2024/06/08 のログ
■黒羽 瑠音 >
「うぇへへ……うん」
大事な両親の事を褒めてくれる友達の音夢さん、そんな図が何だか二重に嬉しさを感じさせる
思わず照れ照れ、もじもじと体を揺らしてしまうのは仕方ない事だ
「うぉお色々便利そう、学校の体育測定とかプールじゃ無双できちゃうじゃん」
「でも意識を持ってかれる……それはちょっと怖いかも、気を付けないと何だね」
音夢さんの言葉に一喜一憂する姿はもしかして百面相みたいに見えちゃってるかもしれない
それでも音夢さんが撫でるように羽を動かすのを見ると、何というか、やっぱりこの人も年上何だなぁ、って
嬉しくもあり、気恥ずかしくもなっちゃったりするのです
「ん、そうだね、あの時は私も実質一発芸でやったし」
「此処でちゃんと説明……といっても音夢さんのより大分分かりづらい力なんだけど」
「能力名登録の時は『下位互換』ってつけたんだけど、一言でいうなら」
「『私が変化して欲しくないものに変化させる能力』かな」
取りあえず実践してみるね、と持参したゴム手袋に浅漬けを乗せて能力を使ってみる
直ぐに浅漬けは真っ赤な、刺激臭のするキムチらしきものにかわった
一つ口をつけて、余りの辛さに足をぱたぱたさせつつ、食べてみる?と涙目で音夢さんに激辛キムチを差し出しちゃったりして
■夜合 音夢 >
「プールに魚の霊はいないと思う……」
その場に対象となる動物霊がいないと憑依できない、という弱点もある。
鳥などは連れて歩くことも可能だが、魚はそうもいかないだろう。
いちいちリアクションが返ってくるのが楽しくて、つい色々と答えてしまっていた。
「変化してほしくないものに変化させる……?」
どこか矛盾しているようにも聞こえる文言に首を傾げつつ。
浅漬けが激辛キムチに変わり、悶える様を見て"きゅっ"と表情を引き攣らせた。
「……ん、遠慮しとく。
それだけ聞くとマイナス要素にしか思えないけど……」
■黒羽 瑠音 >
「むぅ、教室なら金魚くらいはいるけど……!」
出目金の霊だと目が飛び出たりするんだろうか、とちょっと怖い想像をしちゃったりして
「そう?」
「なら私食べちゃうね」
そういって涙目で残ったキムチを飲みこんでお茶をがぶがぶと飲みこむ
まぁそうだよね、態々食べる必要までは無いもんね、でも食べ物残したら母さんに怒られるからね
「そうだね、私、この能力でプラスになった事無いもん」
「削れた鉛筆に使ったら持っても無いシャーペンの芯になったり」
「使いかけの消しゴムになったら見た事無い練り消しになったり」
「私が知ってる中で変化する前より、後の方が私にとって役に立たないものに変わるの」
後は―……といいながら、最近の"実験"を思い出して更に例を追加する
「ついでに言うと、相互互換……今なら『之に変わってもいい』って思うものにも変わらないの」
「例えばお賽銭で5円玉が欲しい時に、100円とかを変化させても絶対に5円玉に変わらない……みたいな」
言えば言う程全く役に立っていない能力である、本当どういう仕様なんだろうか、それを調べて貰ってるんだけど
何だかそれが改めて思い出してもおかしくって、くすくすと笑いながら説明してしまう
■夜合 音夢 >
「金魚……」
恐らく同じような想像をしたのだろう。
微妙な表情のあと、振り払うように小さく頭を横に振った。
まぁ、そもそも体育の授業くらいなら素の身体能力で十分に好成績を収められるのだけれど。
「聞けば聞くほど損しかしてない。
……でも、向き合うって決めたんだね」
笑っちゃうくらい理不尽でも、決して目を背けることなく。
親の心配を振り切ってまで自身の異能について知ろうとしている。
それは簡単に出来ることではないと思うし、とても立派なことに思えた。
「すごいよ、黒羽さんは」
本心からそう感じたことを正面から告げる。
■黒羽 瑠音 >
「一応、例外?っていうか……」
「結果的に良かったことはあるんだけどね」
そういって此処に来る事を決めた切欠の事件を話す
友達を庇って木刀を『変化』させたら真剣になって、自分の怪我と引き換えに相手が逃げてその場を切り抜けられた事を
ちょっとだけ重い話かもしれないけれど、此処まで来て話さないのも不義理だよね、なんて感じたから
