2025/02/08 のログ
■牛丸 瑞璃 >
「ギリギリ水を溢さずにいる、現代人なんていくらでも。
ちょっと小突けばすぐに――溢れちゃうこともあるよね。
あの子の異能はグラスを小突くっていうか、倒しちゃうってカンジだけど」
マフラーを巻き直しつつ、肩を竦める瑞璃。
「……あ、もしかして。
こいつ狂ってるから効かなかったんだろ、とか思ってるでしょ?
違うからね~?
少なくとも、目を見なければ大丈夫だった。
あたしなら眼球運動を予測して、事前に視線を逸らすことはできるけど……
そういうのないなら、何かしら対策していった方が良いかも」
そう口にして、先まで顔にかけていたものを眼の前で振って見せた。
洒落たアンバーブラウンのサングラスだ。
「ほら、これとか」
■追影切人 > 「…ふぅん…。」
彼女の言葉に、頭の中で軽くシミュレートでもしているのか、一度彼女から視線を逸らして思案に耽る間。
「…オマエがサイコ女な事に変わりねーだろ…別にそれに対しては今更だしどうも思わんし。
…オマエの予測能力みてぇなの俺にはねぇからなぁ…。」
と、なれば。選択肢は大まかに二つ。
『狂気ごと異能でぶった斬る』か、『常に目を閉じて戦う』かだ。
とはいえ、一級の異能となると斬れたとしても完全には無理かもしれないが。
少なくとも、今の男の通常の異能出力では――いや、だが劣化している【残滓】になら届くか?
「…サングラスねぇ。俺の場合左目がそもそもコレだし、何だっけか…あの片方だけの眼鏡みてーなの。アレに細工でもするくらいか。」
左目をちょいちょいと示して。彼女も名前くらいは知っているであろうかつての【時空圧壊】とのタイマンで負けた時に刻まれた傷跡だ。
「…でもまぁ、能力の内容と対策は大体分かった。そもそも【残滓】だからオリジナルより劣化は確実だろうしな。
…警戒するとしたら、オリジナルには”無い”パターンの力の用い方だが。」
まぁ、そこはそれこそぶっつけ本番で何とかするしかないかもしれない。
男はあれこれ考えながら戦うのは昔から得意では無いのだ。大体勘か本能で補っている。
「……本当なら、オマエにも助っ人頼みたい所だが、流石にそれは無理があるっつぅか”上”の連中が即アウト出すだろうしな…。」
一級監視対象が共同で任務を行うとすれば、クリアするべきハードルが幾つもあるし手続きやら根回しが非常に面倒臭い。
■牛丸 瑞璃 >
「片眼鏡ね。
ま、先も言ったけど。残滓とはいえ元一級の連中でしょ?
一癖も二癖もある連中ばっかりなのはまぁ、その通りだから。
相手取るなら、常に二重三重の策を用意しておいた方が良いよ。
キミは斬るのに終始する男で、それが魂かもしれないけど、
刃を届かせる為の細工は色々と持っておいた方が良いし。
事前に用意しておけば、
戦闘中に余計な思考するリソースの無駄をオミットできるでしょ。
キミがこうして情報収集して回ってるのは、一番大事な一手だと思うけどね。
それは始まりでしかないと思うな~」
特に表情は変えぬまま、サングラスを再びちょこんと顔にかける。
「……キミ1人に背負わせるなんてとんでもない上が居たもんだね。
監視対象も一枚岩じゃないみたいだけど、キミのとこのは相当――。
――ま、あたし達はあんまり文句言える立場じゃないけどさ。
あたしも、こうしてここに居させて貰えてるのは監視対象制度のお陰だし」
そこまで口にすれば、くぅ、と伸びをする。
「ま、骨くらいは拾ってあげましょ~。
がんばれがんばれ~」
■追影切人 > 「あーそうそう、それそれ…まぁ、【残滓】とはいえ俺らの同類だからな…舐めて掛かりはしねーよ。」
