2025/07/31 のログ
ご案内:「常世公園」にラヴェータさんが現れました。
ラヴェータ > 「吾輩は狐である……配属はまだない」

炎天下、公園の芝生、木陰でうつ伏せる。
夏は暑い。
その暑さも年を経る毎に酷くなっている気がするのは気のせいではないらしい。
確かニュースがそんなことを言っていた気がする。
しかし、影さえあればそんな暑さも気にならない。

「冷房も良いが、やはりこれに限るな……」

尻尾を左右に振り、影の快適さに表情が緩む。
時折通りがかる誰もが芳しくない表情を浮かべる中、こうも快適だと優越感のようなものを感じる。
どうにも、これほどまでに暑いと、影に入った程度ではそれほど涼めないという。
鼻歌でも歌いたい気分だ。口角が上がってしまうな。

ご案内:「常世公園」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
たったったったった、と軽快なリズムで公園の外周をランニングしている。

だけなら普通だが、描写を補足すると今日は晴れ。更にいうなら猛暑。曝されているニンゲンからすれば酷暑であった。

何が言いたいかと言えば――暑い。腰に巻いたジャージの上着さえ温度を持っているレベル。Tシャツはもちろん、汗でびっしょりだった。

「……何がっ、常態化訓練、だっ……!クソァ」

悪態を吐きながらもペースは落とさず、丁度大きな木のある所まで走って……涼を取る姿を目に留めて、自分も止まった。

「はぁ…はァ……くそぅ。軍服サンは気楽なもんだぜ」

などと軽口ひとつ。なんかこう戦時下でないと言えない台詞を言いたくなってですね。

ラヴェータ > 「ん?ああ、ここは快適だぞ、少年」

活気に溢れた多分少年に大声で応える。
こんな猛暑に外でランニングだろうか?随分と積極的なことだ。
運動部か、それとも訓練か、趣味か。
趣味だとすればマゾというやつかもしれないな。

「お前もどうだ。そんな炎天下よりこの影で涼んでいかないか?」

恐らく気温はそれほど変わらないが、直射日光に晒されるよりは比較的マシだろう。
ニヤニヤと煽りながら手招きする。
なに、冷たい水の一本ぐらいならくれてやろう。
涼んでいる私なんかよりよっぽど熱中症になりそうだしな。

先生 手紙 >
「…っはぁ、はぁ……ぁン?」

引っかかりを覚えたのは少年呼ばわりされたこと――ではなく、木陰に居るモノが快適と言ったことにだ。怪訝な顔をし、少し考える。

――まァ。ノルマというほどでもなし。今日の分はこれでいいだろう。だいたい苦労とか売ってでもしたくないのが身上だしね。何を苦労とするかは置いといて。

「じゃあご同伴に与るとしましょうかねえ。みせてもらおうか、木陰の性能ってヤツを……」

言いながら歩み寄る。涼しいっつったってどうせ木陰でしょう?40℃が36℃になるくらいに決まってる――――

ラヴェータ > ―――そう、40℃が36℃になるだけだ。

「どうだ?少年。
これほど快適な場所は無いだろう?」

影というだけで快適な環境に感じるのは、どうにも私だけらしい。
そんなことは随分前から知っている。
ニマニマと笑みを浮かべながら少年を木陰に迎えてやる。
尻尾が愉悦で柔らかく揺れる。

なに、別に騙した訳ではないだろう?
おまけに冷えたペットボトルの水を影から取り出し、差し出してやろう。

先生 手紙 >  
果たして、4℃マイナスの空間は――控えめに言って、地獄が地獄寄りの人界になる程度の、つまり想定内の空気だった。

「いや、冷房利いた部屋の方がイイよ?」

だが、まあ。悪くはない。このケモケモしい軍服少女が見た目に反して熱耐性が凄まじいのか、それともそれ以外の要因があるのか。脳みその片隅で検索をかける。

――そして。懐からではなく『影』から出てきたペットボトルで照合は完了した。

(……公安のリストに入ってたな、確か)

「……いいの?貰うけども」

受け取ったペットボトルはどういう理屈か、冷えていた。キャップを開け、一口。

(確か危険度が下がったヤツ。とするとこの影が異能かァ。)


「……確かに、悪くないンじゃない?」

ややあって、この場所での居心地の査定を上方修正した。

ラヴェータ > 「そうか?私は冷房よりここ()の方が良いと思うのだがなぁ。
人間はどうにも違うらしい」

ペットボトルを素直に渡し、自分も影の中から炭酸飲料を取り出す。
四谷サイダー強炭酸。私のお気に入りだ。

うつ伏せだと話しにくい。
仰向けになりながら身体を起こし、少年の方を向いて座り直す。

「そうだろう?こんな暑い日は影の中で涼むのが一番だ。
だというのに、こんな炎天下でランニングするなんて、正気には思えんな。
訓練でもしていたのか?それともまさか趣味か?」

