2024/07/12 のログ
ご案内:「商店街」に八坂 命さんが現れました。
■八坂 命 >
「んんん、多分この辺の部品やと思うんやけど……」
商店街の電気部品屋でうんうん唸る。
手に持っているのは最新型電子学生証のオモイカネ8である。
高機能な上にカスタマイズ性も高く、やろうと思えば何でも出来ると言う謳い文句に偽りなしの高性能電子デバイスである。
「やっぱいっぺんバラしたいけどなぁ。
流石に買ったばっかで保証ぶっちぎってまうのは……」
そんな普通に使っていてはオーバースペックもいいところのオモイカネ8。
超が付くほどの高性能デバイスですらアップグレードしたくなるのが機械オタクと言う人種である。
力こそパワー。
しかし基本的にこう言ったものの拡張性はゼロに等しい。
公証スペックから恐らくこの辺が使われているであろう部品の目星は付けているものの、絶対とは言い切れない。
そもそもそうだとしても、それをそのまま組み込んでも動くかどうかはまた別の話。
OSが特定スペック専用にチューニングされている可能性もあるのだ。
それでもなお浪漫は捨てきれない。
何度でも言おう、力こそパワーなのだ。
ご案内:「商店街」に御剣 千寿さんが現れました。
■御剣 千寿 > 片手にメモを握りしめて商店街を歩く。
己の為の鍛錬も大事だが、家族の為の鍛錬も欠かすわけにはいかない。
「ええっと、確かこのあたりにそういうの置いてるお店があったような」
上方に視線をやり店の看板を確認しながら歩いていく。
…ごん。
何かにぶつかった感触。歩き慣れない道だからっていくらなんでも意識を取られすぎた。
「ごめん、大丈夫かい?」
自然とそう口に出して相手に向けて手を差し伸べる。
■八坂 命 >
並べられた部品を見てうんうん唸っていたら、横からぶつかられた。
「うぉオン」
そのまま弾き飛ばされて地面を転がる。
うけみ。
「あいたたた……。
あ、どうもご丁寧に」
地面にスッ転がっていたら伸ばされた手。
その手を義手で握って立ち上がる。
「いや僕も邪魔なとこにおったから。
そっちこそ怪我とかない?」
ぱんぱんと服に着いた砂やらなんやらをはたき落としながら。
■御剣 千寿 > 受け取った指先の感触に違和感。いや、この島では珍しく無い事だけど。
「うん。僕は大丈夫だよ、鍛えてるからね」
えっへんと胸を張る。リンゴくらいならギュッと絞れるよ。
「それにしても本当にごめんね。この辺りはあまり歩き慣れてなくて…余所見しちゃってたんだ」
ほんの少し身をかがめて目線を合わせながら話す。
何かお詫び出来る物でもあればいいんだけど…
そう思って彼女が見てたであろう店舗に目を向ける。
電気部品のお店? こういうのに詳しい人なのかな。
「ええっと…お詫びに何かご馳走でも、と思ったんだけれど…何を買うとか、決まってるのかい?」
困ったな、僕は機械の知識は全くないからおススメとかを紹介してあげられない…!
■八坂 命 >
「いやいや僕が通路塞いでたんが」
謙遜の応酬。
とても日本人なやりとりである。
「ご馳走――いや僕ロボちゃうよ!?
人間!
この手ぇは義手ぅ!」
ご馳走と言う言葉と、自分が見ていた店。
その二つが結び付いてとんでもない意味になってしまった。
慌てて手をぶんぶん振りながら否定。
■御剣 千寿 > 「でも、こんなに素敵な女性を地面に転ばせてしまったんだもの。責任は取らせて欲しいな」
とびきりの笑顔を向けた。僕にとっては女性、というだけで尊敬に値する。
…いや、男性は違うのかと言われるとそれはまた別の話にはなるんだけれど。
「え、あ、いや…ええっと、そういうことじゃなくて…うーん、間違えちゃったかな…」
左手を顎に当てて首をかしげる。視界の端で薬指の指輪がキラキラと眩しい。
なんていうべきだったんだろう…?
「えっと、買う物が決まっているなら払うよ、って言いたかったんだ。…金額にもよるけど。あ、もちろん、別のお店でお茶でも構わないけれど」
■八坂 命 >
「セキニンッ!?
誰ヨソノ女ッ!?」
多分そう言う意味ではないのはわかっているので、わざとボケ倒しているだけ。
表情は迫真の演技ではある。
「あーや、見てただけ言うかどれかなって思ってただけ言うか」
説明が難しい。
暫く腕組みをしてウーンと悩み、オモイカネ8を相手に見せる。
「コレをな、グレードアップしよ思てたの。
でもコレのCPUやらチップやらが何使われてるかわからへんから、同世代の他メーカーのハイエンドスマホに使われてるような部品探しとったのよ。
でも結局コレ開けて中身見てみなわからんし、わかったところで現状最上位のパーツ使われとったらどうしようもないし。
オーバークロックって言う方法もあるにはあるし、冷却性能にも余裕はあるっぽいんやけどそもそも基盤自体が対応してなかったら出来んし、やっぱり中身開けてみんと――」
一気にまくしたてる早口オタク。
が、相手を置いてきぼりにしていることに気が付いた。
「――つまりコレをつよつよ端末にする方法を探してたんよ」
一行で要約。
■御剣 千寿 > 「君のことだけど」
笑顔で即答。
もしかしたら違うかもしれないけれど、多分素敵な女性!?誰!?って意味だと思うんだ。
「そっか。詳しい説明は僕は機械が得意じゃないから良く分らないけど…強くしてあげたい、って気持ちなら分かるよ」
思わず腰に固定している鉄扇を撫でる。
「えっと…無礼を承知で言うんだけれど。
もしかしてこういう機械とかって得意なのかい?
