2024/07/07 のログ
ご案内:「浜辺 ー桟橋ー」にカロンさんが現れました。
カロン > 【渡し守】にとって、海や河川、そして流れのある場所は自然と馴染み深さを感じるもの。
人気の少ない時間帯――今は釣り人も誰一人居ないようで、影としては落ち着いて過ごせそうで好都合。
上空から音も無く、黒い櫂に横座りの姿勢で跨り舞い降りた黒衣の影。

「……こういう場所に来ると、矢張り落ち着きますね…。」

音も無く櫂から身軽に降りて着地しつつ、静かな独り言をぽつりと漏らす。
宙に浮かんだままの櫂を片手で掴み、そのまま右肩に担ぐようにして乗せながら桟橋の先端まで歩を進め。

(……この島の独自の空気や文化からして、魚介の生態系も独自のものが形成されていそうですね。)

桟橋の先端へと辿り着いた影は、海面を緩く覗き込むように…相変わらず、口元以外はよく見えない姿。

カロン > 当たり前だが、海面付近なら兎も角、水深が深い場所を泳ぎ回る魚たちの姿はここからは伺えない。
…ただ、微弱な生命エネルギーは沢山感じる。生態系はどうやら豊かそうだ。

(…時々、強力な生体エネルギーも感じますが…大型の魚類…でしょうか。)

それにしては、エネルギーが強すぎる気もするが…まぁ、深くは考えまい。
そのまま、桟橋に箸に腰を下ろして櫂は己の肩へと立てかけるようにしておく。

「…常世島の魚貝類は美味しいのでしょうかね…。」

【渡し守】にとって、本来人間で言う三大欲求を始めとした欲望は必要ないものだ。
それでも、完全に存在しないという事は無く、だからこそ食欲には少々目覚めている。

(…欲に支配されては半人前のまま…なんでしょうけどね。)

【渡し守】としては駄目かもしれないが、カロン個人としては成長しているとも言える。

カロン > 「…釣りをしてみるのも一興かもしれませんね。」

全身黒衣の櫂を担いだ不審者が一人釣りをしている光景…中々シュールだ。
むしろ、不審者そのものと言えようが、【渡し守】にとってはこれが普段の服装。

海面から空へと視線を向ける。…星空が中々に見応えがある。
【渡し守】が居た”場所”には星なんて存在しなかったから。

「……今日は【七夕】…と、言いましたか。」

こちらの伝承などには生憎と詳しくないが、その名称くらいは知っている。
己に願い事は何かあるだろうか……強いていうなら、魂が安らかに彼岸の向こうへと行けるように。
それ以外、これといって浮かばないのが己の希薄さを如実に示しているようだ。

カロン > やがて、ちょっとした小休止も済んだので再び櫂を空中に放り投げて。
ピタリ、と空中に留まった櫂へと軽やかに飛び乗れば、また空へと舞い上がり島の何処かへと飛び去って行くだろう。

ご案内:「浜辺 ー桟橋ー」からカロンさんが去りました。