2024/07/13 のログ
ご案内:「【期間限定】海水浴場」に先生 手紙さんが現れました。
先生 手紙 >  
梅雨明けたンすか!!!

海開きしたンすか!!!

ヤッター!!!

試験終わったンすか!!!

追試そんなにないンすか!!!

ヤッターーーー!!!

「…………ふう」

地の文とセリフに多大な祖語のある炎天下。青い空、白い雲、煌めく水面……海水浴場。男は入念な準備運動を、孤独に行っている。

水を掛け合うカップルは視界の端に。うんうんいいよ。青春を謳歌してくれたまえ。別に悔しくなンてないンだからね。

先生 手紙 >  
この後雨が降るかもしれない。天気のご機嫌はまだまだわからねえのである。

男には、まぁToDoリストがそれなりにあるのだが、諸々を処理していった結果、ふと半日分の「隙間」が出来た。部屋でダラけてもいいし、街に繰り出しても良かったし、案件を進めても良かったのだが……結果として、海に来ていた。単独行(ソロプレイ)である。

誰かを誘えば良かった?そうだね。

先生手紙は一般にチャラく、人当たりが良い印象を他人に与えるがその実――お友達、と呼べる存在は、あんまり思い浮かばないのであった。

でも構わないわ。お日様はこんなにまぶしいのだもの!(ミュージカル調)

海に来たら何をする?泳ぐ?日焼け?砂遊び?それともナンパ?

可愛い女の子とキャッキャウフフするのは男子である以上ダイスキなのだが、うっかり声をかけたら風紀委員でした、みたいな状況が多分に含まれるのがコイツの星の巡りである。

先生 手紙 >  
パラソルの下に、脱いだパーカーを畳んで置き、ざふざふと砂浜を駆けていく。軟らかくも熱された常世の浜の砂。波打ち際まで辿り着くと、それは次第に固く、冷たくなって。そんな些細なことで、足の裏と童心をくすぐられたりするのだ。

……引いた波が寄せ返り、踝までを一度に飲み込んでいく……

「おぉー……」

そして引いていく。

「……おぉー」

今日の先生手紙は子どもリティが高かった。自然現象である波の満ち引きでさえ、意味もなく楽しくなってしまう。

引いていく波を追いかける。次には小さな波となって、男は下半身をざっぱーん、と浸された。

先生 手紙 >  
「おっおっおっおっ!?」

引き波に、一気に身体を持ってかれる。気づけば水面をゆっくりと前後していた。

海水は浮力が真水よりも高い。脱力すれば、こうして半端に浮き上がっていられるわけだ。

「……そういや水泳の授業ってあったっけか……」

選択科目が膨大と言っても過言ではないこの学園の、体育の項目が気になり始める。泳げないことを笑うわけではないが、できないままは勿体ないと考えるのがこの男だ。そして学校というモノは、できるようになる、や興味の分野を広く『可能性』として提示、教示する場所であるべきだ――などと青春から遠のいた考えをしてしまっている。

……ああ。少し仕事をしすぎているか。もう少し頭を空っぽにして、この海を愉しんでいたいのだけれど。下げた精神年齢が、すっかり大人のソレへと戻ってしまっている。

もう一度バカになるには、何か巨大なインパクトが必要そうだ――

先生 手紙 >  
「……はァ」

視界には強烈な日光に白く煙る青い空。こちらの憂鬱など素知らぬ顔で、燦燦と輝いている。

ぱしゃり、と波が爆ぜて口に入った。

「……しょっぱいねェ、どうにも」

送られるように波打ち際へ。

――(はしゃ)ぐにはまだ余計な荷物を持っているぞ、と追い返された気分だった。

夏の満喫は、斯くも難しい。

ご案内:「【期間限定】海水浴場」から先生 手紙さんが去りました。