それに、ただ斬って討伐するだけでは”上”の連中の思う壺だ。何か意趣返しくらいはしておきたい。
「…策をあれこれ考えるのは苦手なんだけどな…まぁ『手札』が多いに越した事はねぇ、か。」
コイツとか、そういう絡め手とか得意そうだもんなぁ…と言いたげな視線を向けつつ。
しかし、策か…武装は調達したが、そっちは良いとして矢張り具体的な戦術を何か模索するべきだろうか。
(…つっても、【残滓】の誰ともまだ直接交戦してねぇからあっちの手の内を読むにも生前の情報から推測か逆算するしかねぇってのが。)
難しい顔をして考え込むが、どうしてもぶっつけ本番で何とかしがちな自分の傾向を思い返して嘆息一つ。
「…何だ、俺の心配でもしてくれてんのか?珍しい事もあったもんだ。
…ま、”上”の思惑に振り回されるのは気に食わねぇが――この立場だからこそ見えて来るモンもある。」
「骨も残らねぇと思うがなぁ、相手次第じゃ…ま、聞きたいのはそんな所だ。
取り敢えず、あんがとよ…一つ『借り』にしといてくれ。」
伸びをするミズリを一瞥してから、矢張り以前とは違いきちんと礼は述べる。
何だかんだ、一級監視対象の中での『変化』が一番著しいのはこの男なのかもしれない。
■牛丸 瑞璃 >
「たとえば、狙った戦場に誘き出すとか。
残滓とはいえ生前の特性が残っているかもしれないんでしょ?
何か使えるモノや縁はあるかもしれない。
そもそも残滓も異能の影響で生まれた存在なら、
異能抑制の効果を持った薬剤や魔術で
弱体化させることもできるんじゃないか、とか、色々~」
考え込む様子を見せる追影に対して、
顎に手をやりながらアドバイスをしようとして――
「――これ以上はダメだぁ。
あんまりあれこれ考えようとすると、途端に思考が崩れるんだよね」
監視対象としてつけられた制御装置をつけられた手首を振って、
自嘲気味に笑い。
「心配っていうか……。
あまりにあまりで、見てられないっていう……
母性本能の反射? 共感性羞恥?
いや違うな、なんだろなー。
ま、いいや。心配してるってことで。借りも確かにー」
そうしてベンチからよいしょ、と立ち上がると、そちらへ振り向いて。
「それじゃ、良き戦いをー。
あたしはこの後友達とカラオケの予定あるから、それじゃ」
そう口にして、去っていくのだろう。
■追影切人 > 「…地の利とか生前の特性を利用して活用しろって事か…また俺にはハードルが高ぇな…。」
異能抑制関連は男も考えたが、どちらかというと異能でありながら別法則が働いている”呪い”に近いものだ。
…対処できる当てはあるが、アイツもやらかしがあったから協力を頼むのは…本人は兎も角、”上”が承諾しそうに思えない。
とはいえ、ミズリのアドバイスは参考にはきちんとしているのか、考えるように時々小さく唸っており。
「…あぁ、オマエのはブレスレットみてぇな奴か…。」
監視対象によって形は様々だ。男の場合は全身に埋め込まれている、というか体内に潜んでいる形だし。
「…まぁ、別に無駄死にするつもりもねぇし、心配は素直に受け取らせて貰うわ…。」
そう口にすれば、ベンチから立ち上がるミズリを見上げる形になり。
「…おぅ、改めてあんがとよ。またな。」
軽く右手を挙げてから、公園を一足先に立ち去るミズリを見送って。その姿も気配も見え無くなれば、小さく一息。
「…馬鹿なりに少しは知恵を働かせるしかねぇ、か。」
呟けば、男もゆっくりと立ち上がってから寮へと戻るだろう。
ご案内:「常世公園」から牛丸 瑞璃さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から追影切人さんが去りました。