2026/02/22 のログ
ご案内:「常世公園」に武知 一実さんが現れました。
武知 一実 >  
クソほど天気の良い休日は、外でボーっとするに限る。
先人の教えに倣って、常世公園の池沿いに設けられたベンチで、オレは全力でボーっとしていた。
早朝からひとバイトしたので、その休憩も兼ねている。
このまま帰ったらシャワー浴びて寝そうだし。

「はー……いい天気だ」

今日は朝から快晴、遮るものが何一つない陽光が時期尚早に暖かい。
と言うか、軽く暑い。パーカー、薄いのにしときゃ良かった。
でも朝家を出る時は寒かったんだから、仕方ねえんだよ。

そんな誰に宛てた訳でもない言い訳を考える程度には、全力で脱力中。
ただ、うっかり気を抜き過ぎて寝ちまわないようにだけ気を付けている。
もしかすると、こんな麗らかな陽気に反して何か起こる可能性も、あるかもしれねえし。

武知 一実 >  
ぼちゃん、と水音がして我に返る。
あっぶねえ、気を付けてたつもりが意識が飛んでた。
恐ろしきは春先の陽光、想像以上に寝かせ(ぢから)が強ェ。

「何も考えてねえと、また寝落ちしちまうかもしれねえな……」

まあ、だからと言って早急に考えなきゃならねえ事……無いワケじゃねえか。
学校での夜バイトのこと、こないだ商店街で出くわしたヤツのこと、進級までそう日が無いこと、己の異能のこと。
挙げてけばキリが無ェが、わざわざ考えなきゃならねえことかとも思う。

「何か―――まっとうに学生出来てンなァ……」

思った以上に、普通に学生生活を送れている。
ちょっと前までは、想像もしなかったことだったのに。

ちなみに水音は池の魚が跳ねた音だった。

ご案内:「常世公園」にコトハさんが現れました。
コトハ > 「うー……」

ギシギシと鈍い音がする、そういう錯覚を少女は感じていた。
運動誘発性筋損傷、要するに筋肉痛である。
それというのも、先日、普段そこまで使っていない筋肉を使ったためだ。
思わず口から、うめき声が漏れていた。

「サイアク……」

思わず、頭につけたリボンのような髪飾りを握りしめる。
当然、なにも改善するわけでもないが気は紛れる。
そのままフラフラと、特に目的もなく歩き回る。

「ん……」

ふと、その視界にちょうどその先日知った顔が映った。
どうやらボーッとベンチに座っているらしい。
半分寝ているようにも見える。

「よし……」

に、と薄笑いを浮かべて、静かに歩み寄っていく。
急ごうにも体がついて行かない、というのも事実であった。
軋む体を引きずって、そろそろと……背後から……

「……」

起きろ!と大声をかけようとした時、声が聞こえてくる。

――まっとうに学生出来てンなァ……

その言葉に、口を開けたまま声を飲み込み……

「……なんだぁ? セーシュンとか、そんな感じ?
 やっぱ喧嘩上等、夜露死苦って世界観だったワケ?」

ややあって口から出たのは、憎まれ口であった。

武知 一実 >  
勿論、オレ一人の力でこの学生生活を成立させた訳じゃねえのも分かってる。
奇妙な巡り合わせで知己が増え、そいつらが居るお陰で成り立ってんだ。
それを忘れちゃいけねえな、と思っていたら。

「あ?」

柄にもなく感慨に浸っていたら、背後から声が掛かった。
ごく最近聞いた覚えのある声に振り向けば、案の定ごく最近知り合った女生徒が居て。

「琴葉じゃねえか。 何してんだ、ンなとこで。
 アンタこそ、……盗み聞きたァ良い趣味してんじゃねーか」

まったく。人の独り言なんか聞かなかったことにして声掛けろよ。
揶揄する様な憎まれ口に軽く返しつつ、視線を正面にある公園の池へと向ける。

「そんな世界観でも学生は学生だろ、そういう意味じゃねーんだよ」

コトハ > 「よお、かずみん」

こちらに気づいた相手に手をふる、が。
盗み聞きのことを言われると、ほんの少し目をそらす。

「……聞こえてきちまったんだから、不可抗力だろ」

もとより、少女は独り言など聞くつもりはなかった。
もっといえば、ちょっとしたサプライズでもしようか、という程度であった。
むしろ、それを取りやめただけ、まだマシな反応、だったのかもしれない。

「ふぅん……じゃあ、どんな意味だよ」

無遠慮に、ベンチの隣りに座って問いかける

武知 一実 >  
「ま、ンなこったろうからな、別に本気で咎めちゃいねーよ」

売り言葉に買い言葉、ってやつだ。
意地の悪い言い方をしちまったから、噛みついて来るかと思ったが存外素直なんだな。
ってまあ、それは今はどうでもいいとして。

「どんな意味って……まあ、そう聞かれると困るな。
 言葉の通りなんだが、学校に通えるなんざ、思ってもみなかったって意味だ」

隣に座った琴葉を横目で見て、ついでに周囲に人が居ないかを確認してから告げる。

「オレぁな、ガキの頃……宗教とグルになった研究所にな、親に売られてんだよ」

コトハ > 「そりゃどーも。」

少女はガリガリと口中の飴をかじり倒す。
ついでに、ぴきりと走った筋肉痛の痛みに顔をしかめる。

「はぁん? ガッコに通えることが、ねえ?
 ……まあ、確かに……そりゃ、フツウのこと、だろーけど」

どこか考え込むように話を聞いていた少女は

「……」

ほんの少し、黙った

「なんだそりゃ、冗談にしちゃあ趣味わりーな?
 研究所から大脱走でもしてきたってか?
 そうでもなきゃ、こんなとこにいやしねーだろ」