2024/07/05 のログ
伊都波 凛霞 >  
「残すのもお店に悪いし、そうしようかな。あ、じゃあ…」

一口くらい、食べれる?と。
違う味なら少しくらいは。一口分だけのシェアを提案。
残りは、ちゃんといただこう。
甘夏のチーズタルトはレモンと比べて酸味もさっぱり、お口の中の味変にも丁度よい。

「難しいね」

すれ違っていた、と口にする妹に、笑う。
でも、こういう時間を過ごせている兄弟姉妹なんてきっとあんまりいない。
妹の話を聞いたってがっかりなんて全然しなかった。
もちろん、思っていたことと違うこともあったけれど。
そうだったんだ、というわけですんなりと受け入れられている自分がいた。

「悠薇は、お姉ちゃんに幻滅しなかった…?」


とてもとても、心配げに顔色を伺う姉。
妹に頼られるように…妹を守れるように、お手本になれるように、自慢の姉になるように。
それが良かったのか悪かったのかは置いておいても、そう思い生き続けてきた姉からすればその本人からの評価はとても気になるところ。

伊都波 悠薇 >  
「うん?」

一口もらったあと、自分のを渡そうとして。
心配そうにしている姉を見た。

くすりと、微笑みを浮かべて。

「はい、あーん」

すんなり。自分の分を掬って、姉の口許へ。

そんなわけないよ、と。

そんな気持ちをのせて。

幻滅なんて、するわけない。
だって、どんな姿だろうと、姉は姉だ。

自分のたったひとりの。

いつかの姉がいった言葉を今、理解した。

伊都波 凛霞 >  
尊死。
危な……ッッ。

あーん、してくる妹もだけど…。
その時に浮かべた、微笑み(天使)余り(限界)にも;愛おしくて(限界)

おいひぃ(好き)…」

幸せそうな笑みはスイーツの味のおかげで、だけじゃない。
きっとそれも今の妹には伝わっちゃってる。

急なあーんすぎて、頬まで少し赤くなっちゃった。

「んもう…だったらお姉ちゃんだって悠薇にあーんしたかったのに~」

ズルい!と笑う。

伊都波 悠薇 >  
「したいときは、したいって言ってね」

そのまま、スプーンとお皿を渡して。

「お姉ちゃん」

ぎぃ、ぎぃと、錘が鳴っていた。

でも、その音はいつのまにか。
聞こえなくなっていた。

「いとわはるか、です。これからも、よろしくね」

伊都波 凛霞 >  
「いとわりんか、です。これからもよろしくね、悠薇」

返すのは言葉と、満面の笑み。

これからも、お姉ちゃんであることは変わらない。
ありのまま、今の自分のままで、悠薇のお姉ちゃんで良い。
ダメだったら、きっと悠薇がそう言ってくれる。
自分と、そして妹を信じよう。

故に、今後ともよろしく───と。
過去を偲び、今は姉妹の談笑が溢れるカフェテラス「橘」

そういえば、橘の花言葉は…。

このお店でこんな話ができたのも、少しだけ感慨深い。そんなことを考えていた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 凛霞さんが去りました。