主に独身の教師や職員のために用意された職員寮。男性寮と女性寮がある。
職員は希望すればここに入居できる。
設備としては普通のマンションという感じであるが、食堂なども用意されている。
※フリー設定ルームとして設定しています。ロビー、部屋など、使用したい内部施設名と簡単な部屋説明を書いてご入室ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:08:05:42 更新
ご案内:「職員寮 第四アパート」から焔城鳴火さんが去りました。
ご案内:「職員寮 第四アパート」から黒羽 瑠音さんが去りました。
■黒羽 瑠音 >
「言わないでください、そんな事、寧ろ――」
首を振って、息を吐く。
「ありがとうございます、じゃあ… ちょっと早いクリスマス、一緒にしましょう?」
クリスマス当日、何て悠長なことはもう、言ってられないかもしれないから。
それでも、今此処で直ぐに、何てのは流石に心が追い付かなくって。
「―― じゃあ、はい、ちゃんと聞きます、ちゃんと教えてください
… 私、後で『こんなものあったっけ?』何ていいたくないですし」
そうして、そのまま私に渡されるであろうそれらに目を向ける。
気は、進まない、というか、心がどくんどくんと、早鐘を打っている。
聞きたい事は山ほどあるけれど、それは多分今じゃないから。
ため息を飲みこみながら、きゅ、と抱き着く力を少しだけ強くした。
■焔城鳴火 >
「悪いわね、こんな急な話で」
恨みごとの一つや二つ、覚悟していたのだが。
少女の取った行動は――。
「――いいわよ。
残りの時間、あんたにあげる」
少女の温かさに甘え――包まれながら、自分を抱く手に、手を重ねた。
■黒羽 瑠音 >
「―― 」
「そんな、もっと早く… 」
言ってくれれば、と口に出かけるが、知ったとして何が出来たのだろう。
それに、きっと先生も私に伝えるかどうか、悩んでいた… と思う。
今の雰囲気はそうは見えないけれど、こうしてどんどんと話を進めていく姿を見ると。
「―― 」
その後も、淡々と言葉は紡がれていく、見たかった試合映像に、先生の使っていたグローブ
… 形見分けだ、完全に。
すっ、と立ち上がり、淡々と話す先生の後ろに回る。
そのまま間髪入れずに、ぎゅ、と後ろから首に抱き着いた。
「… 先生」
「来週、一緒にお出かけに行きませんか?」
続く言葉、託されるもの、それらを頭の中に入れながら、対抗するように口から言葉を吐き出した。
■焔城鳴火 >
「――余命、半月」
少女の弱弱しい言葉に、酷く端的に答えた。
「年を越せるかどうかも分からない身の上なの。
ちょっと厄介な事情でね」
詳細は話さない――話せないが。
この二言だけで、少女には十分すぎるだろう。
「――これ、私の愛用してたグローブとプロテクターに、これまでの試合映像。
多分、公式非公式問わず、残ってる映像記録はこれで全部だと思う」
そう引っ張り寄せた段ボール箱には、使い込んだことのわかる装備に、記録メモリが数個。
そして、その箱の中には名義が少女の物になっている、電子カード――通暢が一つ。
「これはバイト代とでも思っといて。
あと、これまでお世話になったお礼ってとこ」
そう、勝手に次々と話しを進めていく。
まるで、こうすることを決めて、用意しておいたかのように。
■黒羽 瑠音 >
「それは… 秘密です」
しーっと口元に指を当てつつ、先生の言葉に苦笑する。
モテない、かぁ… うーん、好きな人は好きだと思うんだけど、何て事も言わないでおこう。
それに、性格については… いやいや、そんな事より。
「あの… ちょっ、先生?何を…
いやいや、いきなりそんな沢山言葉を投げかけられても、わかりませんから!?」
まるで譲渡の相談みたいだ、いや、部屋の事はまだいい、よくないけど。
「施設に維持費… ぜ、税理士… あの、それって私にするような話じゃないんじゃ…
そりゃ、先生の頼みなら… 私も子供ですけど… 小さい子は好きですし
って、だーかーらっ 先生!?まるでいなくなる、みたいな… 」
「…… いなくなる、んですか?」
こういう時に冗談を言う人じゃない、それは私がよくわかっていた。
だから、冗談ですよね、何て言えなくて、それでも口に出さずにはいられない。
「何で、こんな急に… 」
■焔城鳴火 >
「はは、そうそう、そんな感じ。
――って、あんた、メタラグでどんなプレイングしてんのよ」
くっく、と、懸命にゲームに向かってる少女を想像して笑った。
鳴火も人の事を言えない特効型のプレイングをしていたのは秘密だ。
「モテないわよ。
見てくれはボチボチだろうけど、この性格でモテるわけないでしょ」
苦笑しながら肩を竦める。
実際、どの交際経験も、鳴火から距離を詰めた物ばかりだ。
ほとんどの人間は、鳴火の人当たりの悪さに気圧されて近づいてこなかったのだ。
「ん、言葉通り。
この部屋も向こう五年分の家賃とクリーニング代は払ってあるし。
施設の方も、定期的に生活必需品が届くようにしてある。
維持費も私の口座から引き落とされるし、細かいところは税理士に全部委託してあるから」
少女の予感を否定する事もなく、淡々と言葉を続ける。
「この部屋は好きに使ってくれていいわ。
それこそお友達と遊ぶのにとか?
