2025/05/22 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」に鶴博 波都さんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 部屋」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
「――ぽっぽや~?」
その日は、いつぞや凍死直前のところを助けてもらったお礼参り――という表現は適切ではありません。
椎苗と言う気まぐれな小動物にしては珍しく、律義にお礼をしに来たのでした。
ネコマニャンのぽよぽよとしたきぐるみを着て、その手には大きな箱を持って。
さてさて、どうやって部屋主を呼ぼうかと言えば。
「ぽっぽや~、いませんか~」
そう声を掛けながら、鳴るのはゴンゴンゴン。
脚癖の悪い小動物は、手がつかえなければ足でノックをするのでした。
■鶴博 波都 >
冬空の下で子猫の様な少女を保護してから数か月が経ち、春も過ぎて梅雨に差し掛かる頃。
暦の上では立夏も過ぎて日の入りも大分延びた。
学年も変わり、配属も鉄道公安局に変わった。
まだ引継ぎや付き添いで本格な仕事には就いていないけれど……。
「あれ、誰でしょう?」
散らかしていた読みかけの雑誌を棚に片付けてからドアの前へ。
「あっ、しぃちゃ……ん?」
謎のネコ?のきぐるみ? ……と思ったら、しぃちゃんの顔。
誰かと判別出来れば、中へ招き入れます。
「お元気でした?」
■神樹椎苗 >
「ふふん、もちろんお元気ですよ。
ほら、みての通り手が塞がってるんですから、早く部屋にいれるのです」
そう言いながら、ずいずいっと部屋に入ると、テーブルの上に大きな箱を、ででんっと置きます。
そして自分も、ぽよん、とすわります。
どうやらきぐるみのクッション性能はとても高いようです。
「ぽっぽやも元気そうですね。
最近、配属も変わったみてーじゃねーですか。
どんなもんですか?」
そう自分の部屋かのように、ふてぶてしく座って、部屋主に問いかけるのです。
■鶴博 波都 >
以前と変わらずあまりかわいげのない部屋。
せいぜい刑事モノの雑誌と音楽雑誌が少し増えたぐらいだ。
ゲームで遊んだりしていれば、データや使用感もほぼそのまま。
「はい。鉄道公安の方に少し変わりまして。
まだ単独での仕事はしていませんけれど、中々緊張して大変です。
人の役に立つことではあると思うんですけれど……。」
「いまのところできているのは精々、鉄道内での痴漢案件の取り締まりぐらいでしょうか。」
困った風に眉を下げながら、近況を答える。
あまり楽しくはなさそうだ。
「とりあえず、冷たい飲み物を入れますね。
しぃちゃんはオレンジジュースと麦茶だったら、どっちが好きです?」
■神樹椎苗 >
「なるほど、鉄道公安――治安維持にでも目覚めました?」
少女は普通の『ぽっぽや』だったはずで。
荒事に積極的だった覚えはありませんでした。
「痴漢の取り締まりなんて、鉄道を使う女子には特別に助かる仕事じゃねーですか。
立派なもんです」
そう言いながら、ふてぶてしい子猫は、ぽてんと床に転がりながら、少女の方にきぐるみの腕を伸ばしつつ。
「んー、ジュースがいいです。
麦茶はシロップを入れたくなっちまうんですねー」
ぽよんぽよんのきぐるみで、お腹を見せてごろんごろん。
すっかり我が物顔です。
■鶴博 波都 >
「でも……わたしの意思ではないので。」
そのような配属になっただけなので、彼女の意思はありません。
彼女がしたのは、配属変更の辞令を眺めることぐらいでした。
「ありがとうございます。ただ……えっと、シューズを入れてきますね。」
