2024/06/07 のログ
夜合 音夢 >  
「嫌いなものは嫌い。ただ、一括りにはしないだけ」

もし今ここで煙草を吸い、あまつさえポイ捨てしようものなら当然怒る。
何もしない内から波風立てる気は無いというだけのことだ。
警戒心を顕にしながらも会話に応じたのだって同様の理由からだろう。

「それに、同級生なら世間話くらいは普通」

体育座りの姿勢で、首だけ傾けてそちらを見ながら、なんでもない事のようにそう言った。
それはそれ、これはこれ、ということらしい。

先生 手紙 >  
俯き加減に小さく笑った後。

「……じゃ、少なくとも君が喫煙所に出向いたりしない限りは吸わずにおこう。せっかく外れた括りの中に入るのはちょっと、勿体ないし。おれ的に」

「ま、無理はしなくていいからね。おれは君のことまーじで何も知らンので。お茶(ソレ)の分の義理も空になったら残さない」

男としても、極端に近かったり遠かったりするよりは、互いが互いを害さない、この、そこそこ無関係な二人の間にある距離の方を大事にしていたいようだ。
それはそれ、これはこれ、である。

「……猫好きなわけじゃないけど猫みたいな感じするね、夜合サン」

所感。

夜合 音夢 >  
「ん、いい心がけ」

表情の変化に乏しい少女だが、心なしか満足げ。

「無理はしてないよ。
 むしろ、ずっと気を張ってる方が疲れると思うし」

人は緊張状態にあると、自分で思うより何倍も精神を消耗する。
常在戦場の心構えでいるより、適度に力を抜いた方が良いというのが少女の持論だ。

「猫みたいに自由気ままでいられたら、それが一番なんだけどね」

ある種の憧憬にも似た目をしながら呟いて、もらったお茶を飲み進める。
猫と戯れて体を動かしたこともあり、減っていくペースは存外に早い。

先生 手紙 >  
「わかるゥー。食堂で普段面識ない風紀委員と相席になった時とか多分疲れるっぽいよーおれもー」

素行善良、とは腐っても言えない男なワケで。突かれて痛くもない腹をなんとなく庇ってしまう。そんなこともあるのでしょう。

「お。見解の相違きた。おれの中の猫って動物は、気ままよりもワリと神経質なンじゃないかなって思ってる。たまに野良が寄って来ることあるけど、アレはおれの方が無関心だからって感じだし」

――まあ、その。昼間の空白時間に、降って湧いたような、他愛のない話をこうして詰め込むのは存外と嫌いじゃないのです。終わる時を惜しまない程度には。

夜合 音夢 >  
「まぁ確かに……よく寝てるようで、ちょっとした物音にも敏感だよね」

呑気しているように見えて隙がない。
そういう意味では少女にも似たところがあると言えよう。

「……でもそれ、私が神経質って言ってる?」

廿Δ廿 ←こんな感じの顔でジト~……とした目を向けつつ。
とはいえ癪に障ったわけではなく、冗談交じりの掛け合いのようなニュアンスだ。
そんな話をしている内に、緑茶のペットボトルは空になっていた。

先生 手紙 >  
脚を畳んで体育座り。同じように顔だけ向けて。

「――でも、おれが今より近づいたらアウトでしょ?」

にひ。と笑った。

異能ではない。21年生きた人生で積んだ、パーソナルスペースの把握である。立ち上がる。

「ありがとね、夜合サン。結構楽しかった。や、これでも緊張してたのさ」

年頃の女の子ってのはむつかしい。会話が不快に終わるのでなければテガミ君には花丸なセンジョーです。

「ンじゃ、おれが行こっかな。邪魔して悪かった。良ければ今度、猫との交戦結果を教えてよ」

踏み込んだのは自分だ。公共の場であるが……先に居たのは彼女の方。ぱぱっとケツに付いた芝を払う。ちょっと潤ってた。――咲いたかどうかは埒の外。話に華はあったようだ、と結論付ける。短いようで、それくらいの時間は経っていたのだ。

夜合 音夢 >  
「タバコの臭いがちょっと……」

その問いの意図するところは分かっていたが、敢えてズレた回答ではぐらかした。
言い換えれば、それこそが答えとも取れるだろう。
ここが今踏み込める限界なのは間違いない。

