2025/01/25 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
「え、っと」

ここにくることは初めて。
そも、この階層は自分には縁がないと思っていた場所。
でも……

ーー知見は必要、だよね

もし、そう、なら。
こういったモノで触れておくのも大事だな。

「こういうのもあるんだ」

制御装置。
これで、制御できることもある、のだろうか。

いろいろ、物色してみる。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 >  
「こんなのもあるんだ」

知識としてはあったものの実物を見たのは初めて。
結構利用されているものなのだろうか。

姉が使っているところは見たことがない。
つまりは、必要とする人としてない人がいる、のだろうか。

ーーでも、首輪は、ない、な

くるっと、フロア全体を回ってみることに

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」に麝香 廬山さんが現れました。
麝香 廬山 >  
「────キミって、意外とこういうのに興味あるんだね」

不意に少女の後ろから声が聞こえる。
何時からいたのかはわからない。風来坊めいて後ろからひょっこり。
相変わらず人当たりのよい笑みを浮かべながら、彼女を見下ろす監視対象。

「どうも、偶然だね。
 どういった道具(オモチャ)をお探しかね?」

なんて、仰々しく片手で商品棚を指してみせた。

伊都波 悠薇 >  
「ぴょへ?」

声がしたので振り返ると人がいた。

「あばばばば」

ぴーんと、背筋を伸ばし振り返り。
前髪を整え。

「ど、どうも」

ペコリとお辞儀。

「いえ、興味というか。勉強、に」

探しているわけではないと首を振った。

麝香 廬山 >  
「ハハ、キミってば臆病なのか肝が座っているのかわからないな」

此処一番はともかく、"コミュ障"とも言える反応。
実に愉快なものを見たと言った感じで、此方もお辞儀で返す。
礼節には礼節で返す。元犯罪者の割には節度を弁えているようだ。

「ボクは全部隠すより片目が隠れてる方が好みかな。
 それで、ふぅん。勉強……ね。見間違いでもなければ、探しものもあったように見えるけど?」

背中の商品棚を一瞥し、自らの制御装置(アクセサリー)を撫でる。
相変わらず橙の視線は、より何かを見透かすようだ。

「勉強、ね。知識として?それとも自分が使うため?
 ……それとも、何かの対策に欲しかったりするのかい?」

じ、と前髪の向こう側に視線は戻された。

伊都波 悠薇 >
「そうですか?」

首をかしげて。
好みを言われると、はぁ、なんて気の抜けた返事。

「いえ、探してたわけではないですが」

首にあるものを見て。

「結構、特別なものなんだなと思っただけです」

麝香 廬山 >  
「ああ……そうだねぇ、非売品?ではあると思うからね」

確かに魔道具という意味では同じではあると思う。
この首元のそれは、詳しい理屈を知っている訳では無い。
ただご覧の通り、強力な異能一つを封じ込めるには十二分ではあるのだ。
トントン、と制御装置(アクセサリー)を叩けばクスリと微笑んだ。

「もしかして、つけてみたくなったのかな?キミも」

なんてね、と冗談交じりに尋ねるだろう。

「因みに付け心地は最悪。
 常にトゲが首元を締め上げるようなそんな感覚だよ。
 キミって意外と、マゾヒストの才能があるのかな?」

伊都波 悠薇 >  
「いえ、いらないです」

即答。

「売ってるものなのかなって思っただけです」 

マゾヒストといわれると。

「その線は薄目だと思います」

真面目にさらりと返した。

麝香 廬山 >  
「冗談をマジメに返すの、ボクの事が嫌いって表現だったり?」

そういう廬山は何処か楽しげだ。
人に嫌われるのなんて、今更珍しいことでもない。

「どうかな?少なくとも自分の身内(おねえさん)にはそうじゃない?
 キミ自信が自覚しているかはともかく、究極の奉仕体勢はマゾヒズムの一つだよ」

少なくともどんな相手だろうと、自らの全てを捧げるなどありえない。
それが出来るのは自らの全てを捧げてもいいと思う相手か、
或いは究極的に自虐が好きなのかどちらかに過ぎない。
そして、廬山が思うにそれはどちらも被虐の悦である。

「まぁ、それはさておき……うん、学ぶのはいいことだよね。
 そう言えばキミの異能とかはともかく、魔術って意外と出来たりする方?」

伊都波 悠薇 >  
「いえ。別に嫌いではありませんよ?」

なにを言っているんだろうとさらに首をかしげるハメに。
そして、姉のことを言われると。

「え!?」

ぼんっと顔が真っ赤に染まった。
さて、その間どんな妄想劇が繰り広げられたのやら。

「いや、姉はどうでしょう。あは、あはは」

どっちにしても、良いものではある。
こほん。

「いえ? そういうのはてんでダメですね」

麝香 廬山 >  
「へぇ、意外だなぁ。ボクのことを嫌い人間はゴマンといるし、
 キミにも結構意地悪したつもりなんだけどね。やっぱりマゾ?」

此れにほんの少し目を丸くした。
少なくとも廬山当人はそういう風に動いていたつもりだ。

「わぁ……」

わぁ。思わず目を丸くしてしまった。
目を丸くするようなことがありました、うん。
思わず口元を手で覆い、苦笑い。

「……事後報告にはなるんだけど、
 制御されていてもボクの異能はある程度は使えてね。
 人には見えないものも見えたりするから気をつけたほうが良いよ

何が見えたとは言わない。何が見えたとは。

「成る程ね、本当にからっきしなんだ。
 まぁ、ある意味しょうがないか……道具位は使えるんじゃない?
 ホラ、よくある魔法道具(マジックミサイル)とかさ。投げるだけで便利だよ?」