言葉を濁しながら転がる子猫を尻目にキッチンに出て、
冷蔵庫からオレンジジュースと氷を取り出してグラスに注ぐ。
「しぃちゃんは何かありました?」
転がる子猫の前にオレンジジュースを置きながら、隣に座ります。
■神樹椎苗 >
「まあ、組織人は辞令には逆らえねーですか」
それを特に憐れむ事はないが。
それが自分の望んだ仕事と違うとなれば、思う所の一つもあるのかもしれない。
「ん、しぃはそうですねえ。
可愛い童貞を美味しくいただいたくらいですか。
初々しい反応ってのは、やっぱりいいもんですねえ」
なんて、子猫から出るには下世話なトーク。
いただかれた少年が、自己嫌悪で泣いていた事とか気にしていませんね。
「後はまあ、仕事が落ち着いたもんですから。
ぽっぽやにお礼にでもしようと思ってきたとこです」
そう言いながら、両手の指で大きな箱をクイクイと指差し。
開けろと言わんばかりですが。
中には濃厚なチーズケーキ。
外側はパリパリのチーズ、次は濃くてとろけるクリームチーズ。
最下段を支えるのは、タルトのようなサクサク生地とどっしりとしたチーです。
見れば一目でわかるくらい、お店で出てもおかしくないような、パティシエ級のチーズケーキでした。
――少々サイズがおかしいところを除けば。
■鶴博 波都 >
「ドーテ……スイーツ屋さんの名前かなにかですか?」
紐付かず思い至らなかったらしいのか、不思議そうな顔。
春のチェリーパフェでも食べたのかな、と、勝手に想像している。
「それで今日は来てくれたんですね。しぃちゃん、ありがとうございます。
今空けちゃいますね。ちっちゃなしぃちゃんと並べると、不思議と大きく見え……」
箱を開けていきます。
中には美味しそうなチーズケーキのタルト。
そしてしぃちゃんが持ってるから大きく見えるのかな、と思ったけれど……。
「ほんとうに大きい?」
おもむろにグラスを横に置いてみます。
やっぱり大きい気がします。
■神樹椎苗 >
「――うん、ぽっぽやはソレでいーんでしょーね」
セクハラするつもりが不発してしまったので、遠い目になりつつ。
清純っていいなぁ、なんて思う椎苗でした。
残念ながら、スレにスレてしまってますからね、この子猫ときたら。
「んー?
そりゃあ大きいですよ。
八号サイズですからね。
本当は十号で作るつもりだったんですが、手持ちに道具がなかったもんで、妥協する事にしました」
などと、妙な事を言っています。
まるで自分で作って来たかのような。
実際、椎苗が作ったのですが、大きさと言い見た目と言い、手作りとすぐに繋げるには難しいかもしれませんね。
■鶴博 波都 >
「……? ?? ???」
お目目をぱちくりとしながら、何度も首を傾げます。
3~4度往復させた所で思考を切り上げ、気を取り直します。
「??? えっと……とりあえず、ケーキを切ってきますね。
ケーキを買ってきてくれてありがとうございます。しぃちゃん。」
すぐに紐づけることができなかった為、手作りであることには至りません。
それはそれとして、箱を仕舞い直してからキッチンに持ち込み、ケーキを切りに戻ります。
■神樹椎苗 >
「買って――?
ん、ん、ん~――まあいいですか」
わざわざ手作りだと主張する必要もないかな、なんて思うタイプでした。
自慢しに来たのではなく、お礼に来たのですからね。
「お前が食べやすいくらいに切ってくればいーですよ。
しいの分は別に部屋にありますし。
それ全部、お前が食べてもいーやつですから」
一緒に食べるならそれもよし。
独り占めしてもそれもよし。
椎苗としては、優しい少女と気兼ねない触れ合いが出来れば大満足なのでした。
■鶴博 波都 >
「~♪」
(このケーキ、さっき言ってたドーテのブランドなのかなあ……?)
