2024/06/04 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 食堂」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
――――強いて言うのなら。スーパーでピーマンが安かったのだ。

ついでに言うと、豚小間肉も。なんとも小市民的な動機だ、そういう自分は嫌いじゃないぜ。

タケノコの旬は残念ながら逃してしまったが、処理の手間を考えると結構な家庭力が必要なので水煮のパウチを買った。旬もクソもないが通年同じ状態のモノが手に入るのは便利だと思う。

そんなわけで晩飯時からタイミングがズレた食堂で、男の料理が始まる――

先生 手紙 > 「厨房は調理器具一通り揃ってるのすーげえ有難いのよなァ」

6個入り一袋96円のピーマンを、片っ端から縦に割っていく。

すとん。すとん。すとん。すとん。すとん。すとん。

次いで半分になったソレらの種を、ヘタごと指で外していく作業に派手さは無い。ヘタと種は三角コーナーへダイレクトインである。

先生 手紙 >  
「えー…次は、あァ」そうだそうだ。タケノコの水煮のパウチを開け、ザルに落として水を切っておく。思い付きで始めたので手順が割と最適化されていない。

同じ要領でかさ増しの為にもやしを一袋、バサー。タケノコと一緒になったがまあ良かろう。ついでにちょっと洗っておきますね。もやしのヒゲ取り? はははそんな面倒なコトするわけないじゃないですか実際大差ないスよセンパイ。

とん、とん、とん、とリズミカルにピーマンを柵切りにしていく。こういうのはリズムが大事だ。なお特級何某ではないのでその全てが完全に均一になどならない。もとより大きさの違うピーマンの詰め合わせだ――なってたまるかまである。

先生 手紙 > とんとんとん。さー。とんとんとんとん。ささー。

切ったピーマンを包丁を使って下のシンクで待ち構えるボウルに随時落としていく。それが終わると、豚小間のはいったパックを破り、

じゃー。 水洗いである。スーパーで買ったお肉はね。くっついてるからね。軽く洗ってあげるとほどけるうえに余分な脂もそこそこ取れていいンだよ。

というわけでこれもザルに上げて水を切る。ここまでがワンセンテンスだ よろしいか。

よろしいので手を洗う。生肉触ったら洗おうね。

ついでにもう包丁もまな板も使わないので洗いましょう。後回しにすると面倒くせえことこの上ないのでできるタイミングで洗い物はするべきだ。

手をタオルでふきふき。そして今回の目玉――もとい寮生活で買う気マジでしなかった調理器具――中華鍋に火を入れる!

先生 手紙 >  
ジジッ。

「ふーっ……」

ついでにコンロの火を煙草にお裾分け。急いでいるわけでもないのでここで一服がはいるのであった。

先生 手紙 >  
一服ついでに学内に置かれたパンフを取って眺める。中華鍋はまだあたたまらない。

「とこコレ、ねェ。えー…『ここにファッションショーとミスター・ミスコンテストを兼ねた全く新しいイベントが開催決定!
その名もとこコレ!
生徒・先生問わず、自薦他薦問わず、男女問わず男装女装問わず
あの子いいな!この人いいな!いいや自分が一番だ!何でも歓迎!』? まァ此処ガワがいい子多いから上手くすれば盛り上がりそうなー」

先生 手紙 > そうこうしている内に中華鍋が煙を出し始める。パンフをカウンターに置いて、鍋に油をドパッと入れ。

カンッ。最後の水切ってはい豚肉どーん! ゴワワワワワッ

ブラック・ロング・オタマで攪拌しつつ右手は一定のリズムで鍋を振る。下処理に小麦粉をまぶさないんですか? イヤだよ面倒くせえ。

ジャッジャッジャッ。はい次! ザルに入ってたもやしとタケノコをin! 派手な音と弾ける油!火力!振るわれる鍋!熱気で額に汗が滴り始める。短くなった煙草を三角コーナーへ捨てる。あとで一緒にもえるごみ!

先生 手紙 >  
最後はピーマン。火の通りが早いし焼き過ぎると食感と色が死んじゃうのでこのタイミングでの投入である。

ジャッジャッジャッジャッ……味・塩コショウで下味!

醤油をひと回し、香りづけ程度に鍋の外周にジュワッとな。


ポン。と左手で栓を抜き、中華鍋に入れるのはオイスターソース……即ちこれは、

先生 手紙 >  
 
 
――青椒肉絲(チンジャオロースー)……!


(秘伝っぽく描写したものの中華庶民の味。みんなも知ってるアレである。)

先生 手紙 >  
最後に火を最大にして、醤油のように油をかけて鍋を振る。三回。油通し――そして完成である。

「……ふぅッ」

火を切りオタマで皿に乗せ、乗せ、…………

先生 手紙 >  
 調 子 に 乗 っ て 作 り す ぎ た

用意した皿では足りずに結局四皿。四人分はできちまったということだ。薄々多いンじゃねえかと思ったけど食材を使い切らないと次の気まぐれ自炊がいつになるかわかったもンじゃねえので作ったら案の定これである。

先生 手紙 >  
「……まァ。連中用に残しといて食えばヨシ、食わなきゃ自分で食うでいっか」

鍋を洗いつつ残り三人分の皿の内訳をルームメイト三人に仮定する。食べるのだろうか……摂食が必要でなさそうなのにも心当たりがあるあたり常世学園って感じです。

「ンじゃ、そういうことで」

手を拭いて自分の皿以外にラップをかけ、とこコレのパンフの裏にマジックでカキカキ。

『晩飯のおかずが冷蔵庫に入ってます。センジョー』

うむ。これでよかろう。

先生 手紙 > ……さて。部屋で食うかこのまま食堂で食うか。まァ後者だな。食べた後の皿も洗うワケだし。男料理は手間なく美味くボリューミー。三原則があるのであった。


「っつーワケで、いただきます」

無人の食堂のテーブルで、一人気楽に遅めのディナー。

ご案内:「常世寮/男子寮 食堂」から先生 手紙さんが去りました。