2024/09/29 のログ
橘壱 >  
自身の生徒手帳も見えるようにし、操作する。
すると、生徒手帳に映るのは地図だ。
この常世島の周辺マップ。わかりやすいデジタルマップ。
但し、落第街等(一部)の地域は地続きにされて隠れてはいる。

「こんな風に操作すると地図が出るから使うといいよ。
 訓練施設とかはこの辺りにあって、この辺りに研究施設群が……」

と、一通り説明中。
この操作さえ間違えなければ、
ある程度行きたい所に行けるはず。

地理に関しては此れでいいはずだ。
さて、問題はこっちだ。
我ながらちょっと難しい事を言った気がする。
これは感覚的な問題にもなる。慣れて無ければそうか。
んー、と顎に指添え考えた結果……。

「そうだな……シア、ちょっと手を握ってもらえる?
 ……イヤらしい意味はないからね???軽くでいいから」

彼女にわかるかはさておき、一応。
下心はない。彼女には多分、こっちのがわかりやすい。
生徒手帳をしまい、そっと右手を差し出した。

シア > 「おお……」

眼の前に展開されるデジタルマップ。
自分の記憶と照合しても、間違いはなさそうである。

「あれ……?」

ただ、記憶と齟齬が生じるところが一つあることに気づく。
明らかにぼかされ、隠された領域。
公には存在を明言されていない、そこ。

「ない、ここ」

その一部を指摘する。
既に何度も行っているので、存在はよく知っている。
なぜ隠されているのだろう?

「イヤらしい? イヤらしいの、壱?」

首を傾げる。
手を握ることにそういう意味が……?
わからないことはまだ多いようである。

「ん……こう?」

とはいえ、別に気にするでもなく。
軽く、軍手の手で握る。

「……これが?」

橘壱 >  
「……そこはね、一般的にはダメな場所なんだ。
 シアは知っていても、その事を誰かに話しちゃダメだよ?」

スラムに属する此処は一般的には認知されない。
歓楽街の延長線。或いは地続きの何かだ。
そういう風で決められている以上、
一般生徒にはこういう風に見えているのだ。
し、と人差し指を立てて彼女にも釘を差しておく。

「……ノ、ノーコメントで……」

無知シチュは嫌いではない(※)が、
こういうのはリアルで対面すると諸説ある。
オタクくん、そういうところだぞ。
曖昧な笑みを浮かべたまま、適当に誤魔化した。

軍手越しに握る手は、普通の手だ。
一般的な男子よりは少し硬い、男の手。
軍手越しに上手く伝わるかわからないけど、
力があるなら、簡単に握りつぶせるような、
本当に普通の人間の手だ。

「どうも。……どう?シアはさ。
 その気になれば多分、此の手を握りつぶせるよね?」

シア > 「……ダメなんだ。変なの」

あるのだから、ある。
厳然と存在する事実を隠す意味はなにか。
隠したところで、触れることはできるというのに。
本当に、理解が出来ない

「? どうして?」

ノーコメント。
なぜだろう。答えられないような何かが?
そんな謎があるのだろうか。
イヤらしいことに……?

