2024/06/02 のログ
桜 緋彩 >  
「あぁ、これです。流石にこれよりだいぶ古そうなものでしたが」

こんなに薄くなかったし、こんなに小さくなかった。
言われた通りに触ってみる。
キーボードを叩いてみたり、タッチパッドを操作してみたり。

「ふむ、使い勝手はあまり変わらなさそうですね。なんなら小さい分前の者より扱いやすそうです」

前のは正直自分には少し大きかった。
こっちの方が手が小さい自分に合っていそうな気がする。

「ところでマウスは今使っているものを使えるのでしょうか? こう、USB?に刺して使う、電池のやつなのですが」

見た感じマウスは付いていないらしい。
タッチパッドはあるものの、マウスの方が使いやすい。

先生 手紙 > 「そっかそっか」

良さそうなのでヨシ。

「マウスとUSBの規格はだいたい同じだから、君ン家のマウスそのものがイカれてなきゃ大丈夫でしょ」電池で動くなら無線かな。
まったく関係ないが自分のマウスは有線である。

「パソコンよりは消耗品だし、気になるなら買ってもいいし、家に帰って確かめてからでもいいと思うよ。パッド付いてるから最悪動かす分には困らンし。そしたら今度はマウスを買いにくればいいンじゃない?」

よいせ、と立ち上がる。いかがでしょうかお客様。

桜 緋彩 >  
「ふむふむなるほど」

マウス自体は多分元気に動いていたし、大丈夫だろう。
それこそダメだったらまた買いにくればいい。
今日は特に使う用事もないし。

「いや、助かりました。値段で決めようにも、仕様書に書いてある性能が同じでも微妙に値段が違っていましたし、そもそも仕様書の読み方もわかりませんでしたので」

深々と頭を下げる。
彼が声を掛けてくれなかったらきっと今でも光るパソコンとにらめっこをしていただろう。
用事があるわけではないが、時間を無駄にしなくて助かった。

「想定よりも安く済みそうですし、何かお礼をしたいのですが、――っと、失礼しました。私は桜緋彩と申します、お名前をお伺いしても?」

名前を呼ぼうとして、まだ聞いていなかったことを思い出した。
自分が名乗ってから名前を尋ねる。

先生 手紙 > 「いーえ。お節介にならなかったようでホッとしてます。マシンスペックについては、ンー。おれも詳しいわけじゃないからさ? 魔術師にとって意味ある文字も魔術使わないヒトにはただの文字、程度だし重く考えなくていいンじゃない?」

学生だし、仕様書の数値が何に関係してるのかは必要になった時に学べばいい、と付け足して。

「ン。センジョーテガミ。先生って書いてセンジョウ。テガミはそのまま、お手紙です。よろしくどうぞ、桜サン」

背伸びをする。手を下ろす。

「お礼なんていいよ、別に。気になってたことが解消したし。こうして最終的には可愛い子と面識も持てた。これ以上は貰えないよ」

と、ナンパっぽいことを言いつつお会計に誘導する。

桜 緋彩 >  
「お節介などとんでもない。比較してこれがいいと選べるだけの知識すらありませんでしたので、大変に助かりました、」

もう一度深々と頭を下げる。
頭を上げ、選んだノートパソコンの注文カードを手に取って。

「そう言う訳にもいきません! 恩を受けて置いてそれを返さずに帰ると言うのはあまりにも心苦しい! 手紙どのが良くても私の木が済みません! せめて、せめて何かお飲み物をご馳走させて頂けませんか!?」

そこで引かないのが桜緋彩と言う人間である。
やんわり断られてもそうはいかぬと食い下がる。
正直食事の一つでもご馳走したいところではあるが、それがだめならせめてジュースを奢らせてくれ、と口にしながら会計へ。

先生 手紙 > 「えェー……」

彼女が買うのはパソコンで、恩を売った気はマジでないのだが……気が済まないというのなら、ここは手打ちとするべきか。なんともまあ、二本差しが似合うまっすぐな娘だこと。

