2024/06/28 のログ
ご案内:「商店街」にミア・コレットさんが現れました。
■ミア・コレット >
サーティツーアイスクリームを食べに来た。
特に並んでもいない。
今がチャンスというわけですね。
うわ、32種類もフレーバーがある。
どれ食べようかなぁ……
決めた! ここは三段でいく!!
「大納言小豆とブルーベリーヨーグルトと、あとチョコミントのワッフルコーントリプルで」
よぉし、今日のスイーツ枠はこれだ!!
■サーティツーアイス店員 >
「かしこまりました、どの順番で積みましょうか?」
にっこり笑顔でそう聞き返す。
■ミア・コレット >
「順……番…?」
広がる背景の宇宙。
スペースミアコレットになる。
そうか、そういうことか!!
大納言小豆とブルーベリーヨーグルトとチョコミント!!
既に組み合わせが発生している!!
チョコミントが先か……そうなると大納言小豆がラスト…?
いやいや、まずはブルーベリーヨーグルトじゃない?
じゃあチョコミントを最後に回すのかよう!!
うわー!! 考えれば考えるほどドツボ!!
「───少し考える時間をください」
と言ってカウンターから離れた。
■ミア・コレット >
落ち着いてメニューを眺めよう。
シャーベットタイプ!!
そういうのもあるのか!!
じゃあラストをシャーベットにして……
バナナアンドストロベリー!
ラムレーズン!
レモンシャーベット!!
これでコンボってことだろ!!
さながら最初に爆破シーンがあり、派手な銃撃戦があり。
ラストは静かな語り口で終焉を迎える。
そう、マフィア映画のような滅びの美学!!
だけどまだ可能性は残されている。
もっと模索しなければ……
■ミア・コレット >
クラッシュアーモンドファッジ……
これをメインに考えてみるか……?
クッキーアンドクリーム!
クラッシュアーモンドファッジ!
キャラメルリボン!
騒々しい日常を半ば異界と化した街で駆け抜ける。
そう、ここはCRAZY TOWN TOKOYO……
醒めちまったこの街に……熱いのは私達のSHOUTING…
良いねぇ!! ビザーでジャジーでクレイジーだねぇ!!
でもちょっとカロリーが高めに収まるか……
シャーベット軸を再考かなぁ…
■ミア・コレット >
待て……このラズベリーとホワイトチョコの輝きは…
ラブラブポーションサーティツー!!
なんてこと……これを見落としていたなんて…
これをラストに、シャーベットを添えて…
ソーダソルベ!
抹茶!
ラブラブポーションサーティツー!
なんて素敵なロォマンティック!!
美しい愛の歌が響き渡る!!
ザ・ルーシー・ショーのような愛おしい日々!!
うんうん、いい調子。
この感じを忘れずにいこう。
■ミア・コレット >
盛り上がりを意識するのは良いプランかも知れない。
つまり、基本的なアイスから複雑な味わいのアイスへと移り変わる。
序盤に静かな立ち上がりを目指す。
そう、目指すのは荒野。
ガンマンたちの独走する一撃の美学。
バニラ!
モカ!
ストロベリーチーズケーキ!
き、決まったぁぁ!!
復讐の荒野を彷徨うガンマンが!!
今! 長年追ってきた相手を撃ち倒した!!
両親の仇、その骸を前に漂うガンスモーク。
良かったね……奥さんは無事だよ…
これでいこう!!
「バニラ、モカ、ストロベリーチーズケーキの順番でお願いします」
■サーティツーアイス店員 >
「申し訳ありません、現在モカはフレーバーが切れておりまして…」
苦笑いを浮かべた。随分と悩んでいたなぁこの子。
ご案内:「商店街」に黒羽 瑠音さんが現れました。
■ミア・コレット >
バカなぁ!(1カメ)
バカなぁ!(2カメ)
バカなぁ!(俯瞰視点)
私のガンマンが凶弾に倒れた……
どんなに強いガンマンも不意を突かれれば呆気ない…
このプランは瓦解。
あとはどんなプランがあるだろうか……
■黒羽 瑠音 >
す、すすす
すすすすすすすすっっ
サーティーツーアイス、それはかつてアメリカで発祥したアイスクリームショップ
特筆すべきはその圧倒的フレーバー数、まともに立ち会っては瀕死になるのは必至だよ!