「ん……」

手の感じを読み取る
多少、鍛えた感じのある手。あくまで多少、でしかない。

「鍛えてる手、少し。
 潰す? 難しい、それは。」

膂力はあるが、人の手を潰すのは常識外れな力が必要だ。
其処までの力は、流石に持ってはいない。

「壊す、なら……試す?」」

ただ、潰す、という条件でなければ破壊する手段はいくらもある。
道具もつかえば、更に増える。

「……それで?」

橘壱 >  
「コレばかりは"そういうもの"で納得してもらわないとね」

気持ちは理解するけど、事実そういう事だ。
此れはもう此の学園が出来たからの不文律かもしれない。
ある意味最先端の実験台、箱庭だからこそなのかも。

「……ま、まぁ、とりあえず!」

あ、流した。
でも女の子相手にいいづらいよね。
自分から振ったからそうなる。

「そうか。シア位力が強ければって思ったけど、
 ……けど、壊す事なら出来るんだな。いや、試すのは勘弁」

流石に色々支障が出る。
少しはにかんで軽く首を振った。

「そうだな。多分、シアならそういう事が出来る。
 けど、別にシアはいきなりそういう事しないだろ?
 まぁ、意味のない事はしないだけかもしれないけどさ」

「それと似たような感じ。
 さっきの遊具も、人がいたらあの速度は危ないんだ。
 普通の人はあんなに回ってると怪我をするし、壊れたらより危ない」

「だから普段は、此れくらい。
 僕の手を取ってる位……かな?
 此れを基準に力加減をしてほしいってこと。……此処までは分かる?」

じ、と黒色の瞳を覗き込む。

シア > 「……ん」

そういうもの。決まり。
そこまではっきりしているのであれば、飲み込める。
その方が、よほどわかりやすい

「……?」

結局流されてしまった。結局なんだったのかわからない。
しかし、気にはなる。今度、誰かに聞いてみようか。

「硬い、骨は。そう……道具をつかえばいけるかも、やるなら」

案外人間の骨も馬鹿にならない。潰すのであれば、そこまでしなければ。
たとえば、ジャージ下のグルカナイフとか……

「試さない? わかった」

粉々に潰す必要はなかった。

「ん……そう、だね。
 しないね、意味のないことは。」

もし、意味があれば……
そういうことになる。

「……ああ」

なるほど、だいぶ理解が出来た。
無意味……ではないかもしれないが、必要はない、のだろう。

「……ん、わかる」

覗き込んでくる瞳を見返して、頷く。

橘壱 >  
そう、彼女は決して頭が悪いわけじゃない。
寧ろ賢い女の子だと思っている。
物を知らない。此の世界の何も知らない。
ただそれだけだ。決して悪い子じゃない。

「ん、よし」

頷いたのを見れば次だ。

「で、此処からも本題……かな。
 さっきも言った通り、そういう所は合わせるべきなんだ。
 けど、自分が危ない時とか、周りの人が危なかったり……んー、と」

「そう、だな。僕がピンチの時は本気で振るってもいい」

如何に決まり事の多い社会でも、例外は幾つもある。
こういう時には持てる力を使い、自衛すべし。
誰かを守るべし。人間社会の秩序としては、
時にそういう風に成り立っている。

「けど、出来る限り傷つけちゃいけない

但し、野生とは違う所はある。
じ、と碧の瞳はレンズ越しに黒を見据える。

「山とか……それこそ野生なら、多分お互い加減しないと思う。
 けど、どんな悪い奴でも……、……"基本的には"、死なせちゃいけない」

「勿論、出来る限りでいい。
 シアだって、加減して死んじゃうのはおかしいと思うだろ?
 だから、出来る限り。それが、なんていうかな……それっぽく言うなら……」

この社会での力を持つものの使い方……だと、思う」

社会で生きる以上、そこで真っ当に生きるには、
強い力には責任が生じるのだ。自然とは違い、
そんな所まで不便に出来ているとは思うかも知れない。
だが、そのおかげで平穏な、野生とは違う人の成り立ちが出来ている。

「……、……どう、出来そう?」

僅かに言い淀んだのは、自らには本来なら言う資格はない。
その上で敢えてやれ、と強要はしない。
軽く軍手越しに握り返す壱の手は、
優しく、温かなもの。穏やかな表情のまま問いかける。

シア > 「ん……」

考える。
といっても、それほど迷うことも悩むこともない。
"基本的には"死なせてはいけない

それは、教わってきた。

「うん。殺さないよ、普通は。
 しないし、必要がないことは。」

命を取るのは、必要があって、意味があって、でなければしない。
それは、少女にとっても当然のことであった。

「傷つけない、できる限り……
 あれ、でも。いいのかな、ピンチなら。
 それなら……」

頷く。
別に、殺したいわけでも、傷つけたいわけでもない。
それは、自分の仕事ではないし、そういう嗜好も持っていない。
自衛が良いなら、別に問題はないと思う

「できる……かな?」

小さく首をかしげながら、答える。
なにがどうなるかはわからないので、確証としては言えない。

「……でも。それは。
 同じじゃないのかな、力があっても無くても。
 里では無能だし、ボクも。」

才能があろうがなかろうが。無用なこと、不要なことは避けるべし。
そういうものではなかろうか。

「……それにしても。
 教えるね、色々。変なの」

相手の気遣いや、親切、といったものが、イマイチ理解できないでいた

橘壱 >  
「勿論シアがそういうのじゃないとわかってるけど、
 ……力ってのは、特に大きければ大きいほどそうさ。
 里ではそうだったかも知れないけど、もう此処ではそうじゃないだろうし、ね」

