2024/10/29 のログ
クロメ >  
「……」

献身的
嗚呼――そういう捉え方も在るのか。
そして、確かに。そうとも言えるのだろう。
実に、度し難いことだ

そんな……

「そうか」

運命を、宿命を変える
そんなことが、一介の人ごときに出来るわけもない
したい、というのなら。邪魔にならない範囲なら好きにすればいい

「……煩わしいからな

とはいえ、話しすぎた気もする。
結局のところ、勝てないのだ
バケモノは、人に

「契約?
 そうだな。約定を破ったら、寸刻み、というのはどうだ?」

まるで本気でもない様子で、しかし内容はひどく凄惨なものを口にした。
真顔、である

「貴様自身なら、どうするというのだ?」

橘壱 >  
不意に、口元がニヤリと笑う。

「──────出来っこないとか思ってるでしょ?」

何度も見てきた、その視線。
日和った奴等は必ずそういう目をする。
お前に出来るはずがないって。
けど、それをどれもこれも覆してきた。
そうしてかつでは玉座に居座ってきた。
そして、一時期燻っていたが、その遠慮ももうない。

「そう思いたいならそう思えばいい。
 悪いけど、クロメが思うようにはならないよ」

運命も、宿命も、何でも変えて見せる。
目の前に立ちふさがる相手がバケモノでも関係ない。
広大な世界(ソラ)を羽ばたくのなら、それ位出来なきゃ意味がない。

「おぉ……思ったより直球なの来たな。
 要するに約束破ったら"殺す"っていうんだろ?
 案外重いな。嫌いじゃないけどね、僕は」

おどけたように肩を竦めたが、冗談とは思ってない。
裏を返せば、破る気もなく、万一はそうなる"覚悟"もある。

「因みに約定の内容って、さっき僕が言った通りでいいの?
 ……え、僕?クロメが破った場合のこと、僕が決めていいのかい?」

クロメ >  
「……」

仮にできたとしても、だ。
その先に何を見るのか。
それでも、というのなら好きにすればいいとは思う。

そこまで面倒を見る義理はない

……砕けるというのなら、やってみるといい

「やはり――下らん。」

一言で、切って捨てた
直球の、それはただの冗句だったとでもいうように
命など張らせたところで、何になるのか

「いっそ、不能、とした方がいいか?」

やはり真顔だった。

「そも、約定など。
 己で課す制約でもあろう。
 貴様自身なら、己に何を課す?」

視線は男を貫いていた

橘壱 >  
砕けるかはわからないが、ある種の確信はある。
何時か必ず、そこに届く。例えどんな困難であっても、関係ない。
必ず世界(ソコ)に、羽ばたいて見せる。

「どうも……って、待て待て。
 いきなりそれは話が変わるじゃないか」

流石にハロウィンでボコボコにされるのは困る。
思わず両手を上げて降参(ホールドアップ)のポーズ。

「それもそうか……自分に課してるものなら、
 それこそ結構多いと思うけどね。自分で言うのも何だけど」

世界に羽ばたくことも、唯一無二の例外(イレギュラー)になることも、
全て己の夢。約束。何れ至る未来と定めている。
そのために何処までも努力を重ね、多くの人々と出会った。
そこには勿論、彼女だって含まれる。

「そうだね……それを踏まえて、連れてくよ。
 僕が羽ばたく世界(ソラ)で、そうだな……。
 クロメもうそんな仏頂面しないような場所に連れて行く」

「……ってのは、どう?」

自由に羽ばたく鴉の翼で、白羽の向こう側につれていく。
世界最強(最も自由)を謳うその時はきっと、必ず見せれるはずだ。

クロメ >  
「冗談だ」

どこまでが本気でどこまでが冗談だったのか。
その氷の表情は相変わらずであった。

「……それで」

様々な夢を、思いを描く。
実に人間らしい、欲深なことだ。

それを踏まえて

成せなかったとしたら?」

そう、問いかける

橘壱 >  
─────成せなかったとしたら?

