2026/02/27 のログ
■コトハ > 「は?拡散?」
急に頓珍漢なワードが飛び出してきて、思わず首を傾げる少女。
どういうことだ、と考えてから手元の道具に気がつく。
勿論、動画など撮っていない。というより、タイミング的に決定的瞬間を取れるほど余裕はなかった。
まあ、切り札になるかもしれないからそこは黙っておくことにする。
「うっせー、落ち着けバーカ。事情ってんなら説明してみろよ。
それもできねーってんなら、それこそ怪しいなあ?」
一応、見た目にはうずくまっている男のほうがなにやらしていそうな感じではあった。
距離的に会話内容までは聞いていないのだが。
だが、そこまで言ってしまうと歪んだ情報が出てくるかもしれないので、ともあれ話を聞いてみる。
■上下院 禰喪 >
「その、動画の拡散的な……。それでもって、『風紀委員の暴行事件』として炎上する的な……そ、そうですね。はい、落ち着きます。」
彼女が動画を撮っていたかはわからない。目の前の状況に必死で、周囲に気を張る余裕などなかったから。ただ、その可能性が不安で仕方ない!
しかしながら、きちんと理由を話せば分かってくれるはずだ。だって、彼女は怪異ではない。会話が通じる人なのだから。いや、この学園では、人間であるとは限らないけども、少なくとも、見た目は。
「事情、ですよね……。わかりました、それでは。」
そう言って、人差し指を己の額に当てる。そして、その指先を自身と彼女の間……地面に向けた。すると、地面から黒い煙が湧き上がり、形を成す。そこから現れたのは、普通のウサギに角だけを取って付けたような怪異。ウサギは、物珍し気に彼女を眺めているようだ。
「『御伽の招聘』、自分の異能の一つで、関係を結んだ怪異を召喚することができます。この様子を見られて、自分が怪異と手を結んでいると、勘違いされたのでありますよ。」
全てを、正直に話すことにした。しかし、目の前の彼女が、怪異に対してどのような反応をするかはわからない。不安気に、視線を向けて。
■コトハ > 「ふぅん?」
相手の言葉を聞いて、一瞬首を傾げる。
こいつ風紀委員っていったか?と思わず少女は自分の耳を疑う。
あくまで少女の勝手な想像であるが、風紀委員は警察のような存在である点でコワモテとか、そうでなければオカタイさんとか。
そういったイメージを抱いていた。
目の前のこの少年は、現時点では、であるがどちらかといえば小動物、といった印象。
「……ん」
それでも一通りの説明は聞くか、といったところで。
目の前に、ウサギ……説明によれば怪異、が現れる。確かにウサギにしては角が生えているので通常のものでないことはわかる。
が、なにしろそういったものには縁遠い少女には脅威には見えなかった。
「か……かわいい……」
思わず、言葉が漏れる。
小動物が、物珍しげ、といった感じでつぶらな瞳を向けてきたのだ。むべなるかな、である。
それから、小さく咳払い。
「……なるほどな?ってか、テメェ風紀委員なのかよ。それなのに疑われてんの?
バーカ!テメェのそれがフカシじゃねーなら、バカ過ぎてたまんねーじゃねーか。
そのチカラって、風紀委員に申し出てんだろ?なら、証明でも何でもやってもらえよ。
そもそも誰かに疑われるとか考えてなかったのかよ。だとしたら頭雑魚すぎんだろ。」
散々ないいようであった。
■上下院 禰喪 >
「うぅ……はい、仰る通りであります。ですが、そんな余裕もなかったというか、怪異に強い憎しみを持った方だったみたいで……。話すら聞いてもらえず、この子……白丸を、奪われそうになりました。」
散々な罵倒だが、その内容は正論そのもの。風紀委員には自らの異能を申請しており、承認も得ている。本局に確認すれば、すぐに証拠を出すこともできただろう。しかし、そんな余裕すらなかった。
いや、それは言い訳に過ぎない。自身の交渉能力が高ければ、あの場を何とかすることも出来たはずだ。そう考えると、言い返しようもない。切なげに瞳を細めれば、相手の言葉を否定せず、小さく頷く。
そして、ウサギ……白丸を見て、彼女の表情が綻んだように見えれば、首を傾げる。動物が好きな人に、悪い人はいない。きっと、この人も根は良い人なのだろう。そんな風に考えれば、足元にいる白丸を抱き上げて、そっと相手に差し出す。白丸は、のんびりした性格なのだろう。抱き上げられても、特に抵抗することなく、大人しく収まっている。
「その、触りますか?……額の一本角、短いですが、気を付けてください。白丸は進んで人を襲いませんが、じゃれてる内に、怪我をするかもしれないので。」
■コトハ > 「なるほど、そういう感じな。確かに、なんか襲われた側っぽかったか。
じゃあ、なんならアレだな。なんかなかったか?公務執行妨害的なヤツ。
それでコイツしょっぴく?今なら何でもし放題じゃねえ?」
気を失った男の方に目を落とす。改めて見て、一応呼吸はしているようだし生きてはいそうだ。
まだしばらくは目を覚まさなそうだが。
「まあ、どっちにしてもしばらく寝てろって感じだな。」
起きたら面倒そうだし、と少女は思う。
「お?あ、あー……」
差し出される可愛らしい怪異。思わず顔をほころばせてしまう。
「じゃ、じゃあ、せっかくだから……」
なでなで、と優しく撫でる。
頭、背中、お腹周り。だんだん範囲は広がっていくが少しずつ、慎重に。
「もふもふ……」
思わず言葉が漏れた。
「あー……それにしても、テメェのチカラはしらねーけどメンタル雑魚すぎねーか?