特にそれは自覚していなくても、
別段意識していなくても自然と発生する。
難儀なことだが、それを上手く社会に溶け込ませるのも、
この学園の大きな役割でもある。そういう意味では、
彼女はまだまだこれから。一旦はそれがわかれば、実践あるのみ。

「シアなら出来るさ。僕も出来る限り手伝うしね」

一人で出来なきゃ二人だ。
はにかみ笑顔で頷いた。

「(……って、言っても、僕に資格はないのかもなぁ)」

色々説いたし全文本心だ。
壱は嘘をついていないが、
その根っこでは戦いを、争いを楽しむ本性がある。
どちらも本音である以上、その資格はないのかもしれない。
けど、人を助けるのに資格はいらない。
そういうものだと思ってるから、言うことが出来た。

「そうかな?まぁ、僕も色々教えられたから、
 誰かに伝搬した優しさがシアに行った……って所かな?」

なんてね、とそれっぽく言えば肩を竦めた。
偏に壱の善性ではあるが、嘘はいっていない。
自分もそういうところはあったからだ。
よ、と立ち上がれば手を離し軽く背伸び。

「お互いまだ学生だし、そういう所頑張って行こうか。
 ……そう言えばなんでジャージに軍手?手に何か付いてたりする?」

シア > 「……ん。そう?
 できる、かな…… 
 ……?」

そう答えながらも、気になったのは僅かな違和感。
先程のほんの少しの言い淀みも含めて、どこかおかしい。
よくはわからないが、何かが引っかかる。

「……どこ見てる、壱」

別に目線がどこかあらぬ方を見ているわけでもない。
密やかにそらされているわけでもない。
ただ、違和感を言葉にしようとすると、その言葉が適切に思えた。

前を。自分を見ているようで、見ていないよう感覚

「そう。習ったの、壱も。
 暴力はいけない、とか?」

自分が聞いた話から、そんなふうに考えてみる。
実はやんちゃだったのだろうか。
前科何犯の悪なのか。

「ん……動きやすい。
 あと、安全」

ジャージに軍手。それは完全アウトドアスタイル。
確かにヒラヒラしたスカートや、素手よりは動きやすく安全だろう。

「……だめ?」

何らかの条項や決まりに引っかかるのだろうか

橘壱 >  
「うん、シアなら出来るさ……って、
 えっ。ど、何処って……シアをみてる?」

思わず素っ頓狂な声が漏れた。
よもや、自らの歯切れの悪さを指摘されたとは思うまい。
驚いた表情のまま、目をぱちくり。
驚きで良くわからない返答にもなった。

「いや、そういうんじゃないかな。
 ……恥ずかしい話だけど、此の島に来たのは最近でさ。
 来た時の僕は、他人に興味はないし、スカしたイケすかない男だったよ」

自らの快楽を優先し、闘争に身を費やす獣。
それ以外の全てがノイズ。恥ずかしい話だ。
ただ、昔の自分のが自由だったのは違いない。
そして、今はそれが燻っているだけ。
ほんの少し恥ずかしげに頬を掻いた。

「動きやすいは確かにそうだな……ジャージ楽だし」

元引きこもり、ジャージの楽さ凄いわかる。

「ダメじゃないけど、ほら。シアって結構かわいいし。
 オシャレとかしないのかなって。外見を気にしろっていうよりかは、
 そういうオシャレしたシアも見てみたいなーって思っただけだよ」

特に此れと言って他意がないのに
こういう事を言うタイプの男である。

シア > 「んん……」

この違和感、なんというべきか。たとえは通じなかった。
といって、適切な言葉があるわけでもない。

「……変だった、なにか」

結局、言えたのはそれだけである。

「……へえ
 スカした、イケすかない……」

じろじろと改めて相手を見る。
今の感じは、そういう感じはない……と思う。多分。

「怒られたの、それで?
 なおしたの?」

イケすかない男が、それを指摘されて直した、ということか。
それはだいぶ、大した話かもしれない。

「でしょう?」

ジャージは楽。動きやすい。
なんと素晴らしい発明なのだろう。
すっかり気に入ってしまっている。

「……ん。なるほど」

少し首を傾げて考える。

「オシャレ?
 それがいい、壱は」

先は長そうであった

橘壱 >  
「……あー……」

察しが悪いわけではない。
何となく彼女の言いたいことがわかった。
野生の勘って奴なのかな。わかってしまうらしい。
ちょっと困ったようなはにかみ笑顔。

「その、イケすかない時期……というか、今も何だけどさ。
 僕はそう、自分だけの機械(ブキ)を持ってるんだ。
 ソレを使わせてもらえれば、誰にも負けない自信がある」

