2024/07/23 のログ
武知 一実 >  
――夜の常世公園。
昼からのバイトを終え、家路についた時には既に辺りは暗い。
学校も夏休み中だからか、本土に帰省してる島民も少なくなくいつもよりも静かで暗く感じられた。

「……その分、夜空はいつもより綺麗に見えっけどな」

近道だからと通り掛かった公園の半ばで足を止める。
どうせ帰ってもシャワって寝るだけだから、ちょっとくらいボーっとしてくのも悪くねえ。
昼間の馬鹿みてえな暑さも和らいで、少し湿気はあるものの涼しい風も吹いてる事だし。

そんなわけで近くの自販機で飲み物を買って、オレはベンチへと腰を下ろす。
星空を眺めながら、炭酸で喉を潤しているとバイト疲れも少しマシになった気がしてくるから不思議だ。

武知 一実 >  
「さて、明日は何すっかなあ……
 目ぼしいバイトは今日までに粗方回ってみたし、残ってるのは海の家くらいか」

飲みかけの缶をベンチの隣に置いて、メモ帳を引っ張り出す。
ぱらぱらと捲って夏休み初日にチェックしておいたバイトの一覧に改めて目を通して、ボディバッグに戻した。
商店街や学生通りでのバイト求人は減っている一方、海開きも無事に迎えて、海の家も本格営業を始めているためそっちの求人が多い。
ライフセーバーなんてのもあったが、まあ水の中に入れない身の上としちゃ、海の家がギリギリラインか。

「……それでも万一ってこともあるし、出来れば避けときたいが」

他に求人出てないんじゃしょうがねえ。
休み中に稼げるだけ稼いどく事にしたわけだし、選り好みしてる場合でもねえもんな。
……はあ、喧嘩してるだけで金が入って来るバイトとか、ねえもんかなあ……。

武知 一実 >  
「ひとまず、明日はオフにすっか……休校中の課題もやらんとだしな。
 にしても、高1になって初めて“夏休みの宿題”をするなんて、あんまり人にゃ知られたくねえな」

耳の後ろを掻きながら、そんな事を呟いて腰を上げる。
飲みかけの缶を手に取って、ぶらぶらと歩き出しながら口へと運ぶ。
夜風が心地好いし、真っ直ぐ帰らずちょっと歩いてから帰ろうか。

「そういや、今何人くらい知り合いは常世島(こっち)に残ってんだろうな
 ……連絡先知ってるのがそんなに居ねえ所為か、見当も付けらんねえ」

連絡先交換したところで、そもそも頻繁にスマホを弄る訳でも無いからな。
連絡先を知ってる普段つるんでる奴らは軒並み帰省中だしなぁ。

そんな事を考えながら、オレは夜散歩を楽しんで、家路に戻ったのだった。

ご案内:「常世公園」から武知 一実さんが去りました。
ご案内:「常世公園」にシアさんが現れました。
シア > 「公園……公園だ」

紛うことなく公園である。
どこまでも公園である。

「山っぽくないね、鳥とかもいるけど」

それはもう当然である。

「悪くないけど、木の匂いとかは」

うーん、と深呼吸

シア > 「普通の木だ、割と……」

ふむふむ、と頷きながらその辺の木をペタペタと触る。
たまに軽く叩いたりして見る

「変わらない、お山と」

中で一番大きい木を見上げる
公園の木なので高さも何もしれてはいる

「んー……」

じっと見上げている

シア > 「……うん」

木を見つめながら後ろに下がる。
やや離れたところまで下がったところで、一呼吸

そして……木に向かって駆けた。

駆ける 駆ける

ほんの僅かの距離を、迷うこと無く加速し続け
そのままだと激突するような勢いで……

「……!」

シア > 激突する!
シア > そう思えた瞬間に、少女の体は浮き上がるようにして幹を蹴り、そのまままるで駆け上がるように木に登っていく。
実際には、出っ張りや瘤などに器用に足をかけての一種のボルタリングに近い登り方であった、が。

シア > 「……ん」

勢いのままに、木の上までたどり着く
見ようによっては、猿のように、といった風情であろうか

「遠くまでは見えないか、流石に」

高い建物が多すぎて、公園の木の高さではそこまで見えない
それでも、高い視点はえられた

「……人が多いな、やっぱり」

小さく息をつく

シア > 「……」

しばらくあたりを見回して
特にこれと言ったものも見当たらず

そのまま、器用に地面へと飛び降りた。

「うん、行こうか次に」

ゆったりとした足取りで、公園を後にした

ご案内:「常世公園」からシアさんが去りました。