2026/02/26 のログ
ご案内:「常世公園」に上下院 禰喪さんが現れました。
上下院 禰喪 >
夜の公園は、人気が少ない。風紀委員の巡回も少ないため、様々なことを試すことができる。例えば……。

「いざ、『御伽の招聘』。」

人差し指を額に当てて、その後、近くの地面に向ける。すると、地面から何かが湧き出てくる。それは角の生えたウサギ、紛れもない怪異。

まだ幼い個体であるとはいえ、怪異を使役しているとなれば、人によっては事情を問われるだろう。そのため、公的には記録されているが、人前で異能を発現するのは避けている。

現れたウサギに指示を出して、草を掻き分けながら周囲を走り回らせれば、『よくできた』と言わんばかりに頭を撫でてやる。いわゆる、秘密の修行である。



上下院 禰喪 >

「普段は、あまり表に出してあげられませんからね。」

誰に言うでもなく、独り言つ。しばらくそのようにしていると、唐突に声を掛けられる。嫌な予感を覚えつつ振り向けば、そこには一人の男性が立っていた。ここの生徒だろうか、それにしても、どうして自分に声を掛けてきたのだろう。

「どうしましたか?」

正義の味方は笑顔が資本、にっこりと笑って問い返すと、男性は彼が抱いているウサギに指をさす。そして、禰喪に問うた。

『何故、風紀委員が怪異と共にいるのか』と。

嫌な予感は的中。そして、この状況で軽妙な言い訳が出てくるほど、彼の対人能力は高くない。困ったように目を逸らしながら、しどろもどろと言い訳を紡ごうとする。

「いえ、これが自分の異能でして……その……。」

男性は、怪異にトラウマがあるのだろう。その言葉を聞いても、全く信じようとしない。下手な言い訳だと逆上して、襲い掛かってこんばかりに距離を詰めてきた。


上下院 禰喪 >

もう、吐息が掛かるほどに、男性は近くにいる。どうやら、腕に自信があるのだろう。どのような戦闘能力を持っているのか、それはわからない。しかしながら、今にも殴りかからんばかりの勢いだ。

「落ち着いてください、この子は人に危害を加えません。その……。」

実際に、ウサギはこうしている間も、禰喪の腕に大人しく収まっている。暴れる様子も見せることはない。しかし、怪異にトラウマを抱く人間にとって、そんなことはどうでもいい。正論が通る状況ではないのだ。

男は、手を伸ばして禰喪からウサギを奪い取ろうとする。抵抗しようと思えば、できる。異能を使っても、武器を使ってもいい。しかし、彼は怪異ではない、一般人である。それらを使って、男を抑えつけるのは、果たして正義と言えるのだろうか。

それ故に、力同士で対抗しようとする。しかしながら、成人と思われる男性の膂力に、発展途上の肉体が敵うはずもない。少しずつ、少しずつ、力の天秤は男の方に傾いていく。



上下院 禰喪 >

「ッ……えいやァ!」

軸足に力を込めて、一気に相手の手を退ける。その際に、ゴツンと音がした。何があったのかと思い、相手の方を向くと、腰に提げた鞘が相手の股を打ってしまったらしい。

痛みから、潰れたカエルのような声を上げて、男性はその場に倒れる。幸いにも、彼は気を失っているだけのようだ。砂埃を払い、どうしたものかと惑いながら、取り敢えず自らの異能を解除して、角が生えたウサギを地中に還すことにした。

「これは……困りましたなァ。」



ご案内:「常世公園」にコトハさんが現れました。
コトハ > 「ったく、考えてみりゃアホくせぇ……」

イライラとした様子で携帯端末を弄る少女。それもそのはず。
つい先程まで端末のことを忘れて、あちこちを彷徨っていたからである。

「画面チラつきやがんな。壊れたか?いや、一応動く……か。クソ」

画面を操作しながらなので、周りに意識をしないまま歩き、気づけば公園まで来ていた。

「ん……?」

操作も一段落し、ふと目を上げてみれば少年らしき人物が年上らしき人物に威圧をかけているらしき現場。

「おいおい、なにして……」

無視しようかとも思ったが、つい声をかけようとして

「……」

鈍い音と、なんとも言えない声がしてきた。
ほんの僅か、どうしたものか、というような静寂。

「うっわ、すっげぇ声。なになに?ソイツ死んだ?
 やっちまった?」

結局声をかけた

上下院 禰喪 >

「ぁ……。」

誰かに見られた、最悪の状況。この瞬間だけを切り取れば、自分がこの男性に暴行を働いたように見えてしまうだろう。声の方向に顔を向ければ、携帯端末を片手に持った少女が立っている。確か、端末には録画機能もついていたはずだ。

暴行動画の拡散、風紀委員の不祥事、炎上、様々なワードが脳内にちらついては消えていき、顔はサァっと青ざめる。

「……し、死んではないと思います。その、これには深い事情がありまして!だから、拡散、拡散だけは勘弁願えませんでしょうか!」

自分は殺人者ではない。そう言わんばかりに、両の掌を見せる無害アピール。露骨に慌てた様子を見せれば、転がっている男性から離れて彼女へ歩み寄り、懇願をした。