どうにも、気になった。
少年に問い、ペットボトルの蓋を開ける。
小気味よい噴出音に反応するように耳が動く。
衝動のまま1/4ほどを飲み干し、嘆息を漏らした。

先生 手紙 >  
「人類のそこはかとなく無責任な英知を愛してるもンでね」

冷房とはつまり暖気を外に出すということでもある。エントロピー。

こうして貰うことが無ければ自販機で買っていたであろう水を飲みながら、仰向けになるパッと見少女に、座りながら答える。

「まァ……日課っつーかね。どんな時でもコンディションを一定に保つのが落第生の仕事なのよ。例えば今日、どっかで事件があったとして風紀委員が『暑いからやだ!』は通らないっしょ? そんな感じ。訓練でも、ましてや趣味でも無ェですよ」

ついでに四谷のサイダーはお気に入りの商品です、と付け加えて。

ラヴェータ > 「そうか、随分と熱心な落第生がいたものだな」

これはやらんぞ、と返して半分まで飲み進める。
にしても、落第生か。
鼻につく香り(紫煙の残滓)こそ臭うが、私の直感は首を傾げている。
嘘をついている様には感じない、コンディションを保つ……

……まあ、誰しも一つ二つの秘密を隠しているものだ。
詮索するのも野暮だろう。

「お前の言う通りだ。
優れた軍人ほど日頃の鍛錬は欠かさないからな。
少しでも鍛錬を怠れば、能力はみるみる衰えてしまうからな」

一方私はというと、快適に横たわっている訳だが……
……私も運動した方がいいだろうか?

尻尾が動きを止めた。

先生 手紙 >  
「不良も落第生も、優等生と逆の意味で努力が必要なのさ。良くなってしまえば劣化する。……戯言だな!ははは」

貰っておいてアレだが、飲みかけの水を頭にかけて冷やす。ばしゃばしゃ。

「常世正規軍とかオモシロ集団は聞いたことないけど軍服サンが見た目通りの職務に就いてるなら、まァ」

濡れた髪を掻き上げて、

「だとしても今日はオススメしないねェ。怠惰は罪だけど、ヒトってのは休息が必要だ。だいたい七大罪(アレ)は、それを全て取り払うと――いや、授業中でも神に喧嘩売るタイミングでもなかったわ。忘れていいし今日は走るのやめといたほうがいいぜ。おれが保証するよ」

ししし、と笑った。

ラヴェータ > 「見ての通りの異邦人でな、元軍人というわけだ。
風紀にでも置き換えてくれ」

尻尾を軽く揺らす。
風紀は軍ではないが、まあ軍の役割も兼ねているだろう。
仮に常世に軍があるならば、是非雇ってもらいたい。
空軍は勘弁してもらいたいところだが、まあそれでも不死身のパイロットとして名を馳せてやろう。

にしても、良くなれば劣化するとは。
随分と難しいことをしている。
良くなれば劣化するはいえ、悪化が良しとされる訳でもないだろう。
そんなことを意識している不良なぞ稀だろうに、態々口にする程度には意識している?
どこを目指しているというのか。

「お前が言うと説得力があるのか無いのか分からないな」

笑う少年に軽い嘲笑を返し、残ったサイダーを飲み干す。
炭酸飲料は炭酸が抜けきる前に一気に飲み干すに限る。
刺激が弱まっては炭酸の意味がないからな。
その刺激に反応してか、尻尾が再び左右に揺れ始めた。

