2024/05/30 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に都姫うずめさんが現れました。
都姫うずめ > 「いらっしゃいま」
その日がバイト2日目である店員は、まだ慣れていない笑顔を浮かべたまま客の前で固まった。
出入り口に立っているのは女の子であった。 バニー服の。
それも、ただのバニーガールではなく、可愛く決め込んでいたのだ。
「ま、ませ」
困惑を押し隠して必死に挨拶を終える店員を見て、バニーは小首をかしげる。
まるで自分に不思議なところでもあるかと言わんばかりであった。
なぜバニーを?コスプレかなにかなのか?行事があったのか?
そんな困惑を無視するかのように、少女は口を開いた。
「窓際の席を」
「あ……はい、1名様ご案内します!」
はっと我に返る。 そう、自分はアルバイトとはいえ店員だ。
そして眼の前のバニーはお客さんなのだ。
先導するように歩く。バニーが一歩歩くたびに、ヒールが床を叩く硬い音が響く。
席に案内すると、確認をする前にバニーが口を開いた。
「チャーハンセットでお願いします」
「はい…」
静かに頭を垂れ、端末に情報を入力して下がる。
深く考えるのは…とりあえずやめることにした。バイト中なのである。
都姫うずめ > 大きめのカバンから本とノートを取り出したバニーは、何事かを勉強しているようであった。
生徒としてはきっと真面目なのだろう。 そう思いながら彼女にチャーハンを供し、しばらく時間が立った後…。
携帯端末を見たバニーが立ち上がり、カバンを持って化粧室へ入っていったのを見る。
数分後、化粧室から出てきたのは制服を着た生徒であった。
腕には「風紀」の腕章がある。
そのまま生徒はこちらに歩いて来る。
「すみません、お支払いをお願いします。」
「はい」
さっきのバニーと同じ声だった。 理由もわからず支払処理を済ませる。
颯爽と店を後にする生徒の後ろ姿を見送りながら、
店員は一つの言葉を言い出せなかったことを悔やんだのだった。
『その格好って、風紀的にOKなんですか…?』
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から都姫うずめさんが去りました。