風紀なんだろ、風紀。そんなんで取り締まりとかできんのかよ。
こんなカワイイー子も取られそうになるとかサイアクじゃねえか。
そんなヤローにもってかれたら、何されるかわかったもんじゃねーだろ!
まあ、結果的には守れたみてーだけど」
ちらりと、倒れ伏したままの男を見る。よし、死んでるな(死んではいない)、と確認。
ぐっすりとおねんねしている様子が見て取れる。
「寝てるコイツが犯罪者かは、わかんねーけど。仮に考えりゃ、犯罪者と、一般生徒ってことでもあるじゃん。
あー、おまえはわるくねーからなー?」
どうしたの、という感じに見てくるウサギ(怪異)を撫でながら言葉を続けた。
■上下院 禰喪 >
「ふふ……白丸も喜んでいます。もふもふでしょう?」
優しく、慎重に撫でられて、白丸も満足気に瞳を細める。相手の口を突いた言葉を反芻すれば、思わず微笑んでしまって。
相棒を預けても良い人物だと確信したのだろう。抱っこしますか?と言わんばかりに、ずい、と白丸を抱えた手を伸ばした。しかし、続く言葉には、複雑そうに眉を下げる。
「今は公務中ではありませんので、公務執行妨害は当てはまりません。しょっぴくことも……しないでおこうと、思っています。」
個人間の決闘未遂、白丸を奪う行為。確かに、理由を付ければ身柄を拘束できるだろう。ただ、彼がここまで怪異を憎む所以を考えると、どうしても同情的な気持ちが湧いてしまう。
「精神的に脆いというのは、間違いありません。……その、考えてしまうのです。この人が、怪異に家族や友人を殺されてしまった。それ故に、怪異に恨みを持っていたら……この怒りは、正当な物だと。」
怪異を使役する、自身が持つ異能の特異性は理解している。しかし、自身も怪異を祓う立場だからこそ、否応にも彼の気持ちが分かってしまう。とはいえ、相棒が奪われようとした時に力を発揮できないのは、己の弱さだ。目の前の少女の言葉は、強い。しかし、同時に己に必要な精神性であるとも思えた。
「だから、異能も、刀も使うことができなかった。もちろん、白丸が奪われてしまったら、そうも言っていられません。ただ、それは悠長な判断です。……名も知らぬ方、どうすれば、貴女のように強くなれますか。」
■コトハ > 「お、おお……うん」
抱っこします、と差し出された白丸を思わず抱きかかえる。
柔らかく、もふもふとしたものが手の内に収まる感触を味わい、少女はしばし堪能する。
「んー……かわいい」
柔らかく、優しく撫でる
「そんなところは真面目ってか、きっちりしてんのな。」
うっかりすれば職権乱用と言われかねないので、当然と言えば当然ではある。
「……」
少女は考える。怪異に友だちだのを殺されたら、それは腹も立つだろう。
ただ、手の中のもふもふに意識を向ければ、別の感情も浮かんでくる。
なんともモヤモヤする。どちらだって、間違ってはいない。
でも、なにか違う……そう思って。
「バーカ。同情ってのはわからねーでもねーけど。
それって突き詰めりゃ、犯罪者に親を殺されたから、犯罪者らしきものを全部ぶち殺します、がいいのかどうか、みてーな話にならねーか?」
少々極論ではある。しかし、結局はそういうことではないか、と少女は考えた。
感情としては正しいだろう。しかし、行動としては正しいのか。
「あ……?」
どうすれば強くなれるか
思っても見ない質問がきた
ガリ、と飴が砕ける音がする
「別に……私だって、強くは、ないです」
白丸を抱きかかえたまま、なんとか飴を取り出して咥え直す。
その際に、角で手を擦ってしまう。ほんのり、血が滲む
「っ
大したことねーよ。私は……ただ、嫌だ、って思っただけだしな。
そんでどーすっか考えただけだっての。強いとか弱いとかじゃねーよ。
これだからって、いい様に転がるってわけでもねーしな。」
