2024/07/02 のログ
ご案内:「常世公園」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
試験二日目。

やや科目量に眩暈を覚えたものの、魔法科目以外は恙なく終わらせた。

「つーかれたー。」

 公園のベンチに腰掛け、退屈そうに足をぶらぶらさせている。
 

エルピス・シズメ >   
「気分転換にスパでも行こっかな。
 最近なんだか疲れ気味だし……。」
 
 大きな溜息。
 ぼんやりと空を見上げた。

「……そういえば昨日は雨に濡れたんだっけ、
 ぼんやりしててあんまり思い出せないけど……。」

 散々な日だった気がする。
 あんまり思い出せないようにしようと、記憶に蓋をする。

エルピス・シズメ >  
「ぼんやりした記憶は大体思い出してきた……気がする。
 魔法の不調はちゃんと補講と診断を受けることにしたから、今は置いといて……」

 指を折りながら自分の状況を整理する。
 日常生活を送るには問題ないが、やや芳しくない。
 そして……

「……友達がすくないのは……最近ふたりぐらい増えたから、少し順調……順調だよね?」

 不安そうに端末を眺める。
 連絡先を交換したのは一人、顔見知りになったのは一人。顔だけ知っているのは一人。
 

ご案内:「常世公園」に田中 浩平さんが現れました。
田中 浩平 >  
学校を終えて帰り道。
いや帰り道っていうかラーメン屋に顔出すとこだけど。
シフト入ってなくても店長なら色々あるんです。

と、公園に物憂げカワイコちゃんッ!!
物憂げってすげーよなぁ……
略してモゲかウゲなのにカワイコちゃんが物憂げにしてると絵になるからなぁ……

あ、でも繋げたらモゲウゲか。怪獣みたいだな。

そんな益体もないことを考えながら近づいていく。

「どうかしましたか、お嬢さん」

にっこり笑顔で話しかけて。

「溜息ついてるみたいだったし、ね。気になって声かけたんだけど邪魔?」

と正面に回り込んで手を振ってみたり。

エルピス・シズメ >  

 振られた手を目で追い、声の主を認める。
 整った男子学生だ。
  
「僕男の子だけど……それでもいい?」

 モゲウゲはオスであった。
 自身の性別について前置きを加えてから、会話を続ける。

「悩みはいろいろあるんだけど……僕、友達少ないなあって。
 あとはテストの量に嫌気がさしたりとか……。」

 素直に悩みの大部分を打ち明ける。
 打ち明けてからまた憂鬱になったのか、溜息をついた。
 
 

田中 浩平 >  
「お………!!」

男の子だったー!?
こんなに可愛いのに!?
こんなに綺麗なのに!?
すげーな世界!! サプライズフューチャー(?)!!

