2024/06/19 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
ガラスで隔てられた向こう側。隔離されてると言われればそれまでだが、今日日あること自体が稀だ。

そんなはみ出し者御用達、ガラガラの喫煙席のテーブルで煙草を吸いながらタブレットを弄っているのがひとり。

テーブルには食べかけのフライドポテト。食べ終わったプレートの皿は隅へ追いやり、手元には灰皿とドリンクバーのグラス。

(対応任すってこれは丸投げでは?)

そんな疑問は口にせず、代わりに甘い香りの、苦い煙を吐き出した。

先生手紙。どこに出しても恥ずかしい、常世学園三年生(留年)の、不良極まる雑務スタイルであった。

対風紀委員としてスーツスタイル。今はガクセーモードではありませんよ、というささやかなアピールでもある。取り締まらないでね。

先生 手紙 >  
スイスイと指でタブレットの文面を読んでは消していく。

合間に煙草を一口。紫煙を吐いて、次の項目。

(トクタイ1はもう風紀任せでいいだろう。これ以上出しゃばると今度は意地の張り合いだ。揚げたところで査定もクソもねえですし?というかやり合うのが本当に辛くてね。)
削除。

「……ふーっ。目下は2と危険区域の危険物かァ。頭痛ェ~」

そんな独り言。ドリンクバーのウーロン茶を一口。

それから、組んだ手を前へ伸ばすと……パキパキと指が鳴った。

先生 手紙 >  
(……神出鬼没を予見できたら、それはもう異能なのよ。お上その辺わかってらっしゃる?おれのはそういうンじゃねえのだが。)

タブレットの電源を落とす。おしぼりで手を拭き、ポテトを口に入れた。

…………外は。うだつの上がらないオッサンの顔みてえな有様だった。活気は地上に。空は、いつまた泣き出すかわかったもんじゃない。そういえば傘持って来てなかったなァ――なんて、自分の迂闊さに今更ながらにくぎを刺す。出かける前は忘れずに、というやつだ。さっさと切り上げて寮に戻った方が安牌。だがテーブルの上を片付ける食事の手間まで考えると、いっそ降っちまってもいいかなあ、くらいに考えている。

そういえば、別に雨に打たれることは嫌いではなかった自分を思い出して。

先生 手紙 >  
煙草の火を消して、グラス片手に立ち上がる。ドリンクバーに行きましょう。

そういう定めというか仕様である。喫煙席は一番奥で、他の皆様へ極力迷惑をかけないような場所にあるのであった。遠さを不便だとも、不遇だとも思わない。節度の話なのでね。

通り抜けるテーブルには常の通り、学生が多かった。

特に問題はない。

辿り着くドリンクバー。りんごジュースをグラスに注ぎ……温かいのも飲みたい気分になったのでホット用のカップも拝借。さて、コーヒーは部屋にあるし――と物色することしばし。

ヴィー……

どうしてその選択をしたのか、明確な答えは持ち合わせない。なんとなく、梅昆布茶のボタンを押していたのだ――

先生 手紙 >  
自分の席に戻り、梅昆布茶を啜る……

「………………なンでだろうな。久々に飲むとめっちゃ美味ェ……」

先生 手紙 >  
窓の外を眺めながらポテトを齧り、端末を弄る。ファミレスあるある風景(ソロ)なのであった。

――ヴッヴッ。

通知。目を通す。

「…………はぁ~」

ごくっ。たんッ。

若干お行儀悪く中身を両方空にして。どうしたもんかと考える。直行案件ではないのだし。


…………もう一本吸ったら出るかァ。

と。ダラけた指標を自分の中に立てるのであった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から先生 手紙さんが去りました。