2024/06/02 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」に夜合 音夢さんが現れました。
夜合 音夢 >  
ある休日の夕方過ぎ。
どうやら、部屋に帰ってきたのは音夢が一番乗りのようだ。
ルームメイト達は外出中か用事で席を外しているか、いずれにせよ今に戻ってくるだろう。
衣類掛けにコートを掛け、適当な場所に鞄を置いて、真っ直ぐ向かったのはバスルーム。

「~♪」

鼻唄混じりに動物園のCMソングを口ずさみながら制服を脱いでいき、下着姿が露わになる。
薄手のキャミソールに飾り気のないスポーツブラ、同じくシンプルな淡い水色のショーツ。
お洒落というものにあまり頓着していないのが見て取れるチョイスだ。
そもそも、誰かに見せるような場合を想定していない。

下着さえも脱いで一糸纏わぬ姿を晒せば、全体的なシルエットとしてはすらっとしているが、少女らしい肉付き。
強いて気になる点を挙げるとすれば、身体のあちこちに小さな傷痕が残っていることくらいだろうか。
先日のような刺客との戦いで負ったものだが、他人には野生の動物に引っかかれたということにしている。
まぁ、相手が動物霊なので当たらずも遠からずと言ったところだ。

「ふぅっ……」

まだ夏本番には早いとはいえ、外の気温はだいぶ高くなってきた。
ぬるめのシャワーで汗を流していると、無意識に深い溜息が漏れる。

夜合 音夢 >  
「………………」

肌の丸みに沿って掌を滑らせる間も、ぼんやりと思考は巡る。
窮屈な家を飛び出し、ようやく掴んだ平穏な日常。
しかし、何もかも忘れて……というのは夜合衆が許してくれないらしい。
今はまだ木っ端の人間しか送り込まれてきていないが、撃退を続けていれば向こうも黙っていないだろう。
そうなった時、ルームメイトや学友たちを巻き込んでしまわないだろうか。
少女の異能(ちから)では己の身を守るのが精一杯。
もしも彼女達に危害が加わるようなことがあったら―――

束の間の平穏は、薄氷の上のとてつもなく脆いものに思えてならない。
後ろ向きな思考を振り払うように、シャワーの温度を下げて頭からかぶった。