2024/10/27 のログ
ご案内:「商店街」にシアさんが現れました。
■シア > 一応、曲りなりに他人から選ばれて手にしたものだ。
使わない、というのも義理が立たないものだと思う。
少女は、先だって手に入れた服を着て歩いてみる。実際の使用感を識る、という意味合いもある。
「……ん」
歩いた感じはそれほど悪くもないが、色々といつもと勝手が違うのは少々不便だ。
その辺りに、工夫の余地はあるかも知れない。
なにとはなしに、商店街を歩いていく。
■シア > それにしても
■男 > 「君、可愛いね。それ、コスプレ?
ハロウィンだもんねー」
■シア > さっきから、男が声をかけてくることがある。
見知らぬ相手だ。そのはずだ。
その割に、知っている相手のように声をかけてくる。
思わず、自分の記憶力を疑ってしまう。
「……目立つ?」
しばらくして出した結論は、それ。
とても由々しき事態である。
■シア > 「…………」
なぜか気軽に肩に回そうとしてきた男の手をするりと躱して、先に進む。
進むが、目的地というのは特にはない。
ただ、足の向くままに進んでいく。
「……目的……」
ぽつり、と少女はこぼした。
どこか空虚な言葉は、どこへともなく消えていく。
「……ボクは……」
■シア > 「……なに、してるんだろう」
しばし、少女は立ち尽くした。
賑やかな街並みの中、そこだけがぽっかりと穴の空いたように。
「……じいさま。ボクは……」
小さく、呟いた声に答えるものは居ない。
「……なんで――」
声は風に消え、少女もまた、どこかへと消えていった。
ご案内:「商店街」からシアさんが去りました。