2024/07/16 のログ
ご案内:「商店街」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 悠薇 >
「よし」
手には買い物袋。
中には、びっしりの駄菓子。
「よしよし」
にこにこで、お店から出てきて、ふと。
辺りを見渡した。
「わ……」
思ったより、カップルらしき人たちが多い。
「わぁ…………」
なんとなく。姉を思い出した。
姉はモテる。
だから告白を多くされるし、なんなら恋愛も大好きだ。
しかして身持ちは固い。
でも『仕方ない』。
対して。
「あんまり、興味ないな」
恋愛、してみたいと、あまり思わないのは、昔から。
鰻の蒲焼き味がする、駄菓子を手に、むしゃりと、かみちぎった。
「……男の人との関わりがあんまりないからかな」
そも。
恋愛自体に興味がなかった。
「天秤のせいかな」
なんて、呟きつつ。
辺りをぶらぶらすることとする。
駄菓子をたべながら、そうしたい気分だった。
■伊都波 悠薇 >
そういうのを、作りたいと思ったことがないのは姉がいたからなのか。
それはわからないけれど、少なくとも急いだり、羨んだりはしていなかった。
「もぐ」
ぶちぃと、かみちぎりながら。
もくもくと、歩く。
思考に耽りながら歩いているからだんだん周りが見えなくなる。
でも無関心だったりするわけでもない。
そういう漫画も読んだりするし、なんだったら妄想もする。
でも実現するとなると、また別な話で。
「なんか、冷めてきてるのかな」
ぶちぃっともう一度蒲焼き駄菓子をかみちぎる。
あともう一口サイズになった。
■伊都波 悠薇 >
ちなみに、今読み始めた旬は女性同士の恋愛物だ。
そういう、バーでバイトしている大学生と普通の同級生が、なんやかんやありながら、ちょめちょめしたりして、くんずぼぐれつしたりするやつ。
結構濃厚な、描写もあり、絵師さんがなにより素晴らしいのでつい、飲み込みぎみでずばばばと読んでしまうのである。
とくにオススメなシーンは……
「あいた」
とか、思考に耽っていたら。
なにか、もしくは、だれかに、ぶつかって、しまってーー
ご案内:「商店街」に御剣 千寿さんが現れました。
■御剣 千寿 > 「おっと、大丈夫かい?」
ここではよく人にぶつかるな、なんて思いながら振り返る。
…人にぶつかるなんて僕も修行が足りてないのかな。
あ、三つ編みだ。僕も前髪の三つ編みはお気に入りなんだよね。
毎朝セットするのは少しだけ大変だけど。
■伊都波 悠薇 >
「あ」
ぽとり、手に持っていた駄菓子を落としてしまい声が出た。
が、人にぶつかったと気付くと。
「す、すみません。服、汚れていませんか?」
慌てて、謝罪しハンカチを取り出した。
「ぼ、ぼーっとしてて……本当にすみません……」
■御剣 千寿 > 「僕は大丈夫だよ。鍛えてるからね」
えっへんと胸を張る。この流れも以前やった気がするな。
「服は…どうだろう、汚れてるか見てくれるかい?」
くるくるとその場で回ってみる。汚れてても洗えば大丈夫だし気にはしないけれど。
「あ、もしかして余所見をしていた、とか? 僕もこの間余所見してて人にぶつかっちゃったんだ」
しょもしょもと落ち込んだしぐさ。修行が足りないのかなぁ…。
■伊都波 悠薇 >
「え、あ、いや……」
鍛えているとかそういう問題ではないのではと最初思うが。
もしかしたら、気遣ってくれているのかと。
それを無下にするのも違うような気がして。
「汚れてないかと、思います」
こくりと頷き、再び頭を下げた。
「いえ、よそ見といいますか。その、少し考え事をしていて」
とてもではないが、最近の推しで頭が一杯だったとはいえなかった。
■御剣 千寿 > 「?」
鍛えてるから多少ぶつかられるくらいならビクともしないよ!って意味なんだけど、違ったかな?