私も昔母さんに連れられて買ってもらった時は、フレーバーの種類に30分は迷ったっけ―――
だが、今の私は違う!(どどん)
「すいませーん、バニ……」
「……っ!?常世島限定、チョコミントスタークレープ…!?」
―――――しまった、伏兵…圧倒的伏兵っ!
「ちょ、ちょっとタイムをお願いします」
昨日スマホで小一時間悩んだのが無に帰した瞬間である、どうしようと眉を潜めて店の正面から少し外れた所
同じようにこの世の終わりの様に悩んでいる女の子と目が合った、これは…
「もしかして……何を頼むか悩んでますか!?」
死中に活あり、三人寄れば文殊の知恵という言葉が頭をよぎる、まぁ二人だけど
■ミア・コレット >
惨劇のバッドエンド後。
絶望の夕暮れ。
いっそ血に濡れてしまえばいい。
声をかけられて顔を上げる。
「あ、はい」
肩まで伸びた茶髪。
垂れ目気味のクリクリとした黒い瞳。
ベージュのブラウスが季節感を出している女の子。
そんな印象だった。
「悩んでます……ずっと、ずっと…」
「悩んでます…………」
文鎮のように重たい言葉を返した。
三人よれば文殊の知恵という言葉もある。
せっかくだしこの人にもアドバイスを求めてみよう。
そこ、水に水を足しても水とか言わない。
「モカが売り切れみたいで……脳内でガンマンが討ち死にというか…」
要領を得ない。
■黒羽 瑠音 >
何て沈んだ声……まるで十年来の友人と生き別れたみたいな
青い瞳に私よりちょっと低い背丈に羽織った上着(あうたー)が何だか可愛い、というか、雰囲気的に外人さんっぽい!
あ、もしかして異世界人さんかもしれないけど
「私は瑠音… うん、モカが売り切れ…えぇ!?」
「確かにモカはサーティーツーの中でも屈指の人気のフレーバー、ほろ苦さと甘さのバランスがぐんばつ!」
「シングルよりもダブル以上の味の中継点として真価を発揮するというあのモカが…!」
「私も悩んでるんです、カップでバニラ、抹茶、小豆の和セットでキめるつもりだったのに……」
恨めしそうに限定商品を見る
「クレープはずるじゃん……!買い食いクレープは反則級のロマンだよ…!」
ともすれば膝から崩れ落ちそうになっちゃう体に檄をいれながら彼女に対して頷きを返す
まぁガンマンは良くわからないけれどそれだけ悲しんでいる事は十分伝わってきたのだ
■ミア・コレット >
「私はミア、ミア・コレット。よろしくね、瑠音」
話しやすい雰囲気だししれっとタメ口にしちゃお。
丁寧に話そうとすると日本語難しすぎる。
「な、何……!!」
この子、できる!!
相当サーティツーを熟知している!!
この子とならあるいは……やれるかも知れない!
サーティツーの牙城を攻略する!!
「クレープかぁ……美味しいからね…」
「アイスクレープともなれば相当思考を乱されるよ…」
瑠音に笑顔でサムズアップをして見る。
「私はまだ敵のことを知らない!」
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず、だ!」
携帯デバイス、ホルスゼフォン6SEを開く。
限定メニュー! こんなものがあるから人は道を違えるんだ!!
