2024/11/04 のログ
ご案内:「常世公園」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > 少々疲れた体を引き摺るように、一人の学生服を着こんだ凡庸な容姿の少年が公園に立ち寄る。
若干、フラフラと危なっかしいが今すぐに倒れる、という程に憔悴しきってはいない。
「…つ…疲れた…まさか、椎苗さんのお仕事と祭祀局のお手伝いが同じ日に重なるとは…。」
幸い、時間帯がズレていたのでブッキングにはならなかかった…が、疲労感は2倍である。
近くのベンチにふらふら~…と、歩み寄れば何時もの少年らしくもなくドサッと荒く腰を下ろした。
「…まぁ、アルバイトの方は給金出るし…怪異とかへの対処能力も少しずつ上がってはいるけど…。」
とはいえ、自分が関われるのはあくまで最低限というか、危険度が低いものばかりだ。
そもそも、専門家でも委員会所属でもないの一般学生だからそうもなろう。
ご案内:「常世公園」に蚕比古 玉繭さんが現れました。
■蚕比古 玉繭 > 祭祀局のお手伝いをしてたのなら。
乙女の姿も、あったかも。
「おつかれさまです」
疲れ切った貴方の後ろから、そっ、と声かけて。
くすり、と笑う、白い髪に、白い肌の。
黒いセーラー服に白い着物を羽織った、浮世離れした乙女。
「とてもお疲れそう」
「祭祀局のお仕事は大変だったでしょうか」
貴方が何をしていたかまでは、乙女は知らないから。
労いの言葉をかけるくらいしか、できないけれども。
■蘇芳 那由他 > 「…え?…あ、はいお疲れさまです……?」
声を掛けられれば、少し緩慢な疲れがありありと分かる仕草で顔をそちらへと向けて。
ちょっと目が死んでる双眸がその姿を捉えれば、瞬きを何度かする間を挟み。
「…あ、まぁちょっとアルバイトやらボランティア活動が重なりまして…。」
と、答えるが続く言葉に首を緩く傾げる。…ややあってからハッと気づいたように。
「あ、もしかして先ほど祭祀局のお仕事でお会いしました…かね…?」
疲労感もあって記憶が少々曖昧だが、確か彼女の姿もあったというか見掛けた気がする。
とはいえ、少年の手伝いは本当に最低限のフォローみたいなものだから、大した事はしていないが。
「まぁ、大変と言いますか…僕は民間協力者…ボランティアの立場ですからね。
専門知識も戦闘技能も無いので、本当にサポートというか裏方のお手伝いみたいなものです。」
とはいえ、それはそれでやる事は幾らでもあるので疲れは勿論する。
既に何度もやっているので、大分慣れてはきているけれど。
■蚕比古 玉繭 > こちらは祭祀局のお役目を承った者。
顔をちらりと見たくらい、かも。
「ええ、お手伝いの方の中で見かけました」
厄払い、大規模なものならば。
必要な人員も多いものだから。
こうして外部からの手伝いを要請することはよくある、らしく。
来たばかりの乙女は、説明をうけたばかりだけれども。
貴方の視点では、確か厄払いの現場にて…
糸のようなもの、編んで居たのを見た気がするかも。
「この島では、多いですものね」
怪が多いから。どこにいても。
だから自ずと、増えるもの。
「祭祀局の出番も」
それこそ、害がないからと無視されるものもあるくらい。
乙女にとっては、由々しき事態だけれど。
それは別の話。
長椅子の隣に座らせてもらえば、す…っとお辞儀一つして。
「祭祀局にて”お役目”を賜っております」
「蚕比古 玉繭です」
「貴方のお名前、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」
■蘇芳 那由他 > 「…あー、じゃあ僕の勘違いではなかったんですね…良かった…。」
