2024/06/13 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 ロビー」にマトさんが現れました。
マト >   
しとしとと雨が鳴る午後
男子寮のロビーに見慣れないワンピース姿が一人

「~~~ ♪」

少し物珍しそうにロビーに設置された自販機から一本、缶コーラを買って適当なソファに座りこむ

「…… 」

ぷしゅっ、と小気味いい音と共に噴き出した泡をじゅるっ、と吸い、そのまま喉を潤して

「さて……来るかな」

姿勢正しく背筋を伸ばした状態でソファに座る中性的な人物は、そんな意味深な事をつぶやく

マト >   
「きっと驚くだろうね」

なお、その実態はサプライズで友人の住む寮に遊びに来ただけである
勿論、彼が丁度帰ってこなかったり、既に部屋にいてすれ違っている可能性もあるのだが

「まぁ今日来なかったらまた明日くればいいよね」

そういって肩に下げていたポシェットから文庫本を取り出し、読み始める

「部屋を探してもいいけど、其処までは迷惑だろうし……」

そこまで考えるなら、服装も男子寮にいて違和感のないものにするべきかもしれないが
悲しいかな、マトに服装のTPOという概念はまだ十分に備わってはいなかったようだ

マト >   
しとしとと相変わらず外からは雨が壁や地面を打ち付ける音が響いていて
場所柄か、それとも偶々か、彼はロビーの風景の一部と同化するように静かに本を開いている

「…… 」

ふと、文庫本から目をそらして窓の外で落ち続ける雨粒に目をやると
今度はじっ、と雨粒が落ちていく流れを暫く見続けている

ご案内:「常世寮/男子寮 ロビー」に蒼月 まつりさんが現れました。
蒼月 まつり >  
そんな静寂を破るかのように、ロビーの入り口が開かれた。
直後、学生鞄を頭上に掲げた小柄な人影が慌てた様子で飛び込んでくる。

「ひゃ~っ、やっと着いたぁ~っ!」

傘や合羽といった雨具は持たず、ここまで走ってきたのだろう。
瑠璃色の長い髪も、身に纏った女子制服も、びしょ濡れだった。
―――男子寮に違和感をもたらす存在が増えた瞬間である。

「まったく、急に来るんだもんなぁ……
 いや予報とか見ないで出てきた僕も悪いとは思うけどさぁ……うん?」

ぶつくさ文句を垂れながらスカートをギュッと絞っていたが、ソファに座る人物を視界に認めて顔を上げた。
見慣れない顔、見慣れない服装。元々まんまるな目を二、三度ぱちくりと瞬かせる。

「えっ、なんかめっちゃ可愛いコがいる!
 ここ男子寮だけど、間違えちゃったとかじゃないよね?
 ……あっ、雨宿りとか? ねぇねぇ、タオル持ってたりしない?」

などと盛大にブーメランを投げながら、ソファの方へと寄ってきた。
濡れた姿のまま、矢継ぎ早に言葉を掛けてくる。

マト >   
しとしと、しとしと、し……がらっっ

「うん?」

びしょ濡れで入ってきたあなたに目を向ける

「やぁ、こんにちは、びしょ濡れだね」

あなたが自分に近づいてくるのを見て一度だけ目をぱちくりと瞬かせるが、直ぐに微笑みを浮かべる
続く、タオルを持ってない?という言葉に対して直ぐに立ち上がり、手元のハンカチを取り出して

「生憎これくらいしか持ってないね、風邪を引いたら困るし、何か……」
「あぁ、少し触れさせてもらって構わないなら、多少マシには出来ると思うけれど」

唇に指をあてて少し悩むような仕事をした後、ハンカチを渡しつつそう提案する

「ううん、雨宿りじゃないよ、僕はマト」
「普段は堅磐寮の方に住んでいるんだけれど、此処には友達がいてね」
「運が良ければ会えるかな?と思って遊びに来たんだ」
「そうでなくても、ほら、出会いというものはいいものだろう?何かあるといいな、ってね」

