2024/07/13 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」に橘壱さんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」にクロメさんが現れました。
■橘壱 >
常世学園 某日。
此れは橘壱が常世渋谷に行く前のお話。
夜も更けた頃合いに一人の男子生徒が女子寮のロビーを抜けていく。
時間も時間なので誰もいないのは余計な誤解を招かなくて助かった。
片手には重厚なトランクに、反対には色々入っているビニール袋。
慣れた手つきである一室の前に来れば、キーを照合し鍵を開ける。
恋人のお部屋にこっそり来た男子生徒?いやいや……。
「……そんなにロマンチックならどれだけ良かったか……。」
少年は童貞である。生憎そんないい話とは無縁である。
どことなく虚しい顔をして扉を開ければさっさと鍵を締めて玄関へと上がっていく。
……相変わらず明かりも付けていないようだ。
明かりをつければ、部屋まで一直線。
「クロメ、いるか?」
■クロメ >
別に欲しいと思ったわけでもないが、部屋を持て、と言われて押し込められた部屋。
それが、この「女子寮」とか言う場所の一室であった。
そもそもにして使わないものを使えと言われても困るのだが……
まあ、やむをえまい
そんなことを考えるのであった
――少年が入ってきたのは、そんな部屋である
それ故に、彼の前に現れたのは……
一匹の蝙蝠がぶら下がった光景であった
「……なんだ?」
声は、蝙蝠から聞こえた
■橘壱 >
部屋に入った矢先に目についたのは蝙蝠だ。
アイツのペットなのか。そう思ったが蝙蝠が喋った。聞き覚えのある声で。
「その声……クロメ、なのか?
いや、まぁ、蝙蝠に化けれるのか……。」
ちょっと驚いて目を丸くしたが、そういう力があっても不思議じゃない。
相手は人間じゃないわけだし、そういった芸当が出来るのものなのだろう。
相変わらず、部屋と言うには殺風景な空間に適当に胡座を掻けば一息。
一応、曲がりなりにも相手の部屋なのに許可なく座るのは育ちの悪さが出ている。
ごとりと置かれたトランクに、軽い音を立てたビニール袋。
「別に何ってわけじゃないが…様子を見に来ただけだよ。
多分夜型だろうからこの時間に来てやったけど、まさか寝る時間だったりするか?」
■クロメ >
「化けれもするが……」
今回のは厳密には違う、のだが……そこまで説明する義理もない。
ついでに言えば、説明するのが面倒くさい。
故に、みなまでは言わない。
「睡眠など不要だ」
眼の前に、実体が現れる。
蝙蝠の影から浮き上がってくるように。
「様子か。見ての通りだ。満足したか?」
無機質な部屋に無表情に収まる怪異は、無機質な声で応えた。
特に何も変わりはない。
わざわざ来るとはご苦労なことだ、とでも言うように
「帰ってゲームなるものをする時間ほどは残るぞ」
今から帰れば、それくらいの時間はあるだろう。
一応の配慮位はする
■橘壱 >
「うおっ……一体何処から出てきたんだ?」
吃驚した。影から浮き上がるように、少女の姿が現れた。
化けていたわけでもない。転移?それとも隠れていた?
