来上がるだろう。

そんな一通りの手続きを終えると、ちゅ、と環奈自身のスムージーを一口すすった。

シュエット >  
「はい、夜のお仕事が一番多いですね。
 もう、忙しい時は毎日のように……」

これはこれでまた、単語がちょっとアレであるが。
特に意識せず使っているようであった。
無論、周囲の視線が一瞬二人に集まる訳であるが。

「ふふっ。先ほどからお話の中で、沢山ちぃさんが出てきますね。
 環菜さんは、ちぃさんという方のことを、本当に愛されているんですね。
 よほど素敵な恋をされているのでしょう……
 お二方の行く末を応援しております」

今度はシュエットの方がおかしそうに、嬉しそうに笑って、
その後に改めて己の手を重ねるのであった。

「えーと、そうですね。『すごい』という話ですから、もしかしたら
 ランカーの方なんでしょうかね。
 だとしたら、私も何処かで戦っているかもしれませんね……
 す、睡眠時間はその、まぁ……深夜から朝まで、少し……
 ありがたいことに、そんなに睡眠時間が要らない身でして……」

冒険者時代なら見張りの為に役立った自分の特性は、
今や夜ふかしの為に活用されているのである。

そうして、無事にタピオカティーを手にして、少しばかり迷った後に。
ストローに口をつけて、ちょっと飲んでみて。

「お、美味しい……? 
 こ、この卵……じゃないですね、このもちもちしたの、
 食感が凄く面白いですし……甘くてっ!
 とっても素敵な飲み物なんですねっ!」

列ができているから、悪くない味なのだろうとは思っていたが。
能の髄まで染み渡るような甘さに、思わずぱあっ、と顔が明るくなる。
惚れ込んでしまったらしい。

「こんな素敵なものを……ありがとうございますっ……!
 お礼はいずれ! 必ず! させてくださいっ!
 あ、そうだ……その為にも……よろしければ、連絡先を……」

すっ、とオモイカネを環菜の方へと差し出す。

伊那美環菜 > 「・・・うん、そうだよ。
ちぃくんはかっこいいんだぁ。」

ほんのりのろけながら。

「確かに、それほどくまとかはないかも…。
便利だねー。」

じっと目元を見つめて、そんなふうに評する。
比べて異能のわりに環奈はさほど寝なくていいというわけでもないようで。
そう異能を制御しているのかもしれないけれど、うらやましそう?

出来上がったタピオカを一口飲む様子をニコニコと眺めて、
あとはさっそうと立ち去るだけ――と思いきや。

「それじゃ・・・たま… あっ。
丸いの…タピオカはカエルの卵とかじゃないからね。もちとか、そういうの…」

相手の感想にやっと気づいたように、補足する。
そんな説明をしていて立ち去り損ねて、こちらも携帯を取り出して。

「あ、うんよければぜひ!
・・・これでよし。じゃあまた一緒にタピオカのもうねー。」

連絡先をささっと交換してしまうと、手を振りながらすぐに立ち去るだろう。
引き留めたら立ち止まりそうだったけれど、自然な様子で。

シュエット >  
「なるほど。これも、おもちでしたか……!」

それならば、一度食べたことがある。
インスタントのオゾウニだったが、
感触はこちらの方が好きかもしれない。

「はい、ありがとうございました……!」

限定品のプラモを手に入れられたことも嬉しかったが、
こうして久々に仕事以外で人と話せたのもやはり嬉しかった。

――あんなに嬉しそうに好きな人について語られるのなら。
  本当に応援させていただきたいですね。

スマホに加わった新たな連絡先を見つつ、
シュエットは心ゆくまでタピオカを味わったという。

そうして何か思う所があったのか、
久々にゲーム以外で立ち上げた
プライベートのオモイカネとにらめっこした後、
メモ帳を開いてこのように書き足したのだった。

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☆常世学園グルメレビュー☆

タピオカ屋のタピタピパーティー

ハロウィンホラー黒プリン……なんとか!
★★★★☆

とっても甘くて、不思議な触感。
新しい出会いもあって、思い出に残る味でした。

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ご案内:「学生通り」から伊那美環菜さんが去りました。
ご案内:「学生通り」からシュエットさんが去りました。