「すごいな、可愛いって言われて不快じゃないならそう言っておきたいんだけど」
「はー、友達少ないのか……それは追々増やしてみよう」

ヒーローがライセンスを見せるように携帯デバイスを取り出して。

「まずは追注一人だ、俺は田中浩平ってんだ」

テストの量について言われればこっちも肩を竦めて。

「テストこなさなきゃーいけないのは学生の宿命だなぁ」
「履修登録は? 四角四面に全コマ入れてたら身が持たないぜ」

「あと論理国語、担当の米谷に小論文でウケるコツ書いてあるマイタニティリポートってのがあるんだ」
「生徒に代々受け継がれてるもんだから送ろうか?」

エルピス・シズメ >   
「それは……」 
 
 言い淀むが、不快じゃないらしい。
 一瞬だけ口元が緩んだ。素直になりきれないおとこのこ。

「ついちゅう? 僕はエルピス。1年生のエルピス・シズメ。
 あらためてよろしくね。」

 どこか異形めいた第3の機械の腕を繰って携帯デバイスを取り出し、連絡先の交換を試みる。

「……えっ、履修上限まで全部いれるものじゃないの?」

 みっちり入れてました。
 大変だった理由そのいち。

「米谷先生のマイタニティリポート? 貰っていいものだったら欲しいけど……良いの?」

 友達が少ないせいか、生徒代々継がれるネットワークに繋がっていない。
 当然、男子生徒が共有しているような情報も知らない。

田中 浩平 >  
「OK、わかった。フクザツなら言わねーよぉ」

両手をパ、と広げて眉を下げる。
敵対心なしのポーズだ。

「追加注文な、俺ラーメン屋系部活やってんだ」
「二年生だけどタメ口で頼むぜ、男同士でそういうのはナシだ」

第三の腕を操作するのを見てほほーと感心する。

「器用だな、その三本目の腕? みたいな?」

連絡先を交換して。

「上限全部入れるのは2年半から3年卒業コースだな」
「普通にやりたいなら全コマ入れなくていいんだぜ」

連絡先に早速メッセージとファイル添付、と。

MES:これからよろしくなエルピス!

と書いて送り、マイタニティリポートを送った。
ニカッと笑ってサムズアップ。

「気にするな、米谷センセは情報収集も込みでやってるんだ」
「事前に情報収集、これ予習のうち……即ち兵法・仮道伐虢ってな」

「遠交近攻だっけ……」

エルピス・シズメ >  
「え……あ、う、うん。どっちでも大丈夫。
 じゃなくて、あんま気にしないで大丈夫。」

 面倒、もとい曖昧な返答を返し、寛容な身振りにも頷く。
 少なくとも受け入れられていると認識したらしい。

「らあめん系部活?
 食べる方?作る方?」

 "どっちでもあり得そうだなぁ。"
 そんなことを思いながら改めて目の前の彼──田中浩平を眺めた。
 
 連絡先の交換を終えて、メッセージが届くと口元が緩む。
 添付の中身を改めてから、返信を送る。

 マイタニティリポートであることは間違いなさそうだ。

 MES:うん、よろしくね!

「この腕? えへへ、慣れると色々便利だよ。
 着れる服が限られちゃうのが難点だけどね……」

 事前の情報収集は大事。兵法にもそう書いてある。
 ただ、

「民之司命……?」

 この状況に該当するのは何だろう、と、変に悩んで妙な答えを返した。

田中 浩平 >  
「ははは、思春期(ビューパティー)かぁ?」
「その辺については追々聞かせてもらうとして…」

人差し指を振ると腕組みをした。
このままラーメン屋の看板にできそうなビシッとしたポーズだ。

「作るほうッ。意識低い系ラーメン屋で塩ラーメン作ってるよ」
「今度来てくれよ、ほら割引クーポンの束」

と言って麺処たな香の住所が書かれている、
味玉無料とかトッピング半額とかラーメン200円引きとか書いてあるクーポン券を差し出すのだった。

着れる服、に関して言えば。

「オフショルダーの肩紐ニットとか、チューブトップとかか…」
「ってどっちも女性モノだった、すまん」

かくんと首を倒すように謝罪。

「最近、第二外国語の授業で兵法を学んだのにもう忘れちまったよー」
「そもそもラーメン屋ってどっちかというと風林火山のイメージじゃないか?」

エルピス・シズメ >  
(練習したのかな?)
 
 堂に入った腕組みポーズ。
 思わず見入ってしまう。

「わ、こんなに。ありがとう。
 ……でも僕一人じゃ使い切れないかも。友達とかにも分けていい?」

 "あんまり数いないけど"と、冗談めかして苦笑した。

「ううん。気にしなくていいよ。
 確かに都合がいいしね。」

 今着ているものもそのあたりに近い。
 それはそれとして、楽と言えば楽なのだ。

「兵法も色々あるし、読み方とか中身の解釈まで加えるとさらにボリュームあるし覚えきれないよね……
 ……たしかにそうかもって思ったけど、ラーメンの風林火山ってどっから来ているんだろう?」 

