2026/02/18 のログ
■武知 一実 >
「チッ、やっぱり面倒臭ェ!」
今回のバイト内容は怪異の発生予兆の調査で。
その前に一件、面倒そうだからとスルーしたものがあったのを思い出した。
明らかに人的被害が出ているから、風紀なり祭祀なりが正規の討伐隊でも組んで対応するだろうと思ってたんだが。
「対応遅ェだろ、風紀……!」
まあ、最近は他にも事件やら起きてるようだから無理もないのかもしれないが。
今となってはそんなクレームをぶつける暇も無さそうだ。
どーすんだよ、何だかんだ言いつつ、戦闘準備なんて殆どしてねーぞ。
「……ッ!」
うだうだ考えてる間に、人影――女が動く。
速い――が、反応出来ない速さじゃねえ、が、避けねえとヤベェ。
上手い事往なして、戦線離脱する機会を探るか……!
繰り出された一撃を出来る限り引き付けて躱し、女の背後へとすれ違う様に移動する。
■イヴリィ > 「めんどくさいとかひどーい」
くすくす笑いながら放たれた一撃。
明らかに試しの一撃であったにもかかわらず、その可愛らしい白く華奢な拳が大地に触れると同時。
ぐばり、とでも言うような音が響き、影が蠢くと同時、その場所がすり鉢状に食いちぎられた。
すれ違うように避けた。
ほう、と吐息を漏らす。
単純に避けるだけならばそれだけだったがこの少年は今もなお逃げ切ることを考えている。
「それじゃあ、鬼ごっこだね、お兄ちゃん♡」
可愛らしい幼子のような声をあげて。
翼が虚空をばたん、と撃つと背中の空間が波打ち歪む。
その歪みから現れるは闇色としか言いようの無い無数の槍。
闇色の槍が射出され、次々と少年目掛け放たれる。
だがそれのいずれも全力で避けきれば避けられる。
そんなぎりぎりを狙ってきている。
それはまるで窮鼠を猫が弄ぶような道理の軽さで。
「それそれー♡ 逃げないとねじ切っちゃうゾ☆」
■武知 一実 >
「ッたく!後から直す奴らの事を考えろってんだ!」
地面が抉れた。やっぱりまともに受けてたらヤバいやつだったか……。
女子の姿をしてても、筋力から何から別もんだと思った方が良さそうだ……そういう女子ばっかりだな!
こんな時間にこんな場所で、しかもさっきの一発で人がこっちに来つつあるってのに、一戦なんてしてられるかよ。
「……近付いてもダメ、離れても……ああッ、本当に面倒臭ェ!!」
今度は女の背後から影より昏い、不気味なモンが飛んで来た。
あれもきっとさっきと同じく性質悪ィんだろうな……。
と、足元に転がっていた、さっき投げ捨てた鉄パイプに気付くとそれを拾って飛来する物質を躱す。
どうしても避け切れないコースのは、無理くり鉄パイプで叩き落とそう。
■イヴリィ > 「ええ~? 私はそういう人たちのためにあえて壊してお仕事を提供してあげてるだけよ」
面倒くさい上この上なく自己中心的でかつ刹那的でかつ破壊主義者的だった。
インフラ整備のお仕事はそういうことのためにあるのではない。
わかっててやっているだろうけれど。
「面倒よねぇ、でもこの面倒くささがたまらないと思わない? 刹那的な出会いってこういうのがあって面白いと思うのよ私は」
飛来する物質が着弾した場所がばぐんと言う音と共にすり鉢状にえぐれ。
回避するたびにすり鉢状の穴が出来上がっていく。
そんなものを撃ち落とそうとすればあら不思議。
ばぐんと鉄パイプであっても闇色に食われて先っぽがちぎれてしまいましたとさ。
「ねえ、もう終わりかしら? さっきの電撃の方がまだ刺激的だったんだけれど」
くすくす、と笑いながらかつん、かつん、と硬質な音をあげて歩み寄る。
闇色の槍を無数に背後に揃えたまま。
■武知 一実 >
「さっぱり理解出来ねえな」
この面倒臭い女子の主義も、主張も、何一つ同感を抱けない。
理解出来ない、とは言ったものの、そもそも理解する気もあんまり無ェ。
飛んで来た黒いのを叩き落とそうとした鉄パイプは、何度か振ったらほぼほぼ手元部分しか残らなくなっていた。
ああもう、本ッッッ当に面倒臭ェ!
