2025/01/23 のログ
ご案内:「常世公園」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > 警邏部の仕事も終わり、深夜にはまだ少々早い時間帯。
人気が無くなった常世公園の片隅のベンチの一つにて。腰を下ろして何やら資料を眺める隻眼の男が一人。
「……【七廻】の情報は大体集まったが…まだ完全とは言えねぇな…。」
所々虫食いのように情報が欠けている。ただでさえ彼ら彼女らの生前の情報は既に抹消済みだ。
サルベージはほぼ不可能だが、そこは監視対象の一人――【電子殲戦】の力をちょいと借りた。
…代価に、やたら値段が張る機器を要求されたが…まぁ金なら余ってるし然程痛手にもならない。
それに、生前の情報はあくまで参考程度…今、必要なのは【残滓】としてのリアルタイムのあれこれだ。
「――所在が固定されてるのが3人、動き回ってるのが3人…所在がはっきりしねぇのが1人。」
呟いて口元に手を当てて考え込む。所在が固定されてる奴から仕留めに掛かるのが定石だが…。
厄介なのは動き回ってる3人。万が一、こいつらが交戦中に乱入してきたら面倒な事になる。
(――やっぱレイチェルに最低限話だけ通してバックアップをワンチャン頼むしかねぇか…。)
凛霞とは昨日きちんと話したので、こっちは概ね問題ない。いざとなれば迷わず手を借りるつもりだ。
今の男は、誰かの手を借りる事に抵抗も無ければ違和感も無い。それが必要だと思ったらそうするべきだ。
■追影切人 > 必要とあらば一級の残り4人含めた監視対象の知己を全員頼らせて貰う。
「……後がぞっとしねぇけど。」
苦虫を嚙み潰したような渋面で呟けば、どうせ誰も見ていないので懐からくしゃくしゃの煙草の箱を取り出して。
トントン、と片手の指先で箱を叩いて一本浮き上がらせて口の端に咥える。
(――本来、この手の相手の適任は俺じゃねぇ…やっぱ何か目論見あんだろうな)
それこそ、【不朽祭器】か【化外殺し】辺りをぶつければほぼ完封出来るだろうに。
つまり――俺が連中を斬って仕留める事に意味がある…という予想。
実際、必ずお前が仕留めろみたいに念押しもされたのでほぼ間違いあるまい。
「…”上”も一枚岩じゃねぇから、思惑が錯綜して混線してる可能性もあるよな。」
煙草の先端にジッポライターで火を点けてから、紫煙をゆっくりと吐き出す。
■追影切人 > 「…あーー…全部纏めてぶった斬りてぇ…。」
思わず漏れた言葉に、ややあってから…紫煙交じりに苦い吐息を零した。
自分の本質は結局”これ”なんだろう。それだけはどんなに人間味が出ようと変わらない。
この業とは一生の付き合いになるだろうし、生きている限り続く命題だ。
単純に好き勝手斬ればいいだけの暴れん坊時代は…もうとっくに『あの時』に終わりを告げてる。
「…やめやめ、気が滅入って来るな。違う事でも考えるか…。」
取り敢えず、直近だと凛霞との話し合いが終わった後の雑談とか…
「…余計な事を思い出した…。」
何か軽く頭を掻き毟って嫌そうにぼやく。何か苦手な話題でもあったらしい。
■追影切人 > そういえば、廬山から聞いた『ネコマニャン』という謎マスコットの話を思い出した。
取り敢えず、ごそごそとオモイカネを取り出して検索してみる。
「…………。」
何か見覚えあるな…レイチェル辺りとか持ってた気がするなこのゆるいマスコットのグッズ…。
しかし、何だこのレインボー柄のは…無駄に目立ちそうだな…。
暇潰しにあれこれ見てみれば、中々一部女子にコアな人気があるらしい。
しかも、季節限定やらイベント限定のネコマニャンもあるらしい…どんだけバリエーションあんだこれ。
「……いや、でもこの『侍ネコマニャン』と『ネコマニャン・ザ・リッパー』は悪くねぇな…。」
刃物持ってるし。どっちも限定品らしく今は販売していないようだが。いや、別に買わんけど。
■追影切人 > 「…凛霞とかレイチェルには今回世話なりそうだし、礼になるか知らんが今度これ買って渡しておくか…。」
とはいえ、どうせなら限定品が矢張り良いだろう。問題は一部にコアな人気があるせいで争奪戦になりかねん事だが。
そもそも、この男がゆるいマスコットキャラを奪い合う構図がシュールである。
「……いや、冷静に考えるとアホだろ俺。」
我に返ったのか、煙草の紫煙を蒸かしながら何とも言えない表情でオモイカネを懐に戻す。
まぁ、こういうのも成長――なのか?むしろ退化してる気がするんだが。
■追影切人 > 人間として確実に成長はしているが、矢張りどうにも戸惑う事も日々多い。
だが、これもいずれは慣れて当たり前になっていくのだろうか。
「…今の俺じゃまだそこまではわかんねぇな。」
吐息と共に、吸殻を指で跳ね上げる。つい…と、空をなぞれば、吸殻が一瞬で霧散する。
それを見る事も無く、気怠そうにベンチから立ち上がる…どっかで飯でも食ってから帰るか。
「……来月は忙しくなりそうだぜ…ったく。」
敵は7体。かつての同類…の残滓。全員斬る事に変わりは無いが、事前に出来る事はしておこう。
そのまま、ぶらりと男は公園を後にして夜の街へと向かうのであった。
ご案内:「常世公園」から追影切人さんが去りました。