2024/10/26 のログ
ご案内:「学生通り」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「学生通り」にクロメさんが現れました。
■橘壱 >
常世学園 学生通り。
今宵も学生街の夜は賑やかだ。
このハロウィンナイトのイベントは、
歓楽街のような明るいネオンライトが街を彩っている。
街を行き交う人々も、今日という日を楽しむために、
それらしい仮装衣装……或いは"本物"として紛れ込んでいる。
「相変わらずこの眼鏡見づらいな……にしても……」
そんな人混み……からちょっと外れた場所。
学生どおりの隅で仮装衣装の壱は隣を見やった。
今回のハロウィンナイトに連れてきた自身の担当する監視対象怪異を連れてきた。
この現代社会に、早めに慣れされたり、彼女との交流が目的だ。
心做しか、今日は妙にすんなり付いてきた気もするが……
それはともかくとして、今の状況。
このイベントは子どもたちにとっても嬉しいものであり、
大人たちからお菓子をねだったりもらったりすることが出来る。
連れの容姿は……まぁ、見ての通りの幼い少女。
その結果どうなったかというと、ものの見事にお菓子に埋まっている。
「なんか通り魔みたいに渡してったな皆……大丈夫?クロメ」
隣で軽く袖を揺らしながら、
心配する言葉とは裏腹にちょっと楽しげだった。
■クロメ >
調べてわかったことは、この催しはだいぶ狂っている、ということだ。
とはいったものの……祭りの本質を考えれば、多少浮かれるのも已む無いのか、と考えた
「……度し難い」
だが、出てきた言葉はそれであった。
なにしろ、今のこの頓痴気……いや、乱痴気か?
ともかく、そういう祭りにつきもののセリフを言ってもいないのに、菓子を渡される。
祭りの様式はどうしたのだ? これだから人間は……
「大丈夫か、だと?」
隣の男がマヌケな質問をしてくる。
大丈夫か大丈夫でないかといえば、別に問題はない。
そもそもこの程度の重量など、羽毛程度にしか感じない。
視界が悪くなるのは、まあ問題と言えるかも知れないが……それもそれほど障害にはならない。
「くだらん問いだ。貴様が持つとでも?」
それなら、それで構いはしないのだが
■橘壱 >
相変わらず不機嫌そうな顔をしている。
聞き慣れた単語には同意するように頷いた。
「完全に皆子どもをあやす勢いで渡していったからね……。
キミに限ってそんなことはないと思うけど、魅了とか漏れた?」
人間嫌いの怪異がそのようなことするはずないが、
幾ら祭り騒ぎとは言え結構遠慮なく渡していったぞ。
それこそ孫に渡す感覚。なんで渡すほうが容赦ないんだ。
冗談混じりにそう言ってやればふ、と何処か得意気だ。
「キミがもらったものだけれど、持つよ。
こういうの、男が持つモノだろ?ホラ」
ガラン、と開くのは手元のトランク。
超記憶合金によるAFの持ち運びサイズ。
勿論、見た目相応の機能もあるし、見た目以上に収納出来る。
「にしても、相変わらず不機嫌そうだな……キミは。
一応人通りが少なめの時間を選んだつもりではあるけど……」
それでもまだ、全然多い。
明るすぎる月夜に照らされ、向こう側の大通りは乱痴気騒ぎ。
調子に乗りすぎた若者が車両をひっくり返そうとし、
風紀にとっ捕まってるのがつい見えてしまった苦笑いだ。
■クロメ >
「悍ましい冗句だ」
魅了、なんてものを好き好んで使うとでも思うのか。
くだらない、本当にくだらない。
そんなもの死んでも使うものか
冷たい眼差しが、いつにもまして、暗く冷えていく。
「二度と、口をきけないようにするか?」
心做しか、声まで冷え切ったように聞こえる
「番って気でも大きくなったか?