要は魔力の籠もった爆竹。
誰でも使えるビックリ軽い殺傷能力付き爆弾。
ポピュラーなのは、丁度近くの棚にある如何にもな花火の形。

伊都波 悠薇 >  
「嫌うほどの理由がないだけですけど」

そも何をしたというのだろうか。
姉にしたこと? 謝ってもらえれば別に気にしないし。
礼儀知らずでもない。それに、姉5発破をかけてくれたともとれるし。

「……? はぁ……」

いまいちぴんとこず。抜けた返事。

「なるほど。覚えておきます」

麝香 廬山 >  
「……へぇ」

思わず口元がニヤリと歪む。

「面白い事を言うじゃないか。
 それならいっそ、お姉さんをもっと酷い目に合わせたほうが良かったかな?」

それこそ再起不能になるくらいには幾らでも手段がある。
あの手の善良さにしか根付かないような人間の壊し方なんてそれこそ簡単だ。
ちょっと小突いた程度で勘違いされるのも癪だ。
一つ見せしめするのも"面白い"かもしれない。

「……まぁ、うん。頭の中覗かれるかもしれないってこと」

今どき思考盗聴(ブレインハック)なんて珍しくもない。

「キミみたいなのは、覚えておいた方がいいだろうしね。
 道具っていうのは、才能無きものでも使える凡人の助け舟だからね」

伊都波 悠薇 >  
「さぁ?」

それを答える理由はないので、ぼかしておく。
どちらにこたえたとしても、目の前の男性はどうとでも、返してくるだろうから。

「え」

意味を理解したのか。

「……変態です」

呟いて俯いた。

「そのときになったら覚えるとしますね。アドバイスありがとうございます」

麝香 廬山 >  
「イケずだな。そういうところが好きだけどね?」

ふふ、と楽しげに笑うのもつかの間。
思わぬ返しに一瞬真顔になり、珍しく顰めっ面。

「おいおい、そりゃ無いだろう。
 そもそもそれを言ったら初めに妄想したのはキミなんだよ?」

「この変態ムッツリ陰キャ女」

あまりにもあんまりな悪口である。
だって別に見たくてみたわけじゃないし、事実だもん。
やれやれ、と思いながらうつむき気味の彼女へと歩み寄る。
拒否しなければ、ゆるりと片腕を肩へと回す。

「……ところでどう?ボクの監視役(アイボウ)になること、考えてくれた?」

伊都波 悠薇 >  
「想像は自由です。でも覗きはそちらの問題じゃないですか」 

否定はしない。自覚はある。
でも頭の中を勝手に覗いたのはそちらである。
覗きなんてしなければ良かっただけの話だ。
能力の制御はそちらの不手際である。

「姉さんには謝りました?」

麝香 廬山 >  
「制御不能な能力者もいるのに、あんまりな発言じゃない?
 まぁ、ボクは制御出来るからキミの言い分が正しいんだけどね」

ケロッと言ってのける確信犯。
そりゃそうだ。そうでなけりゃ、制御装置(こんなもの)つけられたりはしない。
そのまま回した手を、ゆるりと彼女前髪を、暖簾を開けようとゆるりと伸ばす。

「これからの予定。
 にしても、謝るだけでいいのかい?
 彼女が許してくれるとは限らないし、何よりもキミのお姉ちゃん」

「ボクの事が"よっぽど"嫌いみたいだからね」

なんでだろうね、とわざとらしく。

伊都波 悠薇 >  
「まずはそこからです」

すっと身体を引いて、指から逃げた。

「そのあとで『考えます』から」

まだならそも、考えてもないのだから、言えることもない。

「がんばってください」

その気にさせるのは、自分ではなくそちらの都合だから。
こちらから言うことはそれだけだ。

「そろそろ帰ります。ではまた」

時計を見て、そう告げて。
フロアを後にした。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」から伊都波 悠薇さんが去りました。
麝香 廬山 >  
はぐらかされて、去っていく姿。
それを見て思わず、肩を竦める。

「『考えます』……ね。まさか、ボクを御してるつもりなのかな?
 だとしたら……思ったより稚拙で可愛らしい事だ。まぁ、でも、悪くはない」

人形遊びの醍醐味は、謙る事。
人形の気持ちを考えてあげる事なのだから。
まだまだ彼女を突き回すのは面白そうだ。

「まぁ、ボクは"約束は"守るからね……」

彼女の姉の反応も、それはそれで楽しみだ。
指先を軽く揺らし、景色に溶け込むように姿を消した。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」から麝香 廬山さんが去りました。