2024/10/06 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」にセレネさんが現れました。
セレネ > 部屋に広まる甘く香ばしい香り。
オーブンから取り出した焼き立てのクッキー達を
ミトンを付けて取り出して、上手く焼けている事を確認。

『ん、綺麗に焼けているみたいで良かった…』

形はカボチャのランタンやら、コウモリの形やら、お化けの形。
ハロウィンらしく味も秋の味覚を取り揃えている。
友人達や、幼い少女にあげる為のものだ。

冷めるまでこのまま置いておこうとキッチンの広いスペースに置き
ミトンを置いて紅茶を淹れる。
…ちょっとくらい味見をしても良いだろう。
数枚をお茶菓子に、今回の茶葉はニルギリをチョイス。

『あら。そんな目で見つめても貴女にはあげないわよ』

足元に寄って来た愛猫の青い目を見下ろしながら頭を一撫で。

ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
 ――そんな穏やかな月の姫の部屋の窓。
 そとから、かりかり、と何かがひっかくような音。

『なぉーん』

 そんな鳴き声は、窓の外の丸っこい白猫のもの。
 『マシュマロ』と名付けられている白猫は、名前の通りふくよかに丸っこく育っていた。

『んなぁ~』

 入れてーとばかりに、かりかり窓枠をひっかく。
 親しい少女の飼い猫が、勝手に遊びに来てしまったようだった。
 

セレネ > 先に気付いたのは愛猫。
己もそれに釣られて窓に蒼を向ければ、見えたのは白く丸い猫。

『あら、まぁ。珍しい来客ね』

テーブルに紅茶を置いた後に窓を少し開けては
可愛らしい客人を部屋に招こう。

『こんばんは、お久し振りかしら?
私の事覚えてる?なんてね』

動物相手には使い慣れた異国の言葉で語り掛け、
大嫌いな虫が入ってくる前に早々に窓を閉め切った。

『貴女ひとりで来たの?』

部屋には焼き立てのクッキーの香りと相変わらずのローズの香りが漂っている。

神樹椎苗 >  
『まぅ~』

 ヘンな鳴き声と共に、開けて貰った窓からするすると――いや、猫のクセにちょっと窮屈そうに入ってきた。
 どうやら最近は、別荘で食生活が充実しているらしい。
 そのせいで、飼い主にご飯抜きにされたりするのだが。

『んまぁ~ぅ』

 家主の月姫に、「もちろん」とばかりに見上げながら甘えるように鳴き。
 すぐにきょろきょろしては、遊び相手の蒼眼の友猫(主観)を探し始めた。
 勝手知ったる友猫のお家。

『ぅなぁ?』

 不思議そうな鳴き声で答えると、間もなく。
 かんこん、と。
 普段よりとっても控えめなノックの音がするだろう。
 

セレネ > 以前見た時より何だか…丸くなってないか?
いや、それを言うなら多分己も人の…
この猫の事は言えないかもしれないけれど。

『フフ、ほらアルミナ。
お友達が来たから一緒に遊んであげて』

丸い猫とは違い、愛猫はすらりとスタイルの良い身体つき。
「み…」とちょっとジト目で見られた気がするけれど今は無視しておいた。
一度尻尾をぺしんとすると仕方ないわねと言う様に
マシュマロの所へと近付いていくだろう。

『…あら、今度は飼い主の子かしら』

いつもなら近所迷惑となっても仕方ないようなノックをするというのに。
今回は随分と控えめだ。

玄関まで歩いて行けば、鍵を開けて扉を開こう。

「はぁい」

言語はきちんと日本語にして。

神樹椎苗 >  
『んみぃ~』

 ちょいちょい、と美猫に近づいて、鼻をくっつけると、頭をすりすりと合わせてご挨拶。
 その後は、ぺたんと伏せて、家主の友猫のお沙汰待ち。
 猫の社会はなんだかんだ上下関係が厳しいのでした。

「――ぽんこつ女神」

 扉を開けると、蒼白のドレスに、同色の髪飾り、足元も蒼いヒールの小娘は。
 へにょり、と力なく家主の胸の中に倒れ込むように凭れかかった。

「くっそ、疲れました――」

 その声からは、普段の気だるさとは明らかに違う、完全に疲れ切った様子が見聞きできただろう。
 

セレネ > きちんとご挨拶をしてくれる丸い猫には、
凛とした顔をしながらも嫌がる素振りは見せずに。
そのまま伏せた彼女を見、
優しくそのもちふわボディを片足でペシペシして
波打つ感触を楽しむ愛猫の姿が暫し。