「ん……こちらこそ、お茶ありがとう。
 次は負けない。こっちも新技であの猫に勝ってみせるから」

機嫌を損ねた様子はなく、スタート地点を思えばむしろ軟化したと言える。
体育座りのまま、片手を挙げて見送る姿勢。

先生 手紙 >  
「次はマタタビ味の煙草を吸ってから来るよ」

冗句に冗句で返す。
器用に片足ずつ靴下、靴と履きなおし。とんとん、とつま先を揃えて。

「捨てるのはセルフサービスでお願いしまァす。そンじゃまた、学園かどっかで」

片手をゆるく振ってさようなら。あ、そうだ。

「センジョーって言ったけど苗字ねコレ。センジョーテガミがフルネーム。先生でセンジョー。お手紙まんまでテガミです。よろしくどうぞ、夜合音夢サン」

やはり惜しむわけでもなく。公園のどこか……適当にぶらついてから、さてその後はどうしたもんか。

「……ま、帰って試験勉強が妥当だよな、この場合」

彼女にとって、自分は大人かもしれないが。同じ学び舎で同じようにテストで一喜一憂する同級生だったのだ。今回のオチ。
 
 

ご案内:「常世公園」から先生 手紙さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から夜合 音夢さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に夜合 音夢さんが現れました。
ご案内:「常世公園」に黒羽 瑠音さんが現れました。
黒羽 瑠音 >   
再びの常世公園、天候は晴れ、梅雨が近いので少しだけ心配してたけど杞憂だった!
前回は何となく足を運んで天才魔術師の先輩と出会ったわけだけど

「ふふふ」

今回は早くもしっかりした理由を持って訪れることになり、鼻歌が漏れ出そう
その理由もルームメイトと交友を深める、という願ったりも無い理由だ

「それにしても、お菓子の礼って……別にそんな気にする事無かったのに」
「音夢さんって律義ね、友達とのお菓子は取り取られのサバイバルゲームと思ってたんだけど」

そういって冗談めかしてくすくす笑いつつ、肩掛けバッグにランチボックスをいれてルームメイトと一緒に歩く
正直「お菓子のお礼をしたい」と言われた時には何のことなのか一瞬……いや数十秒考え込んだけど
ルームメイト(ともだち)と仲良くなるチャンスだ、逃がす理由は無いですぜ!の心持でお出かけを提案したのである!

夜合 音夢 >  
少女にとっては通い慣れた公園。
絶好のお昼寝日和だが、今日ここを訪れた理由は別にあった。
お菓子のお礼という名目でルームメイトの瑠音と親交を深めるためだ。
もちろん手ぶらというわけもなく、片手にはコンビニ袋を提げて。
別のルームメイトから助言を貰って用意した秘策もある。
思った以上に乗り気な瑠音と並んで歩き、広い芝生エリアへと向かう。

「ん、私がしたいだけだから。
 奪い合うのが好みなら、受けて立つけど……」

二人で座るスペースを見繕いつつ、真顔でそう答えた。

黒羽 瑠音 >   
「あ、そんな事言っていいの?自慢じゃないけど……」
「私のお菓子争奪戦でのじゃんけん勝率は5割だよ!」

ようするに普通である、別段運が悪いというわけでも良いというわけでも無い私でした
真顔で答える音夢さんにやっぱり律義だなぁと思いつつ、並んで向かうのは芝生エリア
そういえば前回は遊具を試しながら通り過ぎるばかりでこういった場所は横目に見たくらいだったなぁ

「ん~~風が気持ちいい」
「音夢さんはこういう所ってよく来るの?」

今回のお出かけが決まってから急遽用意したレジャーシートを取り出して
ぱぱっと音夢さんの見繕ってくれたスペースに敷くと座り込んで足を延ばした
そして深呼吸して草の匂いとそよ風を感じてリラックスするんだけど……
実は音夢さんの持ってきたコンビニ袋の中身が気になりまくっているのは秘密です

