2025/02/09 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
カフェテラス、窓際のテーブルについて一人、メニューとにらめっこをしている少女がいる。

やがて、覚悟を決めたように店員さんを呼んで…。

「フルーツと生クリームメガ盛り極みパンケーキメープルローヤルハチ蜜三昧を…!」

…言った。言ってしまった。

覚悟…足りてた。
そう、覚悟…とは。
注文する覚悟ではなく…カロリーを消費するという断固たる覚悟だ。

伊都波 凛霞 >  
『おまたせしましたー♡』

アニメ声の店員さんがテーブルに運んできてくれた、それは…。
まさに、甘味のタワー……すごい甘ったるい匂いが辺りを支配する。
蕩けたバター、色とりどりのフルーツ、これでもかとかけられたメープルシロップに、はちみつ。

「うわー♡」

思わずテンションがアガるっ。
即座にオモイカネを取り出して、このラスボスが住んでそうな甘味の塔を様々な角度からパシャリ。
食べ始めれば崩れてしまう、見事に均衡のとれた芸術品の姿を余すことなく保存するのだ。

伊都波 凛霞 >  
素晴らしい外観を堪能すれば、後は…申し訳無さと共にその塔を切り崩すのみ。
す…と手にしたナイフ。

スン…、と。さしたる抵抗もなくそれはパンケーキの生地へと沈む。

やわらかっっ……。

確かな弾力…もっちり感を感じるのにこの抵抗のなさは一体なんなの……まるで母性。

僅かに沈み込んだ切り口にメープルとハチ蜜が流れ落ちる様すら食欲をそそる…。

「いただきまーす…」

思わず頬も綻ぶ!というものー!

伊都波 凛霞 >  
人は楽しみを待つ時間が何より長く感じる…らしい。
そう、こうやって食べ始めてしまうと、至福の時は一瞬で……。

あ……。
もう、最後の一口ぃ……。

とっても、美味しかった。
甘くて、程よい酸味と、まろやかさと…とても言い表せないくらい。

これで、最後…。

ぱくん。

終わりの時は、いつだって切ない。

伊都波 凛霞 >  
「はぁ……」

でも、大満足。
頬もほころんで、思わず遠くを見ちゃう。

そうすること、数分。

うん、向き合わなきゃ、現実と。

運動、しようね…。
覚悟を決め直して、お支払い。
ちょっと駆け足で、寄り道して帰ろう、そうしよう。

そんな帰り道、レアなクレープ屋さんの屋台が目に入ってしまったとか、なんとか…。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 凛霞さんが去りました。