何とも言えない妙な術だ。いや、怪異と言われる存在ならそれ位出来るのだろうか。
「寝なくていい体は少し羨ましいな。
……まぁ、変わりが無いようで良かった。」
とりあえず自己申告状では問題ないらしい。
その姿も前みた時と何ら変わりはないからそうなんだろう。
こうして様子を見に来たのも仕事の一つだが、個人的な用だってある。
「まぁ待てよ。別に今すぐ帰ろうと思ってない。
……なんだ。少しアンタと話をしたいっていうのもあった。」
他人のことを知ろうとし始めた少年は、自らの監視対象に興味を持った。
そもそも、彼女のことを何も知らない。ただ無愛想で冷たい女、それくらいだ。
自分が監視する相手の事くらいちゃんと知るべきだと思ったから、此の部屋に足を運んだのだ。
「お菓子とかって食べるのか?一応、それっぽい飲み物とかお菓子は買ってきたんだが……。」
ビニール袋を一瞥した。
■クロメ >
「影から」
ごく当たり前のように、眼の前の事象を説明する。
言われたのはそういうことではないかもしれないが。
「数日で変わるものか」
人間ならともかく。
その程度の期間で変わるようなほど、怪異は真っ当ではない
不要な心配だ、とでもいうように
「……話? それなら、そう言え」
わずかに首を傾げる。
どうも、この男は最近、そういうことに興味を持ってきているようだ。
他人などどうでもいい、という空気だったと思ったのだが
「……不要、ではあるが」
といって、食べられないわけでもない。
先だっても、流れで人の食べ物を食べる羽目になったのだ
「……」
まあ仕方あるまい、と対面に座る。
■橘壱 >
「当たり前のように言うんだな……そういう魔術なのか?」
影抜けの魔術、忍術というのも存在する。
或いは、そういう種族の特性なのか。
何ともそういう事を当たり前に言うのが超常的な存在。
そういうのも、少しは羨ましいと思ってしまう。
「数日で変わるかも知れないだろ、一応気にはかけてるんだ。
……何かあったら、僕だって寝覚めが悪いんだよ……。」
確かに、此の学園に来た当初ならそれこそ何が起きてもどうでもよかった。
今だってきっと、こんな事言わずに帰っているだろう。
しかし、それを不変ではいられなかった。
良くも悪くも、少年は変わり始めている兆候である。
やや呆れ気味に、諭すように入れば対面に座った彼女を見て目をパチクリ。
「……意外と話せるんだな。」
正直、拒否されるかと思った。
だが、応じてくれるなら願ってもない。
ほら、と二人の間においたのはポテチとかスナック菓子や探索飲料が入っている。
どれも味が濃い系の奴があるのは結構若者趣味だ。
「食事とか不要って言うけど、じゃあどうやって……えーっと。
人間で言う栄養?とかそういうのって取ってるんだ?」
とりあえず適当にポテチの袋開けて訪ねてみる。
濃いめのコンソメの匂いが鼻に突いた。
■クロメ >
「……能力だ」
一々教えることでもないが、教えて不利になるほどのことでもなし。
端的に応える。自分、という存在が手に入れた性能の一つに過ぎない、と。
「安心しろ。お前が死ぬころでも変わらぬだろう。」
そこまで気にすることだろうか。妙な人間だ。
放っておけばいいというのに。
どうせ嫌でも変わらず生きているのだろうし
「手を変えられても、面倒だしな」
今回、拒否されたから、と別のアプローチをためそう、などとされても面倒なだけだ。
それであれば、今さっさと済ませてしまったほうが楽でいい。
拒否する理由も、あるわけでもなし。
「……妙な匂いだな」
コンソメの匂いを嗅ぎ取ったのか、感想を漏らす。
人間は本当に、無駄に色々開発しているようだ。
「……霞」
食事、としてぽつり、と口にする
「実際には、お前たちが何と言うか知らぬが。空に漂う魔の力だ。」
果たして、先程の応えは冗談だったのか本気だったのか。
そう、付け加えた。
■橘壱 >
「能力、ね。まぁそういうものと言えばそうなんだけど、器用なんだな。」
その一言で片付けれる程に多彩なのだろう。
怪異という位だ。少なくとも、非異能者の自分では想像もつかないほどに色々持っていそうだ。
異能者や、超人とも違う存在。ただ、怪異とは得てして敵対的とばかり思っていた。
冷たいながら中立的な彼女は、怪異と呼んでいいものなのだろうか。
「……長生きなんだな。一体どれだけ生きてるんだよ……。」
ただの人間、長く生きてて80年そこそこですら向こうにとっては"そんなもの"。
自分が思う以上に時間の認識がズレているほどに長命種なのだろうか。
それこそ案外途方も無いのかもしれない。なんだかな。
「僕はそこまでしつこい男じゃない。イヤなら引き下がるさ。
……それにしたって案外人付き合いはいいんだなって思っただけさ。」
それこそ拒否だけならいくらでも出来る。
ぱかっと開いたポテチの袋は所謂パーティー開き。幾らでもシェアできる。
「美味しそうな匂い……なんだけどな、人間目線だと。
こういう匂いはあんまり好きじゃないなら、次からは控えるよ。」
「かす……まぁ、成る程。エーテル的なそういうのか?
