2024/07/01 のログ
■不知火 玲衣奈 >
「玲衣奈ちゃん」
「却下」
「なんでぇ!?」
というやり取りを果たして何度繰り返したことだろうか。
視線が痛い。さっきからこいつはいったい何をやってるんだろうっていう視線が刺さっている気がする。いや気のせいかもしれないけど。でも一人で会話してるやべーやつって思われても仕方ない。そこは言い訳しようがない。実際話してるわけだし。
「フリルが多すぎる……って」
「でも玲衣奈ちゃん羨ましそうな目で」
「見てない」
「そっかなー?」
ああもう、
「――帰るよ。水着選ぶならまた今度ね」
「あー……」
残念そうな声を発しても無駄なのだ。
心の隅に生まれた、ほんの少しの未練を見ないふりをして、少女はフロアを後にした。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」から不知火 玲衣奈さんが去りました。