どこか吐き捨てるように口にして
「……コトハだよ。
名も知らぬ方って言い方なんだよ。武士かよ。いや、武士だったな。変な笠かぶってるし。」
別に菅笠は武士のものではないが、刀まで差してるとなると少女にはそうとしか見えていなかった。
■上下院 禰喪 >
「自分は風紀委員。秩序を守る者でありますから!」
個の感情ではなく、役割として動く。それは、自身が最も得意とすることだ。上下院家の息子として、風紀委員として、これまでにも様々な役割を果たしてきた。だから、思い切り胸を張って答える。少女の腕の中に納まった白丸は、優しく撫でられて安心したのか、ゆっくりと目を閉じた。眠っているのだろう、時折鼻を鳴らしている。
「怪異と人間は、基本的に理解し合えません。白丸みたいな小さな怪異は、時折人間に懐くこともあるようですが。あくまで特異なケースです。白丸を参考にして、怪異が怖くないものだと思ってしまえば、その油断が死を招くかもしれない。自分も、怪異が現れたと聞けば、すぐに退治しに……いえ、殺しに向かいます。犠牲が出てからでは、遅いので。」
あの男と自分は、何が違うのか。白丸が安全だと知っているから、自分は白丸を可愛がる。しかし、一方で島に現れた怪異を殺して回る自分もいる。少女の発言は、ある意味では正しく感じる。そして、男の思想が極端であることも、理解できる。だからこそ、そのような言葉を紡げる彼女を、優しいな、と思った。
「でも……そう、ですね。白丸は誰も殺していない。それに、人を殺すような力もない。だったら、自分は友人として、この子を躊躇いなく守るべきなのでしょう。」
少しだけ、肩の力が抜けたように、へにゃりと笑みを浮かべた。彼女に、自身の思想を否定されたからこそ、このように考えられた。
しかし、投げかけた質問に、硬質な音と共に慣れない敬語が帰ってくれば、緩く首を傾げる。今までの彼女からは、想像できないような言葉遣いに素直に驚いた。でも、それも刹那の事。すぐに先程の調子に戻れば、乱暴な言葉遣いに、どこか安心してしまう自分もいて。
「コトハさん、ですね。自分は、上下院禰喪と申します。……嗚呼、この菅笠は、顔を覚えられないための策でございます。怪しまれないように、悪人を取り締まるための隠密方法ですな!」
なんて、どこかずれたことを言った後、袴から絆創膏を取って、差し出す。そして、自らの手に付いた絆創膏を見せると、恥ずかしそうに笑った。
「これを使ってください。自分も生傷が多いので、持ち歩いているんです。昨日も、訓練の最中に傷を負ってしまいました。」
■コトハ > 「ごもっとも。じゃあなおさら、それで我が身どころか相棒も守れないんじゃ世話ねーぞ」
風紀委員は秩序を守るもの。少年の言葉通り、そういった役目を担っている。
それならば、身の回りすら守れないのであれば何を守れるのか。
そう、言外に問いかける。
「っても、魔だのなんだのは確かに、私じゃ専門外すぎてなんにもわかんねーけど。
知ってるやつがうまいこと扱えねーと駄目だろ。」
この場合の扱いは、どちらかというと取り扱い。運用面の話だろうか。
怪しいチカラを使うのであれば、それは慎重に、瑕疵のないようにすべきだ。
……といっても、少女自身はそこまで難しいことは考えていない。
単に、危なそうなものを使うなら、面倒ごとのないようにしておけ、という程度である。
「そうそう。友人ならちゃんと守りやがれ。じゃなきゃ友人をやめちまえってもんだ。」
頬が緩んだ少年に、少女の言葉がなんとはなしに背中を押したように感じられるかもしれない。
もしくは、呪いか。いずれにしても、なんらかの作用を感じたことは確かだろう。
「上下院禰喪、ね。なんか雰囲気の割に堅苦しい名前だな。案外、名家とかなんかそんな感じか?