先生 手紙 >
「ふン?じゃあオフの風紀委員ってコトか。いや、普段は毎日ご苦労様ですよ。興味本位なんだけど元居た世界ってココよりヤバかった?」

この学園都市は小さなものを含めれば枚挙に暇がないほど事件・事故が多い――それも含めて『実験的』な島なのだろうが。

「ふひひ。飄々としてるように見えて根は少し真面目っ子かな、軍服サン――といつまでも呼ぶのは失礼か。おれはセンジョー。先生手紙。名前聞いても大丈夫なタイプ?」

――知っていることと、知り合ったことは別だ。

そして、名乗ることが禁忌に触れる輩もいることも。なので先ず名乗り、それからその返しの是非を問うたりするのであった。

ラヴェータ > 「ふむ……そうだな……
元居た世界の方がヤバかったかもな」

戦争もあったし、何より私が居た。
それに、私みたいなのもいたからな。
間違いなく彼方の方がヤバかっただろう。だから私はここにいる。

「私がマジメ?」

そんなわけがないだろう。
確かに命令には従うが、それは別に真面目とは違うだろう。

「私はラヴェータだ。センジョウテガミ、覚えた」

笑って名乗る。
躊躇う理由はない。
何より、名乗られたなら名乗り返す、そういうものだろう。

先生 手紙 >
「ふぅン……おれは異世界行ったことないけども本土からみたら常世も十分、異界じみてるって感じかな」

一般論である。

この少女が見た目以上の何かを抱えていて、それが通常の世界だったとしたら――そりゃあヤバい世界だったろう。

「ラヴェータちゃんね。覚えた。しっしし。いやゴメン。真面目っつーか雰囲気に対してマトモだね。や、社交的だ。これなら風紀委員会もケンカしないでしょう!」

そして自称不良の落第生は煙草を吸おうとして止めた。異邦の、獣人。ニンゲンでさえ当たりが強いのに動物は基本的に煙を嫌う。

その半可。おそらくはちぐはぐな印象を与えているのだと自覚しながら。先の言葉さえひっくり返すような一貫性の無さ。不真面目とはまさにこんな感じであると言わんばかりのムーブであった。


ラヴェータ > 「私のことを社交的という奴は中々珍しいな」

不可解だと視線が彷徨う。
会話ができるという意味ならば間違っていないとは思う。
会話出来る相手なだけマシということか?

「煙草の匂いが気になるようでは軍に居ることなぞ出来ん、気にせず吸え。
それに、私の嗅覚はそれほど鋭くない」

かつての監査官も吸っていたしな。
あの匂いは安心すら覚える。センジョウの匂いはまた別の匂いだが。

「とはいえ、この後も走るのだろう?吸ったら苦しくは無いか?」

止めこそしたが、そもそもその行動はこれまでの言動に矛盾しているように感じる。
小さく一息吐いて、呆れたように尋ねた。

先生 手紙 >  
「そ? こっちきて休んだらどうだ、水もくれる。話が通じて気も利く。今ンとこその軍服以外に物騒な要素ないじゃん。最初に愉悦部っぽいにやけ方してたけど」

愛嬌のうちでしょ、なんて。

そしてその推論は半分以上当たっている。会話が成立するだけマシな部類も、少なからず遭遇しているのが先生手紙の日常なので。

「おおー。体に悪いから吸っちゃ駄目だぜ」

どこか感嘆したように言って、それならと銜えて火を点ける。此処は喫煙所ではないが、まあ不良のやることだし。他でもない風紀委員が見逃してくれているのだ。

「ふーっ……ン? いや、今日は打ち止めだよ。大会目指してるとかじゃないし。最初に言った通り、コンディション維持が一番だからね」

それは、喫煙込みでのことである、と暗に告げた。

ラヴェータ > 「快適な空間のお供が炭酸だけではつまらんからな。
水一本で引き留められるなら安いものだ」

運動中の相手を呼び止めて、炎天下と大きく変わらない環境に引き留めるのだ。
水の一本で済むのは安いと思っていたが、思ったより好評のようだ。
ふむ、と顎に手を当てた。

「それを言いながら吸うか。
理解に苦しむな」

喫煙者は皆そうだ。吸わない身には理解出来ない。
更に理解に苦しむのは、運動後の喫煙の最中、コンディション維持などと言い放ったことだ。
これは”良くなってしまえば劣化する”を体現しているとでもいうのだろうか?

「……落第生はいつから義務になったんだか」

呆れた。
呆れたが、面白い。
俄然興味が沸くが、ここで深堀するのもなんだか違う。
また機会があれば、その時にでも探ってみるとしよう。

先生 手紙 >  
「補足しとくとラヴェータちゃんが居なかったらおれはココじゃなくてファミレスに行ってた程度には暑いよ」なう。

「ふーっ……喫煙は褒められたもんじゃないって知ってる。で、おれは同志と会うと嬉しいけど増やそうとは思わないンだよ。キミが自発的に吸うようになったら連絡ちょーだい。すーげえ肩身の狭さ分かち合って絆深まるから」

軽口。

「――ナメられる、結構なアドだと思わない?」

煙草を銜えた口の端が、皮肉気に笑みの形を作った。

「あぁあと一応弁明しとくとこれは合法だから。本土の法律準拠で酒も煙草も許されてる歳なんだ」

肩を竦めて見せた。

ラヴェータ > ならそっちに行った方がよかったのではないか。
やはり水一本は対価としてかなり安い。

「すまないが、お前にその機会は来ないなぁ」

万が一人間をやめれば、そのうち機会を得るかもしれないが。
あとたった50…いや、80年ぐらいか?
その程度で靡く程、喫煙に魅力を感じていない。

「……そうだな。
それならば、落第生をやる価値はあるだろうな」

満足のいく回答が得られ、思わず笑みが零れた。

「それは分かっているさ、少年。
仮に歳が足らずとも、見逃していたさ」

元監査役(鉄火の支配者)が脳裏をよぎった。
感覚がマヒしているのかもしれないな。
そうでなくても、そんなことを一々指摘して注意するほど真面目に風紀をやっていない。