 同意を示し、不思議に思う。
 実際にそんな名前のお店も何件か見かけた気がする。

田中 浩平 >  
「もちろんだ、どこで切っても麺処たな香の名前と住所が裏面記載ッ!」

サムズアップ、こうして認知度を上げるのも大事。
友達に気楽に来てもらうのはもっと大事なワケだが。

「そうか? なんかこう、ダチ相手にはズケズケ物言うタイプだから」
「嫌だったら言ってくれよな、後輩に要らん気を使って傷ついて欲しかねーぜ」

たははーと苦笑する。
まぁ、なんというか。雑なんだ俺は。
そのことを忘れてはならない。

「わからない……でも侵略すること火のごとしって言ったら宮崎辛麺のイメージだな」

実際あの辺にもあるんだよな、そういう名前の辛麺出す店。

エルピス・シズメ >  
「わ、本当だ。名刺屋さんとか印刷屋さん開けそう」

 "よくできてるなぁ"と感嘆しながらクーポン券を見る。
 少なくても彼の中での認知度と意欲は上がった。

「ん、嫌なことは嫌って言うから大丈夫。
 僕も男の子だし、なんだかんだ雑の方が気楽だし……」

 誤魔化すようにに頬を掻く。
 言及はしないが、自室の寮も綺麗ではない。

「そのあたりから来てるのかなあ……
 ……でも宮崎、宮崎かあ。ここにいるとずいぶん遠くに思うよね。宮崎」

 

田中 浩平 >  
「印刷系部活に金払ったわ」
「なんだかんだで広告に手を抜いたら成り立たない商売だしな」

良いものが何もしないで売れるなら誰も大枚はたいてCM打ったりしない。
意識低い通り越して意識ない系ラーメン屋でもそれくらいの分別はついている。

「そうか、ははは……まぁなんかあったら言ってくれ」
「俺もアレだ、一年ここで過ごしてちょっとは経験値積んだからさ」

額に指を当てて悩む。
そう、本土から遠いのだ。
輸送コストを考えると、小麦は北海道産きたほなみよりも
島で作っている小麦に変えたほうがいいのかも知れない。

「宮崎も遠いし、なんなら日本が遠いよな……今年も盆暮れ正月に実家に帰れそうにねーわ」

エルピス・シズメ >  
「あ、どーりて。
 ここの部活、プロ顔負けの人すごく多いしね……」

 出来栄えの理由に納得。
 同時に、それくらい彼も真面目にやっているのだろうと判断した。

(開いてたら食べに行こ。)

「そうだね。困った時はよろしくね。田中くん。
 ………僕も暫く帰れそうにないなぁ。」

 想いを馳せるように遠くを見る。
 もちろん何も見えないが、それでも仄かな郷愁は抱く。

田中 浩平 >  
「いつかプロを顔で負かすからな……」
「学生が遊びでやってるんじゃないんだって本土に出店して思い知らせてやる」

謎の覇気を出しながら思う。
対抗心は今はしまっておくが、いつか本土で店を出してやると。

「エルピスも帰りてーのか……まぁ、ここに来たらいっそ学んでやるくらいの気持ちでさ」
「テストだりーーーなー」

最初に話題が戻った。ああ、ループ。

「そんじゃ俺これくらいで。また友達欲しいとかあったらMESくれよな」
「じゃーなーエルピス」

手を振って去っていった。

エルピス・シズメ >   
「帰りたいというよりは……」
 
 "何だろう?この気持ち。"
 自分でも理解が出来ず、言葉が途切れる。

「うん。そろそろ僕も行かないとだしさよならかな。
 暇な時にもメール送るね。」

 拒ばなければ、ときたまに無自覚に雑談を兼ねた写真送ってくるかもしれない。
 猫見つけたとか、テストわかんないとか、自撮りになってる朝ご飯の報告とか。

「またねー。」

 いずれにせよ、彼の事は見送るだろう。

ご案内:「常世公園」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「常世公園」から田中 浩平さんが去りました。