逆に素敵な女性にぶつかられるのはいいことなのではないだろうか??
「そっか。なら大丈夫、気にしないでね」
回るのをやめてにっこりスマイルで向きなおる。
「そうなんだ。もし悩み事だったら僕で良かったら力になるよ」
困っている人を助けるのは好きだ。相手が素敵な女性なら尚更。
■伊都波 悠薇 >
「……ありがとうございます」
お礼を言っておく。
これで、ぶつかったことは流しておこうと。
これ以上言うのは、ナンセンスだと思ったから。
「えと、まぁ」
初対面の人にするような相談かなと思いつつ。
「友達と、より仲良くなるためにどうしたらよいかなと
今で自分は満足していますが、相手はもっと仲良くなりたいとして。
その場合は、どう、折り合いをつけるべきかと悩んでいました」
当たり障りなく、悩みを口にしてみた。
■御剣 千寿 > 「うん。でも、気を付けてね。喧嘩っ早い人もたまにいるみたいだし」
喧嘩を吹っ掛けられても鍛錬になるから僕にとっては問題ではないけれど。
それ以前にそもそも争い事は好きじゃないんだよね。
「友達、かぁ。僕もそんなに沢山いるわけではないんだけれど」
前の学校ではふぁんくらぶ、とやらはあったけどその子たちとはあまり関わりがなかったんだよね、と前置きをしつつ。
「例えば趣味が同じ人、だとかなら友達になりやすいんじゃないかな?
…うーん、そうだな、この小説家さんって知ってたりしないかな」
と同居人の名前を伝える。本土ではそこそこ売れっ子の小説家さんだったはずだ。
しかも本人曰くなんでも書く雑食作家、だとかなんとか。
扱っているジャンルも多いからもし知ってる人だったらいいな、と思ったり。
■伊都波 悠薇 >
「趣味……まずは、趣味の認識が大事といおことですか?」
姉と同じタイプ。でも人と打ち解けるほうではないと、認識して。
「あ」
名前は知っていた。
なんなら何冊か、持っている。
「話が弾む、的な意味ですか」
■御剣 千寿 > 「うーん、全部がそうだとは言わないけど、きっかけの一つとしてね」
困ったような顔を少しだけする。正直僕も友達を作るということに関しては素人同然だと思う。
…色々と複雑な事情があって作るのが難しかった時期もあったし。
「うん。彼のファンの子達がサイン会の会場の側で交流してたりするのを見たことがあるんだ。彼の作品の感想を言い合ったりしてすごく楽しそうだったよ」
だからそういう方法もあるんじゃないかな、と付け足してみたり。
「あ、えっと、彼の話が僕にとって身近なだけで、もちろん別の作品だったりでもいいとは思うんだけどね」
■伊都波 悠薇 >
「なるほど」
身近なものから、会話する。
それを切り出すのがそも難しそうではあるが、練習すればできるようになるかもしれない。
「ありがとうございます。参考にしてみます」
ぺこりとお辞儀して、時計を見た。
そろそろ、夜ごはんの支度する時間だった。
「よ、良ければこちらをどうぞ! お気持ち程度ですが」
ばばっと、ビニール小袋に入るくらいの駄菓子を詰めて。
「……いとわ はるかと申します。また、なにかありましたら」
たったと駆け出し、振り返り頭を再度下げてから、再び走って帰宅するのだった。
ご案内:「商店街」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■御剣 千寿 > 「うん。少しでも参考になったのなら良いのだけれど」
にっこり笑顔でうなずく。
「あ、そうだ」
もし良ければ僕の友達に、と言いかけたところで駄菓子が手の中に。
「え、あぁ、うん。気を付けて帰ってね…?」
急なことに半ば茫然としながら走りさって行く女の子の背中を見送った。
ご案内:「商店街」から御剣 千寿さんが去りました。