2024/09/07 のログ
ジャスパー > 「食べ……?あ、あー……」

聞こえてきた言葉に、ん?と首を傾げたが、はっ、と気が付いた
最初にあった時も彼女は小さくなっていた
そこで何かあって、食べられそうになった…のだろう
それは怖い。当たり前だ
ただ、ここで無暗に話題に出して恐怖を呼び起こさせることもないだろう

「ふふん、いいってことサ
って、お、とと…せっかくのハンカチが汚れるって…さ、さんきゅ」

そんな思いから、精一杯格好つけていたが…迫って来るハンカチと手に、心の天秤が揺れる

A:せっかくきれいなハンカチを汚したくない
B:せまってくるゼアちゃんの手、超綺麗、めちゃかわ

……あっさり天秤はBに傾いた
言葉では遠慮しつつも、じっとして涎を拭かれていき

「も、もー大丈夫だ。そのハンカチ洗って返すよ
犬に絡まれたのは俺のせいだし…」

しばらく拭かれて綺麗になればそう言って
せめてそれくらいはと思っているようだ

ゼア >  
「ん、いいこいいこー」

 じっとしている少年の顔をハンカチで拭っていく。
 さっきまで野良犬に怖がり倒していたというのに、得意げな顔で。
 切り替えが大変速いゼアであった。

「んー? いいよぉ。自分で洗うよー。
 そんなに汚れてもないし」

 しょっちゅう土とか埃とかで服を汚しているだけあって、その辺りの感覚が少しおおらかだったりする。
 ……無頓着というのかもしれない。最低限の身だしなみは整え(させられ)ているのだが。

「ほかに、怪我とかしてなーい?
 ……えっと、その、襲われちゃってたじゃん」

 犬に対してかなりの負のバイアスがかかっている現在のゼア。
『押し倒された=襲われた』の方程式が成立してしまっていて。そんな心配を口に出すのである。

ジャスパー > 圧倒的母性…!
いいこいいこ、なんて年ごろ男子には恥ずかしものだが
こうもはっきり得意顔で言われてしまうと逃げるのも違う気がする
結局、しっかり拭かれてしまった

「そ、そーか?うーん…、じゃあそれで…」

ここは突っ張るべきかと悩んだが仕方ない
いいよぉ、と言ってくれるならハンカチは彼女に任せよう

「ん?ああ、だいじょぶだいじょぶ
ちょっと歯が引っかかったくらいで傷もないさ」

多少服に汚れが付いていたりほつれたりしているがケガ自体は無い
きらーんと恰好付けてみる

「逆に、俺の方が悪い事しちまったからなぁ
もうちょい頭のいいやり方あったかもしれないし…、ゼアちゃんも怖がらせてごめんね」

結局その場で思いついたことしかできない
そして、ちょっと怖い思いをさせてしまったかなとこちらも気を遣う

ゼア >  
「ん、ならよかったー」

 何はともあれ無事ならばよし。

「え、なんで謝るのー?
 お兄さんに怖がらせられた覚えないんだけど」

 そりゃまあ、びっくりはしたけれども。びっくりしただけで、怖くはなかったし。
 野良犬を追い払うためのことだし。
 ゼアのためにやったことなのに、どうして申し訳なさそうにするんだろう。

「『ありがとう』の後は、『どういたしまして』じゃあないの?
 そういうんじゃなかったっけ、人間の挨拶」

 本気で意味が分からない、といった様子で。
 ゼアはそう、首を傾げながら言った。

ジャスパー > 「いやあ、俺の予定だともうちょいスマートに……
あ、あー…そ、そーだな!」

びしっと助ける予定だったが、深く考えずに行動しすぎていた
だからつい謝ってしまったのだが
純粋な言葉に、ぽりぽりと頬を掻き

「どういたしまして、ゼアちゃん
あれくらいならぜんぜんよゆーだから、どんどん頼ってくれていいぜ」

改めてありがとうに対する返事をしよう

「あ~えーっとー……野良犬もしばらくは戻ってこないだろーけど、もしかしたらこの辺縄張りかもしれないから気を付けなよ
ま、まああれだ。俺暇だし、しばらく着いて行ってもいいけど、さ?」

心配なのもそうだが、少し調子に乗って同行していいか聞いてみよう

ゼア >  
「ん、おっけー。
 助けてくれて、ありがと、ねぇ」

 さて。

「うんー。戻ってくる前に帰りましょう。さあさあ。
 ……そうだ。何か食べるー? ゼア、お小遣いがたくさんあるのです。ふふ、りっち。
 ちょっとならご馳走してあげる」

 何せあまり自分だと使うことが少ないので。
 商店街のお仕事でいろんな人から貰う対価は、降り積もってちょっとした財産になっている。
 こういうことができるくらいには。

「んふふー♪」

 憂いが綺麗さっぱりなくなったせいか、大変ご機嫌であった。

ジャスパー > 「いいってことさ!
……え?」

こちらとしては少しだけ幸せ時間を堪能できればよかったのだが
なにやらりっちらしい相手は何か奢ってくれるという…
ここもまた、この純粋少女のお誘いを断るなんてできるはずもなく

「そ、それじゃあ、りっちなゼアちゃんに奢ってもらおうかな!
お店はゼアちゃんのお勧めでさ」

こくこくと頷いた
そして、お店は相手に任せることで相手の好みもよりよく知れる
完璧な策だ…と思いつつ、ゆっくり歩きだそうとしよう

ゼア >  
「ふふ、いいよー」

 おすすめ、と言われて。何をご馳走しようかな、と考えを巡らせる。

「最近はねえ。喫茶店のミルクコーヒーがお気に入りでねえ……あ、パン屋さんのドーナツもおいしいんだっけ。うー、迷うなあ。どっちがいいかなあ……あ、そういえば角のお店の新商品も……」

 だなんて、おすすめしたいものが次々浮かんできて。
 ご機嫌な様子は収まらず、間断なくゼアは喋り続ける。

「んー、お腹空いちゃった。早く行こー。ごーごーれっつごー」

 終いには、待ちきれぬとばかりに。
 ゆっくり歩きだす少年を置いていく勢いで、大通りを進んでいこうとした、とか。

ジャスパー > 「お~!さっきも言った通り俺暇だし、どこでも付き合うぜ
なんたって、リッチなゼアちゃんのおごりだし」

るんるん気分だ
かわいい子と並んで歩くなんてテンションが上がる

ご機嫌な彼女の隣で、話を返したり振ったりしながら
大通りを進んで、好きな場所でおごりと食べ歩きを満喫しました


ただし残念なことに…あれ、傍から見たらデートなんじゃね!?と思ったのは夜になってからであった…

ご案内:「商店街」からゼアさんが去りました。
ご案内:「商店街」からジャスパーさんが去りました。