「こんばんは、椎苗ちゃん」
「今日は随分と可愛らしい格好で……」

「わっ」

疲れた様子で凭れ掛かって来た小さな彼女を受け止めると
立派なクッションとして仕事をする己の胸。

「まぁ…どうしたんです?
何かあったのですか?」

よいしょ、と彼女を抱えられるならばそうして。
一先ずは部屋に上げるとしよう。
きちんと靴を脱がし、玄関先に揃えて置いた。

「丁度紅茶と…クッキーを焼いたところだったんです。
良ければどうですか」

神樹椎苗 >  
 猫同士は、なんだかんだ仲良くやっているようで。
 マシュマロのポヨポヨお腹の感触が気に入ってもらえたのか。
 マシュマロはお腹を向けて転がされていた。
 うーん、年功序列。
 マシュマロ(4歳)では、美猫のお姉様にはさからえないのだった。

「ん、色々と――はあ」

 月の女神に優しく抱き留められると、ようやく落ち着いたように気の抜けた声が漏れた。
 その後は、されるがまま抱き上げられつつ。

「いいですね、クッキー。
 今は甘いもんがほしーです。
 紅茶もしつこいくらい甘めに」

 などと、図々しい注文をいつものように付けつつ。
 自分が勝手に持ち込んでいる大きなネコマニャンのクッションに、相当に品の良いドレスにも関わらずくったりと寝転がってしまうだろう。
 

セレネ > 自身とは違うボディを持つ彼女は、この猫にとっては良い玩具。
抵抗なく転がされるマシュマロに遠慮なく腹を叩いてリズムを取る。

「……つまりいつもより倍のお砂糖や蜂蜜が欲しいと」

甘党なのはもう周知の事実だが、今回は相当らしい。
己の分と彼女の分をそれぞれ淹れて、彼女には追加で蜂蜜や砂糖の小さな瓶も添えて。
己はベリーのジャムを用意。それぞれティースプーンも一緒に。