夜合 音夢 >  
「5割……それってすごいの?」

一瞬、真面目に計算しそうになった。
誰だって勝つか負けるかは五分なのがじゃんけんという種目である。

「よく来るよ。
 日向ぼっこしたり、野良猫とか野鳥と遊んだりしてる」

芝生の広場をよく見渡せば、あちこちに野生動物の姿が見られるだろう。
いつもなら構いに行くところだが、今日は人と接するのが目的。
瑠音の敷いてくれたレジャーシートにちょこんと女の子座りをした。
しばらく風を感じていたが、袋に向けられた視線に気付いて小首を傾げる。

「……別に、大したものは入ってない。
 お弁当と一緒に食べようと思ってたから」

袋の中身はチョコレートやスナックなどのコンビニお菓子。
甘いものとしょっぱいものをバランス良くチョイスしたようだ。

黒羽 瑠音 >   
「どんな相手とも五分に持ち込めるという意味では……?」

普通に聞き返されるとは思わなかったので思わずボケにボケを返すような返答に
スルーや突っ込みより此方が困る選択肢を的確に返すとは、音夢さん、恐ろしい子……

「へぇ~~まるで漫画の中みたい、動物に好かれるって憧れるなぁ」

周囲をのびのびと過ごす動物たち……いや結構多いね!?地元の公園じゃ精々鳩がちょっとに野良猫が稀にくらいだっけ
本当に憩いの場って感じなんだなぁとしみじみと頷いてみたりする
音夢さんの返答で思い浮かぶのは、能力漫画で出てくるミステリアスで動物に好かれる美少女
……大体あってるね?音夢さん美少女だし、雰囲気ミステリアスっぽさあるし

「ほほう、それでは私も早速お弁当をおーぷんせさみしないとね」
「といっても、私自身で作ったのはサンドイッチくらいなんだけど」

そういってお弁当と、何時も持ち歩いているスティック状のお菓子を取り出して二人の横に並べる
お弁当の中身はサンドイッチ、唐揚げ、ポテトサラダ、たこさんウィンナー、後浅漬け少々といったところ

「ふっふっふ」
「ウィンナーをちゃんとたこさんに出来てほっと一安心しております」

実際サンドイッチと、たこさんウィンナーの足のたこさん化、後浅漬けを素にいれて揉み揉みする作業
これら以外は出来あいのお惣菜と冷凍食品の恩恵である、ちなみにサンドイッチの具材はツナと卵だ

夜合 音夢 >  
「好かれるというか、会話ができるというか……」

意思の疎通ができるが故に気に入られている、というのが正しい。
それこそ少女の異能に関わるもので、今日はその話をしようと思っていた。
とはいえ、今は目の前のお弁当に意識が向いている。

「おお……おいしそう。
 たこさんウィンナーもかわいいね」

開かれたバスケットの中身を見て目を輝かせる。
お弁当そのものの彩りにも感心したが、ちょっとした遊び心が微笑ましい。

「それに、今日のために黒羽さんが作ってくれたことが嬉しい」

それだけ楽しみにしてくれていたということで、込み上げてくるものがあった。
相変わらず表情の変化には乏しいが、歓喜の色が滲んでいるのが分かるだろう。

黒羽 瑠音 >   
「動物とお話とかやってみたいって思う事ランキングでかなり上じゃん……!」
「雀にちぃーちちちっ、てやっても逃げられた経験しかないよ私」

初めて会った日に音夢さんが生やしたうさ耳を思い出す
あれが音夢さんの異能的なやつなのは分かったけど、詳しい話はしていなかった
動物と話せる、というのもあの力の一部なのかな?正直ちょっと、いや結構羨ましいかも

「でしょでしょ、お母さんが良く最近の冷凍食品は進化してるね~って言ってたけど本当だねぇ」
「えへへ、当たり前だよ、だって此処で初めてできたお友達とのお出かけだし」
「多少なりとも気合入れて作るのはとーぜん!」

音夢さんのお褒めの言葉に胸を張って答える、嬉しそうなのが私も嬉しい
その顔に浮かぶ嬉しそうな雰囲気に、作ってよかったぁ、と思いつつも

「本当は卵焼きも作ってみたかったんだけど、昨日試したらうまく行かなくって夜食のスクランブルエッグになりました」
「其処は要勉強です!音夢さんの用意してくれたお菓子も美味しそう、あんまり見た事無いのもあるし」
「ふふふ、食べる前からデザートが楽しみになっちゃうね、それじゃあ、食べよっか?」
「いっただっきまーす」