君が良ければ、だけど…操作方法とかって教えて貰ったりできないかな…?」
正直めーるとやらを一通送るのも一苦労の身だ。詳しい人に教えを請いたい。
■八坂 命 >
「えっ。
あっ。
えっと――ふ、ふつつかものですが……」
思っていた反応じゃなかった。
ボケが滑ったことと彼?のイケメンオーラとで急に恥ずかしくなって、変にしおらしくなってしまった。
「おっとぉ?
僕にそれを聞くやなんて、お兄さんなかなかお目が高いなぁ。
ええよ、このミコっちゃんが懇切丁寧に教えてあげよう。
スマホ?
それともオモイカネ8?
ほら、だーせ♡ だーせ♡」
しかし自分の得意分野になれば急にイキり始める。
ナチュラルに彼?の隣に寄って、何故かメスガキムーブを始めた。
■御剣 千寿 > 「こちらこそ、不束者だけれど宜しくね。
…っと、自己紹介がまだだったね。僕は御剣千寿。千寿、で構わないよ」
握手を求めるために笑顔で左手を出しかけて気づいた。そういえば右利きの人の方が多いんだっけ。
慌てて右手を出し直す。
「ふふ、ありがとう。でもここじゃ通行の邪魔になってしまうから、少し場所を変えたいかな」
僕はこの辺りは詳しくないけれど、と付け足して。
丁度いい場所が無いかきょろきょろと辺りを見回してみる。
■八坂 命 >
「僕は八坂命。
よろしゅう、千寿くん」
にまっと笑って、差し出された右手を握る。
義手は冷たいけど我慢してほしい。
「せやったらあっちに座れるとこあったからそっち行こか」
確か十メートルも歩けばベンチが設置してあったはずだ。
そちらに向かって歩き出そう。
殆ど歩かないうちにベンチが見えてくる。
「えっと、そんで何が出来るようになりたい?」
そのベンチに座って改めてヒアリング。
操作がわからない、と言っていたので多分基本的なことになりそうだけど。
■御剣 千寿 > 「うん、よろしくね」
リンゴをぎゅっと絞れる握力なので優しく握り返す。
固くて冷たい義手もそうだと分かっていれば慣れたもの。
「エスコートして貰えるなんて嬉しいな」
握手した手をそのままに歩き出す。
すぐにベンチが見えてしまったのが少しだけ残念だ。
「ええっと…恥ずかしながら、めーるを送ったり…動画をとったり…あっぷろーど?というやつもやってみたくて…。
何度か教えて貰ったんだけど中々覚えられないんだ」
電話はなんとかできるんだけれど。めーるとかえすえぬ…なんだっけ。ああいうのは本当に何度教えて貰ってもどうにも覚えられない。
■八坂 命 >
「なるほどなるほど。
ちょっと端末触らせてもらうな」
彼?から端末を受け取り、たぷたぷと操作。
ホーム画面にメールやらSNSやらのアイコンをぽんぽんぽんと置いていく。
ホーム画面を増やすのは無し、この手の人は誤スワイプで隣の画面に行ってしまったら戻れない可能性が高い。
それぞれのアイコンにわかりやすい名前を付けておく。
ついでにショートカットアイコンもわかりやすく置いて、SNS動画や画像のアップロードとかのページにダイレクトに飛ぶようにして置いた。
アカウントさえ作れば一発で行ける。
次は便利機能の無効化。
便利機能は便利だけど使えないなら不便なのだ。
ボタン複数押しのショートカットとか余計な通知とかスリープ中のあれこれとか、全部カット。
カットカットカット。
使えない機能はあるだけ無駄である。
「――こんなとこかな?
文字の打ち方はだいじょぶそ?」
一通り端末を弄り倒してから、返す。
出来るだけ元のレイアウトは変えないようにはしてみたが、大丈夫だろうか。
■御剣 千寿 > 「うん、大丈b…あ、勝手に写真見たりは駄目だけどね?」
そういうことはしないとは思うけど念の為に釘を刺す。
ぽちぽちと滑らかな操作を見ているとあっという間に終わったみたい。すごいや。
「え? あ、ありがとう。あまりにも操作が上手だったからつい見惚れちゃった」
にっこりスマイル。本当にそう思ったんだよ?
端末と受け取って画面を見る。すごくわかりやすい。
「文字の打ち方は…うーん。少し時間がかかっちゃうけどなんとか、出来る、かなぁ?
動画のアップロードの詳しいやり方は教えて欲しいかも」
もたもたと操作をして例えばこれとか、と動画を再生する。
僕が家で撮って貰ったストレッチの動画だ。