「瑠音は和風で決める予定だったんだよね? 抹茶と大納言小豆のコンボは確かに良いかも」
「私は全然メニューが頭に入ってないからなー……おすすめはある?」
■黒羽 瑠音 >
「よろしく、ミアちゃん」
あ、先にため口にしてくれた、わーい、自分からため口にするのって、結構緊張するんだよね私
これなら心置きなくお話しできるよっ
ミアちゃんが取り出した携帯端末を二人で覗き込みながら、昨日の作戦会議を思い出す
ミアちゃんは雰囲気からして多段の内容を悩んでいた、ならば……
「最後まで私が悩んでいたトリオの要はずばり…… ポッピンシャワー!」
「考えても見て?ぱちぱちするアイスって……コンビニじゃ売ってないよね?」
「やはり食べるなら、此処でしか食べれない、という部分も大事だと思うんだ」
くい、と存在しない眼鏡を上げる仕草をする、そう、敵を知り己を知ればなんやかんやと偉い人は言っていた
ミアちゃんのいう通り、私たちは一度、改めてこの巨人と向き合う必要がある!
「あ、取りあえずそっちのベンチ座らない?」
けど立ったままだとこの陽気じゃ疲れちゃうんのでとりあえず木陰に座ることを提案した
■ミア・コレット >
「話しやすそうで助かる」
率直な感想だった。
いやだってこの世界の人、背が高くて丁寧な言葉使われると威圧感半端ないし…
私が小さいだけなのはもうしょうがないものとする。
「ポッピンシャワー……!?」
「そうか、最初にケーキ系アイス、次にシャーベット系と来てラストにポッピンシャワーを配置すれば…!」
「渋谷の街を彷徨う戦後PTSDの青年が見上げた花火を思わせる叙情的なストーリーに!」
瑠音……恐ろしい子!
「あ、そうだね。暑いし」
夕方なのにこの暑さ。
夏が思いやられる。
■黒羽 瑠音 >
「えへへ~」
何だかよく分からないけど褒められた、照れるぜ、もとい、頬を少しかきながら一緒にベンチに座り、話を進める
「そう、そして今回私は… あえてコーンではなくカップを選択するつもりだったの!」
「コーンは確かに美味しい……アイスと一緒にさくさくとしたコーンを口に入れると食感のマリアージュが一段と高みに導いてくれる」
「だけどね、コレット、カップには非常に大きな利点がある、わかる?」
一つ、息を貯めて……
「カップはね…… 食べていても崩れずらいの…!」
「32最大の魅力はアイスの食べ合わせ」
「底が広いカップは、複数の味の食べ合わせに置いてコーン以上の力を発揮するんだ!」
「三つのアイスをスプーンで一度に食べるのはコーンよりカップが圧倒的に楽なんだよ!」
「そして一緒に食べる、という視点に置いて最高の組み合わせだと思ったのがバニラ、抹茶、小豆だったのよ」
「というわけでばっちし脳内で大勝利してやってきたところで冒頭に戻る、と」
置いといて、のジェスチャーと共に、私の昨日の研究結果の発表を終わるのだ
■ミア・コレット >
「カップ、でもあれは……」
舌の温度が下がった時にコーンを齧ってリセットができない。
そう考えていた、けれど。
「崩れずらい……!!」
「そうか、コーンに盛ると自然と上から食べざるを得ない…」
「その弱点を完全に超克し、あまつさえ3つの味わいのマリアージュまで想定に入るッ」
そうか、そういうことまで考えてのカップ……
アイスは盛るものだと考えていた私はまだまだ経験浅く。
世界はずっと広かった。
「でも私もバニラ、抹茶、小豆ってノリになってきたかも」
「あ、でもクレープ……捨てがたいなー」
身振り手振りのオーバーなアクションで話しながら。
「ドリンクはウーロン茶かなぁ……渋いのなら割と合いそう」
■黒羽 瑠音 >
「そう、後は足りない部分を飲み物でカバー、更に多少溶けても零れたりしない…」
「コーンを食べられない一点を諦めれば、そこには新たな可能性が見える」
「時には捨てる事で手に入る事もある、って昔読んだ漫画にも書いてあったよ」
うんうん、とコレットちゃんの反応に此方も頷いて返す、正直、此処までしっかり利いてくれるのは素直にうれしい
「そうだね、どれも通常フレーバーだから、ポッピンルートはまた今度でもいい、けど……あ」
「じゃあ、アイスとクレープ、両方買ってシェアする?」
ぱちっ、と指を鳴らす音……は出せないので両手をぱん、と打ち合わせる
二人でも生まれる知恵、二人だから生まれる知恵
お二人様の選択肢……!
