2026/02/16 のログ
ご案内:「学生通り」にコトハさんが現れました。
■コトハ > 少女は、苛立ったような様子で足早に街を歩く。
青みがかった黒髪が風と振動にゆらゆらと揺れ、ワンポイントに飾られたリボンのようなアクセサリーも揺れ動く。
「ったく。アクセでも見ようって常渋いってみりゃ、なんかガタガタとうるせーし。
誰だ、あんなとこで暴れた馬鹿は。バーカ!」
ぶつぶつと文句を垂れ流す声もまた、風に流れて消えていく。
それとともに、口に咥えられたキャンディーの棒もまた激しく動く。
実際の所なにがあって、どうかなったか、など少女の知るところではない。
ただ、何某かが起きたのなら、どうせどこかの誰かのせいだ。そう決めつけていた。
「この辺だって、なんか前さわがしかったしな……」
ぴたり、と止まって一息、ため息を付く。
それから、ぐるり、とあたりを見回す。
怒りに任せて歩き進めたせいで、どこまで来たのか自分でもわかっていなかった。
「あん……?」
そして、見回してみたがどうにもあまり行きなれていない辺りまで来たようであった。
しばし、首を傾げる。
ご案内:「学生通り」に青霧在さんが現れました。
■コトハ > 見覚えがない。どこだかわからない。
学生街の、なんということはない街並みの一部であることは間違いない。
なにかを間違えて落第街に迷い込んだ、などということもない。
「……クソ、なんでこんなとこで迷ってんだ」
ピコピコと咥えた棒が上下に揺れる。
少女の苛立ちが、そのまま表れたようである。
それでも辺りをもう一度見回してみる。
「マジで、どこだ……」
もう一度、ため息を付く。
最近、どうにもなにかの歯車があっていない気がする。
こうなれば、諦めて逆に遡って戻ればいいだろうか。
しかし、デタラメに歩いてきた気もする。本当にまっすぐ戻ればいいのだろうか?
■青霧在 > 学生街、普段通らない道。
段ボールを3つ浮かせて歩く。
「……」
「どうかしましたか」
見渡し、傾げ、溜息を吐く学生と思わしき少女。
恐らく迷子だろう。学生街での迷子は珍しいが、無いことでは無い。
今はプライベートだが、わざわざ適当な委員会に声をかけるぐらいなら
自分で案内した方が早いだろう。
浮かせた段ボールは低めの位置で三つ揃え、両手は開いて見える位置に。
ここまで意識したのは、
少女から刺々しい雰囲気を感じた為だ。
■コトハ > しばらく首を捻っていた少女に声がかかる。
落ち着いた声であり、多くの人は不審がりもしないだろう。
「……あ?誰だテメェ」
しかし、少女の返した言葉は棘があった。
振り返って見はするものの、しばらく警戒するように上から下まで相手を眺める。
「段ボール浮かせて変なヤツだな。
わざわざ普段から"力"使ってんの?」
相手の質問など聞いていなかったかのように、好き勝手論評する。
その言葉からは、それなりに観察をしていることだけは伺える。
「ってか、テメェ知り合い……じゃ、ねーよな。
ナンパか?」
一瞬だけ、なにかを考えてからそんな結論を下す。
勿論、荒唐無稽な答えではある。
■青霧在 > 返って来たのは、敵意すらうかがえる応答。
どうやら、予感は当たっていたようだ。
「初めまして5年の青霧といいます」
「お困りのようなので、何か力になれないかなと」
とはいえ、一度声をかけた以上は最後まで。
疑いの余地や言い掛かりの切っ掛けを与えれば、
面倒なことになりかねない。
声かけの際に両の掌を晒したように、
風紀委員会であることは伏せておく。
両者の距離は5mほど。
こちらからは距離を詰め過ぎないようにする。
「このあたりのことなら、よく知っています」
「ですので、お力になれるかと」
親しみやすい表情というのは苦手だが、
呆けた表情や軽薄な表情も同様に苦手だ。
少なくともナンパするような顔にはなっていない…筈だ。
■コトハ > 改めて、相手の男の顔を見る。
堅い表情、とまでは言わないが柔らかいとも言えない顔。
一般的には、無害、な方には入りそうな部類には見える。
「……はン」
ガリ、と少女の口内で音がした。咥えた飴が砕ける音だ。
ポケットから新たな飴を取り出し、袋を外す。
「……」
一瞬、口元に残った棒をその辺りに捨てるか迷う顔をして外した袋に包んでしまい込む。
代わりに新たに開けた飴を咥え直す。
「青霧サンね。お人好しだな、パイセン。
ま、ナンパ……ってワケでもなさそーだな。」
肩を軽くすくめて見せる。