手に持ったトランクを軽く揺らした。
銀色の重厚で頑丈そうなトランクだ。

「まぁ、怒られはした。性格も直そうとは、してる。
 ……けどね、その機械(ソレ)を使うのが、堪らなく楽しい
 武器は、兵器は戦うためを目的としたものだ。だから……」

「今でもそう思ってる僕が、
 シアにこういう事資格はないなって思っただけさ」

確かに元ある善性は根付いてはいるが、
それ以上に生き甲斐として闘争を望む自分もいる。
二律背反。改心をしてしまったからこその悩み。
隠し事をしても仕方ないと、正直に打ち上げる。
当然、大分気まずそうだ。

「幻滅した?」

ちょっと諦めた感じで訪ねてみる。

「僕も部屋着はジャージ使うしなぁ。
 ……まぁ、でも、そうだな。危ない場所でないなら、
 オシャレしたシアは見てみたいし、そっちのがいい、かな?」

しれっと言う。

シア > 「わかった、だいたい。
 変なやつだった、壱は。怒られた、それで」

雑なまとめ方であった。
けれど、概ねはあっているはずである

「それと……ブキ。
 好き、ブキが。楽しい、使うのが」

実物を目にしていないからわからないが、その武器を気に入っていることは予想がつく。
だから、楽しい、のだろう。

「ん……壱は。
 殺すの、好き? 傷つけるの、好き?」

首を傾げる。

「ブキが好き、戦いが好き、殺しが好き。
 違う、全部。」

結果は同じかもしれないが、過程が異なる。
それは大きな違いではないか。

「ダメな気はするけど、殺しが好きなら。
 いいんじゃない、違うなら」

見るかぎり、聞くかぎり、そういう趣味趣向ではなさそうだ。
獲物を前に舌なめずりをするタイプ……でも、ない……?

「検討はする、けど。
 オシャレ……服? わからないな、ボクは。
 決めづらい、いつ着るかも」

お山の生活は当然オシャレなどなかった。
常世島にきても、別にオシャレなど気にかけなかった。

そもそもひらひらした格好は、それで走り回るのは邪魔でしかない。
求められたのはそういうことだろうか……?

橘壱 >  
「……ふ、まぁ、そんな感じ。
 殺すのも傷つけるのも、好きではないよ。
 執着が仮にそこでも、それを使う過程が楽しいからね」

彼女らしいと言えばらしいまとめ方だ。
思わず吹き出して、苦笑い。
ご覧の通り、眼の前の善性は嘘ではない。
必要でない殺生には忌避感はある。

「出来れば人は傷つけたくないし、殺したくもない。
 ……もし仮にヤったら、引きずったりはするかもね。けど」

多分、ソレを扱う頃には忘れている

それは生き甲斐であり、意味でもある。
全てを投げ売ってでもいいほどに、
機械(マシン)を動かすのに夢中になっている。
我ながら言えば言うほど、人としてダメな人間だ。
自己嫌悪についつい目を伏せたくなるけど、
自分で言っといてそんなマネ出来ないから、堪えた。

「まぁ、だから普段は我慢してるんだよね。
 必要以上の戦闘行為もあまり風紀としては推奨出来ないし、
 何よりも長引かせて被害が広がったら、それこそ周りに良くない」