まあ、男を連れ込まれるのはちょっと癪だけど」
そんな冗談も、どこか寒々しく。
「施設の方は、時々、見に行ってガキ共が元気にしてるか見てやってくれると嬉しい。
教会は――まあ、ついでに換気くらいしてくれれば十分だから」
そう、勝手に話しを進めていく。
それはまさに、それこそ、別れ話を切り出すかのように。
■黒羽 瑠音 >
「… いや、ちょっと分からなくもない気はしますけど…
ぱーっと何かに詰め込むのって、ドキドキと一緒に変な高揚感がある、感じですよね?」
「メタラグをやってる時とかに偶に感じるやつ… 」
全てを出し切って、最高のタイミングで自爆する時とか、思わず口元がにやけたりする。
友達にはあんまり見せられない顔だ、今は見られる可能性もあるけど。
「そうなんですねぇ… 先生、結構モテたりしたんです?」
思わずほぇー、と声を漏らす、ちょっと聞いてみたい気がするけど… 。
直ぐに視線が別のものに移る、え… 今何て?
「あ、あの… 合鍵… は兎も角として
養護施設と、協会、って… ?」
思考が追い付かない、まるで、あなたに託す、と言わんばかりに渡される鍵。
先生を見て、鍵を見て、それを何度か繰り返す、多分目が白黒してるに違いない。
■焔城鳴火 >
「好きってわけじゃないけど、散財って気分がいいのよ。
だから、物を買うというより、お金を使うのが好きって感じかしら」
散財嗜好、ある種の破滅的嗜好でもあるが。
なんだかんだとお金に困らない生活をしているが故に、ひたすら悪化して来たのであった。
「なによ、男の一人くらい居たわよー。
ついでに言えば、元カノもいるわよ。
ま、私が惚れっぽい、ってものあるけど」
男女問わず。
惹かれてしまうと、なかなか歯止めが利かないのだ。
それこそ、今、目の前にいる少女に、もう誤魔化しきれない恋慕を抱いているように。
「――、そうねえ」
どうかしたか、と言われれば、どうにかしているんだろう、と思う。
「瑠音、これ」
かちゃん、と。
三つのアナログな鍵が着いた鍵束を少女の前に差し出した。
「これが、この部屋の鍵。
で、これが私が面倒見てる、養護施設の鍵。
こっちは、その隣の教会の鍵ね」
そう、少女の疑問には答えず、淡々と説明する。
表情は妙に穏やかで、どこか寂しそうでもあっただろう。
■黒羽 瑠音 >
「一時期そういうの流行りましたよねぇ… いや、友達とも使えますし
貰う分には使いますけど… 先生、結構買う事自体が好きだったりします?」
流石にちょっとくすくすと笑いが漏れてしまう、貰う分には嬉しいんだけど。
複数のシャワーヘッドやドライヤーに囲まれて首を傾げる先生が目に見えるようだった。
「元カレ … 元カレ!?先生、彼氏いたんですね… 」
聞いたことあったっけ、なかったっけ、多分無かったと思うんだけど… 。
何というか、意外だと思ってしまったけど、流石に口にはしません、はい
「―― 」
教えて貰った店を見る、確かにおいしそうで、最高の剣士、という肩書もちょっと気になる。
パティシエと剣士って、刃物を使うって事くらいしか共通点無いよね?