こちらも、柔らかい、とまでは行かないが硬くはない顔になる。
「ムカついて適当に歩いてたら、ちょっと迷ったみたいでさ。
まあ、困ったっちゃあ困ったんだろーけど。そんな感じ」
そういって、肩をすくめて見せる。
■青霧在 > 幾つかの工夫が功を奏したか。
はたまた飴を嚙み砕いたことで苛立ちが収まったか。
軟化した態度に、内心一息。
だからと言って態度は崩さない。
ここで突然対応を変えれば、余計な疑いに繋がる。
そこまでする必要もないのだろうが……
「学生街は広いですから」
「良ければ分かりやすい場所まで案内しましょうか」
俺ならば学生街で迷子になることは無いだろうが、
全貌を把握しているとは言えない。
五年暮らしていてこれなのだ。
後輩である彼女が知らなくても、仕方がない。
■コトハ > あくまで丁重な態度は崩さず。
慎重といえば慎重。やりすぎといえばやりすぎな姿勢。
そこにどこまで少女が気づいていたか。
「あー……まあ、そうだな……」
あちらこちらを見て、考えるようにする。
といって、考えるほどのことでもない。結論は、YesかNo。
そこにリスクが有るかどうか、が問題ではある。
「では、お言葉に甘えさせていただきます。」
口から漏れ出たのは棘の抜けた言葉。
ガラの悪い先程までとは打って変わったような一言。
といって、顔がそこまで軟化したわけでもない。
ただ、代わりにあえて開けられた距離を歩いて縮めていく。
「それにしても、人助けとか趣味なのパイセン?
わざわざ気ぃ使ってよぉ。バッカみてぇ」
近くまで寄っての一声はそれだった。
またガラの悪い言葉である。
■青霧在 > 「分かりました。それなら……」
少女の返答、そして距離を詰める動きに、微かな達成感。
案内の申し出が受け入れられただけだというのに、
随分と達成感のハードルが低くなっている。
ここの所、誰かの役に立っているという実感に乏しかった為だろうか。
ゆえか、一瞬表情が緩む。
安心の類、張り詰めた糸が緩んだような柔らかい表情が微かに見て取れるだろう。
そんな表情を晒したことなどいざ知らず……
周囲の風景とこれまで来た道を思い返し、
大まかな現在位置を予測する。
「こちらへ。学生通りの方だった筈です」
そして人通りの多い方へと歩き始める。
「趣味……ではないですね」
「ただ、無視して通り過ぎるというのが出来なかっただけですよ」
普段からこう、という訳ではない。
あらゆる困りごとに手を貸していては、いくら時間があっても足りない。
偶然今、目の前の少女を助けようと思っただけなのだ。
それにしても、
言葉遣いこそ悪いが、態度は随分と軟化した。
これが彼女の素だろうか。
「そうだ、名前を聞いても良いでしょうか」
「……改めて、青霧在です」
■コトハ >
相手に近寄り、案内のお願いをする。ただそれだけの会話。
しかしそれで堅いとも柔らかいとも判じ難い男の顔が、わずかに緩む。
歓喜、というようなものではない。
どちらかといえば、安堵に近いものだろうか。
その顔はほんの一瞬であり、まじまじと見ることは出来なかったが確かに少女の目に映った。
「ふーん?」
小さく呟く。
少女には流石に相手の思惑までは分からない。
何の安堵だろうか。提案を受け入れられた安堵?
流れとしてはそれくらいが妥当であろう。
しかし、本当にそうだろうか、と一瞬思う。
思いはしたものの、答えなどでない。
「無視できなかった、ね。そりゃやっぱお人好しってとこ?
たまたま?だとしたら、何が決め手だったんだか。
やっぱナンパなんじゃねーの?」
キャハハ、と笑う。明らかに本気ではない。
軽口、無駄口、そういった類のなにか。
「名前ー?この流れで聞くー?マジで?
えー、どーすっかなー?」
なおもからかうように言葉を紡ぐ。
ナンパ男相手であれば、確かによろしくない流れなのかもしれない。
「なんて。私は、久森琴葉です。
よろしくお願いします、青霧先輩」
ぺこり、と頭を下げる。仰々しいほどではない。
後輩から先輩に対する、普通の礼、程度のもの。
「といって、先輩のほうが学年が上、ということくらいしかわかりませんけれど。
ああ、私は一年生です、と一応。」
学生としての年功序列程度しかわからない。
とりあえずあとは、箱を浮かせて(?)運んでいたことから、なんらかの異能か魔法を使えるだろうことくらいか、と少女は考える。
自分は異能は使えない……はずなので、共通点は学生くらいだろう……か?と思い、年次くらいは伝えることにした。