「あ、いいかも烏龍茶、最近烏龍茶でも色々あるよね」
「台湾~とか、黒~~とか、私どっちも好き」
■ミア・コレット >
「そっかぁ……身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
「サーティツーの道は果てしない……」
うんうんと、考えていると相手の提案に。
脳が震えた。
最強の二人のタッグ。
諦めたりしない、だってふたりはポリキュアなんだから。
脳内映像で完全変身しつつ。
「そ、それだ! 二人で違う味を頼めばいいんだ」
「完璧なプラン……やはり瑠音はサーティツーの軍師…」
「私はぬるい台湾ウーロン茶買ってるからこれにする」
意気揚々とカウンターに向かって。
「私がカップのバニラ、抹茶、小豆のほうでいい?」
と人差し指を立てて最後の確認。
■黒羽 瑠音 >
「そう、そんな感じのあれ、多分」
滅茶苦茶曖昧です、私その手の語彙あんま多くないんだよね……すらすら言葉に出来る人って凄い
「ふっ、ならコレットちゃんは将軍だね、存分に…蹂躙してきて頂戴」
ふぁっさふぁっさとこう、軍師が良く持ってるあのうちわみたいなやつを仰ぐ仕草をする
というかあれ何て言うんだろ(羽毛扇とか言うらしいよ)
「なら私はコレットちゃんが買ってる間にあの自販機で黒烏龍かってよっと」
「オッケー!」
ぐっ、と此方は親指――サムズアップで肯定を返す
さぁコレットちゃん、巨人の牙城を崩すときだよ!
■ミア・コレット >
「OK、瑠音!」
サムズアップをしてアイスを注文してきた。
将軍の号令である。
あ、こうなったら一緒だし二人まとめて買っちゃおう。
そしてチョコミントスタークレープとカップのアイスを持ってくる。
「買ってきたよ、レシートはこっちのポケット」
そう言って瑠音の分のクレープを差し出した。
「ベンチがまだ空いているのも僥倖……」
座ってないとアイス食べながらペットボトルは扱いづらいしね。
ああ、今までの懊悩の時間はッ!
決して無駄ではなかった!!
■黒羽 瑠音 >
「でかしたっ!」
「あ、じゃあお金は後で半分出すねー、シェアだし」
それにこういうのはお互い後腐れないのが一番である
よいしょ、と改めて二人で座りながら、一先ずクレープを受け取って
「ふふ、悩むのも一興だねー、一人で買うより色々味わえるし」
「それに、新しい出会いもあって一石二鳥って奴かも?」
ひょい、と買っておいた黒烏龍を横に置いて、クレープを軽く掲げる
チョコミントスーパークレープは、チョコミントクレープに星型のパフ菓子が豪勢にトッピングされた一品だ
「じゃ、私たちの勝利に~~~ 乾杯ッ!」
そのままいぇぃっ、とクレープを掲げ、先ずは溶けないうちに一口
「くぅぅっ、クレープ生地のもっちりした食感にチョコミントのすっきりした甘さ……」
「星のサクサク感が口の中でトリプルじゃないはずなのに三位一体をしかけてくるよ…!」
次に食べるであろうコレットちゃんの食欲を煽るべく、私は全力の食レポを行うのだ
■ミア・コレット >
「宴だねー」
シェアだしねーと笑って。
こうして人と話して笑い合えることのなんと心が安らぐことか。
「いやー新しい出会いは奇跡的の産物な気がするなー」
にひひと笑ってスプーンを手に取る。
すると、瑠音の全力食ルポだ!?