ま、いいか。禰喪な。
あと、それ顔隠せても全体的には目立つしめっちゃ怪しいぞ」
ふむふむ、と頷く。上から下まで平凡な名前の自分とはだいぶ違う。
見た目も……風貌、ではなく服装、という意味ではだいぶ相手は非凡だ。
それも思わず突っ込んでおく。
「んじゃ遠慮なく。風紀ってのは、人によるんだろーけど上の方はだいぶヤバい訓練してるらしいな?大変だな」
絆創膏は素直に受け取る。この間、たまたまいった訓練施設で風紀の訓練を小耳に挟んだ。どこまで本当かはわからないが、施設の本気度を考えればあながち大げさでもないのではないか、と少女は思っている。
「おし、じゃあ証拠写真でもとるか。安心しろよ、犯罪の証拠とかじゃねーから。
写るかどーかしんねーけど、白丸と私……それから、友人ってんなら禰喪も特別に一緒な。
転がってるやつは、写んねーように外してな」
勝手に写真を撮る段取りを決定事項として話を進める。白丸を抱きしめたまま、禰喪に寄って自撮り体勢。
なお、少女の言葉通り、いい加減起きてもよさそうな男は未だに寝ていた。
■上下院 禰喪 >
「ありがとうございます。……コトハさんは、凄いです。」
風紀委員の関係者でもない、怪異と対峙する立場でもない。そんな少女の言葉だからこそ、こんなに胸に響くのだろう。どこか、不思議な説得力を感じる。背中を押してもらえたような、そんな気がした。
「名家……そうですね、地元ではそれなりに有名な剣術道場だったと思います。ただ、大変容が発生した後、剣術だけではやっていけなくて、門下生も減っちゃいましたけど……。え、本当ですか!」
名家、という言葉に、ほんの少しだけ少年の眉は下がる。大変容以前のことを知らないからこそ、自身が想像する『実家』は、あまり良いものではなかった。なんせ、一番に思い付くのが、門下生が目減りして嘆く両親の姿なのだから。だからこそ、ほんの少しだけ言葉を濁す。
続いての指摘には、明らかに動揺した様子だった。この作戦は上手くいくと思っていただけに、ショックも大きい。慌てて菅笠を外せば、それを背負う。菅笠に抑えられていた黒髪がふわりと舞った。
「いえいえ、これも皆さんをお守りするためでありますから!それに、少しの怪我くらいすぐに治ります。強くなるためには、もっと鍛錬が必要なので。」
絆創膏を渡した後、拳をぐっと握り締めれば希望に満ちた表情で語る。風紀の訓練に加えて、自主的な鍛錬を行っているためだろう。握った拳は、背丈には見合わない程に硬くなっていた。
「写真、ですか?……え、え、友人……自分が?えっと、はい!どけておきます!」
突然言われた言葉に、目を白黒させる。それから、慌てて寝転がっている男を端に退けると、白丸を抱く少女に少しだけ近付き、携帯端末に映り込むように体勢を傾けた。友人という言葉には、あまり馴染みがなくて、でも、温かく、嬉しいもので。どこか照れ臭そうに微笑むだろう。
■コトハ > 「すごくねーって、だから。」
あまりにも無垢な感情は流石に照れる。
その上、少女自身が自分がすごいとも思ってないので尚更である。
「……大マジでやってたのか」
家の方はあんまり触れないほうがいいかもしれないな、と。なんとなく暗くなった雰囲気を感じて口を閉じる。
その代わり、菅笠が本気だったのに呆れるのであった。
「ま、その御蔭で私らみたいな一般生徒が普通に生活できんだからな。そこは感謝しねーといけねーのかな。大怪我して活動できねーってならない程度なら頑張れよ」
動けなくなったら本末転倒だからな、と一応応援する
「この……白丸の友人なんだろ、禰喪は?ならまあ、私の友人でもいいだろ。
嫌なら別にいーけどな。私は白丸だけでもいいし?な?」
わざとらしく声を掛けるも、肝心の白丸はスヤスヤと気持ちよさそうに眠っているので反応はない。
「目ぇさまさねーよーにしねーとだから、ちょいキツイけどしかたねーな。
ほら、撮んぞ。写れよ、写れよー……3,2,1……よしっ」
パシャリ、と撮影。
無事転がってる男以外との記念撮影が終わる。
