2024/06/09 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」に橘壱さんが現れました。
■橘壱 >
漸く今日の仕事を終えて帰還する。すっかり暗くなってしまった。
違反生徒の捕獲、落第街における戦闘。今でも体に染み付いている。
高揚感が体に残ってはいるが、同時に退屈な生身にため息が漏れた。
一応時間も時間なので静かに玄関を開け、部屋に戻った。
時間も時間なので、すっかり電気は暗い四人部屋。
人付き合いに興味がない少年が四人部屋を選んだのは単純明快。
自分がやらなくても誰かが家事をするし、起こしてくれるから。
「…………。」
敢えて電気はつけない。起こさない程度の気遣いはある。
靴を脱ぎ、金属製のトランクを揺らして玄関を上がる。
■橘壱 >
基本的に他の3人には干渉しなかった。興味がなかったから。
そもそも、打算的な付き合い以外で考えもしていなかった。
名前以外何も知らないルームメイト。
「……アイツ等、何やってるんだろうな。」
しかし、ここ最近、ほんの少しだけ興味が出てきた。
他人に興味を持つべきだと、先輩の教えにより少年の更生はちょっとずつ進みつつ在る。
もし今度時間が合えば、一緒に飯でも食ってやるか。
そう思い適当に白衣を投げ捨てた。片付けんなど、出来るはずもない。
さっさと寝てしまおうと向かう矢先に、寝落ちしているルームメイト。
「風花の先生は……いないのか。じゃあイヴ、今までずっと寝てたのかよ……。」
相当深く寝落ちしてるな、一体何をしたのやら。
まぁ、疲れている相手を起こす気はない。そこで倒れていれば良い。
「…………。」
■橘壱 >
「……仕方ないなぁ……。」
はぁ~~~、深い溜め息を吐いて首を回した。
放っておいてもいいんだが、風邪でも引かれて移されるのはもっと面倒だ。
とりあえず起こさないように手を回し、その小さな体を持ち上げる。ひょいっ。
「軽……綿でも詰まってるのか?」
AFを扱う関係上、それなりに体は鍛えている。
にしたって軽い。何だったら体も細い。女の子みたいだ。
本当にコイツ綿で出来てるんじゃないか?まぁ、なんでもいい。
とりあえず、備え付けのコイツの布団に持っていくか。
「……思えば僕以外、なんかやたら中性的だな。流行りなのか……?」
■橘壱 >
「あ…、…!?」
疲労した身体に余所事を考えたらどうなるか、答えはすぐやってきた。
何かに足を引っ掛け、ベッドにそのままダイブ。
イヴだけは起こさないように下敷きになる形で倒れた。軽くてよかった。
今日干したのか、随分と布団も暖かくて気持ちがいい。
「くそっ……誰だよ。絶対に許さないぞ、先生と風花め……!」
理不尽な怒りがルームメイトに向けられる…!(※此の場にはいない。)
■橘壱 >
そんなことよりも疲れた体に、この布団は犯罪的に気持ちがいい。
おまけになんかもふっとした尻尾も重なってるし、これは良くない。
意識を保て、壱。まだだ、お前はこんなところで────……。
「……Zzzzz……」
……すっかり寝落ちするのだった。
その後、此の状況を他のルームメイトが確認したかどうかは、別の話。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」に先生 手紙さんが現れました。
■先生 手紙 >
「うーむ……」
寮室内のキッチン。換気扇が回っている。その下にはコンロ。口先の細い新品のケトルが乗っかっている。
先生手紙の喫煙スペースは主にここ、キッチン換気扇直下とベランダである。
「結局一式買っちまったンだよな……くそう」
ふぃー。と煙を吐きつつ視線をその「一式」に流す……
円錐型の耐熱プラスチックのドリッパー。同規格の紙フィルター。ポット。――まごうことなきコーヒーセットである。
だって仕方ないじゃン。たまたま自家焙煎してる店を見つけちゃって、試飲したら好みにドンピシャだったンだ。これは散財ではない。人生のクオリティを上げる買い物なのだ……と自分に言い聞かせながら沸騰を待つ。
どっからどう見ても衝動買いした客でしかねえのであった。
■先生 手紙 >
自分がコーヒーを嗜好してるのは問題ではない。どちらかというとルームメイトの方だ。布教しようにも風花は興味がなさそうだし、イヴにはまだちょっと早い(謎の親心)し、橘あたりが飲みトモになれそうではあるがアイツどっちかっていうと翼を授ける系飲料っぽいしなァ。
――分かち合えない、を悲しむ性分ではないのだが。
灰を落とす。お湯は沸騰した。既に挽いた豆がセットされているドリッパーに、先ずは囁き程度に落としていく……膨らむと同時に、コーヒーの香りが立ち上る――
■先生 手紙 >
『コーヒーは淹れてる時が一番よい』
などという格言が界隈にあるのだが、いや嗜好飲料としてソレはどーなのって感じなのだが。感じ入ってしまう程度には、出来上がるまでの……こうして淹れていく間の香りは、飲むまでもなく『良い』と思う。
蒸らしが終わった。一度膨らみきって萎んだコーヒー粉に、今度は細く均等に湯を注いでいく……最初は一点。暫くしたら螺旋を描くように――どうしてこんな技能を持っているかと突っ込まれた場合、まァ二十年以上生きてればドリップの機会くらいあるっしょ、みたいな流し方をするわけで。
■先生 手紙 >
やがて、ガラス製のコーヒーポットに、抽出された珈琲が落ち始める。
一旦手を止め、煙草を吸う。適度に落ちたらもう一度投入。
喫煙と抽出、同時に行っているが……これも誰に同意を求めていいのかわからい事柄なのだが。一心不乱ではなく、専心というワケでもなく、没頭でもない。……余計なことを考えず、その行為に無心になれる。
「…………」
なので、独り言すら途絶えるのだ。投入する熱湯は均一の太さで螺旋を描き、膨らむ粉に透明を描いていく――
■先生 手紙 >
熱湯の注ぎ先を、コーヒーからマグカップに変更。こっちは随分と雑だった。カップを温めるためだけの投入だ。
そうこうしているうちに、コーヒーの抽出が終わりそう。落ちきる前にどかし、シンクに置く。ついでに吸い終わった煙草を押し付ける。消火と廃棄を兼ねるコンパクトさ。無駄がねえのである。
――そんなわけで出来上がり。マグカップのお湯を捨て、ポットから淹れたてのコーヒーを注ぐ。
とりあえずは二杯分。コーヒーポットを保温機に乗せたまま、カップだけ持って共有スペースのテーブルへ。
「…………ったく」
怒りというよりは呆れ気味の苦笑。
ことん、とマグカップを置いて、ルームメイトの机に足を向けた。
「程々にしねェと若さのツケが思わぬカタチで来るぞ、橘」
散乱する空き缶をパパっと回収。ここまでやっておいて模範生ではない。回収日にまとめて出すことなどせず、後で寮の自販機に寄り添っている空き缶捨て場に捨てちまう腹積もりなのであった。
精神衛生的な見栄えはこれで取れた。着席。喫茶タイムである。
ご案内:「常世寮/男子寮 部屋」から先生 手紙さんが去りました。