2024/11/29 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮 シェアルーム」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「常世寮/男子寮 シェアルーム」に伊那美 環菜さんが現れました。
■橘壱 >
常世学園 某日 男子寮。
とある生物災害における大規模作戦に参加する前の事だ。
戦闘行為が頻発するような前線に出ない、という選択肢は壱にはなかった。
外はすっかり暗くなり、タブレット端末には作戦内容の資料。
「……ふぅ」
その日はたまたま一人だった。
ルームメイト同士の仲は良好、だと思っている。
だが何時も何時もいるわけではない。彼等にも用事がある。
だから、一人になる時も珍しくはなかった。
本当に偶然だったからこそ、"メッセージ"を彼女に送った。
「いやでも、流石に急すぎたかな……?」
大きな仕事の前に顔が見たい、だなんて。
しかも部屋に来てなんて冷静に考えて拙いんじゃないか?
何時帰ってくるかもわかんないし、と言っても外出たくないし。
インドア派のオタク、妙なことに悶々しながら一人夜を過ごしていた。
■伊那美 環菜 > 「ちぃくーん!」
扉とんとんとんがちゃー。ちょっと気が早いよノックの意味が。
なお男子寮にはきちんと面会手続きをしてこっそり入ってきた。
「呼ばれて飛び出て!かんなだよー。
なになにちぃくん。いつもと違うメッセージだったね。」
片手に環奈の携帯の壱くんとのやり取り画面を見せながら。
そこには彼自身が送ったメッセージが写っているだろう。
そしてもう片手には何やら袋。
「あ、そうそう、せっかくだから途中でポテトかってきたんだあ。
でも、イヴくんたちは今日はいないかな。」
きょろきょろと部屋の中を見回して。
ハンバーガー屋でフライドポテトを買ってきたらしい。
その量はちょっと二人には多めだった。
■橘壱 >
「おわぁ!?ちょ、ちょちょちょ、環菜ちゃん!?」
ぼーっとしてる所に凄い音。
確かにちょっとノックは身構えていたけど、いきなりガチャガチャとは恐れ入った。
慌てて飛び上がって玄関まで行けばガチャリと鍵を開ける。
相変わらず元気そうで何よりだ。思わず苦笑い。
「そんなに慌てなくても、僕は逃げないよ。
ごめんね、ちょっと環菜ちゃんの顔を見たくなっちゃってさ」
わざわざ色々買ってきてくれたらしい。
この明るい雰囲気には何時も支えられる感じがする。
入って、と案内した先は自分の部屋。
プラモデルやらデバイス機器が置かれた如何にもオタクな部屋。
どうぞ、とソファに案内しながら来客用の丸机にカップを置いた。
あったかいお茶から湯気が立ち込める。
「急に呼び出してごめんね、ありがとう。
たまたまルームメイトが皆いないから丁度いいかなって……」
部屋の明かりをつけて、はにかんだ。
■伊那美 環菜 > 「えへへ。鍵開いてるかなって思っちゃった。
お邪魔します。」
少し照れ笑いしながら、カギを開けてもらって中に入る。
誘われて、丸机の上に持ってきた袋を置く。
置かれたカップの前にしずしずと座り。
「ううん、呼んでくれてうれしい。
そっか、じゃあ二人きりなんだね。・・・あ、ヘンな意味じゃないよ?
お土産ちょっと多かったなあって。」
両手でカップを包むように抱え。その熱を感じるかのような。
明かりがついて、あっ、とも取れそうな表情を一瞬する。
すぐになんともない微笑みに戻るけれど。
■橘壱 >
「一応シェアルームだよ?そこまでセキュリティは……あー……」
開けておけばよかったのかな、どうせ誰もいないし。
此れって気が利いてないような感じになるのかな。
難しいぞ、女の子の機敏。とりあえず"隣"に腰を下ろした。
「おっきな仕事をする前だからね。
暫くは部屋に帰れないから、せめてって思って。変かな……?」
万が一の事もある。
勿論此れを最後にする気は毛頭ないが、
生前の後悔がないような行いだけはしておかなきゃいけない。
「にしてもポテト多いね……僕は嬉しいけど」
男の子、脂っこいもの大好き。
いただきます、と遠慮なくポテトを摘む。
「……環菜ちゃんってもしかして、暗いほうが好き?」
表情を見て一言。妙な所が鈍い。
■伊那美 環菜 > 「気にしなくていいよー。
ばーん、ってやりたかっただけだから。」
手を上下にパタパタさせて気にしないでというように。
まだ温かいお茶を一口飲んで、カップを置く。
「会いたいとかいう気持ちに変とか変じゃないとか、なくないかなー。
そっか、ちぃくんしばらく帰れないんだ…。」
「事情はたぶん、説明できないんだよね。
風紀、はいっとけばよかったかなあ。」
んー、と口元に指をあててすこし悩んだように上を向いてから、
壱くんのほうに向けて少し寂しそうに微笑んで。
「あ、うん、せっかくだから食べて食べて。
はい、あーん。」
ぱたぱたと気を取り直し。
環奈のほうでもポテトを一本摘まんで、壱くんの口元に差し出す。
「あ、そうじゃなくて…すぐに気づけなかったなって。
暗いのが好きというわけじゃないんだけれど…。」
えへへと笑いながら、複雑そうな様子で答えを返す。
夜目が効くのか、明かりがついていなかったことにその時気付いた、ようだった。
■橘壱 >
「ばーんって、扉壊れちゃうよ?