失敗談も交えつつお茶をぱぱっと用意して食事の準備を整えて
元気よくいただきますをして一緒にお昼を食べ始めるのだ

夜合 音夢 >  
「ん……まぁ、私も動物は好きだから。役得」

実際、動物好きにとっては喉から手が出るほど欲しい異能かもしれない。
詳しい話は後でするとして、再びお弁当へ向き直る。

「初めての友達……それなら、私と同じ。
 私も今までは野生の動物しか友達いなかったから」

別に他者を遠ざけたりしていたわけではない。
ただ、同年代の相手との接し方をよく知らなかっただけだ。
野良猫や鳥とばかり話していたら、気が付けば変わり者の評価を受けていて。
疎遠というか、輪から外れた人間になってしまっていた。

「……ふふ。それはそれで食べてみたかったかも」

そんな切ない過去など、友達ができた今となっては些末事。
失敗エピソードの情景を思い浮かべれば笑みが零れる。

「ん、いただきます」

両手を合わせ、行儀良く一礼をしてから箸を手に取った。

黒羽 瑠音 >   
「そうなんだ?うーん、動物だけが友達ってクールな感じあるけれど」
「凄いね音夢さん、私なら寂しくって死んじゃいそうかも、兎じゃないけど」
「でもちょっと嬉しいな、初めてを共有するって中々出来る事じゃないもん」

動物しか友達がいない、何て状況がどんなものなのか正直想像はつかない
そう考えると友達にも両親にも普通に恵まれていた方なのかなぁ私、なんて何となく思うんだけど
今の音夢さんが欲しいのは同情とかそういうのじゃないよね、とも思う
だから同時に浮かんだ、ちょっとだけ現金な気持ちの方を素直に伝えるのだ

「あ、わらったな~~その内上手にできるようになったら押し付けにいっちゃうからね?」
「どうどう、美味しい?」

何て言うけれど、大体は出来あいの安定した美味しさである
サンドイッチは具材がちょっと多めになったし市販品よりは不格好だけどまぁ、味は問題ないはずだ
私も箸を持って、ぽりぽりと塩昆布をまぶした浅漬けを齧る、うん、お茶が欲しくなる味だ

夜合 音夢 >  
「一人でもいいって、今までは思ってたから」

サンドイッチ片手におかずと交互で食べ進める。
やや不揃いだが、この日を楽しみに作ったのがよく分かる出来。
コンビニ弁当などに比べたら、こちらの方がずっと美味しく感じられた。

「おいしい……」

気取った言葉を飾れるほどの語彙もない。
その代わり、言葉少なに喜んでいるのが表情から見て取れるだろう。

黒羽 瑠音 >   
「ほほう、なら今はそうでもないって事だね…… よしっ」
「その反応だけでも今日のお出かけは成功だよ♪」

おいしいという反応に思わずガッツポーズをとりながら食事を食べ進めつつ
最初にあったイメージよりずっと素直に気持ちを伝えてくる人だと自分の中の認識を少しずつ修正していく
その喜んでいる姿に私の食も進むというものだけれど……
折角だし、もっともっと音夢さんの事色々知りたいよね、元々そういう趣旨のお出かけだもん

「それで、動物とお話しできて……寮ではうさ耳になってたよね、あれってもしかして、変身した動物の力を使えるとか」
「そんな感じの能力なのかな?兎だとジャンプ力とか、耳が良くなったり?」

あむ、とサンドイッチを大きめに一口食べながら疑問を聞いていく

夜合 音夢 >  
「相部屋に誘われて、最初は少し不安だった……
 でも、皆いい人達だし、仲良くなりたいと思う」

不器用なりに方法を模索してみたり、行動に移してみたりして。
少しずつ歩み寄っていけたらと考えている。

「大体そんな感じ……変身じゃなくて、憑依だけど。
 私の異能は、動物の霊を自分の身に宿して力を借りるの」

口で説明するよりも、実際にやって見せた方が早いだろう。
サンドイッチを一つ食べきってパンくずを払うと、おもむろに立ち上がってシートの外へ。
これだけ動物のいる場所なら、力を借りるのも難しいことではない。