「るっせェ、アンタみてぇな得体の知れねえ奴にホイホイ撃つほど安かねェんだよ」
さて、どうする。逃げようと思えば、無理やりでも逃げられる。
……が、その結果商店街の一区画がボコボコになる可能性は高い。
それに、奴がどこまで追ってくるか不明だ。その過程で誰かを巻き込まないという保証も無い。
それ以前に、今この場に居て野次馬が来ないかどうかも分からねえ。
――だったら、一か八か。
手に残った鉄パイプの名残を握り締め、オレは翼女子へと向けて駆け出した。
■イヴリィ > 「理解は求めてないけど壊さないと直すお仕事もないでしょう?」
それはそうだけど。
同感を求める気は端から内容で。
ちぎれた鉄パイプの先はちょうど良いかのように鋭利に尖っている。
「いいじゃない、熱いばちばちだったわよ? あれなら私の動きぐらいなら止められるかもしれないわね~」
無理やりにでも逃げればそれこそねずみを追う猫のように面白がられるだろう。
結果的に商店街はぼこぼこになるのは確定だ。
そもそも逃げ切れるかも怪しく、この娘がいつ飽きるのかもわからない。
こんなど派手なことをしている以上、野次馬はいつか来る。確実に。
それは確定した未来だ。
いちかばちかの踏み込み。
鋭利なそれを片手にこちらに踏み込んできた。
その様子をきょとんとしてから笑って。
「あははははは、おいで少年ッ!!」
両手を広げて何をしてくれるのか、見せてくれ、と言わんばかりに。
■武知 一実 >
距離は数メートル、走る勢いなら数歩、時間にして数秒。
埒外な破壊力を持ってる相手に対し、オレに残ってる優位性と呼べそうなものは。
――攻撃の手札をまだ、殆ど見せていない事。
故に、機会は一度きりだ。
これが失敗すれば、同じ手が通用するかは分からない。というか、通用しない可能性が高い。
「―――フゥゥゥ」
鋭く、細く、息を吐く。
感覚を研ぎ澄まし、イメージを練り上げて、余計な感情を押し潰し、一点に集中する。
理不尽に対する怒りも、予定の無い戦闘への億劫さも、全て伏させる純粋な―――殺意。
この一撃で目の前の怪異を祓う。それだけで頭を満たし、そして―――雷に換える。
――祓うべき少女の面前で足を、止める。
背後へと向けていた鉄パイプを、そこから薄く、鋭く、長く延ばした雷の刃を振り上げる。
オレの背後の地面に真っ直ぐな切り口と焦げ跡を残して、刃が獲物へと迫る。
――もし、目の前の少女が慢心して物見遊山で立ってるだけならば。
地から天まで昇る逆さ雷の刃に、スッパリと両断される、はずで。
■イヴリィ > 「――――」
その一撃、ただ一点に研ぎ澄ました一撃。
純粋な殺意のみで研ぎ澄まされた有り得ざる雷。
それは地から天へと昇る逆さ雷。
昇雷とも呼ばれる現象。
慢心はしていた。
物見遊山のつもりでもいた。
どうせこの身は殺せない。如何なるものであっても。
何千何万もの命のストックを持つこの吸血鬼はいつか必ず蘇る。
逆袈裟懸けに斬り上げられた音をも超えた神速――――文字通り、刹那のような斬撃に。
「――――御美事なお手前ね」
切り捨てられたはずの状態で、一歩踏み出して。
「ご褒美♡」
その頬に口づけ一つ残せば、ずるり、とその身は崩れ落ちて。
文字通り両断されてからばさ、と言う音と共に灰に帰った。
この場は凌いだ――――と言う感覚が拭えない。
だが、確かにこの場は仕留めたと言うのは事実。
灰になったそれは風に吹かれて散っていく。
■武知 一実 >
――これが今この場で出来る精一杯だった。
高火力、広範囲の放電はさっきみたいに周囲の民家や店を巻き込む恐れもあった。
だから極力、細く狭く、けれど威力は落とさず。
殺意なんて感情、喧嘩じゃ使わねえから滅多に湧かなかったけれど。
相手を怪異だと思い込んでようやく、の刃は、思った以上に形に成った。
「……上手く行った、みてぇだな。一応は」
手応えはあった。あんまりいい気持のするもんじゃねえが。
けれど、命を奪ったという感覚とは違う気がした。
事実、斬られたはずの怪異は、まだ口を利いていて。
オレの頬に奴の唇が触れ、そしてそのまま崩れ落ちて行く。
亡骸は形を残してその場に留まる事は無く、灰の山となって散っていった。
これで終わったとは思えないが、ひとまず今は難を凌げた……のだろう、多分。
「ホント、面倒臭ェのが居たもんだな……!」
奴の唇が触れた頬を手の甲で拭う。
アレは何だったのか、とか色々思う所はあったけれど、一つだけ言えるのは、
「……好みのタイプ、じゃねーな。間違いなく」
そもそも自分の好みとか、把握して無いけれど。
アレは違う、心からそう思えた。
■イヴリィ > この怪異の討伐(?)をもってして。
調査を依頼されていた怪異による出来事らしい貧血騒動は収まった。
