2025/01/18 のログ
ご案内:「学生通り 河川敷」に睦月ルメルさんが現れました。
■睦月ルメル >
オリエンテーションを受けて数日。
学生証兼スマートフォンと制服、個人口座と当座のクレジットが支給されたものの──
「ここをキャンプ地にするわ!」
──クレジットを使ってホテルに泊まる、と言う発想が無かった。
河川敷に荷物をまとめ、流れてくる木材を集める。
「ちょっと泥の匂いに違和感があるけど……まあいいわ!」
建築の方法などは分からないので、とりあえず流木やビニールを藁の様に積み上げる。
その下に制服やクレジットを仕舞い込んで、雨風からしのぐ。
■睦月ルメル >
「魚もワームもほとんどいないわね……」
何せここは学生通り。学生居住区と異邦人、歓楽区に近い南方の河川敷。
整備のなされたそこは、綺麗であるが故に魚はほぼいない。
「この学生証もどう使うのかしら? 操作の仕方と学生証の出し方は教えて貰ったけど、それ以外はさっぱりだわ!」
覚える事は非常に多い。
端末の詳しい使い方や取引の仕方については教えて貰っていない。
このクレジットで泊まる所を探してください──とは言われたものの、泊まる所がどこにあるのかもしれないし、クレジットの使い方もイマイチわかっていない。
「あとは、学費としてお金が要るみたいなのよね。流石の私もお金は知っているけど……」
一応、経済の概念については最低限の知識がある。
だからこそ、高度な決済や取引に付いていくことが出来ていない。
■睦月ルメル >
「その辺りも人間さんに聞いてみましょ!」
積み上げた木の枝の中から学生証を取り出す。
この学生証を使うことで遠くの人と連絡──電話出来るときいた。
連絡帳の中には生活委員福祉課と、教師としての小鳥遊日和の連絡先のみ。
数字の組み合わせで個人を特定するらしいが、法則が良く分からない。
「これを押すとたかなしさんと声を交わせるのよ……魔法みたいだわ!」
早速押してみる。
奇妙な電子音が響く。
「たかなしさん? たかなしさん?
うーん……故障かしら……もう一回押して……あっ、音が止まったわ。」
この人魚は繋がるまで待つ、と言うことを知らなかった。
故障やミスだと思いもう一回仮想ボタンを押して、通話を切ってしまう。
「何度か押したら変わるかしら?」
端末を数度連打する。
00:01の着信履歴が履歴に重なる。
■睦月ルメル >
「うーん、また明日人間さんに使い方を聞きましょ。
当面の目的はお金と電話ね!」
学生証を木の枝の中にしまって再び河川の中へ。
分からないことは人間さんに聞くのが一番。
この人魚はそう思っている。
「とりあええずはごはんね! 少し骨が折れそうだけど、この川の中で探しましょ。」
人工的な河川を深く潜り、身体を揺らし遊泳する。
微妙にドロ泥臭い魚を微妙そうに食べながら、夜を明かす。
■睦月ルメル >
翌日──。
「河川敷は住む所じゃないのね!」
──河川敷に棲んではいけない所らしい。叱られた。
なんでもこの辺りの河川敷は用水路の役割もあり、衛生的にだめらしい。
結果として、常世島の水道事情を聞く一日となってしまった。
「綺麗な河川や用水路は、農業や工業水生活用水としての水を供給したりするため。
汚いのは工業や生活で汚れた水を処理して海に流すもので、
水の性質が人間さんには適さないこともあるから棲んじゃだめ。」
「人間さんが飲むための水をためた大きな溜め池があって、そこも棲んじゃだめ。
綺麗にする機械がくっついているから危ないし、飲み水が汚れるから綺麗にしなきゃいけないのよね!」
尚、お金や学生証の詳細な使い方はちゃんと教えてくれた。
異邦人向けの労働と経済に関してはまた後日とのことらしい。
「人間さんって、やっぱり色々考えてるのねー。」
ご案内:「学生通り 河川敷」から睦月ルメルさんが去りました。