2024/10/30 のログ
ご案内:「商店街」に武知一実さんが現れました。
■武知一実 >
買い食い。それは放課後の楽しみの中でも最上位に位置する学生の娯楽。
そんな話を授業の合間の休み時間に聞いて、それなら一つオレもやってみるかとやって来た商店街。
なお一度家に帰ってから来てるので、制服等は置いて私服での買い食いである。
「……ん、一人でってところが楽しさ半減なきもすっけど、これは中々」
手には秋の味覚石焼き芋。出来立ての買い立てを手に、商店街を目的もなくただ歩く。
いや、目的はある。目的はあるが、芋持ったまま果たせる目的じゃないのだ。
とは言え何せアツアツのホクホクだ。
食べきるには少し時間が要る。冷めたら一気に食い切ろう。
そんなわけで、芋片手に商店街散策と洒落込んでみているオレだった。
■武知一実 >
焼き芋食いつつ商店街を歩けば、もう至る所でハロウィンの装飾が目に飛び込んでくる。
蝙蝠だったり、骸骨だったり、魔女だったりカボチャとかぼちゃ、あと南瓜……
いや多いな南瓜。芋食ってるのが場違いに思えて来るぞオイ。
「そもそも何でカボチャなんだろうな。
仮装して菓子強請って歩き回る、ってくらいしか知らねえんだった」
由来やら起源やらにはあんまり興味は無かったというのが本音だ。
カボチャが多い事にも仮装する事にも、菓子を貰う事にもたぶん理由がちゃんとあるんだろうが、調べる気はあんまり無かった。
知っても知らなくても楽しめる、そんな気がしたし、そんな気でいるのが大事なんだろうと思えたから。
「ま、明日にでも学校で聞いてみっか―――」
あち、あちち。
出来立てを買ったのが仇となったか、なかなか芋は冷めてくれない。
つーか食えば食う程熱くなる気がする。なんでこんなもん2本も買っちまったんだ。安かったからだよ。
■武知一実 >
しばらく芋を持ってうろついたお陰で只持っているだけでも熱かったのがだいぶマシになってきた。
今なら一気に食い切ることも出来るかもしれねえ、と思い切って焼き芋を口一杯に頬張り込む。
「んっふ……ん、む」
まだちょっとあつかった。けど一気に食えない程じゃない。
今度買い食いをするときはもうちっと冷めやすいものにしよう。
そう決心しながら、焼き芋2本を平らげ……たい……うーむ。
割と一本で腹一杯だな?
「………まあ、家で温め直して腹減ったら食うか」
或いは腹を空かせがちな契約者にでも温め直して食べさせるのもアリか。
まあ、いずれにせよこの芋は持ち帰ることにして、ボディバッグへと捻じ込む。
「さて、芋も食ったし本来の目的を果たすとすっかな……」
■武知一実 >
「えっと……確かこの角を……あ、あったあった」
さて土産も手に入れたところでオレが向かった先は一軒のブティック。
店構えはだいぶ年季が入ってるが、商品の質は本物。それでいてリーズナブルという苦学生にも優しい服飾店だ。
以前バイトで一日手伝わせて貰ったから、いつか利用したいと思ってたんだが……あんまこういう店って来る理由が無ェんだ。
「よし、おばちゃーん、久し振りー」
店の扉を開けて中へ。今日商店街に来たのは何を隠そうこのためだ。
―――十数分後。
ストールを買って出て来たオレは、スマホを取り出すとメッセージを打ち込みながら帰路へと着いたのだった。
ご案内:「商店街」から武知一実さんが去りました。