2025/09/15 のログ
青霧在 > そんな祈りが通じたのか、それとも元々一時的なものだったのか。
雨足が急激に弱まり、降り注ぐ一切の水滴が消失した。
狐の嫁入りかそういう類だったのだろう。

雨が止むとその瞬間、背後の気配が消える。
一瞬の間に全て霧散し、遠くへ移ったようだった。
ゆっくりと慎重に振り向くが、そこに怪異はいない。
代わりに、ピザを手にして怪訝そうな顔をした店員が立っていた。

店員 > 「お客様……ど、どうされたんですか?」
青霧在 > 「どうと言われ……ああ」
「これは……」

言われて気づいた。
俺の肩と後頭部がぐっしょりと濡れていた。
きっと怪異のせいだろう。

「……大したことじゃないですよ」

どう応えればよいかさっぱりわからない。
怪異に憑かれていたという訳にもいかない。
何とか誤魔化そうとして、店員もあまり関わりたくないのだろう。
注文通りのピザを置いて会釈して去って行った。

「食べるか……」

正直食事の気分ではないが、注文した以上食べない訳にもいかないだろう。
特別なことをと考えはしたが、こんな特別は要らなかった。

ピザを食べているうちにシーフードサラダが到着して、それほど時間を置かずに祭祀局の術者二人がやってきた。
術に反応があったことと、雨が降っていたことを察知して駆けつけてくれたらしい。
丁度いい所に来てくれた。俺はその場で二人に頼み、怪異の影響が完全に取り除かれるまで保護を受けることとなった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から青霧在さんが去りました。