2024/12/21 のログ
■桃田 舞子 >
甲種不明犯、機界魔人テンタクロウの正体はお世話になった藤井先輩だった。
……藤井先輩はいつも柔和に笑っていた。
あの日、ダスクスレイに斬られるまでは。
頭を振って思考を振り払う。
感傷的なまま守れる命なんて一つたりともないぞ舞子。
交通整理の後に警邏までしてるんだ、交通部であったとしても。
街の風紀を………風紀。
藤井先輩だって守ろうとしていたはずなのに。
どうして……
「っくち!」
くしゃみが出た。寒いから仕方ないのだけれど。
帰ったら温かいものを飲もう。
夕飯はうどんがいいな。カレーうどん。
■桃田 舞子 >
一方通行に迷い込んだスクーターを止める。
風紀であり、交通部なのだから。
こういうことはちゃんとしないといけない。
「ああ、こっちは車両で入っちゃダメなんですよ」
「エンジンを切ってから戻ってくださいね」
会釈して見送る。
一年の子かな。
テンタクロウは……あんな子も標的にしていたのかな。
ダメだ、思考が暗い。
寒い時にお腹が空いてるからいけないんだ。
誰だってネガティブに思考が流れるに決まっている。
そう思え。
■桃田 舞子 >
でも、思い込もうとしてもどうしてもあの頃を思い出す。
風紀全体で犯罪抑止に力を入れていて。
あっちゃんがいて。
私がハンカチでミートソースで汚れたあっちゃんの口元を拭っていて。
天羽先輩がそれをからかって。
藤井先輩が笑顔で仲が良いことは、良いことなんだって諭して。
どうして……こんなことに。
通信を切って足を止めてしまった。
今は一歩も動けない。
悲しみと涙がどこかに行くまで。
■桃田 舞子 >
しばらく足を止めて冬の只中にいたけれど。
顔をぐしぐしと拭うと、また歩き出す。
私みたいなモブには劇的なイベントなんてなくて。
それでも、冬の風に傷つくだけ傷ついてしまって。
また歩き出さなければならない。
街で誰かが笑顔のままでいられるなら。
私は風紀委員であり続ける。
ちょっと辛い時もある。でも…これが私のやるべきことなんだ。
■桃田 舞子 >
通信をオンラインに戻すと、
定時連絡を入れてまた警邏に戻った。
何事もなかったかのように。
ご案内:「学生通り」から桃田 舞子さんが去りました。