実際、こうして出会いもあったわけだし、と続けながら薄桃色の髪を揺らす
あなたの賑やかな様子を見て、マトも楽し気にくすくすと笑みを浮かべているのが分かるだろう

蒼月 まつり >  
「いや~、雨が降るなんて思ってなくってさぁ。
 だって朝ここを出た時は気持ち良いくらいの快晴だったんだぜ?」

がっくりと肩を落として言うが、その表情はヘラヘラと笑っている。
白いブラウスが濡れて若干透けてしまっていても、あまり気にしていないようだ。
差し出されたハンカチを受け取ると、にぱっと笑顔を浮かべた。

「ありがと~! これだけでも十分……
 って、触ればもっと良くなるの? うん、別にいいけど」

鞄を足下に置いて、大の字を作るように両手足を広げて立つ。

「ふんふん、君はマトっていうんだね。
 僕は蒼月(そうげつ) まつり! 男子寮(ここ)に住んでる、れっきとした男子だよ!
 僕としても君みたいな可愛いコに出会えたのは幸運だなぁ。
 そう思うと雨に降られるのも悪くないね♪」

近くでよく観察すれば、首筋など随所に男らしい身体つきが窺える。
声はややハスキー気味だが女声と言われても納得できるし、雨で崩れてしまったとはいえ髪やメイクに妥協はない。
加えて、ブラウス越しに見える薄ピンク色の布地は明らかに女性ものであった。

マト >   
「梅雨、だったっけ?今は雨が降りやすい時期らしいね」
「僕は雨は嫌いじゃないけれど、そうだね、こういう不都合もある」
「ありがとう、それじゃあ失礼するよ」

周りも気にせず笑う彼の姿を見ながら、マトはそっとまつりの肩に手を置く
マトの持つ異能を一言で言えば、液体を別の固体に固める力だ
これを応用すると何かを湿らせている液体を吸い上げるという行為が可能となる
結果、肩に置かれたマトの手に向けてまつりの服を濡らす雨水が吸い上げられていき
雨水を吸い上げ切ったころには……

「はい、どうぞ?お近づきの印ってやつさ」
「服が乾くだけでも結構楽になると思ってやったけど、どうかな?」

手にマトの髪と同じく、桜色の造花の束が握られており、それをそのまま差し出す事だろう

「なるほど、蒼月まつり、覚えたよ」
「ふむ……うん、確かに君の姿は僕が知る限り女子のものだし」
「声色……は優希も大概高かったような気もするけど」
「そうだね、お互い幸運だった」

対するマトの容姿はメイク等の手入れの様子こそ見えないが整っている……中性的な美形と言えそうか
体つきは細い……を通り越して所々折れそうな程に華奢なのがワンピースから露出した手足に見て取れる
髪からはほのかに桜の香りが漂っており、瞳は目の前のあなたに対しての興味からか輝きを帯びているだろう

蒼月 まつり >  
「ジメジメするしメイクは荒れるし、も~サイアク!
 梅雨キラ~イ! 早く明けないかなぁ……」

唇を尖らせて子供のようにぶうたれつつ、自分より少し背の高いマトの顔を見上げる。
中性的で自然体ながら、どこか完成された美しさを感じる顔立ち。
今ここで思いっきりハグしたら、どうなってしまうんだろう―――
そんな衝動に駆られつつも、事が済むまでは動かずに。

「おぉっ……!? 濡れた服がどんどん乾いてく!
 や、これは乾いてるっていうか、吸い取られてる……?」

内心とは裏腹に冷静な頭で状況を分析していると、不意に差し出された花束。
驚きと好奇に満ちた目のまま、キョトンとした顔でその花束を見る。

「わぁ……キレイなお花! これって、マトの異能?」

ユキ、というのは話にあった友達の名前だろうか。
けれど今はそれよりも、目の前の不可思議な現象に興味津々。

マト >   
「メイク、容姿を整えるためにする行為だよね」
「僕はやった事が無いけれど、自身を良く見せようという向上心から来る行為だ、嫌いじゃない」
「ふむ、梅雨を超えると夏真っ盛り、だそうだからね、僕も早く経験してみたいな」

