2024/06/01 のログ
ご案内:「商店街」に桜 緋彩さんが現れました。
桜 緋彩 > 「うぅーん……」

パソコンショップの店頭でパソコンを眺めて唸る。
使っているパソコンの調子が悪く、見て貰いに来たのだが。
買い替えた方がいいですねーとあっさり言われてしまった。
確かに実家を出る時に家族で使っていたやつを貰ったから、結構前のやつではあった。
つい先日まではまだ使えると思っていたのだが、どうやらもうすぐOS?とやらのサポートが切れるらしい。
どうせ使うものだし、せっかく買うならいいものを、と思って店頭に並んでいるものを見比べているのだが。

「ううーーーーん……?」

さっぱりわからない。
特別機械に疎いと言うわけでもないのだが、パソコンのことは詳しくない。
CPUがどうたらグラフィックがこうたら色々書かれているが、何がどう違うのかさっぱりわからない。
なんとなく値段が良い方が良いやつだと言うことは辛うじてわかるものの、じゃあ一番高いものをと言う訳にもいかない。
だって高いんですもの。

「と言うかなんでパソコンが光るんでしょうか……? 光ってるやつが良いやつ……?」

虹色に光を放つパソコンを、腕を組んで不思議そうに眺める。

ご案内:「商店街」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 > 「ンぁ……?」

帰りがまあまあ遅くなってしまい、いっそ急ぐことを止めてのろのろと商店街を歩いていると、どうやら少女がPCを物色しているのが目に留まる。

「……ウインドーショッピングっていう文化も女子にはあるし、うン」
珍しくもない光景なので、向かいの店先に鎮座している灰皿の傍で煙草を銜えて一服……

ご案内:「商店街」から先生 手紙さんが去りました。
ご案内:「商店街」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 > 珍しくもない光景、なのだが。

「……ふーっ」

紫煙を吐く。

(いや、長ェな!?)

言葉の方は飲み込んだ。

桜 緋彩 >  
「ううんんんん」

延々並んだパソコンを睨み続けている。
構成パーツの名前がずらずらと並んだスペック表。
英数字で書かれたそれらのどこをどう見ればいいのかわからない。
一応パーツごとの詳細なスペックも書かれているが、知らない者からすると逆にわからない。

「メモリ……? ストレージと単位が同じですが……? しーぴーゆー?のこれは、音?周波数の単位、でしたっけ……?」

しーぴーゆーとやらに音が何か関係しているのだろうか?
水冷と空冷と言う違いもあるが、パソコン内部を見ても特に水が使われている様にも見えない。
なにより虹色に光ってとても目が疲れる。
どうして虹色に光るのだ???

先生 手紙 > そして一本目の煙草は灰になった。灰皿にポイ。

二本目を吸うべきか、それとも……いや、この娘は何に悩んでいるのだろう。自己主張強めのゲーミング仕様PCの光がSSRな後光のようだ。

「あのー」

後ろに立つ前に、声をかけてみた。

桜 緋彩 >  
「んむ?」

異世界の言葉のようなそれらを何とか解読しようとうんうん唸っていたら声を掛けられた。
振り向けば、自分より幾分背の高い男性の姿。

「――あ、もしかしてお邪魔でしたでしょうか。申し訳ありません」

気が付けばパソコン売り場を占拠している形になっていた。
ぺこりと頭を下げて一歩横にずれる。
その間もゲーミングに発光するパソコンの光に気を取られてそちらをチラチラ。

先生 手紙 >  
「や、邪魔じゃないよ。おれがお邪魔する感じ。ほんとはも少し早く声かけよっかなーって思ったけど、ナンパと思われないセリフ回しを考えてたら遅くなっちまってさ」

それで「あのー」である。自身が危惧するナンパの才など持ち合わせてねえのであった。

「パソコン欲しいの? お値段とスペックで応相談みたいな?」

桜 緋彩 >  
「ナンパだとしてもそれで邪険に扱ったりなどは致しませんよ。あまりにしつこいようなら別ではありますが」

迷惑を掛けないのなら、誰にどういう目的で話しかけるかと言うのはその人の自由だ。
気持ちはわかるが、それに対して邪険に対応するのは、それはそれで失礼だと個人的に思っていたりする。
ただししつこいのは別、そう言う場合は拘束して風紀行き。

「まぁ、はい。今使っているものがだいぶ古くなっておりまして。買い替えようと思ったのですが、どれを選べばいいのかさっぱりわからず……」

レインボーに光るゲーミングパソコンに視線をやる。
どうして光るのだろう。
しかも性能がいいやつ(と思わしきもの)ほど派手にビカビカ光っている。
視界の邪魔じゃないのだろうか。

先生 手紙 > 「そ? じゃあ失礼しましてっと」

空けていた距離を埋めつつ、件のゲーミングPCを見、値段を見て「うへぇ」となるなどした。

「なるほど。頻繁に買い替えるようなもんじゃねェしな。うン」

そこで先生手紙に天啓――!

(あ、眩しい理由の方が気になるやつだな!?)

「おれもそこまで詳しくないけど」前置き。

「パソコンって現状、一番性能使う場面ってゲームするときなんだよね。だから性能がいいほど高くなって……えーっと、アレだ。光ってるのは『オレは余裕で光るくらいのスペックのPCなんだぜー!』ってアピールしてるような感じかな。――君、ゲームする?」

見た目からして隣の少女からそんな感じはしないけれども。

桜 緋彩 >  
偉大な存在と言うのは輝いて見えるものだ、と言うのをなんかどこかで聞いた気がする。
それはともかくとして、ゲーム用パソコンと言うのはつまりそれと同じようなものなのだろう。
本当か?