でも、でもでも… それ以上に気になったのは。
「先生… どうかしたんですか?」
何時もの先生なら、一緒に行ってみる?何て言ってくる気がする、それに何より
今日の一段と優しげな雰囲気と、何処か懐かし気に捨てるものを見やる姿が。
何だか、少し儚く見えて… つい、そんな事を聞いてしまった。
■焔城鳴火 >
「どんどん使っちゃって。
ああ、あと、入浴剤とか出て来たから、それもあげる。
泡が出るのとか、色が付くのとか、スライムみたいになるのとか」
実用品からジョークグッズまで。
無秩序に買うから荷物が増える増える。
『瑠音にあげる物』の箱には、未開封のお高いドライヤーや、シャワーヘッドなんてものまで。
だからシャワーヘッドばかり三つも四つもあってどうするんだこの鳥頭。
「んあー、ルートビアはまぁ、元カレが好きだったのよね。
だからたまに思い出して飲むんだけど――正直、不味いわ。
アレのなにがよかったのかしら」
ルートビアを箱で買うほど好きだった、ドレッドヘアの大男。
ちょっとした事故で死に別れてなかったら、今頃、結婚していたのかもしれないと、今でも思う日があった。
そんなときに、ふと飲みたくなるのだが、未だに飲み切れたことがない。
一緒にホンモノを食べに行きたいという無邪気な少女に、くすくすと笑って返す。
「なら、長期休みにでも、ここに行ってみなさい。
私の幼馴染が趣味でやってる、スイーツ専門店。
味覚は壊滅的だけど、私の知る限り、最高の剣士で、パティシエよ」
手帳をトントン、と操作して、少女の手帳に座標と連絡先を送る。
本土の静岡にある、大きな剣術道場。
その隣に併設されてる小さな店だった。
「正しくは、二年と少し、ね。
短いと言えば短かったけど。
長いと言えば――うん、ちょっと長すぎたかもしれないわね」
目を細めて、懐かしむように言う。
まるで、これで終わるかのような言い方だった。
■黒羽 瑠音 >
「えへへ、使うのが楽しみです」
使われずに捨てるよりは、みたいな感じで貰ったけど、正直かなり嬉しい。
今度之を持って友達と遊んでみようかな、と思う位には。
一応お洒落にはそこそこ興味があるんです、一応…
「いやいや、あれって一応ほんのちょっとアルコールも入ったりしてるらしいですし…
それに、この前出して貰った… ルートビア、でしたっけ?あれはちょっと何と言うか
保健室の匂いがして… 先生は好きなんですか?あぁいうの」
世の中には色んな味があるものだけれど、苦手なものはどうあっても苦手なのです。
住み分けって大事だよね、うん。
「そうでしょうか?本物かぁ… なら、それは先生と一緒に食べに行きたいですね!」
もきゅっ、と皿に一口、フォークを思わず空で遊ばせるようにしながら食べ進める。
途中でレモンジュースを挟んで口の中をリセットすると、またふわっとした味わいが新鮮に広がって。
「3年かぁ、先生が此処に赴任してから、って事何ですよね、今一長いかはわかりませんが… 」
ちらりと片付けたものを見る、あれがある意味先生の『歴史』と言えるものなんだよね。
私にはさっぱりわからないけれど、医療従事者の人達ならわかるものも結構あるのかなぁ?
ぱく、とまた一口 大きくカットされたチーズケーキは、之だけでお腹が一杯になりそうな幸せだ。
■焔城鳴火 >
「あー、いいのいいの、もう使わないし。
他にも気になるのあったら持ってっていいわよ」
化粧水にオールインワンのジェル、ハンドクリームからそこそこお高いトリートメントまで。
女子が欲しがりそうな物は、なんだかんだで揃っていた。
なお、どれも少しだけ使ったか、未使用、酷いのは未開封まである。
「いや、ノンアルはジュースでしょ。
それに、美味しいヤツ出してあげたのに飲まなかったじゃない」
チーズが大好きといって目を輝かせる様子に、くすくすと笑ってしまう。
しっかりしているように見えても、こういう子供らしいところは素直に愛らしい。
「どうぞ、口に合えばいいけど」
そう言って自分の分を食べる。
まあ、何とか及第点とは言えるだろう。
「――ぷっ。
ばかねえ、これくらいので感動してたらホンモノ食べた時に腰抜かすわよ?
でもまあ、ありがと」
テーブルに頬杖を突きながら、目を細めて楽しそうに笑う。
少女の嬉しそうな様子を見ていれば、気分も自然と軽くなる。
「ん~~、しっかしまあ、何とかなるもんね。
三年も居なかったのに、よくまあ、こんなに荷物が増えたもんだわ」
他人事のように、処分予定と纏められた不用品の山を眺める。
そのほとんどが、用途のわからないもの。
後は汚れた白衣や、私服の類だった。
■黒羽 瑠音 >
「ほんとですか~?何て、でも本当にいいんですか、之とかもらっちゃって」
もう捨てるから要らない、と言う事で幾つか貰ったりなんかもしちゃったり。
ちょっと大人っぽい化粧水とか、こっそり使ってみたかったものが中心だ
始めてきた時に比べると広々とした空間に、ちょっとだけ寂しさを感じていたりしつつ
換気の為に空けた窓からは、冷えた空気がすぅ と入り込んできた。
「大丈夫ですよ、流石にノンアルコールならジュースでしょ、とか言われると困っちゃいますけど
… わ!おいしそ~~ これ、先生が作ったんですか?私、チーズは大好きなので嬉しいです」
取り分けられたおっきなチーズケーキのひとかけら、思わず目を輝かせてしまう。
一口飲んでレモンジュースは、舌に爽やかな酸味を与えてくれて、お腹がくぅくぅ減ってきた。
「なら遠慮なく… いただきますっ♪」
手を合わせて改めて頂きます、口に含めば、チーズの香りが口から鼻に抜けて、笑みが零れた。
「おいし~~い!!」
うん、120点!