僕一人の部屋じゃないから、優しくしてあげてね?」
たまに言動は子どもっぽいなぁ、と思う。
それが可愛いと思う反面、言い知れぬ不安を感じさせる。
「うん、ちょっと大きな仕事で、暫く向こうで泊まり込み。
終わったらすぐに会いに行くからさ、寂しがらないでよ」
ちょっと自意識過剰な台詞だったかな、と思わなくもない。
そう言えば彼女も風紀に入りたがっていたのも思い出す。
自分と一緒にいたいから、という理由だ。
何と言えない表情で頬を掻いた。
「環菜ちゃんがやりたいなら止めはしないけど、
あんまり危険な目に会ってほしくはない。……って、思っちゃうかな」
幼馴染の縁。
何時か壱の中では、徐々に彼女の存在は大きく成りつつ在った。
だからこそ、こうして部屋に呼んだ所もある。
「ん、ありがと」
ぱく。差し出されたら咥える。
彼女相手なら、すっかりその辺りも慣れてきたらしい。
「……その体の影響?
暗いところはよく見えるんだ……」
普通とは違う彼女の体。
触り程度に聞いた過去の事を考えると、知らない事も多い。
じ、と横目で見やる碧の視線。よく食べる方で、ポテトはどんどん数を減らしていく。
「ちゃんと食事とかはしても大丈夫、なんだよね?
一緒食事とかも出来るし……基本的な機能は人と変わらない……のかな?」
■伊那美 環菜 > 「あ、もちろん加減はするよ?
言われてみるとドアノブだいじょーぶだったかな…。」
マンガとか的なばーん、のつもりだったようだが、
あらためて注意されるとちょっとだけ心配になったようで、扉のほうを見てわたわたとする。
もちろん加減失敗とかはしてなかったようだが…
異能ゆえにやり方次第ではドアに穴をあけるくらい可能だということを思い出して、ちょっと焦っているようだった。
「寂しいといえばきっと寂しくなるかなあ。
もちろん我慢できないというわけじゃないけれど、メッセージのやりとりくらいはしたいかも。」
うーん と、素直な気持ちを言葉にして。
「でもかんなにわざわざ直前に会うくらいだから、
ちぃくんのほうが不安とか寂しいとかあるんじゃないかなって。」
両手を広げて、抱きとめるような仕草。
「だから今日はいっぱいかんなポイント貯めていってね。」
かもーん。
「ちぃくんはそういってくれるかなって。
だから、うん、迷っちゃったままだったんだあ。」
危険ばかりではないだろうし、近くにいられはするんだろうけれど――
こういう事態になるまでは今の関係でも十分だったのもあって。
「えへへー。」
ポテトを食べさせてちょっと照れる。
こちらも慣れはしたものの、うれしさはまた別のよう。
「たまにね。見えすぎちゃったりすることもあるというか――
・・・そうしてるよ?ちゃんとご飯食べるし。
大丈夫、変なことは特にないはず…ちぃくんだって、いっぱい確かめた…でしょ?」
ポテトを口に放り込んで、咀嚼して見せる。
体温と肌の色のわずかな異常のほかに、只人との違いはない。はず。
■橘壱 >
「頑丈だから大丈夫だとは思うけどね……」
彼女の力の強さは"身を以て知っている"。
結構鍛えている自分ですら押し倒される事がある。
此処は学園都市のお膝元。多分大丈夫、だとは思う。
一応後で確認しておこう。
「勿論メッセージ位はするよ。
環菜ちゃんを寂しくはせたくないし……ん、そう、だね」
気恥ずかしげに少し目を逸らす。
頬もほんのり赤く、熱くなる。
まだ"返事"も返してはないけど、幼馴染との距離は縮まっている気がした。
言われるままにおずおずと肩に手を回して、抱き寄せる。
柔らかく、温かな彼女の感触にはまだ慣れない。
「環菜ちゃんが本当にしたいなら、僕は止めないよ。
けど、危険なことをするよりかはこうして平和に……」
「って、言うのは僕のワガママだけどね?」
何より自分がしたいことを止めようとはしない。
だから止める権利こそないけど、何時しか彼女も"帰れる場所"になっていた。
戦場とは違った日常の拠り所。
多くの友人の中で、ほんのちょっとだけ特別な─────……。
「え、あ、え、そ、そう……かな……。
そ、そうかも……しょ、触診とは、ち、違うけど……」
覚えしか無い。
それこそメッセージでやりとりしたりデートしたり、
その過程で彼女と体を"重ねる"事は何度も在った。
そうして徐々に彼女に慣れはしたけど、徐々にこの快楽に沈められて抗えない自分もいる。
一気に全身が熱くなってきた気がした。二人きりだから余計に、胸の鼓動も高鳴って。
■伊那美 環菜 > 扉についてはあとでの確認だけ環奈からもお願いしつつ。
きゅっと軽く抱き合う。
「連絡が取れるなら、ずいぶんましだから。
もし何かあっても、あきらめなければきっとまた会えるよ。」
そう、きっと。
「ちぃくんの近くにいようとしたら、きっと危険なんだよね。
それはちぃくんが危険だってことで――」
何かを少し察しているように、途中で言葉を濁し。
「かんなは風紀をしたいから、じゃないから。
もう少し落ち着いて考えてみても、いいかなって。」
本当にしたいことはちぃくんの隣にいたいことだから。
「・・・おかしなところ、なかったよね?」
ちょっとだけ不安そうに、抱き合ったまま上目遣いにそう尋ねる。
ちゃんとできていると思ってはいるものの、環奈の異能は
壱くんの不安通りのこともきっとできてしまう。きっと賢い壱くんは気づいているんだ――。
そう環奈は信じている。