まぁ、なんとなくわからなくはないが……本当に仙人だな。」
そういう生物がいることは知っている。
空気中には一応、微力ながらそういったものが流れたりすることもあるらしい。
ふぅん、と思いながら周囲を見渡しながら、ポツリ。
「美味しいのか?ソレ……。」
■クロメ >
「千は超えた」
生まれてから、それほどの時間は経っている。
活動していなかった時期もあるので正確なところはわからないが……
そもそも一々細かく数えているわけでもない。ただ、断片的な情報からでも推定はできる。
その結果がそれである。
その数字に意味があるかと言われれば、自身では意味を感じない、が。
最早振り返る意味も、顧みる意味も……
「……拒否すればよかったか?」
なるほど、それなら次があれば拒否してもいいのかもしれない。
そんなことを軽く考えてみる。まあ次があれば、だが
「別段、気に入らないわけでもない」
どちらかといえば、無、に近い。
ただ、嗅ぎ慣れていないだけで、感慨はない。
「? 妙な疑問だな。味などあるわけがないだろう?
いや……人間は、そうか」
なにしろ、これだけ色々と無駄に作り出しているのだ。
それだけ、味も気にするのだろう。
■橘壱 >
先は超えた。自分が思うよりも相当に長生きだ。
それこそ予想以上に途方もなくて、想像もつかない。
「千、千か……想像つかないな。
そんなに長い時間を世界を見てきたのか?」
毎日ですら大変な人間だと言うのに、それを千年単位は共感すら難しい。
彼女は、一体この千年以上何を思って生きてきたのだろう。
人は歴史、とは言うかも知れないが今目の前にいるのは超弩級だ。
顎に指を添え、それこそじっとレンズの奥で彼女を見据えた。
「イヤならすればいいってだけだよ。
まぁ、僕としてはこうして受け入れてくれたのは嬉しいよ。」
正直正面から拒否されるとそれはそれでちょっと傷つく。
ヘンに気をもまずにすんだ。案外優しい所に感謝だ。
「そうか。じゃあ、食べてみたらどうだ?
あーだこーだ言うよりは、食べてみた方が案外好きな味かもしれないぞ。」
僕は好きだけど、とコンソメチップスをパクリ。
うん、ザクザクとこういう濃いめの味が最高なんだ。
「……まさか、クロメは味覚とかそういうのも無いのか?」
■クロメ >
「一時は寝ていた。が、数百年は……」
世界を見た、といえばそうだとも言えるだろう。
それにどれだけの意味があるか、という話なら。意味はない気もする。
「……つまらん話だ」
だから、そう結論づける。
千を生きたから。仮に万を生きたとしても。
それだけ世界を見てきても、人は大して変わっていないように思える、のだ。
「別に、おまえを嬉しがらせるため、ではない」
こちらの都合で受けただけだ。
それで、相手が喜ぼうが自分には関係のないことだ。
……まあ、喜んだのであれば面倒は減るかもしれないので僥倖ではあるのだろうか。
「……まあ、そうだな。」
手を伸ばし、ポテチを口にする。
ぽり、ぽり。
一口が小さい。体格通り、とも言える。
「味くらい、わかる……芋、か?」
それにしても妙な味がする。
この、なんともいえない塩っぱい感じと甘い感じ。
■橘壱 >
「…………。」
それこそ数千年以上生きていた。
結論づけた言葉は、それこそ無感情。
いや、無関心なのか。少年は、それこそ17年間しか生きていない。
彼女と比べれば、足元にすら及ばないだろう。
訝しげに顔をしかめて、少し黙ってはしまったが、それでも。
「……しっかり見た上で、言っているのか?」
そう言わざるを得なかった。
お前のその視点は、しっかりと彼等の事を、世界を見た上での結論なのか、と。
真っ直ぐに、碧の視線は彼女の目を見据える。
「わかってるよ。ただ、言う割には付き合いがいいと思っただけさ。」
なんだかんだ付き合ってくれる。
これが所謂ツンデレという奴なのか。
ゲームやアニメだと好きなのに、リアルにいると結構疲れるな。
社会性、コミュ障な少年は実際四苦八苦だ。
そんな彼女の食事風景を見ている。意外と一口が小さい。
こういうところは見た目相応なんだな。意外と愛嬌がある。
「……ポテトチップス。芋を油であげて味付けしたお菓子。
僕みたいな若者とか、大衆向けのスナック菓子ではあるんだけど、どう?」
■クロメ >
「嫌でも見せてきたからな。お前のように」
目線を受け止め。いつもの無感情で、冷ややかな声と口調で応える。
否も応も無く。関わらざるをえなかった。
結果、様々なモノを見ることになったのだが……
ああ、そうだ。
人にも色々いるのは知っているし、わかっている。
それでも……いや、もうどうでもいいことだ。
「……例えば、だ。
潰せば万となって群がってくる虫が、自分の身体を這ってきたらどうする?