おとぼけはとちゃんは暢気なことを考えながら、
ケーキを良い感じに切り分けます。
大きめなので、いつもより細かく切り分けました。
そのうちの1/2程を大皿に乗せて、残りは味が落ちない様に冷蔵庫に保存します。
「お待たせしました。スプーンとフォーク、どっち使いますか?」
切り分けたケーキを大皿に乗せて持ってきて、その上でケーキ用の小皿とスプーンとフォークを配膳します。
はとちゃん自身はスプーン派の様で、スプーンを手元に置きました。
「おいしそうなチーズケーキのタルト、改めてありがとうございます。
配属が変わって大変だったので、気分転換でとても嬉しいです。しぃちゃん。早速食べちゃいましょう!」
■神樹椎苗 >
(――後でドーテイとかで調べねーといいんですが。
なんかすげー罪悪感がありますねこれ)
傍若無人の小娘にも、人並みの罪悪感くらいはあったようです。
純粋な少女にセクハラをしようとした自分が、随分と汚れているような気がするのでした。
「んっ、それじゃーフォークで。
んにぃっ」
ヘンな声を出しながら、きぐるみがコロン、と起き上がります。
そして、流石に食べづらいのか、もぞもぞときぐるみから這い出して来ると。
透け透けのキャミソール一枚の椎苗は、優しい少女に甘えるようにぴったりとくっつくのです。
「ふふん、美味しそうじゃなくて、美味しい、です。
この島でも五本の指に入る自信はありますからね」
ドヤァ、と自慢げ。
結局自慢してしまう、こらえ性のない子猫でした。
「ええ、食べましょう食べましょう。
これはですね、ここが一番、美味しくて楽しい所なんです。
ほら、ぽっぽや、あーん」
チーズケーキの全部の層を楽しめるようにフォークで一口サイズ(少し大きめ)に取ると、少女の口元へと運んでいくのでした。
■鶴博 波都 >
(ねこさんが脱皮しました)
甘えさせるようにくっつかせながらもフォークを配膳して、
着ぐるみの抜け殻をさりげなく汚れないように離れた位置に片付けます。
「と言うことは……しぃちゃんが作った、んですか?」
自慢げに語る仕草を見て、ようやっと思い至ります。
楽しそうに語る彼女がケーキを差し出せば、そのまま口にくわえます。
「あー、んっ。」
甘くてサクサクなチーズケーキ。
とてもおいしそうに頬張ってから、ゆっくり飲み込みます。
「とっても美味しい……。
じゃあ私からもお返しです。しぃちゃん、あーんっ。」
きっとしぃちゃんも早く食べたいだろうな。
そう思えば、同じようにチーズケーキを乗せて彼女の前に運びます。
■神樹椎苗 >
「む、よく気づきましたね。
ええ、ですからドーテイはお店の名前じゃねーですよ」
くすくす笑うのは、下世話な話が大好きな悪い子猫。
とはいえ、一先ず可愛らしい勘違いを笑うだけで、楽しむに抑えてますが。
「――んふふ、どうです?
ほっぺたおちますか?」
なんて言いながら、自分もぱくり、と食いついて、満足顔。
「んにゅ――うん、我ながらいい出来です。
まー、軽く二億と四千八百万、飛んで二点ってところですかね」
またよくわからない自己採点をしつつ、少女に薄いキャミソールと包帯だけの身体でぴとっと寄り添うように、身体を預けます。
甘えん坊の子猫がするように、すりすりと、頬を寄せるあたりは、可愛げが少しくらいはあるかもしれません。
■鶴博 波都 >
「えへ、蕩けちゃいそうです。」
へにゃりと笑みを浮かべて頷き、自分の頬に手を当てます。
とても無垢な笑顔です。
「麻雀みたいな採点……。」
何故そう思ったのかは分かりませんが、
はとちゃんが麻雀について明るくないなのは確かでしょう。
「包帯、やっぱり外れないんですね。」
キャミソールでない部分が覗くと、痛ましく思えてほんのり消沈します。
とは言え、それは本意ではないだろうと気を取り直して。
「あっ、テレビでも付けますか?」
話題を誤魔化そうと、適当にテレビを付けてみることにしました。
■神樹椎苗 >
「ゥ――んふふー、蕩けちゃってかまわねーですよ」
一瞬、その無垢な笑顔に、椎苗の笑顔が引きつりましたね。
良心の呵責、というものは、この悪戯子猫にもちゃんとあったようです。
「んぇ、なんですか、ぽっぽや、麻雀も出来るんですか?
ならあと二人くらい捕まえて卓を囲むのも悪くねーですねえ」
対するこちらは、麻雀は得意そうな様子ですね。
まあ、おじさま方の接待となれば、酒と賭博となっていきますゆえ。
「古傷だから気にしねーでいいんですよ。
ただまあ、あんなに丁寧に傷口を扱ってくれた知人は、お前で三人目でしたね。
気持ちいいもんじゃねーでしょうに、膿を洗い流してくれたのは、正直嬉しかったですよ」
そう言って、少女の身体に小さな腕を回して抱き着きました。
そんなところに、ふと映ったテレビの映像は――