2025/01/18 のログ
ご案内:「学生通り 河川敷」に睦月ルメルさんが現れました。
睦月ルメル >  
オリエンテーションを受けて数日。
学生証兼スマートフォンと制服、個人口座と当座のクレジットが支給されたものの──

「ここをキャンプ地にするわ!」

──クレジットを使ってホテルに泊まる、と言う発想が無かった。
河川敷に荷物をまとめ、流れてくる木材を集める。

「ちょっと泥の匂いに違和感があるけど……まあいいわ!」

建築の方法などは分からないので、とりあえず流木やビニールを藁の様に積み上げる。
その下に制服やクレジットを仕舞い込んで、雨風からしのぐ。

睦月ルメル >  
「魚もワームもほとんどいないわね……」

何せここは学生通り。学生居住区と異邦人、歓楽区に近い南方の河川敷。
整備のなされたそこは、綺麗であるが故に魚はほぼいない。

「この学生証もどう使うのかしら? 操作の仕方と学生証の出し方は教えて貰ったけど、それ以外はさっぱりだわ!」

覚える事は非常に多い。
端末の詳しい使い方や取引の仕方については教えて貰っていない。
このクレジットで泊まる所を探してください──とは言われたものの、泊まる所がどこにあるのかもしれないし、クレジットの使い方もイマイチわかっていない。

「あとは、学費としてお金が要るみたいなのよね。流石の私もお金は知っているけど……」

一応、経済の概念については最低限の知識がある。
だからこそ、高度な決済や取引に付いていくことが出来ていない。

睦月ルメル >
「その辺りも人間さんに聞いてみましょ!」

積み上げた木の枝の中から学生証を取り出す。
この学生証を使うことで遠くの人と連絡──電話出来るときいた。

連絡帳の中には生活委員福祉課と、教師としての小鳥遊日和(人魚もどき)の連絡先のみ。
数字の組み合わせで個人を特定するらしいが、法則が良く分からない。

「これを押すとたかなしさんと声を交わせるのよ……魔法みたいだわ!」

早速押してみる。
奇妙な電子音(発信音)が響く。

「たかなしさん? たかなしさん?
 うーん……故障かしら……もう一回押して……あっ、音が止まったわ。」

この人魚は繋がるまで待つ、と言うことを知らなかった。
故障やミスだと思いもう一回仮想ボタンを押して、通話を切ってしまう。

「何度か押したら変わるかしら?」

端末を数度連打する。
00:01の着信履歴が履歴に重なる。

睦月ルメル >   
「うーん、また明日人間さんに使い方を聞きましょ。
 当面の目的はお金と電話ね!」

学生証を木の枝の中にしまって再び河川の中へ。
分からないことは人間さんに聞くのが一番。
この人魚はそう思っている。

「とりあええずはごはんね! 少し骨が折れそうだけど、この川の中で探しましょ。」

人工的な河川を深く潜り、身体を揺らし遊泳する。
微妙にドロ泥臭い魚を微妙そうに食べながら、夜を明かす。

睦月ルメル >
翌日──。

「河川敷は住む所じゃないのね!」

──河川敷に棲んではいけない所らしい。叱られた。
なんでもこの辺りの河川敷は用水路の役割もあり、衛生的にだめらしい。
結果として、常世島の水道事情を聞く一日となってしまった。

「綺麗な河川や用水路は、農業や工業水生活用水としての水を供給したりするため。
 汚いのは工業や生活で汚れた水を処理して海に流すもので、
 水の性質が人間さんには適さないこともあるから棲んじゃだめ。」

「人間さんが飲むための水をためた大きな溜め池(ダムやタンク)があって、そこも棲んじゃだめ。
 綺麗にする機械がくっついているから危ないし、飲み水が汚れるから綺麗にしなきゃいけないのよね!」

尚、お金や学生証の詳細な使い方はちゃんと教えてくれた。
異邦人向けの労働と経済に関してはまた後日とのことらしい。

「人間さんって、やっぱり色々考えてるのねー。」

ご案内:「学生通り 河川敷」から睦月ルメルさんが去りました。