じゃあ私も!
「それじゃ……」
バニラを一口。甘く優しいミルクの香り。
抹茶を一口。香り高いグリーンティーと苦みがさらに甘さを際立たせる。
小豆を一口。抹茶の後だからこそ輝く、和の素晴らしさッ!
「んんー! 和だね、いつの時代も色褪せない良さ、っていうの?」
「まぁこの世界に来たの去年なんだけど」
それじゃ交換、とカップを差し出して。
こうなるとウーロン茶が本当にありがたい。
■黒羽 瑠音 >
「宴の時間だー!」
飲み物はお茶に食べ物はアイスだけど、私たちにとっては十分な宴といえよう
「一期一会~ってね、この機会になにとぞ今後もよろしくお願いしまーす?」
此方もくすくすと笑い返しつつ、差し出されたアイスに此方もクレープを差し出し返す
くぴ、と飲んだ黒烏龍はまだ買いたてで冷たく、ちょっと頭がキーンとしたが誤差の範囲です
「そうそう、ニッポンの心~ってやつ?」
「あ、もしかしてって思ったけどやっぱりコレットちゃん異世界の人なんだ?」
「私は地球人です!此処には先月転入してきたんだ~~」
そういいながらちょちょい、ちょいっと三種のアイスをまとめ上げ、一気にぱくりと口に入れる
「ひゅ~~なんでアイスの抹茶ってこんなに美味しいんだろ」
「授業で飲ませて貰ったお抹茶はあんなに苦かったのに……不思議~~」
優しいくちどけと抹茶の香り、後味を担い舌でさらりと溶け行く小豆の仕事人感
まさにコレットちゃんのレビュー通りの味が口内に染みわたっていくぅ
■ミア・コレット >
「そうだね、食べ終わったら連絡先交換する?」
一期一会、だけどこのまま終わらせるのは惜しい気もした。
なんだかんだで私の携帯デバイスも今のままでは寂しい。
というか一年間ぼっち生活したんだからいい加減友達が欲しい。
「うん、異邦人だね。前の世界の記憶はほとんどないけど」
「瑠音は転入生なんだねー、こっちの生活は慣れた?」
夕暮れ。遠く鳥たちの最終便が飛んでいる。
「アイスの抹茶ってやっぱり普通の抹茶とは違うねー」
「こう、一般人向け抹茶味!って気がするな」
クレープのチョコミントも一口。
目を輝かせた。これこれ、この味ミント味ッ!!
■黒羽 瑠音 >
「勿論、友達は多い方が楽しいもんね」
にかっ、と歯を見せて笑う、コレットちゃんが美味しそうにクレープを食べている姿を見ると、シェアして良かったなぁ、と改めて感じて
「え、もしかして記憶喪失、ってやつなの?そっかぁ……大変だね」
「うん、ルームメイトも良くしてくれてるし、先生や異能の研究員さんも親身になってくれるし……」
「思い切って此処に来てよかったって思ってるよ」
記憶がない、という言葉には正直驚いたけど、コレットちゃんはあんまり気にしていないように見える
私だったら母さんや父さん、友達の記憶が消えたら、なんて考えただけで恐ろしいのに
……いや、忘れたら恐ろしい事だ、って思ってる事も忘れちゃうのか、やっぱり怖い
「あー、つまり、ビギナー抹茶ってことかぁ」
「うーん、ならやっぱりいつかはプロ抹茶を美味しく食べれるようになりたいかも」
「大人になったらお酒みたいに、あの味も美味しく思えるのかな?」
少し溶けてきたトリプルアイス
そこに溶けて混ざった部分をやわらかーく掬い取って食べてみる
おぉ、これは正にトリプルの真骨頂……かも!
