2024/07/11 のログ
ご案内:「商店街」にクロメさんが現れました。
■クロメ > ――炎天下
人すらも焼けそうな陽の差す中で、それは事もなげに道を進んでいた。
日差しのせいか、今日は人通りも少なく。
それにとっては過ごしやすい環境であった。
「……」
あたりを見回せば、物売りの店が多数並ぶ。
それが見知っているのとは、だいぶ違う光景。
店は、露天ではない。
そういう店もあるにはあるが、大半は壁に囲まれ冷房も効いた快適な環境の場ばかりである。
「……器用な連中だ」
どれもこれも魔導の産物ではないという。
ただ、技術のみで築き上げた、誰にでも可能な科学。
「……度し難い」
ぽつり、と言葉をこぼした。
■クロメ >
「……」
それにしても――
以前の、どぉなつ、なるものもそうだったが食べ物の類も知らない物が大量に存在する。
それも、こうしてみるとどうもあちらこちらに店が出ているようだ。
「何を目指している……?」
そんなに無数に食べるものを生み出してどうしようというのか。
人類の数とて有限だろうに。
「……」
さらに言えば
取引には"金"を要するという。
それ自体は、まあいい。昔もその仕組は存在した。
しかし、なんだ。
今や、金属ではなく紙切れだというではないか。
そこまでして、金を用意したいというのか
「……面倒な」
物々交換などはもはやなく、金が必要だという。
進化の行き着く先がそこというのは……
なんとはなしに、店をじっとみる
■店のおじさん > 「お、嬢ちゃん。うちのクレープは美味いよ!一つどうだい?」
■クロメ > 「いや……」
見ていたら急に話しかけられた。
話の内容としては、どうやら品物を売りつけたいのか?
なんて度し難い……
■店のおじさん > 「ん? あー! そうか、お嬢ちゃん異邦人ってやつかい?
なら、こっちの金も持ってないのかね。そうか、じゃあ……」
■クロメ > 「……?」
勝手に何かを納得してくる人間。一体何だというのか。
昔の人間のほうがよほどわかりが良かった。
今の時代の人間は分かりづらすぎる。風紀、とかいうあの男然り
女のような男も然り……
思わず、考え込んでしまう
■店のおじさん > 「ほれ、これ持ってきな!今日だけ特別だぞ?
今度は生活委員なり何なりに言って、お金手に入れてきてくれよな!」
■クロメ > 「いや、まて……私は……」
■店のおじさん > 「良いって良いって、遠慮すんな!」
■クロメ > そうして、しばらく押し問答が続く
■クロメ >
「……度し難い」
冷血の女帝の手にはクレープが握られていた。
断固として拒否していたのだが、「無駄になる」という言葉が決め手となり受け入れざるを得なくなった。
何かが台無しに、無駄になるのは望むところではない
と、なれば
これを齧らねばならない。食べ物は食べねば無駄になるのだ。
「……」
はくり、とクレープを口にする
■クロメ >
「……甘い」
ぼそり、と口にして
そうして、商店街からどこかへ消えていくのであった
ご案内:「商店街」からクロメさんが去りました。