ぱちり、と瞬きを返しながら青い瞳があなたを見つめ返す、口調こそ終始落ち着いた返しをしているが
表情から見える好奇心の光と、少しだけ浮足立った言葉は幼げな雰囲気を漂わせていて

「あぁ、水分を固体に変化させる、つまり、君の服を濡らす雨水を花に変えたわけだね」
「身体についた水、となると連続性が不安定だけど、服に染み込んだ水分なら……」
「こんな感じに、大体まとめられるって感じだよ、ふふ、吃驚したのかい?」

自身の異能を受けてくるくると変わる表情にマトは楽しそうに体を揺らす
繰り出される質問に答えながらちょっと悪戯っぽく笑う姿は、あなたの反応を楽しんでいるようだ

蒼月 まつり >  
「メイクしたことないの? もったいない……
 素材はいいんだから、磨けば光るよきっと!」

まるで夏も経験したことがないような口ぶりだけれど、そういう国の出身なのだろうか?
言葉の端からワクワクしているのが伝わってきて、それもまた可愛いと思った。

「水分を固体に……なるほど~?
 うん、ビックリした! こんな事できるなんてスゴいや!
 おかげで服も乾いたし、ありがと~っ!」

制服が乾燥しきれば、もはや遠慮する必要もない。
満面の笑みを浮かべて感謝のハグを―――力を入れ過ぎないよう加減しつつ。

マト >   
「勿体ない?か、その帰しは予想していなかったな」
「とはいえ、そういったものをそろえるのにはお金もかかるだろうし」
「日雇いのバイトはしているけれど、直ぐに揃えるのも難しいかもしれない」

意外に興味自体は無いわけではないようにみえるが、割と現実的な問題を口にする

「うん、どういたしまし、て」

ハグを簡単に受け入れて引き寄せられる、加減したまつりがそうしてよかった、と思う程の軽さだ
柔らかさこそあるものの、まるで人形を抱きしめた時のような、中にわたでも詰まっているかのような……
ぎゅっと抱きしめられて流石に少し驚いたのか、目をぱちぱちとさせつつも

「人の役に立てたならそれはとても、うん、嬉しい事だからね、此処まで反応してくれると」
「そうだな、冥利に尽きる、というべきかも」

とはいえ苦しそうではない当たり、痛かったりはしないのだろう

蒼月 まつり >  
「お金かぁ~、コスメって値が張るしなぁ……」

金銭的都合を理由に出されると、ああ~と頷くしかなかった。
なにせ学生の身分では切実な問題である。
オシャレに気を遣うのは個人の拘りであって、他人に強要するものではない。
自分にできるのは、せいぜい安くて可愛いコスメを紹介することくらいだ。

「いやでもほんと可愛い……ってか軽いね!?
 ちゃんとご飯食べてる? いや、もうそんなレベルじゃ……」

抱き心地のあまりの軽さに思わず腕や肩をぺたぺたと触ったりして。
純粋に心配してのことだが、傍から見れば立派なセクハラだ。
当のマトが気にしている様子がなければ、こちらも全く遠慮しない。

マト >   
「特に僕はあれだ……奨学金、的なものを適用されている身だからね」
「とはいえ、まつりがそういうなら吝かでもない」

彼女が残念そうに声を零すのをみて、少しだけマトも悲しげな顔を見せ
吝かでもない、という部分を少し強調し、興味はあるという事はきちんと伝えるのだ

「あぁ、食事はとっているよ、水分の方が多く取っているけれど……あ、そっか」
「ごめんごめん、僕は人間じゃないから、この重さでも多分正常といった方がよかったね」
「所属としては人造生命体(ゴーレム)なんだ、不安にさせてごめんなさい」

ぺたぺたと触られながら申し訳なさそうに後頭部に手を当てて、ちょっとばつが悪そうに自身の種族を明かす
その間にもぺたぺたと触りまくるまつりに不思議そうな視線を向けていて