可能性の話をすれば、あり得ない話ではない。
寧ろ、一つ才能がある程度の非異能者だ。
欲深く、絵空事と笑われても仕方ない。
"慣れているさ"。

「……それが出来なかった時は、
 その時の僕は"至らなかった"んだろう」

「それこそ、好きにしたらいい
 寸刻みでも、不能でも、鬱憤をぶつけるでも。
 文字通り、何時だって命がけさ。成せなかったら、そういう事だ」

死んでいるのと変わりはしない。
理解した上で、怪異(少女)に心臓でも、
生命でも何でも差し出してみせよう。

クロメ >  
「なるほど」

眉一つ動かない。
どこまで本気で聞いているのか
どこまで真面目に取り合っているのか

「実に、下らん。
 なら、好きにしろ」

聞くべきことは聞いた
言うことは……余分なほどに言った

「私から言うべきことは、もうない」

その先は、流転する運命の内にしかないだろう。
座った体勢から、小さく翼を広げる

「菓子は、好きにしろ。
 ……それらに罪はない」

橘壱 >  
「……此れでキミの言う所の"契約"って奴にはなった、のかな?」

相手が本当にその気ならそうなるはずだ。
相変わらずその凍てついた態度だけど、
改めて明言しておくことに悪いことはない、はず。
何とも言えない表情で、頬を掻いた。

「と言っても、僕から差し出せるモノはそれくらいだしなぁ……」

生憎非異能者(もたざるもの)
それこそ持ってるカードなんて命位だ。

「そっか。今日はありがとう、結構付き合ってもらったしね。
 そろそろ僕も……えっ、いや、キミが貰ったやつなんだけど……?」

もしかして、さり気なく処理押し付けようとしてる???

クロメ >  
「対価なら、見合うものにすべきだ」

冷然と、口にする。
なにがどう、ということもなく

「私の知ったことではない」

契約、というよりは一方的な約定
それなら特に関知することではない。と
そのようにいう

「男が持つモノ、なのだろう?」

ふわり、と浮く

橘壱 >  
「遠回しに、僕には価値がないって?
 言ってくれるよ、ホントに……言い損じゃないか?」

言わせておいてそれかよ。
やれやれ、と思ったが、まぁそんなものか。
彼女にとって、たかが人間の命だとしれている、と。
他に差し出せるもの……、……脳裏に過るものは、数多くある。
そのうちの一つは──────……。

「…………なくはない……けど……」

首筋を手で覆った。まるで、庇うように。

「……そ、そうだけど、キミが貰ったやつだろうに。
 どんな形であっても、キミが食べるべきだと思うけどな」

若干声が上ずった。
思ったより脳裏に過った動揺を引きずっている。

クロメ >  
「……」

男の様子を見る
思い悩む様。庇うように首筋を覆う、手

「考えておけ。価値がどこにあるか」

ばさり、と宙に飛ぶ

「甲斐性、といったか?
 発揮してみたらどうだ?」

怪異は、少しずつ掻き消えていく

橘壱 >  
自分の命の価値は然程高くはない。
それ以上に自分を押し上げるもの、縁。
自らを繋ぐもの。脳裏に過る友人たちの中で、
特に色濃く映ってしまった。表情も強張るというもの。

「…………言われるまでもない。僕の価値は…………」

違う、そんなことはない。
証明してやる。それこそ、己の存在を。
消えゆく少女に今はその先を言えることもなく、
その瞬間を見送ることになって、は、とする。

「……いや量!やっぱり僕に押し付ける気だろ!?おい!」

止める間もなかったろう。
完全に消えた時にクソ、と悪態を吐くハメになった。

「しょうがない。戻ったらイヴと一緒に食べるか」

踵を返し、群像の中へと消えていく。
差し出す価値。己の中で、最も価値があるもの。

「おいそれとは、言えないよな」

自分だけのモノというには、傲慢すぎる。
そんなぼやきさえ、宵闇の中に消えていった。

クロメ >  
「……………」

嗚呼、本当に
これは

「……度し難い、な」

消えゆく怪異は、どこへともなく呟いた

ご案内:「学生通り」からクロメさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から橘壱さんが去りました。