姿を見かけた気がしていたのは間違いではなかったらしい。
自分の『記憶』がそこまで耄碌してなくて良かった。
何せ自分の持つ【死神の神器】の力の代償が己の『記憶』なので、何を忘れているか自分では”分からない”。
(確か…この人は厄払いか何かの…儀式的な感じのお仕事をされていたような…。)
そこまで思い返すが、具体的に何をしていたのかまでは勿論分からない。
何故なら少年は少年で自分の裏方のボランティアの仕事があったからだ。
ただ、何か『糸』みたいなものを彼女は使っていた…ような気がする。
「…みたいですね…まぁ、実際僕も怪異の類とは何度か遭遇した事はありますけど…。」
一度、それで死にかけた事もあるくらいだ。その時の傷は今も衣服で隠れた両腕に火傷痕として残っている。
己が座る長椅子の端に腰を落ち着け、一礼と共に名乗ってくれる少女に、こちらも慌てて軽く会釈を返し。
「あ、これはご丁寧に…常世学園1年生の『蘇芳那由他』と言います。ナユタで構いません。」
そして、先ほど一般学生と口にしたように少年は特定の委員会や部活、組織には所属はしていない。
あくまで祭祀局とも民間協力者…外部からの裏方人員という立場だ。
■蚕比古 玉繭 > 「なゆた。
素敵なお名前」
なんて、珍しい名前。
この島では珍しくないのかもしれないけれども。
くすり、と笑う。
無数という意味、限りないと言ふ意味。
「では…那由他様、で」
様をつけるのは、癖なので。
「…ふふ。
確かに、”傷”が見えますね」
実際に傷が見えた訳ではないけれど。
魂、というべき部分、戦った跡が残って見えて。
「労わりましょうか。
お手を、とられて?」
そっと、手を差し伸べてみて。
■蘇芳 那由他 > 「…え?あ、えぇと…そ、それはありがとうございます…。」
まさか名前を褒められるとは思わなかった。最初、きょとんとした表情を浮かべてから微妙に視線を逸らしつつお礼を述べる。
那由他――『限りなく大きい数』を示す意味を持つ名前。
とはいえ、少年は過去の記憶がすっぽり抜け落ちているので本当の名前ではないのだが。
また、そんな壮大な意味のある名前ながら、肝心の少年は割と凡人思考であった。
「様…あ、ハイ。じゃあ…玉繭さん…と。こちらはお呼びしても?」
苗字で呼ぶ方が馴れ馴れしくなくて良いかと思ったが…彼女には大変失礼を承知で言うなら、苗字が独特過ぎる。
まだ、名前の方が発音や言い易さもあり、一先ず名前の方でお呼びしてみようかという判断。
「…え、玉繭さんは透視能力とかあるんですか…?」
両腕の傷跡は衣服でしっかり隠れており、半袖にでもならない限り見えない筈だが。
まさか、魂の方を見ているとは夢にも思わず、純粋に驚いたような表情で。
「…え?労りですか?…えぇと…。」
どうしようか迷ったが、一先ずこちらも右手を差し出してみる。どういう労いなのかは分からないが。
■蚕比古 玉繭 > 「はい」
玉繭、という名前で呼んでもらって、にこりと笑んで。
右手を差し出されれば、その手をそ…っと、細く柔らかな指先でなぞって。
指の先離せば、貴方の腕と乙女の指の間、つぅ……と、糸が一本。
「傷ついてました、魂が」
言葉にしながら、貴方の手を、糸で縫うように。
古傷が痛む、なんてことがあるなら、その痛みが少し退く感触。
「わたくしの魂の糸で、少しだけ。
縫ってみましょう。
傷が、少し。
癒えるやも、と。」
つぅ、と、腕に伝う糸の感触。
糸は実体から、霊的な現象へと変化しながら、貴方の体に入り込んで。
疲れた体と魂、そっと縫って溶け込むかも。
普通であれば、怪なる魔障に触れた者への治療に使われるもの。