「――誰にアピールするのでしょうか?」

ゲームについてはあまり詳しくないが、パソコンでゲームする時はあまり人が回りにいる環境でやらないのではないだろうか。
今時のゲームセンターは殆どがクレーンゲームメインだし、ネット対戦全盛期になって久しいし。
アピールする相手、いないのでは???

「ゲームは、やったことはございませんね。友人がしているのは何度か見たことがありますが。上からブロックが振ってくるやつとか」

ゲームよりも実際に身体を動かす派。
と言うか空いた時間は修練に当てているので、ゲームをやっている時間がないとも言える。

先生 手紙 > この島、このPCみたいに無闇に発光するタイプの人類がいないとも限らないからタチ悪いよね。

「それはほら、これから買う人に。たとえば君。おれのは光らないけど、勝った後で光る機能オフにする人フツーにいるって話だよ」

言いつつ、ならば彼女の求めるスペックは光る程ではないのだろう。なので視線をそれより奥の、幾分かお値段のお安い本体に移動、移――とある理由で見えなかったので、彼女の左側から右へと後ろを通って移動しました。小柄なのにな!この娘!

「ン、ン。なら勉強使いする感じ?それならまた何年かもつくらいので、ハコかノートかはお好みなンじゃないかなー」

桜 緋彩 >  
何かの薬を飲んで蛍光色に光る人類もいかねないのが怖い。

「買った後で光らなくすると言うことは、光ることがメリットではない人もいるのでは……それにこう、性能をアピールするのであれば、光る必要もないと言うか、むしろ光ることで余計に無駄な性能を――いや、そう言うのを好む人もいると言うのはわかるのですが……」

つまり光るのが邪魔だから光らなくするのであって、と言うことはパソコンが光ることはその人たちにとって邪魔と言うことになるのではないだろうか?
選択肢があるのは良いことだとは思うが、どちらにせよ「光る」と言う理由がわからない。
むしろ光らない方が光る分のスペックを他に回せるような気がしてならない。
納得はするが理解は出来ない、と言った顔。

「そうですね、あとは調べものをしたり動画を見たり。おや、こっちは光らないのですか」

彼が――何故か自分の後ろを通って――移動した方には、七色発光ゲーミングパソコンよりもう少しお手軽な値段のパソコンが並んでいた。
余りにビカビカ光っているのでそちらに注目してしまっていた。
なるほど、売り手にアピールして目を引くと言うのは間違ってはいないらしい。

先生 手紙 > 我はレは大筋においてモルモット扱いされてるから何ともいえない。怪異も異能も可能性もあるのだ。

「ま、そこは何に価値を見出すかってトコでしょ。パソコンにそこまで求めない勢のおれらは七色に光るハコの価値とは遠いのだ……虹を見つけると幸せな気分になるけどね」

しゃがむ。

「こっちはフツーのパソコンだね。ノートは持ち運びできる分、値段に対して性能に劣る。逆か。持ち運べるっていう良さがあるからちょっとお高い。君のパソコンが古くて買い替えー!だったら好みで選んじゃっていいと思うよ。大きさとか、種類とか」

桜 緋彩 >  
「なるほど、パソコン道とも言える深い道なのですね……」

腕を組んで頷く。
日夜パソコン道を極めるべく奮闘している者たちがいるのだろう。
きっとこの瞬間にも、世界のどこかで。
本当か????

「普通、そうですね、至って普通のパソコンに見えます」

こっちにあるのは光らないし、カクカクしたデザインもしていない。
見たことのないロゴとかが付いてるわけでもなく、至って普通のよく知るメーカーのロゴが付いたパソコンだ。

「個人的には持ち歩けた方がありがたいですね。予算は、まぁ恐らく過不足ないぐらいにはあるかと思います」

実際予算は潤沢にある。
さっき見ていた光るパソコンも買おうと思えば買える程度には。
その普通のノートパソコンの側にあるスペック表を見て、

「――それで、あの、どれを選べばいいのでしょう」

結局そこに書いてあることはゲーミングパソコンと大差なかった。

先生 手紙 > 「ふむふむ?じゃあノートの、」

種類はさらに大雑把にわけて二つある。

「君の元のパソコンさ、マークが田んぼの田っぽいやつ?それとも食われかけのリンゴのやつ?」

――最大の落とし穴は見逃さない。この回答次第でおそらく彼女に似合いのPCは見繕えるだろう。

店員もう少し営業頑張ってくれ。おれはPC道の猛者ではないのだ。という内心の叫びは表情共に一切出さずに。

桜 緋彩 >  
「たんぼ……? 少なくともリンゴでは、なかった、かと」

正直マークとか覚えてない。
「田」みたいなマークはどこかで見た様な気はするが、少なくとも食べかけのリンゴはどこにもなかったはずだ。

「ええと、たしかアルファベット四文字の……Aから始まる……次はSだったような……」

必死に思い出そうとするが、思い出そうとしているのがOSの種類ではなくメーカーの名前だと言うことは当然わかっていない。
読み方が複数あってどの読み方をするかで宗教戦争をしていたりしなかったりする海外のあのメーカーである。

先生 手紙 > 「えーっと明日、じゃないな。エイの方でいこう」
おそらく多数派。突発的戦闘発生に応戦するのは吝かではないが今はその時ではない。えい、えす、ゆー、コレかな?

「これとかどうだろ。今年出たモデルって書いてあるよ。値段もまあまあご予算内に収まりそうだし?」

ちょっと触ってみたら? と提案などしてみる。