「よしよし、良い感じ。ちゃんと撮れてんな。じゃあ端末持ってんならアドレス教えろよ。今の送ってやるからさ。」
そんなことをしていると、動かされたせいか男のうめき声が聞こえる。
すぐには目を覚まさないであろうが、もうしばらく時が経てばその限りではないだろう。
「……さて、どうする?しょっぴかないなら放置か?それともトドメ刺す?」
少女は一応、聞いておくことにした。邪魔になりそうなら退散でもしよう、と思いながら。
■上下院 禰喪 >
「は、恥ずかしい……。そうだったのですね、自分は……自分は……。」
少女曰く『めちゃくちゃ怪しい』格好で、これまで街を練り歩いていたかと思うと、顔から火が出そうになる。もしや、今まで通りがかった人が自身を不思議そうに眺めていたのは……もしや、街中で出会った同僚が苦笑いを浮かべていたのは、点と点が線になるような感覚に言葉を喪った。
「いえ、いえ……その、今まで、家が厳しかったもので、友人と呼べる『人』はおらず。とても嬉しいです!白丸だけでは寂しいので、是非に自分も友人の輪に入れてください!」
異能が発現するまでは、家から出ることもなかった。それに、ここに来てからも、強さを求めるあまり、他人との交流を深めたことはない。もちろん、委員会のメンバーや先輩方には敬意を以て接しているが、あれは『友人関係』とは違う物だろう。わざとらしい言動には、直情的な言葉で返して。
「はい、ええと、こうですかね?……っと……ふふ。記念撮影、嬉しかったです。あ、はい、自分の携帯端末は、こちらであります!」
パシャリ、と音がした。きっと、写真が取れたのだろう。手慣れた様子で端末を触る彼女の言葉に、こくりと頷けば、懐から自らの携帯端末を取り出して、彼女に差し出した。画面には、登録用のコードが映っている。委員会でも使用するため、流石に連絡先の交換方法は理解しているようだ。
そのようなやり取りをしていると、背後から男の呻き声が聞こえてくる。携帯端末を持っていない方の手を彼女に向ければ、白丸を受け取るような素振りを見せて。
「そうでありますなぁ……うん、ベンチに寝かしておくことにします。後は自分がどうにかしておきますので、コトハさんは先にお帰り下さい。……その、困り事があれば、いつでもお呼びください。助けに行きます!友達ですから!」
そう言って、にこりと微笑んだ。
■コトハ > 「キャハハハ!ま、いいんじゃねーの。小っ恥ずかしいことには気づいたんだし?
この後どーすっかは好きにしろよ。そのままでも個性っちゃあ個性だぞ?」
キャハキャハと笑う。
「んし、きたきた。じゃあ写真送ってっと……」
ささっと先程の写真を送る。もふもふ可愛い。いい写真だ。
「じゃあ、そいつは任せた。けど、起きるまで一人で待ってるとかはやめとけ。
せめて信用できるお仲間とか呼んでおけよ。雑魚メンタルなんだからさあ。
置いていくんなら、いいんじゃねえ?」
そういって、ただ面倒はごめんだし、邪魔になるのもあれだし、と言い訳のように口にして。
「じゃな。ま、期待せずに頼りにしてやんよ。
またな」
そういってヒラヒラと手を降って立ち去った。
■コトハ >
ご案内:「常世公園」からコトハさんが去りました。
■上下院 禰喪 >
「雑魚メンタルは、否定できませんが。そんなに雑魚雑魚言わなくとも、良いのではありませんか?……ええ、ではまた。」
受け取った白丸を地面に置いた。異能を解くと、白丸は黒い煙のようになって消えて行く。死んだわけではない、元の場所に転送されたのだ。その様子を見た後、立ち去る少女を見送った。
「さて、と。……ふふ、友達、かぁ。」
温かい言葉を回想して、思わず笑みをこぼしてしまう。連絡先を交換してから、すぐに送られてきた写真に、メッセージを返そうとして、やめた。
「素晴らしいメッセージを送りたいです。一旦、どのような文言を送るか、家に帰って検討せねば。」
男をベンチに寝かせた後、自らも公園を後にする。
その足取りは、軽かった。
ご案内:「常世公園」から上下院 禰喪さんが去りました。