疲労も少しは、楽になろうか。
■蘇芳 那由他 > 何か、名前を褒められたりそっと手を取られたりで気恥ずかしいものが。
微妙に視線を逸らしたままで、中々面と向かって相手を見れない…参った。
とはいえ、指先でなぞられると、くすぐったいような何とも言えないものが…兎も角。
「…た、魂…ですか…?」
そして、彼女が指先を離せば、こちらの腕と少女の指先の間に『糸』が一本見える。
何時の間に、と思いつつも魂の傷というのが気になるもの。
「…肉体の傷を治す、というのはよく聞きますけど…魂の傷を治す、というのは初めて聞きましたね…。」
そういう能力や魔術もあるのだなぁ、と感心しつつ。
気のせいか、時々痛む両腕の火傷痕もマシになってきた気がする。
それが彼女の力のお陰なのか、ある種のプラシーボ効果なのかは分からない。
ただ、両腕の古傷だけでなく…明らかに疲労感も軽減されている気がする。
「…あれ、何か疲れも少し取れているような…?」
魂の傷を癒すと、疲労感や肉体の傷にも影響が出るのだろうか?その辺りは少年はさっぱりだ。
けれど、確実に効果は実感できている…凄いなぁ、としみじみ思いながら。
「…あ、玉繭さん。もうその辺りで…お陰様でかなり楽になりましたし。」
疲労感は素直に有難いが、両腕の傷に関しては”戒め”で敢えて残している部分もある。
本来なら、この島の先端治療なら傷跡も残さず完治できるものだ。
最も、痛みが軽減されただけでも全然有難いので、感謝の念を込めて軽く会釈を一つ。
■蚕比古 玉繭 > 「そうですか?」
魂を癒す、といっても。
直接的に何か、劇的な変化があるわけではないけれど。
では、と糸を結んで、最後に、指に小さな糸の輪っかを作ってあげて。
「では…
そうですね、ここまでで。
これは、商店街のお店屋さんでお聞きしました。
”おまけ”というものです」
絹のような質感の、糸の指輪一つ。
魔除け代わりに貴方にプレゼントしてあげようか。
祭祀局のお手伝いをしてるなら、あって困ること、ないだろうから。
■蘇芳 那由他 > 「でも、痛みとか疲労感はさっきよりマシになった気がするので…。」
劇的な変化ではなくとも、実感できるという事は微かであっても効果は出ているという事…だと思う。
最後に、おまけという事で渡された糸の指輪…指輪!?いや、輪っかだけど。
「あ、じゃあ有難く頂きます…。」
ぺこり、とまた律義に会釈をしつつ意との輪っかもとい指輪を受け取って。
少し考えた末に、右手の小指に嵌めておく事にした。…千切れたりしないかな?という不安はありつつ。
魔除け――という意味では、ある意味最適な神器を少年は持っているが、こういう贈り物は素直に有難い。
■蚕比古 玉繭 > 「お役に立てましたら何よりです」
深くお辞儀、してみせて。
そんな風にやりとりしてれば。
「ちゃんとお休みなされるよう。
今度は、学び舎でお会いしましょう。那由他様」
くす、っと貴方の瞳見て、微笑んで。
縁を紡げば、今宵はまま、解散するやも。
ご案内:「常世公園」から蚕比古 玉繭さんが去りました。
■蘇芳 那由他 > 「僕みたいなただの”凡人”には勿体ないくらいですけど…。」
アルバイトやボランティアの内容的に、魔除け効果が多少なりともあるのは矢張り有難く。
ただ、彼女のやんわりとした助言には僅かに苦笑い気味で頷くしかない。
まぁ、アルバイトとボランティアの日にちが重なる事は滅多に無いのだけど。
ともあれ、その後も少しだけ彼女と話し込んでから、適度な所で解散となろう。
帰りは、疲労感が軽減された事もあってしっかりとした足取りだったとか何とか。
ご案内:「常世公園」から蘇芳 那由他さんが去りました。