それとも……その痕から瘴気が脳に回ったか?」
そこまで口にして――
しばし、黙り込む
「いや……いうべきではなかった、な」
冷え切った声も、目もいつものとおりに、ただの冷たい空気に戻る。
「……別に、どちらでもいいが」
落ち着いて、荷物を壱に丸ごと渡す。
言った以上は責任持って抱えておけ、とばかりに。
「……度し難い阿呆はいるがな。」
遠くに見える無軌道な馬鹿者を視界に収めながら、一言。
「……別に、不機嫌というほどでもない。
さっきまではな」
■橘壱 >
受け取ったお菓子はトランクへと入れておいた。
ちょっと一瞬突っかかったが、なんとかキッチリ閉めれた。
本当に皆どんだけ渡したんだよ、全く。
「お祭り騒ぎになると、ヘンに気が大きくなる人間はいるさ。
僕は違うし、そんなことで気が大きくなってもいないよ」
その冷たさも臆面もなく受け止めれば、
トランクを下に軽く座り込んだ。大通りから外れた隅。
付近には裏路地の入口が見える程度には隅だ。
これだけ人通りが多く、こんな場所なら誰も気にもかけない。
通りがかり人々は、皆自分の楽しいに夢中なんだ。
「そんなに僕の囀りが耳障りなら、
あの時黙らせておけばよかったさ。やめたのはキミだ」
簡単に死ぬ気こそないが、黙らせるだけなら簡単だ。
ただ、興冷めと切り捨てたのは彼女自身だ。
トランクの隙間から一個、パンプキンキャンディを彼女に投げ渡し、
軽く眼鏡を上げて人通りに視線を向ける。
仮想した人間に本来、仮装されていた本物。
今やそれらが、"当たり前"に共に歩いている。
「……確かにちょっと言い過ぎたな。ゴメン。
けど、キミの事は本当に、触り程度しかしらない。
教えてくれないからね。"ああ言う"のは、
言う気がないなら言うものでもないよ。まさかキミが、
構って欲しさだけで"あんな事"言うはずもないさ。そうだろう?」
どうやら前回、意識を失う前キッチリと聞こえていたらしい。
ちょっと引きつった笑みを浮かべて、軽く首筋を撫でた。
付けられた"痕"には、真新しいものだって出来てる。
「今度こそ、教えてくれよ。キミの事。
きちんとね。……というか、痕そんなに気になる……?」
■クロメ >
喧騒の只中に生まれた陥穽
大通りの隅の一角
人がいるようで、その実誰もおらず
適度に騒音に包まれながらも、誰の視線も注がれない
そこにあって、男は囀る
「………………」
――どうして?
幻聴が聞こえるようだった。
なぜこんな時に、これが聞こえてくるのか
「……聞いていたか。悪趣味な」
気を失ったと思い、つい口を出てしまった言葉。
それを、聞いていたらしい。
今の今まで何も言わない辺りがやらしい。
先ほどといい、最近の自分はなにかおかしい、かもしれない
「伝えただろう、私は怪異だ。」
教えている、と静かに告げ
「気になる、といえばそうだな。
ひどく、匂う」
とても、特殊な匂いが
人でありそうで、人ではなさそうな。
■橘壱 >
悪趣味かと言われると、否定はできない。
軽くお手上げのポーズ。申し訳無さはある。
「つい意識を失う前に聞こえてきちゃってね。
悪趣味、といえばそうだろうけど……、……」
結果的に盗み聞きだ。そう言われても仕方がない。
平然と言った通りだ、と彼女は言う。そんな気はしてた。
「……僕はキミを、ただの怪異だけで終わらせる気はない。
キミは、クロメだ。キミが名乗った通りなら、だけどね」
軽く手を組み、じっと見据える矢先は喧騒。
人の営み、現代社会の光景。此の島の、輝かしい日常だ。
「僕から見れば無愛想で分からず屋の女の子だ。
キミが人に群がられ、唾棄するほどに嫌悪感を抱いてるのは知っている。
けど、思ったよりキミの事は何にも知らないんだよな、クロメ」
そこに触れたのは、彼女が人を忌み嫌う理由。
物心ついた時にいなかった両親の情報位だ。
彼女自身に詳しいわけじゃない。ついに、視線の先は、
隣りにいた少女そのものに、向けられた。
「だから、教えてほしいんだ。
キミの事を知りたいし、言っただろ?
白いカラスだっていることをきちんと証明するには、
キミ自身のことを知っておかなきゃ、証明しようもないさ」
どうせ喧騒に消えていくんだ。
大勢でいるように見えて、その実小さな空間だ。
今日という日は、彼女の手を取るつもりでいる。
「匂う……っていうと、いい匂い……
……じゃ、ないよな。まぁ、その、なんだ。
異能の影響で人をやめちゃった子、のかな……」
■クロメ >
「名に、偽りはない。
……偽りようもないしな」
名は体を表す、とはいうが。
名は言霊であり、存在そのものを示唆する。
クロメにとって、縛りとも言えるものである。
軛、といってもいいかもしれない
「…………」
じろり、と冷たい目で男を見る。
その視線は、同じくこちらを見た男の視線とぶつかり合う。
お互いに、引くことはない。
「……何を教えろと?