「じゃ、そこの自販機でコーラちょうだい。一本でいい」

桜 緋彩 >  
「かしこまりました! では会計を済ませてきますので、少々お待ちを!」

ぱあ、と顔が明るくなる。
満面の笑顔で会計にすっ飛び、手早く目的のノートパソコンを購入。
すぐに片手で箱をぶら下げ戻ってくる。

「お待たせいたしました! ではお約束通り!」

そのまま二人で自販機へ向かい、コーラと、自分用にお茶を購入。
彼にコーラを差し出しながら、

「改めまして、本当に助かりました。大変ありがとうございます!」

びし、と頭を下げる。
その後聞けなかったパソコンについての色々を聞いて。
ある程度談笑し、彼と別れて帰路に着く。
帰り際にもしっかり頭を下げて、彼を見送っただろう――

先生 手紙 > 「あいあい。おれが困った時には助けてね」

そんな言葉の空手形。取り立てるつもりはもちろんない。


彼女の背を見送って、缶を開け……

「……もう一本吸って帰るかな、おれも」

喫煙所に戻っては、一口飲む。

思いのほか、爽快な味わいだった。

ご案内:「商店街」から先生 手紙さんが去りました。
ご案内:「商店街」から桜 緋彩さんが去りました。
ご案内:「商店街」にゼアさんが現れました。
ご案内:「商店街」にゼアさんが現れました。
ゼア > 「こっちー? はーい。どんどん運んでっちゃうよー」

 ――その日、商店街には、明らかに道行く人の目を引くであろう巨大なひとがいた。
 それこそ普通の人間であれば、一つ一つを抱えて持つような段ボール箱を、小物入れを扱うかのようにいくつも手に収めてはひとまとめに並べる。
 指三本でつまむようにして置かれた荷物は、どさ、といい音を立てた。

「もっとゆっくり置けって? えー、ゼアこれでも気をつけてる方なんだけど……よい」

 音を立てないように、慎重に。

「今度は変形してる? そんなばかな」

 思った以上に、指先に力が入っているらしい。
 《巨人化》に耐えられない段ボールが悪いんじゃないの? と、巨大なひと――ゼアはそんなことを思っていた。

ゼア > 要するに、荷運びのお仕事なのだった。

以前から、ちょくちょくこういった場所でお仕事をしていたものだから、ちらほらと顔を覚えられてきていて。
今日も遊びに来ていたら、「ちょうどよかった!」と声をかけられて。

それからあれよあれよという間にお仕事をする羽目になった。

実際、力仕事や高所作業にはもってこいの能力ではあるんだけど。
今日は遊びに来たはずなんだけどなー。

まあ、いっか。
時折関係ないことを考えながら、作業を進めていく。

「はーい、いっちょあがりー。もうちょっとだねー、がんばるよー」

別に対して疲れはしないんだけど、とりあえず言っておく。

ゼア > 「おしまーい。……だよね?」

自らが運ぶべきものがもうないことを確認して。

「ふふー、これでよし。お疲れさまでしたー」

『対して疲れはしない』とはいっても、それは肉体面での話。
1つ、間違って人を踏んでしまわないか。
2つ、己が取り扱うものをうっかり壊してしまわないか。
巨人の姿で仕事をするときには、いつも気を付けていることである。だから、まあ。神経質になる。

「おーしまいっと」

ぴょん、とその場で飛び上がって――『巨大なひと』は『ただの少女』に戻る。

光に包まれて残るのは、スケールダウンした女の子。
今日の分の報酬を貰って、おやつも貰って、適当なベンチで一息つくことにした。

ゼア > 「やっぱりビスケットとコーヒーは定番コンビ。最強。いえー」

一人盛り上がる少女。手のひらくらいのサイズのビスケットに、コーヒーより牛乳の方が多いカフェラテ。
ここ最近のマイブーム。

「はむっ……ごくん。ぷはー」

一枚を三口に分けて食べると、カフェラテで口の中のビスケットの破片を流す。
まったりした甘さが口の中に広がる。

「いえーい」

テンションアップ。誰が何と言おうと。
ぱたぱた。足が思わず動く。

ゼア > 「ごくん」

そうして最後の一口。

「ぷはー。コーヒーがしみるぜ」

適当に言っている。
そういうやつだった。

「それじゃ、改めて遊びに行こーっと」

少女は商店街の奥へと消える。
気のままにさすらい続けて――適当なところで切り上げて帰る。
今日もまた、平和な一日なりけり。

ご案内:「商店街」からゼアさんが去りました。