潰すか?戻すか?放っておくか?」
そうなれば、潰すのはめんどくさい。かといって放っておくのも何があるかわからない。
それなら丁重に送り返すのが一番だろう。
その程度の話だ、と。
「……塩だな。食えなくはない」
ぽりぽり、と小さく小さく齧る。
表情も声も相変わらず無愛想なままではあるが。
「……で。食べていればいいか?」
■橘壱 >
「……僕のように、アンタの事を監視する奴がってことか?」
関わらざるを得なかった。面倒だから抵抗しなかった。
長命種。要するに"超越者"という者に入るらしい。
それこそ、その気になれば自分だって叩き潰せるんだろう。
そう、それこそ"虫"みたいに潰せてしまうんだろうな。
それこそ彼女は、そう言うくらいには群がられたらしい。
自分からすれば、話だけ聞けば鬱陶しいし、潰したくもなる。
「思わず潰してしまったり、追い払ったりはするかも知れない。
僕はそういうのはわからないけど、クロメはそんなに…こう、周りに群がれたのか?」
数千年生きた者を理解しようとしている。
途方も無いことではあるが、同じ言葉が通じるなら、せめて一片位は理解して起きた。
彼女は一体、何を思って生きているのだろうか。
「食べたいなら食べたらいいし、飲み物もあるよ。」
ほら、とビニールを顎で差した。
所謂サイダーとか、キンキンに冷えたやつがある。
そんな会話をしながら、彼女を見ていると思わず気になる事がある。
その体に刺さった、杭めいたものだ。
「……ソレ、痛くないのか?」
思わず聞いてみた。
■クロメ >
「監視、はお前が初めて……いや、そうでもないか。」
そんな昔のことは忘れた、と言いたいところだが。
記憶の片隅には嫌でも残っていた。
別に思い出したいわけでもないのだが。
それにしても、そんなモノを聞いて面白いのだろうか。
「そうだな……最初は、群れなどではない。一人だった。」
ぽつり、と口にする。
口にしてから……無駄なことを口にした、と噤む。
戯れにしても、話すようなことでもなかろう、か。
「不要だが……まあ、いい」
一つ、飲み物を手にして……少し首を傾げる。
なにしろ、携帯する水入れなど水袋しか知らないのだ。
缶も、瓶も、初めて見る。
「……」
コッ
金属を貫く音がした
「……ん。甘いな」
開けた穴から器用に中の液体を飲んでいた。
原始的なのか、先進的なのかわからない。
「……これか? 痛いわけがないだろう?
狂人でもあるまいし」
痛いのにわざわざつけたままにするような馬鹿があるか、とでも言いたげである。
ある一定の特殊な趣味を持っていればそういうこともあるかもしれない。
■橘壱 >
「……一人、また一人と増えていって、気づけば……か?」
それこそ本当に虫のように一人、また一人と増えていった。
それが環境によるものなのかはわからない。
それこそ彼女の言う"虫"のように群がってきたのだろう。
餌を求めて、体よく群がってくるように…見えたのかも知れない。
実態はわからない。そんな時代の人間の考えまで、わかるわけが無い。
ただ、誰も当の彼女に気を使わなかったのか。
自分が言えた立場ではないが、それこそ誰も何も考えなかったのか。
それほどまでにその次代の彼女は珍しかったのだろうか。
橘壱の思考がグルグル巡っていく。そう、彼は変容後に生まれた人間だ。
そういった種族など性別などにグローバルな感性を持っている。
だからこそ、余計に理解に乏しかった。その次代の、人々に。
顔をしかめたまま、色々思考を巡らしていると妙な音がした。
「……お、おいおい……。」
そうやって飲むのか。
いや、彼女にとってこれは"初めて"なんだろう。
思わずびっくりしてしまったが、違う違うと缶を手に取った。
「こうやるんだよ。」
プシュッと缶を開けて、一口喉に流す。
シュワッとした冷気はこの夏によく効く。
「まぁ、痛いのをそのままにしておくわけはないだろうが……。
つい、目についちゃってね。それはファッション…じゃ、ないよな。なんで付けてるんだ?」