「あぁ…ほらほら、椎苗ちゃん。
お疲れなのは分かりますけど、そんな体勢はドレスに皴がつきますよ。
…見た限りでも品も質も良さそうなものですのに」

娘を叱る母親のよう。
彼女の傍へと向かうと、きちんと座らせるように。

神樹椎苗 >  
「んぅぅ~、糖分がたりねーです」

 ぐてえ、と。
 ドレスなんか知った事じゃない、というような様子。

「いいんですよー。
 どうせ一度着たら、また仕立て直すんですから」

 さらりと、富豪発言。
 とはいえ、クッキーと紅茶を用意してもらえば、もぞもぞと座り直した。

「はぁ――やっぱりお前のところは心地がいいですね。
 ――って、マシュマロ、お前もいたんですか」

『なぉん』
 
 飼い主に、居るよ、とあっさりとしたアピール。
 今はお姉様に遊んでもらえる方が嬉しいらしい。
 猫らしい気ままさだった。
 

セレネ > 「太らない貴女が本当に羨ましいですよ」

己なんてまた最近体重が増えたというのに。
それはそれとして、しれっと富豪の物言いをした彼女に
ピクリと表情が引き攣った。

「本当に、椎苗ちゃんはお金持ちですねぇ。
一度着たら捨てるとか、そういう思想って本当にあるんですね…」

食器も使い捨てをしそう。
だのにわざわざ己の部屋に来るのは物好き以外の何物でもなかろうが。

「椎苗ちゃんが来るのとほぼ同時くらいでしたよ」
「…少し見ないうちにまた丸くなった気がしますが…」

飼い主と飼い猫の体格の違い。
それは己も人の事は言えないかもしれないけれど。

神樹椎苗 >  
「ん、そう言えば少し肉付きが――」

 隣り合って座った女神のお腹にそっと手を伸ばしてみる。
 まあ、触らなくても分かるのだが。
 そこはあえてモーションにする事に意味があるのかないのか。

「金があっても使い道があるわけじゃねーですよ。
 それに、面倒くせえこと極まりねーですし。
 今日も社交会に挨拶回りに――代わりてーなら是非とも変わりますが?」

 正装で一日中歩き回って、零節に気を使いながら挨拶して回ってきたのである。
 それこそ猫のような性格の椎苗には、非常にストレスのたまる一日だった。

「あー――最近こいつ、外で食べ歩きしてんですよ。
 まったく、すーぐに別荘見つけて贅沢な物食わせてもらってんですから」

 そう言いながら紅茶を両手に、一口。
 そうしてようやくほっとしたかのように、隣の女神にそっと寄りかかる。

「――あったけーです。
 今日飲まされたどんなお茶よりも、やっぱりこれが一番ですね」

 そう言いながら、ふわ、と欠伸を一つ。
 本当に疲れ切っているようで、紅茶の一口で、すでに目がとろんとしていた。
 

セレネ > 「やめなさい」

小さな手がセクハラをするのを止めようと
そっとその手を優しく掴む。
お触りは駄目です。

「あぁ、やはり社交会でしたか。
でもそういう挨拶回り、大変ですよね。
…気持ちは分からなくはないです」
「代わるのは…ご遠慮しておきますね」

己は常にこんな感じだから、彼女より疲労はマシかもしれないけれど。
それでも疲れはするな…。

「あらまぁ。
あまり身体に悪いものを食べさせるのも宜しくないですのに」

己もジャムと紅茶を口に含んでは
寄り掛かった軽い感覚に蒼を向けた。

「まぁ。質としては並…より少し良いものではありますが」
「眠いです?」

眠そうな彼女へ、髪飾りをそっと外してやりながら。
少し悩んで、ベッドへ運んで寝かせにいくつもり。

神樹椎苗 >  
「ふむ――で、胸が――ですか。
 成長期が終わらねーですねえ」

 紅茶をもう一口。
 はあ、温かい。

「んー、最近は特に多いもんですからね。
 研究を続けるにも、出資者が居なくちゃ話にならねーですから」

 研究区にある研究室の預かりである椎苗が、挨拶回りに出る事にこそ意味があると言うのが面倒なのだった。
 神樹椎苗はつまるところ、研究室最大の研究成果であるのだ。

「うちでは肥満猫用のカリカリしか食えませんからね。
 まあ太ってるだけで健康優良児ではありますが――ぁふ、んっ」

 髪飾りを外してもらえば、自分から女神の背中に手を回した。
 もう自力で動くつもりは無いという意思表示。

「品質じゃねーんです――お前のお茶がいいんです

 小さくこっそり呟く。
 とは言え。
 身体を預けようと抱き上げられてしまえば。
 その耳元で囁くようになってしまうので、聞かれてしまうわけなのだが。
 

セレネ > 「今何か言いました?」

デリケートな話ですよ、とジト目。
彼女の情報収集能力はとんでもないからな…。
隠そうにも隠せまい。

「そんなに研究が盛んに?
少し前まではここまでではなかったでしょう?
…少なくとも私が知る限りですが…」

もしくは、アピールをするために
彼女を頻繁に連れ出しているのかは分からないけれど。

「それかもう少し運動させるとか…?
あの子が嫌がらなければですけど…」

あぁ、完全に甘えるモードに入ったなと認識。

「あら。まぁ、ふふ。
嬉しい事言ってくれますね」
「私の所に来てくれるのならいつだってお茶を淹れますよ」

呟かれた言葉は残念ながら、バッチリ聞こえてしまった。
クスクスと小さく笑うと、彼女の頭を優しく撫でてそう告げて。
彼女の居場所の一つになれるなら、それが一番。

神樹椎苗 >  
「ん、んっ。
 ――んまあ、ここのところ大きな成果物が出てるわけでもねーですからね。
 しいのスペックをアピールするのが一番効率がいいんですよ。
 ――室長はいつも苦い顔しますけどね」

 あの人の好い室長が、今朝も申し訳なさそうにしていたのを思い出して、くす、と笑う。
 四年前――学園に入った頃と比べれば、随分と人間扱いされるようになったものだと思う。
 そして椎苗自身も――それを嬉しいと思えるようになりつつあった。

「ふわぁぁ~――運動させるなら、アルミナにスパルタしてもらうのが一番ですね」

 そう言って、澄ました美女に放り出した。
 お姉様に抗えないマシュマロ体型には一番の薬だろう。

「む――こういうのは聞こえないフリをするもんです」

 と、ほんのり頬を赤くしつつ。

「ん、それじゃあ――これからも遠慮なく、あそ、びに――」

 柔らかな寝台に寝かされれば、一瞬。
 すとん、と眠りに落ちてしまう。
 それだけ疲労もあったのだろうが――以前から時折あった、不自然な眠りにも、どことなく似ているようだったかもしれない。
 

セレネ > 「…室長さんって確か…」

以前聞いた話を思い出す。
彼女の研究室の室長は、この子を人間と同じように扱うと。
己は研究員ではないので彼女を普通の子と同じように…
大分娘に近い感覚で接しているけども。

「あぁ。あの子ならきっと引き受けてくれるでしょうね」

何か察したのだろうか。
此方を見てみぃと可愛らしく鳴いた愛猫を見る。
尚もマシュマロをコロコロと転がしては、
てしてしともちもちボディに軽く猫パンチを喰らわせていた。

「ごめんなさいね、嬉しくてつい」

そんなこと滅多に言わない子だから余計に嬉しくなってしまって。

「おやすみなさい、椎苗ちゃん」
「それにしても。
……疲れているにしては、やはりどうにも寝入りが早いのよね…」

この寝入りの早さは気になってしまう。
ただの杞憂なら良いのだけど。

兎も角、眠った彼女に布団を掛けると、
片付けや諸々の為にまたキッチンに立つのだった。

ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 一人部屋」からセレネさんが去りました。