2024/10/27 のログ
ご案内:「商店街」にシアさんが現れました。
シア > 一応、曲りなりに他人から選ばれて手にしたものだ。
使わない、というのも義理が立たないものだと思う。
少女は、先だって手に入れた服を着て歩いてみる。実際の使用感を識る、という意味合いもある。

「……ん」

歩いた感じはそれほど悪くもないが、色々といつもと勝手が違うのは少々不便だ。
その辺りに、工夫の余地はあるかも知れない。

なにとはなしに、商店街を歩いていく。

シア > それにしても
> 「君、可愛いね。それ、コスプレ?
 ハロウィンだもんねー」

シア > さっきから、男が声をかけてくることがある。
見知らぬ相手だ。そのはずだ。
その割に、知っている相手のように声をかけてくる。
思わず、自分の記憶力を疑ってしまう。

「……目立つ?」

しばらくして出した結論は、それ。
とても由々しき事態である。

シア > 「…………」

なぜか気軽に肩に回そうとしてきた男の手をするりと躱して、先に進む。
進むが、目的地というのは特にはない。
ただ、足の向くままに進んでいく。

「……目的……」

ぽつり、と少女はこぼした。
どこか空虚な言葉は、どこへともなく消えていく。

「……ボクは……」

シア > 「……なに、してるんだろう」

しばし、少女は立ち尽くした。
賑やかな街並みの中、そこだけがぽっかりと穴の空いたように。

「……じいさま。ボクは……」

小さく、呟いた声に答えるものは居ない。

「……なんで――」

声は風に消え、少女もまた、どこかへと消えていった。

ご案内:「商店街」からシアさんが去りました。