けれど、この怪異は死ぬ事はない。
またどこかで蘇り。
そして、またどこかで貧血騒動やら破壊衝動赴くままの破壊活動など。
そう言った事を引き起こすのであろう。
それはまた未来の話で、今は一端おしまいであった。
ご案内:「商店街」からイヴリィさんが去りました。
■武知 一実 >
怪異発生の予兆調査に、人型の怪異討伐。
図らずも2つの案件を熟してしまった事を報告しなければならない。
そもそもあの女子が本当に怪異だったのかという疑問は残っているが、散り際の状態からしてただの人間では無いだろう。
吸血種――と考えれば、依頼で出ていた被害内容とも合致する。
「ハァ……これはバイト先から風紀に連絡行って、明日以降風紀から事情聞かれるやつだな……」
いっそ討伐の方は伏せるか、と考えながら、オレは重くなった気を紛らわす様に鉄パイプを遠投して、商店街からさっさと逃げ去る事にしたのだった。
―――あの怪異、祓い切れたとは思えねえんだよなあ。
ご案内:「商店街」から武知 一実さんが去りました。
ご案内:「商店街」に兎隠 悠真さんが現れました。
ご案内:「商店街」に輝夜さんが現れました。
■兎隠 悠真 > 商店街のメインストリート……の端っこ。
悠真はぽかんと口を開けて立っていた。
「人スゲエ」 明らかにあほの顔であった。
ホテルを出ていざと勇んで歩いていたものの、
商店街のお店の分量と行きかう生徒に圧倒されてしまったのだ。
右を見ればいろんなお店。左を見ればいろんなお店。
上を見ても下を見てもお店が連なっている。
「……」事務棟に行かないといけなくもあるけれど、
別に今すぐというわけではない。 そして何より、
自分はこの商店街を…これから数年にかけて利用することになる。
それなら、今苦手意識を作るわけにはいかないだろう。
「ひるむな、オレ……!!!」
覆面ヴァイパーだって、マジカルブロッサムだって、どんな強敵に出会っても
ひるむことはあっても負けることはなかった。とはいえ…。
グッと握りしめたこぶしから力が抜けそうになる。頑張れオレ!!
■輝夜 >
――『どんな強敵に遭っても』なんて、思ってしまったからでしょうか。
「おばあちゃんっ、いつもありがとー!」
『こちらこそありがとうねえ、輝夜ちゃん。
もうちょっとお小遣いあげたいけど、お母さんに怒られちゃうからねえ』
「ううんっ、いいの!
これでねー、ママたちにぷれぜんとかうのー!」
なんて、微笑ましくも元気な会話が聞こえてくる事でしょう。
しかし。
その声の方を見ると。
「えへへー、やったねくまさん、だいせいこー!」
『ぐもっ』
中学生くらいの女子と、5mはあろうという巨体の熊が、ハイタッチを交わしている瞬間だった。
■兎隠 悠真 > 「クマスゲエ」
元気な声の方を見ると、クソデカいクマと女の子がハイタッチをしていた。
天を仰ぎ、目を閉じて目頭を指で揉む。
心配のあまり目が悪くなってるのかもしれないし。
「…」
もう一度目を開いてクマの方を見る。5mぐらいある。
「デケエ。 えっ、デカくない?」
まあ暴れたりはしないんだろうけど…。
「あの、もしもし?そのクマ大丈夫なやつ?」
自分より少し年下だろう彼女に声をかける。
その間にも視線はチラチラとクマの方にいった。
デカいし。 みんな普通にクマの近くを行きかってるし。
■輝夜 >
「ほにゃっ?」
声を掛けられますと、ふしぎそうな顔をした後、ぱぁっと花咲くような笑顔。
まさに女児アニメのヒロイン級の、きらっきらな笑顔を向けます。
「だいじょうぶだよー!
あのねあのね、くまさんとはおともだちなの!」
お子様が小さなクマさんのポシェットに、これまた小さなお財布を仕舞いながら駆け寄っていきます。
それに着いて、保護者のようにのっそのっそと熊さんも歩いて来ました。
「かぐやねっ、くまさんと、くまさんと、くまさんとー。
あと、いのししさんとしかさんのおともだちがいるんだよー!」
すごいでしょ、とでも言うように、楽し気に自慢しちゃうお子様です。
■兎隠 悠真 > 「おお、友達かあ。 あ、どうも。変なもんじゃないんです。」
近づいてきたクマに頭を下げる。もちろん変なことするつもりじゃないから、念のため挨拶。
「かぐやちゃんていうんだ。 あー…。オレは悠真でいいよ。
なるほどね? そういう感じね。 すごい。」
普通なら子供がいうことだから合わせてあげよう、という気持ちも起ころうが、
目の前にいるのは5mのクマと女の子である。真実としか思えなかった。
何度もうなずいて見せてから、彼女に水を向ける。
「そんで、その…何か買い物とかの用事で来てるの?」
女の子一人…と保護者(クマ)が来てるのだから何らかの目的があるんだろうけど。
なんとなく手伝おうかなと思うのは、いわゆる小さな親切心だった。