私が人を嫌う理由か? 語って聞かせたな?
私の親の話か? 教えてやったな?」
それ以外に、何を語れというのか、と冷たく突き放す
「得心がいった。死に近い匂いがするな?
取り憑かれたかと思ったが……そういう方か」
ふむ、と考える。
人を辞めた……この場合は、死体に近い存在か?
不死者、とも少し違うか?
■橘壱 >
冷たい目だ。自分が人間だからか。
身勝手かもしれないが、それでもいい。
今更種族は変えれない。変える気もない。
見返す碧の瞳は真っ直ぐなまま、口元ははにかんだ。
「まさか、偽名まで使ってるとは思ってないよ。
……んー、と。そうだな。本当にキミ自身のこと。
流石に千年近いことを全部語れとは言わないけどさ。
キミ自身のこと、話せる範囲であるだろ。出自とか、在り方とか」
我ながら漠然とした言い方だ。
だが、そうとしか言いようがないから仕方ない。
何となく撫でる首元は、無意識に"痕"を撫でてしまう。
「そんな物騒な子じゃないよ、多分。
僕にとっては、普通の、いい子なんだ。
別に人じゃなくなったからとか、些細な事だよ」
その人の本質が変わらない限りは、
その在り方まで変わるはずもない。
……ただちょっと彼女のことを思い出すと、
ほんのり頬が赤くなる。顔を合わせるたびに色々やってれば、
思春期の年頃なら色々思い出すことだってある。
「まぁ、実際一回死んじゃった後らしいけどね。
そこから異能で……って、聞いた話通りならだけど」
興味あるの?とおもむろに訪ねた。
■クロメ >
「……………」
――ナ、どうして?
先だって、輝夜にあったせいだろうか。
思考にノイズが走る。
いや、ノイズではない。ないが、今、この場で必要なものではない。
「……吸血種のあり方など、知れたことだろう?
人の血をすすり、食らう。その程度の話だ。」
誰しもが、そう思う。
誰しもが、そう信じている。
そういう、誰もが知り、誰もが想う在り方が、ある。
そういうものだと。それで十分だろう。
「出自など、父と母の間に生まれた、で十分だろう?」
小さく首をふる。
「乳繰り合ったから、だけでもない、と?」
些細なことだと、そういう男に問いかける。
欲に溺れているだけではないのか、と
「興味……か。
今の話で、少々は。
人ではない人であれば、こちら側に近いだろうからな」
■橘壱 >
橘壱には当然、人の心を見透かすような超能力も、
過去を見通すような異能者など成り得るはずもない。
ただ、あの日の夜がきっかけになったのかはわからない。
何となく、何時もの彼女とは少し違う雰囲気もある。
「──────言ったはずだ。
それだけじゃ終わらせないって」
本当にそんな存在なら、わざわざ人間を嫌悪するのか。
餌の一部程度にしか思っていなければ、きっともっと冷たく、
こうして隣り合わせになることも決して無かった。
わずかに立ち上がれば、一歩、一歩と彼女に近づいた。
彼女の下へ、よりその中へと踏み込むように一歩、と。
視線を合わせるように膝をつき、間近。
ぐるぐる眼鏡の奥の碧は、鋭い位彼女を見据えていた。
「……その程度の話なのか?本当に?」
食い入るような問いかけと、偶然にもノイズが重る。
「シンパシーってやつ?
もしかして、環菜ちゃんと友だちに成りたい、とか?」
人間は嫌いだけどそれ以外は平気。
寧ろ、好意的なようにも見える。
それがただの人嫌いには、どうしても見えなかった。
■クロメ >
「……面倒な」
呆れたような声が漏れる
そんなにも聞いて、どうしようというのか。
知ったところで、どうしようもない話だ。
……いや
あの呟きを聞いたというのなら
「……度し難い」
あの呟きにしたがって、答えを求めようというのだろう。
自分の間抜けさ加減が許せない
そのきっかけになる、言葉を漏らした自分自身に呆れる。
「そうだ。
私は、お前たちが思い描くような在り方でいる。
わかりきったことだ。その程度の話、だろう?」
怪異は、宙に腰掛けた。
泰然とした領主然でもあり、暴君のごとくであり、
「友? そういうつもりはない」
ただ、興味があった。
こちら側の存在として