2024/11/14 のログ
ご案内:「堅磐寮 ロビー」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > 「…はい…ありがとうございます。…あ、荷物は元々全然無いので…ハイ。」

第三の寮と言える『堅磐寮』。そのロビーにて、管理人らしき人と話をしつつ、時々律義に頭を下げる少年。
傍らには、大き目のボストンバッグが一つ…それが、少年の持ち物のほぼ全てだ。
あまりにも少ない私物の量に、管理人さんからも何か心配されたが、少年は首を傾げており。

「…あ、いえ…”バイト”もしているので金銭は普通に生活するには十分ですし…。
はい、親は居ませんが後見人の人とは偶に連絡も取り合ってます…なので、虐待とかそういうのじゃないです。
…単純に、僕はあまり物を持たないだけなので…。」

と、変に誤解されなけない心配をされていたっぽいので、取り敢えずそういう杞憂は大丈夫です、と説明はしておく。
つい先日まで男子寮で暮らしていたのだが、この度こちらの寮に部屋を移す事になった。

(…考えたら、男子寮で気軽に話せる友達全然出来なかったな…。)

そこは後悔と反省。ともあれ、新たにお世話になる寮に入居のこの日。
寮の説明や部屋の案内も済んで、今はロビーで色々と質疑応答や申請書類確認の時間なのである。

――ところで、経歴の1年前より以前が空白になってるけど、これは…?

その質問に対し、「ええ、僕はそれ以前の記憶が無いので。」と、至極淡々と答える。
隠す事でもないし、失った記憶の事は正直全く気にしてないからだ。
――失ったモノは戻らない。そんな考えを持っているので、記憶が蘇ったとしても…何か気持ち悪い

――君の後見人の【蘇芳】さんって…”あの”蘇芳さん?

「…はい?…えぇと、風紀委員会所属の蘇芳なら僕の後見人の人になりますけど…。」

何か含みがある言い方をする管理人さんに、不思議そうにするが深くは特に聞く気は無い。
少なくとも、自分にとっては苗字や学生の身分を与えてくれた恩人であるから。

蘇芳 那由他 > ――成程、君も中々に”訳あり”のようだ…ともあれ、ようこそ蘇芳那由他君。

訳あり?と、内心で不思議そうに。あるとすれば【槍】の事くらいで、過去が無い少年に訳も何も無い。
とはいえ、管理人さんからの歓迎のお言葉に、小さくまた会釈をしつつ…諸々の書類も不備は無しという事で。
晴れて入居手続きが済めば、管理人さんは用があるとの事で、一度立ち上がって再び会釈をして見送り。

「…ふぅ…手続きって地味に大変なんだなぁ…。」

書類仕事とか自分は多分向いてないタイプかも、と思いながらロビーのソファーに再び腰を下ろす。
この後は部屋に荷物を運び入れるだけなのだが、地味に疲れたので少しまったりしたい。

蘇芳 那由他 > 「…男子寮の時は全然友人作れなかったし…こっちの寮では友達とかそれなりに出来ると…いいなぁ…。」

その前に、こっちの寮での生活にまずは慣れないといけない問題がある。
…男子寮と決定的に違う所が一つある。それは、女性や無性、両性の方も暮らしているという事。
…成程、そこは気を遣っていかないといけないなぁ…と、しみじみ考える。
変な気遣いは逆に失礼だけど、あまりに無遠慮すぎるのも駄目だろうし…悩ましい、けど。

「…なるようにしかならない…かなぁ。」

取り敢えず、浩平とかミアさんとか数少ない友達には、後で寮が変わりましたというお知らせだけはしておこう。
あと、お世話になってる椎苗さん辺りにも一報を入れておかなければ。この前逆にお世話した気がするけど。それはそれ。

蘇芳 那由他 > 「…この前、緋月さんや朔さんに話を聞いて僕の【試練】も大体分かったし…そっちも頑張らないと…。」

とはいえ、己を凡人と定義して『自信』も『強さ』も無い少年が、その二つで神器を認めさせる――
中々、というかかなりハードルが高そうだ。少なくとも一朝一夕でどうにかなるものではない。
地道に少しずつやっていくしかない。…あ、お勧めされた瞑想とかは今度やってみようかな…。

「…後は…取り敢えず荷物を整理して…それから夕飯を適当に食べに行こうか…いや、自炊の方が安上がりかな…。」

一応料理は出来る。後見人の人の指導で、一人暮らしに支障がない程度には。
あ、人に料理を出すのは恥ずかしいし自信が無いのでそこは回避しているけど。
ロビーのソファーの背凭れに深く凭れ掛かりつつ、軽く目を閉じて一息。
この1年近く、自分なりにまぁ何とかこの島でやってきたけど…今後どうなるか。