故に、自らを縛る。鋼の理性。
社会性に殉じた故に、不自由になった末路だ。

「それじゃあ今度買いに行こうか。
 まぁ着るのは……今度出かけるとき、とか?」

此の時点で気づいていない。
しれっと言ったが、自らの言葉の重大な欠陥に。

シア > 「……?」

首を傾げた。
少女には、煩悶の意味が理解できなかった。

「ダメなの、楽しいのは。
 そうじゃないなら。上手くなれば?
 殺さない、傷つけないように」

ダメだと思う気持ちも、よくわからない。
わからないので、そういうことをいう。

「ああ、でも。
 どうにもならないか、戦いすぎはダメ、の方は」

何でもかんでも闘ってはダメ、というのなら。戦いが楽しくて闘争を求めてしまうのはダメ、なのかもしれない。
そこは理解できた。

「ん……相手が居ないとか、ブキだから……組み手?」

一人で素振りのみ、とはいかないのだろう。
それなら、と考えた先にはそれしか浮かばなかった。
根本的な解決にはならないだろうか。

「今度、買い物……うん、それなら……ん?
 今度でかける……?」

首を傾げた
その一文の中には、一文である種の矛盾が起きている。

「着れない、買う前に。どこかいく、着るために?」

橘壱 >  
「殺さないように、傷つけないようにっていうのは勿論あるよ。
 けど、何ていうんだろうな……多分、こう、それに自由に従っちゃうと……」

多分、恐ろしいものになってしまうと思うからね

無為な暴威、理由なき力。
それはきっと、戦火を撒くものだ。
誰よりも自由であり、他者を省みない。
理想像だ。けど、そんなものは許されない。
許されないと鋼の理性が言うからこそ、実現しない。

「まぁ、そうだね。
 訓練とかで多少は満たされたりする事はあるかも」

今はそれで誤魔化してる。
きっと此のコップは、満たしてはいけないから。

「ああ、ごめんごめん。
 今度を服を買いに出かけてさ。
 その時にそのまま着てったり、今度別の日に着て出かけ……、……」

言葉の途中で気付いた。
自らの違和感。顎に指添え、思案顔

「(……いや、僕もオシャレわかんないな……!?)」

元引きこもりオタクに男の、
ましてや女性のオシャレなど分かるはずもない。
やっべ、と内心言っといて焦る。そこかよ。
思わず硬直してしまうオタク17歳。

シア > 「おそろしいもの」

考えてみる
ただ振るわれる暴力。突然にもたらされる暴威。
それが、そういうものである、というだけの理由で。

少女にも、そういうものに心当たりがあった

「災害……?」

なるほど、それは……嫌なのかもしれない。
そういう在り方は認められないのかもしれない

「じゃあ。訓練だ、やっぱり」

そういえば、ろくに約束を果たしていない。
買い物もだが、訓練もしようか

「そうなる、やっぱり。
 わかった。任せる」

流れは理解した。それなら実行するのみ。
少女には、少年が抱いた違和感などわからなかった。
それゆえに丸投げを決め込んだ。

「いつ?」

橘壱 >  
「災害、言いえて妙かな」

気まぐれに起こり得るという意味は、
正しく天災と言うに相応しいのかもしれない。
人類種の天敵。ぞっとしないが……。


想像するだけで楽しいと思う自分がいるのが、嫌になる


「そう言えば約束してたっけ。
 ごめん、そうだね。順番に消化してこうか」

思えば結構色々やろうと言ったばかりだ。
となると、先ずは買い物のがいいかな。
ほんとに?今なら取り消せ……。

「えっ」

……なくなったな。
仕方ない。こうなったらちょっと勉強してこよう。
ハ、ハハ、と乾いた笑いが漏れた。

「ま、まぁ、その辺も後で連絡するよ。
 結構いい時間経っちゃったし、僕はそろそろ行こうかな」

「ちゃんと生徒手帳(オモイカネ)は見といてね。
 シアも帰るなら、送っていけるけどどうする?」

シア > 「よろしく」

色々約束をしても消化していなかった。
別に不満に思うこともないのだが、"決め事"が進まないのは少し気持ちが悪い。
少しずつでも消化するならいいことだろう

「ん」

確かに、時間がそれなりに経っていた。
今日の分の訓練はそれなりにできたし、頃合いであろう。

「帰る、じゃあ」

帰ることを選択した。
素直に、送られていくことだろう。

橘壱 >  
「じゃあ、行こうか」

とりあえず、色々予定を立てないとな。
静かにはにかみながら軽く手をしれっと出すタイプ。
それを取ったかはさておき、彼女を何事も無く送って別れただろう。

ご案内:「常世公園」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からシアさんが去りました。