「状況を見て安易に『悪くなる』だけの変化をしないのが性質悪いよねぇ」
何て笑って話しつつ、凄い、という言葉に少しだけ身を引き締めるように真剣な顔をして見せる
「だって…さ、ほら、勉強とか、運動とか……魔術とかは、習えばだれでもある程度できる事、だけど」
「異能って、基本的に『その人だけの力』じゃない?」
「だから、下位互換は私を選んで宿ってくれたわけで」
「それを使う意味がないってそのままにするのは……何かやだなって思うんだ」
勿論それに意思があると思ってるとか、そういうのじゃないんだけどね、と付け加えながらも
それは私の素直な気持ちである、後は結局これが何なのか気になるっていう所もあるんだけど
「でも、えへへ、そんな風に褒めてくれたのは音夢さんがはじめてかなぁ、嬉しい♪」
そして改めて、自分を『凄い』と言ってくれた友達に笑顔を返すのだ
■夜合 音夢 >
「そんな事もあったんだ……」
語り口の緩さに反して、明確な生命の危機。
無事で良かったのはもちろん、それを結果オーライと考えられるのもすごい。
荒事慣れしているようには見えないが、その胆力には目を見張るものがあった。
「自分だけの力だから、向き合いたい……か。
きっと、その精神があなたの強さなんだろうね」
頭が良いだけでも、運動神経が良いだけでも至れない境地。
それこそ他者にはない彼女自身の強みと言える気がした。
「ん、私に協力できる事があれば力になる。
黒羽さんは……瑠音は、私の大事な友達だから」
向けられた笑顔に応えるように微笑を湛えて。
敬意と親しみを込めて、苗字呼びから名前呼びに変わった。
■黒羽 瑠音 >
「あの時は正直勘弁して~~ってなったよ」
今思い出してもヒヤッとする、同じ事があった時に同じ事が出来るかは……
いやぁ無理そうな気がする、本当に咄嗟にやった事だし
「ふふ、音夢さんがいうならきっとそうなのかも?」
「でも音夢さんも自分の力をしっかり使いこなしてる感じがして凄いって思うけどな」
「しいて言えば……あ、何時か一緒に飛べたりしたら楽しいかも!」
何て冗談めかしていいながら最初の『天使』を思い出していた
まぁその時には命綱とか必要な気がするけど、人を抱えたまま飛ぶって実際大変そうだし
「おお、実際今の所まだ異能については調査してもらい始めたばかりだからさ」
「もし、何か協力してもらいたい事があったら相談するね?」
大事な友達、そんな言葉に胸がポカポカしてきて、自然に笑みが溢れる
「勿論、私も音夢さんが困ってたら力を貸すからね!ルームメイトとして遠慮は無しって感じで!」
「じゃ、残りのご飯も食べちゃお?実はさっきからおかしにも興味津々だったりするんだよね~~」
手をこまねいてマットに誘う、お弁当も、音夢さんの持ってきてくれたお菓子もまだまだ残っているのだ
「食べ終わったら遊具周りしよ?この前面白い奴幾つか見繕ってたんだ~~」
何て食べた後の予定も一緒に話す、少しだけ先の話を友達と一緒にするのは、とってもワクワクする事だと思う
音夢さんにこのワクワクや、友達と一緒に遊ぶ事の楽しさくらいは、私にも教えてあげられる事だと思うから
■夜合 音夢 >
「私は……そういう風に育てられたから。
いつか連れてってあげるね、空の旅。快適かはわからないけど」
ほんの少し寂しさを滲ませて、すぐに未来の話へ思いを馳せる。
人ひとり抱えて飛ぶとなると相応の準備が必要だ。
今はまだその時ではない、と憑依を解いて翼をしまう。
「そうだね。困った時はお互い様……
まずは目の前のお弁当とお菓子、平らげちゃおう」
けっこう見境無しに買ってきたので量がすごい。
激辛キムチの後の口直しにチョコレートなんてどうだろうか。
残ったおかずをつまみながら、遊具を回るのもいいね、と頷いて。
友達となら何だって楽しいと思えそうだし、予定を決めるだけでもワクワクする。
そんな、なんてことないやり取りに得難いものを感じながら、終始にぎやかなひと時を過ごすのだった。
ご案内:「常世公園」から黒羽 瑠音さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から夜合 音夢さんが去りました。