「…………」

目を伏せ、精神を集中させると―――
少女の背中に半透明の翼が現れ、ばさりと広がった。

黒羽 瑠音 >   
「私は父さんと母さんが一人部屋だと心配だからって転入の時相部屋って条件を付けててね」
「だから偶々なんだけど、一緒なのが音夢さんたちでよかったって思ってるよ」
「もっともっと仲良くなろうね」

仲良くなりたい、という気持ちは一緒だ
音夢さんのペースで、私のペースで、お互い楽しく距離を縮めていけたらいいなと思う

「霊を憑依……って事は、幽霊ってやっぱりいるんだ」
「おぉ……もしかして実践してくれるの?」

そりゃ異能や魔術があるんだから幽霊何て普通にいておかしくないというか寧ろいて当然か
そしてどうやら音夢さんは実際にやってみせてくれるらしい……けど
どうしても学校の七不思議みたいなホラーなイメージがあるので、ちょっとだけ気を引き締める

「……」

そして目の前に天使が舞い降りた

「―― 綺麗」

え、天使何て流石にルームメイトへの贔屓目だって?
そんなちゃちなもんじゃねー!之は間違いなく天使の羽だよ!
今さっき動物霊と言われたじゃん、という自分への突っ込みも無視して
私の口からは目の前の情景に対する呆けたような声が漏れてしまうのだった

夜合 音夢 >  
「そうなんだ……大事に思われてるんだね」

年頃の娘が親元を離れるのが不安に思う気持ちも分かる。
それだけ愛されているのだと、少しだけ瑠音のことが羨ましいと思った。

「ん……霊って言っても魂とか、概念的なものだから……
 ハトとか鳥類の霊なら翼が生えて、飛べるようになるみたいな感じのやつ」

天使のようなハトの羽である。
以前ウサ耳を生やした時は一発芸のようなノリで気にならなかったけれど―――
いざ真面目な反応をされると流石に照れ臭いのか、頬を掻いた。

「ちなみに、触ってもすり抜けるよ」

瑠音の肩を撫でるように翼を羽ばたかせてみる。
すると感触もなくスッと通過していった。
翼のぶんシルエットが膨らんでも当たり判定は人間サイズのままらしい。

黒羽 瑠音 >   
「うん、だから心配かけちゃってるのはちょーっとだけ申し訳ないです」
「私の異能だって、使わなければそれでいいじゃない、って何度も言ってくれたし……」
「それでも此処に来たのは私の我儘だから」

過去の自分の姿を思い出して、少しだけ物思いにふけそうになる
いやいや、此処でそんな意味深なポーズをとるキャラじゃないだろ私

「飛べるんだ……それもめちゃくちゃ人の夢!って感じじゃん」
「おぉ……ふぁんとむうぃんぐ……」

すっ、と自分の体を感触も無く通り過ぎていく翼に手を伸ばして
すかっ、すかっ、と何度もすり抜けさせる、本当に全然触れないや
何だかちょっとおかしくなってくすくす笑ってしまう

「でも干渉を受けないならイカロスみたいに高く飛んでも溶けたりはしなそうで安心だね」
「複数の霊を同時に憑かせるとかそういうのは出来たりするの?」

この仕様?なら『勇気一つを共にして』みたいになる事はなさそうだなぁ、何て考えながら
折角自分のために能力を使ってくれたんだ、興味がある事はどんどん聞いてみちゃうのです

夜合 音夢 >  
「それで行かせてくれるんだから、良いご両親だね」

心配はする。
けれど、子供のやりたい事なら止めはしない。
そんな信頼が見て取れるようなエピソードだと感じた。

「水棲の動物なら水の中で息ができるようになったり、泳ぎが上手になったり……
 さすがに深海まで行くと水圧で先に体がダメになるかも。
 一度に何種類もっていうのはやったことないけど、負担が大きいから難しいと思う。
 最悪、意識を持ってかれたり自分が分からなくなるかも」

こんなでも一応は降霊術に分類されるため、きっちりホラー要素も完備。
とはいえ、相当に無理な運用をしなければまず起こりえない事だ。
怖くないよ、と触れない羽で頭を撫でるような動きをして。

「異能といえば、黒羽さんの……
 物の置換くらいの認識だったけど、具体的にはどんな異能なの?」

未だ一発芸の範疇でしか見たことがないのであった。