さっきまでとはまたちょっと違って、まるでそういうミックスフレーバー
甘味が強くてちょっと抹茶の匂いが漂う小豆、みたいな普通に別々で食べては絶対味わえない風味が広がっていく
「コレットちゃんコレットちゃん、こっちも食べてみて、一緒に食べるのと、溶けあうのを食べるのって結構違うよ♪」
きっちりと三種が溶けあった一匙をコレットちゃんに向けて差し出す
この味も是非一口味わってみてほしいもんね!
■ミア・コレット >
「そうそう、人と話せないのは正直堪える」
「一年くらい一人でいたからもう友達作ってもいいでしょー?」
冗談っぽく言って笑う。
大変、と言われると小首を傾げて。
「わからない、ひょっとしたら大変なのかも知れないけどその物差しも私にはないから」
「あ、勉強は明確に大変だね……」
「異能の研究員? ひょっとして異能のコントロール、難しいの?」
私は能力を使いこなせているけど。
使いこなせなかったら異能の研究員さんのお世話になっていただろうし。
なんだかんだで異能と人の生活は関わっているのかも知れない。
「そうかも! お酒はお酒で間違って飲んだことあるけど」
「あれも苦くて慣れなかったなー……」
溶け合って混ざった部分が差し出される。
おおっこれは! 神の配合物!!
「それじゃありがたく……あーん」
思い切って食べてみれば、これは美味!
なるほど、これのためにもカップは統一感が大事なんだなー。
「それじゃお返しにクレープ食べさせてあげる!」
ほーら、とクレープを差し出して。
そんなこんなで二人で笑いながら食べたアイスは。
とーっても美味しかったわけで。
今日という日を心の中で何度も思い出しながら。
私は増えた新しいアドレスを眠るまで眺めていた。
……こんな素敵な日があるから、私は頑張れるのかもね。
■黒羽 瑠音 >
「え、一年一人で……?」
「コレットちゃんなら友達直ぐにできそうなのに」
不思議に思って首を傾げる、何か事情があったりするんだろうか
こんな話やすい子、寧ろ友達いっぱいいると思うんだけど
「そっかあ… うんじゃあ、次になくしたら大変だ!って思うくらい友達も思い出もつくんないとねぇ」
よくわからない事は考えても仕方ない、だから私に言えるのはそれくらいだ
「あ~~わかる~勉強以外にすることが多かったりいろんな場所にいかなきゃいけなかったりで」
「学校一つで全部教えてもらってたあの頃は恵まれてたかも」
「うーん、コントロール出来てないというか、何なのか分かってないっていうか…」
「私、自分の異能の事を知って、役に立てられるようになりたくて此処に来たの」
「だから今は私の異能について調べたり、実験したりしてるんだ」
今の所いい方向の成果はでてないんだけどね、と言いながら思わず苦笑してしまう
何かそろそろ進展があればいいんだけどなぁ、いや、いい方向で
「え、コレットちゃんお酒飲んだ事あるの?ちょっとおとなじゃーん!」
あ、でもまだ苦いんだ、とくすくす笑いながら思いを馳せる
お酒にアイスをかける楽しみ方とかもあるらしいし、大人になったらもっと色々楽しめるんだろうなぁ
「お、ならよろこんでー♪」
当然の様に帰ってきたお返しをぱくり、何だかさっきより一段と美味しく感じたのはきっと気のせいじゃないだろう
そのまま今やっている勉強とか、好きな本や番組なんかの取り留めも無い話をして
甘くて冷たくて、賑やかなひと時を満喫する
家に帰って――
『コレットちゃん、今日は楽しかったよ、また遊ぼうね~』
メッセージを一つ、新しい友達に向けて送った私は、にへへ、とちょっと気持ち悪い笑みを浮かべてしまうのでした
ご案内:「商店街」から黒羽 瑠音さんが去りました。
ご案内:「商店街」からミア・コレットさんが去りました。